アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第5話

あれから毎日、束は幸太郎のお見舞いに行っていた。

そして既に、6日が過ぎていた。

 

束(もうすぐ、6時間目が終わる時間かな…。はぁ…、こんなにも授業中が長かったなんて、思いもしなかったな。)

 

 

1分1秒と時を刻む時計を見ながら、幸太郎に会える事を考え束はうっとりしていた。

それと同時に、ソワソワともしていた。

 

そんな束を、クラスの皆は不思議そうに、そして恐ろしそうにしていた。

 

いつもは、パソコンとにらめっこをしている束が、ここ最近は教室につくと、ずっと時計を見ているからである。

 

だが、誰も束に話しかける事はしない。

先生だって、気味悪がっているだけである。

 

束(けど、やっぱり退屈な所だなぁ。幸太郎がこないクラスなんて、本当に無意味ね。)

 

そう嘆く束だったが、幸太郎のお見舞いの条件として、毎日登校する事をマイルナと約束しているのだ。

 

幸太郎と会いたい束は、例え無意味な場所でも登校しなければならないのである。

 

そして6時間目の終了のチャイムがなり、簡単な帰りの会が終った後、束から離れたい一心で皆は足早に帰っていった。

 

束(人の顔色伺って、本当につまらないやつらだよ。言いたい事があるなら、直接言えば良いのに。)

 

なんて考えていると、教室の扉が開き千冬が入ってきた。

 

千冬「なんだお前。また時計ばっかり見てたのか?全く、少しは授業に参加したらどうだ?」

 

束「こんな簡単な勉強、わざわざ参加する必要も無いよ。それよりもちーちゃん、速くお見舞いに行くよ!」

 

今まで見た事の無い束の笑顔を見て、千冬は少し嬉しく思った。

 

千冬「その事なんだが、今日は外せない用事があって私と一夏は行けない。

すまないがお前と箒の二人で行ってくれ。」

 

束は残念に思ったが、幸太郎に会えるのは変わらないので二人で行く事にした。

 

~~~車の中~~~

 

マイルナ「毎日毎日、お見舞いに来てくれて本当にありがとうね。」

 

束「いえいえ!私が好きで行ってるだけですから!そんなお礼なんていらないですよ。」

 

箒「そうですよ。それに、毎日家で幸太郎さんの事を幸せそうに話す姉さんを見れて、私も嬉しいです。」

 

家での事をばらされて、束はあわてて箒の口を手でふさいだ。

 

束「ち、違うんですよ!別に、毎日してる訳じゃ//」

 

マイルナ「そんなに恥ずかしがる事は無いでしょ?誰かを好きになるって素敵な事だし、それが幸太郎だなんてね。

幸太郎は私にとって弟みたいなの、だからもし貴方が結婚したら、感覚としては私と姉妹になれるかな?」

 

束「義姉さんか…、なんか凄く良い響きだなぁ//」

 

箒「マイルナ義姉さん!こんなおっちょこちょいな姉ですが、これからも私共々よろしくお願いします!」

 

車内が凄くホッコリとした所、マイルナはある事を思い出した。

 

マイルナ「そうだった。束、研究所に行ったら驚く事があるわ。」

 

束「驚く事って何なの義姉さん?」

 

マイルナ「それはついてからのお楽しみよ。」

 

~~~研究所~~~

 

マイルナ達は、幸太郎の入院している部屋の前に到着した。

 

マイルナ「さぁ、ここを開ければ驚きのあまり言葉を失うわ。」

 

束「なんの事だかわからないけど、箒ちゃん入ろっか。」

 

扉を開け、中に入った束はマイルナの言った通り言葉を失った。

 

幸太郎「あっ束に箒、来てくれたんだ。」

 

なぜなら、幸太郎が目を覚ましていたからだ。




いきなり義姉さんって、気が早いですね。

皆様はどの様な授業態度でしたか?
私は基本寝てるか、窓の外を眺めてました。

それか、束と一緒で時計をじっと見てたりもしてましたね。

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