~~マイルナの部屋~~~
マイルナ「あぁぁぁぁぁ!!どうしよう、確実に幸太郎に嫌われちゃったわ!
これまで幸太郎の前では、優しいお姉ちゃんで過ごして来たのに!
うわぁぁぁぁん!!」
千冬「落ち着いて下さいマイルナさん!流石にあれは、仕方がないです!
それよりも、これで涙を拭いてください。」
そう言って千冬は、マイルナにハンカチを差し出した。
差し出されたハンカチでマイルナは、涙を拭った。
千冬(あのマイルナさんが、ここまで精神的に弱っているなんて、よほど幸太郎に見られていたのがショックなんだな。)
始めて見るマイルナの泣き顔、そして弱りきっている姿を、千冬は見ていられなかった。
千冬「そんなに、弱気にならないで下さい。幸太郎は、そんな事くらいでマイルナさんを嫌う人間じゃ無い事くらい、貴方ならよく知ってる筈です!
それに、貴方は私にとって憧れの人で…目指すべき目標なんです!」
マイルナ「私が目指すべき目標ですって…、だとしたらそれは今すぐ止めるべきよ。
私は、貴方が憧れる様な人間じゃ無いわ。弟に嫌われる、そんな程度の低い人間なのよ…。」
明らかに卑屈な物言いに、千冬は我慢が出来なくなった。
千冬「マイルナさん、それ以上言うと私が怒りますよ!貴方が何と言おうと、私の憧れはマイルナさんだけなんです!
貴方の凛としたその姿、何事にも動じない心の強さ、そして大切な弟の為に自分の全てを捧げるその優しさが、私の目標なんです!」
千冬の魂のこもった言葉に、マイルナは少し感化されていた。
マイルナ「そっか…、私の事をそんなにも評価してくれてたのね。なら、さっきみたいな卑屈な発言は謝るわ。
でも、貴方は既に立派な人よ?」
千冬「そんな事は無いです。私なんて、まだまだですよ…。一夏の為にと頑張って来たけど、いつもあいつに気苦労をかけてばかりで…、強いお姉ちゃんでいようと努力した結果、あいつが誘拐される原因になってしまった。」
マイルナ「なるほど、それが貴方の心のわだかまりなのね。私からすれば、気にしすぎだと思うけど…。貴方達は仲が良いから。
まぁ、周りから見れば私と幸太郎も同じ様に見えるのかしらね。」
すると、マイルナの部屋の扉がノックされた。
マイルナ「誰かしら?鍵は開いてるわ。入って来て。」
そこには、熱で顔を真っ赤にした幸太郎が立っていた。
マイルナ「こ、幸太郎何してるよ!薬は飲んだの!?それよりも、こんな所にいちゃだめよ!早く暖かい格好をして寝なきゃ!」
突然の幸太郎の訪問で、マイルナはてんてこ舞いになっていた。
幸太郎「そ、その…、俺…お姉ちゃんに謝りたくて。」
マイルナ「謝るって、何の事よ?」
幸太郎「さっきは、俺のために怒ってくれてたのに、俺ってお姉ちゃんの怒った顔初めて見て、ビックリしてお姉ちゃんから遠ざかっちゃった…、
本当にごめんなさい!」
涙を流しながら謝罪する幸太郎を、マイルナも泣きながら優しく頭を撫でた。
マイルナ「そんな事を謝るなんて、貴方は本当に優しい子ね。謝るのは、私の方よ。ごめんなさい、こんな姉で。」
そう言いながら、二人は抱き合った。
千冬「まったく…、人騒がせな姉弟だな。でも、仲直りして本当に良かった。」
無事に、仲直りしました!
良かった!やっぱり、幸太郎とマイルナは仲良くなければなりませんね!
でも、あのマイルナがなくなんて相当な事ですね。
流石最強のブラコン…。