アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第52話

~~マイルナの部屋~~~

 

マイルナ「あぁぁぁぁぁ!!どうしよう、確実に幸太郎に嫌われちゃったわ!

これまで幸太郎の前では、優しいお姉ちゃんで過ごして来たのに!

うわぁぁぁぁん!!」

 

千冬「落ち着いて下さいマイルナさん!流石にあれは、仕方がないです!

それよりも、これで涙を拭いてください。」

 

そう言って千冬は、マイルナにハンカチを差し出した。

差し出されたハンカチでマイルナは、涙を拭った。

 

千冬(あのマイルナさんが、ここまで精神的に弱っているなんて、よほど幸太郎に見られていたのがショックなんだな。)

 

始めて見るマイルナの泣き顔、そして弱りきっている姿を、千冬は見ていられなかった。

 

千冬「そんなに、弱気にならないで下さい。幸太郎は、そんな事くらいでマイルナさんを嫌う人間じゃ無い事くらい、貴方ならよく知ってる筈です!

それに、貴方は私にとって憧れの人で…目指すべき目標なんです!」

 

マイルナ「私が目指すべき目標ですって…、だとしたらそれは今すぐ止めるべきよ。

私は、貴方が憧れる様な人間じゃ無いわ。弟に嫌われる、そんな程度の低い人間なのよ…。」

 

明らかに卑屈な物言いに、千冬は我慢が出来なくなった。

 

千冬「マイルナさん、それ以上言うと私が怒りますよ!貴方が何と言おうと、私の憧れはマイルナさんだけなんです!

貴方の凛としたその姿、何事にも動じない心の強さ、そして大切な弟の為に自分の全てを捧げるその優しさが、私の目標なんです!」

 

千冬の魂のこもった言葉に、マイルナは少し感化されていた。

 

マイルナ「そっか…、私の事をそんなにも評価してくれてたのね。なら、さっきみたいな卑屈な発言は謝るわ。

でも、貴方は既に立派な人よ?」

 

千冬「そんな事は無いです。私なんて、まだまだですよ…。一夏の為にと頑張って来たけど、いつもあいつに気苦労をかけてばかりで…、強いお姉ちゃんでいようと努力した結果、あいつが誘拐される原因になってしまった。」

 

マイルナ「なるほど、それが貴方の心のわだかまりなのね。私からすれば、気にしすぎだと思うけど…。貴方達は仲が良いから。

まぁ、周りから見れば私と幸太郎も同じ様に見えるのかしらね。」

 

すると、マイルナの部屋の扉がノックされた。

 

マイルナ「誰かしら?鍵は開いてるわ。入って来て。」

 

そこには、熱で顔を真っ赤にした幸太郎が立っていた。

 

マイルナ「こ、幸太郎何してるよ!薬は飲んだの!?それよりも、こんな所にいちゃだめよ!早く暖かい格好をして寝なきゃ!」

 

突然の幸太郎の訪問で、マイルナはてんてこ舞いになっていた。

 

幸太郎「そ、その…、俺…お姉ちゃんに謝りたくて。」

 

マイルナ「謝るって、何の事よ?」

 

幸太郎「さっきは、俺のために怒ってくれてたのに、俺ってお姉ちゃんの怒った顔初めて見て、ビックリしてお姉ちゃんから遠ざかっちゃった…、

本当にごめんなさい!」

 

涙を流しながら謝罪する幸太郎を、マイルナも泣きながら優しく頭を撫でた。

 

マイルナ「そんな事を謝るなんて、貴方は本当に優しい子ね。謝るのは、私の方よ。ごめんなさい、こんな姉で。」

 

そう言いながら、二人は抱き合った。

 

千冬「まったく…、人騒がせな姉弟だな。でも、仲直りして本当に良かった。」




無事に、仲直りしました!
良かった!やっぱり、幸太郎とマイルナは仲良くなければなりませんね!

でも、あのマイルナがなくなんて相当な事ですね。
流石最強のブラコン…。

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