ラウラ「そう言えば、ルアネールが誰かはわかった。だが、そこのお前は誰なんだ?
さっきからマイルナさんと親しくしているが…。」
ルアネールとの握手が終わったラウラが、ふと思い出したかの様にアルベルトの方を向いて尋ねた。
アル「俺か?そうだったな、お前らの口喧嘩のせいで自己紹介が遅れてたな。
俺はアルベルト。まぁ、本名が知りたければマイルナにでも聞いてくれ。」
マイルナ「それじゃあ半分程度しか、自己紹介出来てないわよ?貴方が私とどんな関係かも、しっかり説明してよね。」
アル「相変わらず、お前は細かいな…。まぁそんな所も、愛してるんだがな。
俺とマイルナの関係は、普通の夫婦だ。そしてルアネールの兄だ。」
それを聞いた二人は、驚きを隠せないでいた。
その反応を見て、千冬はやはり最初は驚くんだなぁ…、と感心していた。
束「確かに義姉さんが結婚しているって、臨海学校の時に聞いたけど、まさかこんなイケメンだなんて!」
ラウラ「そうだな。まさかマイルナさんが、面食いだったなんてな。それも驚きだぞ!」
マイルナ「誰が面食いよ。私とアルの出会いは、貴方達と幸太郎の出会いみたいにドラマチックなのよ。
それに、顔なんかで選んでないわよ。」
そう言ってマイルナは、ラウラの頭を軽く小突いた。
ラウラ(ちょっと待てよ?マイルナさんの夫って事は、嫁の義兄さんになる…。)
束(と言うことは、義兄さんにアピールすれば他の奴よりも、一歩リード出来る!)
そんな少し邪な考えを、ルアネールは瞬時に見抜いた。
ルアネール「無駄ですよラウラ様、束様。お兄様はそんな事で人を判断しませんわ。
それに、真に攻略するべきはマイルナ様ですわ。」
アル「おっ?俺に幸太郎の嫁としてのアピールでも、考えてたのか?
確かに、ルネの言う通り俺にアピールしても無意味だぞ。」
アル「俺は幸太郎が選んだ相手なら、例え男でも犯罪者でも人外の存在だろうと義妹として歓迎するさ。
それが兄としての、覚悟と責任だと思うぜ?」
アルベルトの言葉に、ラウラと束、そして幸太郎がアルベルトの男気に感動していた。
千冬「そう言えば、アルさんはどうしてここに来たんですか?やっぱり、仕事ですか?」
アル「そうだな、今回来日したのは、ルネを連れてくるのと、仕事の商談だな。それに、何日かは滞在する予定だぜ。」
束「仕事って、義兄さんはどんな仕事をしているのですか?」
アル「そうだな…。正確にはもっと複雑だが、ISの整備や点検の会社の社長だな。」
束「男が社長のそんな会社あるなんて、IS開発者の私でも聞いた事ないわ。」
束がそう言うと、アルベルトは少し申し訳なさそうな顔をした。
アル「ま、まぁ元々は頼まれたら何でもする様な、会社だからな。」
さらにアルベルトは、自分の会社の事を詳しく話した。
アルベルトの会社は、世界中に支部を持つ世界でもトップに入る程の大きな会社で、その本社の社長をしてるとの事である。
ラウラ「だとすれば、嫁はいずれその会社を継ぐわけか。凄いな嫁よ!」
幸太郎「いや、俺はアル兄の後は継がないよ。俺は将来、医者になって俺みたいな病気の人が出来ない様にするんだ!」
幸太郎の言葉に、何故かマイルナは幸太郎を優しく抱き締めた。
アル「さてと…そろそろ時間だから行くわ。それじゃあ言ってくるよ。」
マイルナ「そう。まぁ、頑張ってね。」
マイルナが素っ気なく言うと、アルベルトは首をかしげた。
アル「おいおいマイルナ。何だよその素っ気ない態度は?俺がアメリカに渡る時は、泣きながら呼び止めてくれたのに…。」
アルベルトがそう言うと、マイルナは顔を紅くしてアルベルトの口をふさいだ。
マイルナ「ア、アル!こんな所で、そんな事言わないでよ//」
アル「そっか、恥ずかしかったんだな。やっぱり、お前は最高の女だな。それじゃあ改めて行ってくるよ。」
アルベルトはマイルナにキスをした。
マイルナ「も、もう!いきなり何するのよ!もう…、貴方のそんな所が私は嫌なのよ//
そういうのは、誰もいない所でしてよ…。」
あのマイルナの、乙女の顔に幸太郎とルアネール以外は、驚いていた。
そして、ブラコンだが夫の事も愛しているのがわかり、三人は安心した。
千冬(あのマイルナさんでも、ここまで乙女になるものなのか。結婚か…私もいずれ、マイルナさんみたいに一夏よりも、自分の全てを捧げられる人に会えるのだろうか…。)
千冬は、まだ見ぬ将来の旦那に想いをよせていた。
マイルナとアルベルトのラブラブっぷり。
まさにバカップルですね。
いくら最強のブラコンでも、旦那の事はしっかりと愛しているんですね。
マイルナの乙女の顔か…、見てみたいですね。