アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第62話

まだお昼を回っていない日曜日の11時45分、幸太郎達はIS学園近くの結婚式場に来ていた。

 

事の始まりは、一昨日までさかのぼる。

 

~~~一昨日~~~

 

アル「そう言えば幸太郎、明後日少しだけ時間あるか?」

 

この日の放課後、まだ生徒達が残る教室で、アルベルトは幸太郎に話しかけた。

 

幸太郎「別に…、特に忙しい事は無いけど?もしかして、仕事の手伝い?」

 

アル「そうなんだよ。すまんな、実は近くの式場で今度ウエディングドレスとタキシードの試着を兼ねた撮影があるんだ。

それに是非、参加してもらいたいんだ!」

 

そう言ってアルベルトは、幸太郎に頭を下げた。

 

幸太郎「タキシードか…かっこ良さそうだな。うん!わかったよ。

それに、アル兄の頼みだったら断れないしね。」

 

幸太郎の言葉に、ラウラと箒とセシリアの目付きが鋭くなった。

 

ラウラ「アルベルトさん!嫁が参加するのなら、この私が参加するのは当たり前の事ですよね!」

 

セシリア「幸太郎さん一人だと、モデルとして寂しいですよね?でしたら、私と一夏さんも参加いたしますよ?」

 

箒「セシリアのいう通りだ!それに、義兄さんが参加するって事は、姉も参加する。

つまり、私はストッパーとしても一夏と参加すべきですよね!?」

 

三人の圧倒的な威圧感と圧力に、アルベルトは少し圧されていた。

 

アル「あ…あぁ、別に参加しても良いが…。その…何て言うか…、お前ら怖いよ。」

 

一夏「ちょっと待ってください!俺も、強制的に参加なんですか!」

 

反対しようとしたが、セシリアと箒に睨まれ、承諾するしか無かった。

 

~~~式場~~~

 

こうして、幸太郎ご一考は式場に到着したのだった。

 

支配人「遠路はるばるお疲れ様です社長。ではでは、立ち話もなんですので、こちらに。」

 

アル「わかった。お前ら、俺は少しだけ仕事の話をしてくる。それまでマイルナ、こいつらを頼んだぞ?」

 

そして、アルベルトは席を外した。

 

マイルナ「さて、私の許可無しで幸太郎とウエディングツーショットを撮ろうと考えてる人は、誰かな?」

 

マイルナの、優しくそしてドスの聞いた口調にラウラと束とリアネールは顔色が青くなった。

 

マイルナ「まったく、まだ結婚前だってのに幸太郎に、こんな仕事を頼むなんて、あの人は相変わらずわからないわ。」

 

千冬「そうですかね?でも、マイルナさんのお気持ち、痛いほどわかります…。」

 

そう言って千冬は、セシリアと箒を見た。

 

セシリアと箒も、ラウラ達と同じ様になっていた。

 

千冬「でも、いずれ大切な弟も仕事では無くて、本気の結婚をして、私達の下を去っていくんですよね。」

 

マイルナ「そうよね…。それって、とても嬉しい事でもあるけど、それ以上に寂しい気持ちの方が大きいわね。」

 

同じブラコンの二人は、ブラコンならではの悩みを共感しあっていた。

 

アル「すまん、話はやっと終わったぜ。お前ら、これから撮影の前に支配人のご厚意で、結婚式で振る舞われる料理を食わせてもらえる。」

 

一夏「そうですか。良かった、俺朝からなんも食べてなくて、腹ペコなんですよ。」

 

すると、この仕事をすると決まってからずっと疑問だった事を、幸太郎は口にした。

 

幸太郎「そう言えばアル兄、何でわざわざ俺達に頼んだの?

試着と撮影だったら、お姉ちゃんとアル兄で済ませれば良かったのに。」

 

マイルナ「それもそうよね?私達、結婚式はまだあげてないから、私もウエディングドレスには憧れてるのよ?」

 

すると、アルベルトは恥ずかしそうにした。

 

アル「まぁ…な。実はよ、最初はウエディングドレスだけの試着で、マイルナにって依頼だったんだよ。

しかも、用意出来るタキシードのサイズじゃ、俺には合わなくて無理なんだ。」

 

アル「でよ…、いくら仕事とはいえ、俺以外の男にお前の横を…、しかもウエディングドレスでの横なんて、絶対に渡したくなくてよ//」

 

照れながら話すアルベルトに、マイルナはキュンキユンしていた。

 

マイルナ「アル//もう、皆の前で照れるじゃない//私だって、貴方以外の人の隣は嫌よ//」

 

セシリア「本当に、あれがあのマイルナさんだとは思えませんね…。」

 

一夏「そうだよな。あまりにもギャップが激しすぎて、ついてけねぇぜ。」

 

すると、千冬が一夏の背中を押した。

 

千冬「私達は、早く料理を頂きに行くぞ。」

 

二人の邪魔をしないように、千冬達は先に移動をした。




ラブラブ過ぎですねこれ。

仲良すぎを通り越して、凄すぎです。
なんだか最近、この乙女マイルナがお気に入り過ぎて、乙女マイルナが主役の話が頭に浮かんでいますね。

それほどに、私の中で最高のキャラになってます。

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