アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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今回の話は、セリフ多目です。

そして軽いアンチ…と言うよりは、賛否が別れるかもしれません。
ご了承ください。


第63話

食事が終わり、幸太郎達は撮影の時間までゆったりしていた。

 

すると、アルベルトの携帯に一件の着信が入った。

 

アル「なんだよ、非通知か…。非通知は嫌いなんだけどな。」

 

そう言ってアルベルトは、携帯に出た。

 

アル「はい、もしもし…あぁ誰かと思ったら、亡国機業のスコールか。

いつも、ご贔屓にありがとうございます。」

 

アルベルトが発した名前に、千冬と束は驚き、その場から立ち上がった。

 

だが、そんな二人をマイルナが座らせた。

 

アル「電話だと履歴で足がつくから嫌だって…だから非通知か。

で、わざわざ電話してなんだ?久しぶりの挨拶って訳じゃ無いだろ?」

 

アル「あぁ、知ってるよ。確か、イギリスの大富豪だろ?仕事柄、何度か面識はあるよ。

息子?あぁ見た事あるぞ?それが…成る程、誘拐…いやお前達風に言えば、拉致か。」

 

アルが言葉を発する毎に、一夏達の表情は暗く、険しい顔になっていた。

詳しい話はわからないが、良からぬ話という事だけは理解できるからである。

 

アル「で、依頼金と締め切りは?ふぅ~ん…20億と一週間か。えらく積んだな。

一週間か…今は別の仕事が入ってるから間に合うかわからんが。」

 

アル「良し!契約成立だな。任しとけって、あんたら組織と、俺との仲じゃねぇかよ。

あぁ、あぁ。それじゃあ良い報告が出来る様に頑張るよ。」

 

そう言ってアルベルトは、電話を切った。

 

千冬「ア…、アルベルトさん…、その、電話の相手って…。」

 

千冬が恐る恐る聞くと、アルベルトは普通に答えた。

 

アル「そうだよ、あの亡国機業だぞ?あぁそっか、一夏を誘拐したんだったな。 

昔の仕事で、あんまり覚えて無かったよ。」

 

アルベルトが答えると、千冬はアルベルトの胸ぐらを掴んだ。

 

千冬「その言い種は、一夏が誘拐されたのはお前も絡んでるって事なんだな!

くっ!お前のせいで…、お前達のせいで!」

 

そう言って千冬は、アルベルトを殴ろうとした。

一夏が急いで止めようとしたが、間に合わずにその拳は、アルベルトの右頬をとらえた。

 

アル「お前の言う通りだ。俺達が、一夏の情報をあいつらに売った。

それは紛れもない事実だ…だがな。」

 

千冬「うるさい!この人でなしのクズ野郎!」

 

そしてもう一発殴ろうとしたその瞬間、千冬は地面に転かされていた。

 

アル「ふぅ…、そう熱くなるなよ。」

 

そう言って、アルベルトは席に座った。

 

一夏「アルベルトさん、俺が誘拐されたのは貴方のせいって事はわかりました。

それにさっきの電話の内容…。

どうしてそんな事をするんですか!」

 

アル「理由か?簡単だよ。それが、俺の会社の仕事だからだ。

金を貰えば、支援活動もするし盗みもする。最悪、戦争の手伝いもする。」

 

一夏「そんな…、そんな理由で…。」

 

アル「お前に何がわかるんだ!束さえ知らん裏社会を知らないお前に、俺達の事をとやかく言われる筋合いはない。」

 

これまでの、優しくて頼れる兄貴分だったアルベルトとは違い、まさに仕事人の顔になっていた。

 

束「義兄さん…、あの噂って本当だったんですね。」

 

アル「良い機会だ。お前らに、教えてやる。」

 

アル「俺達の仕事は教えただろ?だが、これが民間企業レベルなら問題ない。

だが、俺達はISが出来る前から世界シェアの企業なんだ。」

 

アル「ある国は、他国の情報を求める為に自国を俺達に売った。

またある国は、戦争をしたいが為に俺達に金を払う。

こうして、世界中と太く…複雑なパイプで結ばれているんだ。」

 

アル「だが、その国のなかにはその関係を壊したい国もある。しかも、俺達は世界中の国々の裏の情報を握っている。

それは、良く言えば抑止力だ。だがな、俺達の情報や全てが、どこかの国に渡れば、それこそ戦争になるかもしれん。」

 

アル「だから俺達は、仕事をするんだ。少しでも関係が拗れると、そこからなし崩しに関係も崩れかねん。

俺達が今の状態を維持するには、こうするしかないんだ。」




もしかしたら、今回の話でアルベルトは物凄い悪人と思うかもしれません。

それに、ストーリーが気に入らない人もいるかもしれません。
ですが、こんな所も含めて、私の作品です。

認めてとは言いません。ですが、それだけはわかって下さい。

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