そして軽いアンチ…と言うよりは、賛否が別れるかもしれません。
ご了承ください。
食事が終わり、幸太郎達は撮影の時間までゆったりしていた。
すると、アルベルトの携帯に一件の着信が入った。
アル「なんだよ、非通知か…。非通知は嫌いなんだけどな。」
そう言ってアルベルトは、携帯に出た。
アル「はい、もしもし…あぁ誰かと思ったら、亡国機業のスコールか。
いつも、ご贔屓にありがとうございます。」
アルベルトが発した名前に、千冬と束は驚き、その場から立ち上がった。
だが、そんな二人をマイルナが座らせた。
アル「電話だと履歴で足がつくから嫌だって…だから非通知か。
で、わざわざ電話してなんだ?久しぶりの挨拶って訳じゃ無いだろ?」
アル「あぁ、知ってるよ。確か、イギリスの大富豪だろ?仕事柄、何度か面識はあるよ。
息子?あぁ見た事あるぞ?それが…成る程、誘拐…いやお前達風に言えば、拉致か。」
アルが言葉を発する毎に、一夏達の表情は暗く、険しい顔になっていた。
詳しい話はわからないが、良からぬ話という事だけは理解できるからである。
アル「で、依頼金と締め切りは?ふぅ~ん…20億と一週間か。えらく積んだな。
一週間か…今は別の仕事が入ってるから間に合うかわからんが。」
アル「良し!契約成立だな。任しとけって、あんたら組織と、俺との仲じゃねぇかよ。
あぁ、あぁ。それじゃあ良い報告が出来る様に頑張るよ。」
そう言ってアルベルトは、電話を切った。
千冬「ア…、アルベルトさん…、その、電話の相手って…。」
千冬が恐る恐る聞くと、アルベルトは普通に答えた。
アル「そうだよ、あの亡国機業だぞ?あぁそっか、一夏を誘拐したんだったな。
昔の仕事で、あんまり覚えて無かったよ。」
アルベルトが答えると、千冬はアルベルトの胸ぐらを掴んだ。
千冬「その言い種は、一夏が誘拐されたのはお前も絡んでるって事なんだな!
くっ!お前のせいで…、お前達のせいで!」
そう言って千冬は、アルベルトを殴ろうとした。
一夏が急いで止めようとしたが、間に合わずにその拳は、アルベルトの右頬をとらえた。
アル「お前の言う通りだ。俺達が、一夏の情報をあいつらに売った。
それは紛れもない事実だ…だがな。」
千冬「うるさい!この人でなしのクズ野郎!」
そしてもう一発殴ろうとしたその瞬間、千冬は地面に転かされていた。
アル「ふぅ…、そう熱くなるなよ。」
そう言って、アルベルトは席に座った。
一夏「アルベルトさん、俺が誘拐されたのは貴方のせいって事はわかりました。
それにさっきの電話の内容…。
どうしてそんな事をするんですか!」
アル「理由か?簡単だよ。それが、俺の会社の仕事だからだ。
金を貰えば、支援活動もするし盗みもする。最悪、戦争の手伝いもする。」
一夏「そんな…、そんな理由で…。」
アル「お前に何がわかるんだ!束さえ知らん裏社会を知らないお前に、俺達の事をとやかく言われる筋合いはない。」
これまでの、優しくて頼れる兄貴分だったアルベルトとは違い、まさに仕事人の顔になっていた。
束「義兄さん…、あの噂って本当だったんですね。」
アル「良い機会だ。お前らに、教えてやる。」
アル「俺達の仕事は教えただろ?だが、これが民間企業レベルなら問題ない。
だが、俺達はISが出来る前から世界シェアの企業なんだ。」
アル「ある国は、他国の情報を求める為に自国を俺達に売った。
またある国は、戦争をしたいが為に俺達に金を払う。
こうして、世界中と太く…複雑なパイプで結ばれているんだ。」
アル「だが、その国のなかにはその関係を壊したい国もある。しかも、俺達は世界中の国々の裏の情報を握っている。
それは、良く言えば抑止力だ。だがな、俺達の情報や全てが、どこかの国に渡れば、それこそ戦争になるかもしれん。」
アル「だから俺達は、仕事をするんだ。少しでも関係が拗れると、そこからなし崩しに関係も崩れかねん。
俺達が今の状態を維持するには、こうするしかないんだ。」
もしかしたら、今回の話でアルベルトは物凄い悪人と思うかもしれません。
それに、ストーリーが気に入らない人もいるかもしれません。
ですが、こんな所も含めて、私の作品です。
認めてとは言いません。ですが、それだけはわかって下さい。