幸太郎「大和、ほらお手。凄い!見てよアル兄、大和はお手も出来るんだよ!」
アル「わかったわかった。お手もお座りも出来るんだろ?もう三回目だぞ。」
幸太郎は、まるで恋人が初めて出来た様なハシャギ方をしていた。
そんな幸太郎と大和の事を、マイルナと束はじっと見ていた。
マイルナ「くっ!最近幸太郎と知り合った癖に、あんなにも幸太郎と触れ合ってるなんて!」
束「そうですよ!でも…、あんなに輝いてる幸太郎の嬉しそうな笑顔を見ると、やはり私達は無力なんですね!」
束の言葉に、マイルナと束は拳を握り締めて悔しがっていた。
千冬「そんなに深く気にする事は無いですよ。たかが、幸太郎と犬が仲良く遊んでるだけじゃ無いですか?
初めてペットを飼った時は、あれほど気分が上がるものですよ。」
マイルナ「何をバカな事を言い出すのよ千冬…。」
そう言ってマイルナは、千冬の肩に手を置いた。
その手は、物凄い力で千冬の肩を握っていた。
マイルナ「私が重要視してるのは、大和がメス犬って事なのよ!世の中には、動物しか愛せない性癖の人もいる。動物を可愛がり過ぎて、人間に興味が無くなった人もいるわ。」
マイルナ「もし幸太郎がそんな人間になったら、どう責任をとってくれるのよ!」
マイルナの行き過ぎた考えに、束と千冬は少し引いていた。
束「さすがに私はそこまで考えて無いけど、自分の愛する人が、他の事に気をとられ、しかも笑顔になってるのは、嫉妬するよ!」
アル「束のその考え、良くわかるわ。てか、実際に俺はよく受けてるわ。」
束にさんどうしたアルベルトは、深く頷いていた。
千冬と束は、一瞬何を言ってるのかわからなかったが、超ブラコンのマイルナを思い出し、納得した。
マイルナ「何よアル?もしかして、幸太郎の事を言ってるのかしら?
でもしょうがないでしょ?幸太郎は私にとって、大事な弟なのよ?」
千冬「アルベルトさんも、案外恋愛面で苦労してるんですね…。」
千冬はため息を吐きながら、呟いた。
アル「口ではあぁ言ってるがよ、マイルナは俺の事を愛してるからよ、別に何とも思ってねぇさ。
それに、弟想いな所も俺がマイルナを愛してる理由の一つなんだしな。」
アルベルトがそう言うと、マイルナの顔は物凄く真っ赤になっていた。
そして、何か言おうとしていたが、恥ずかしさのあまり口が上手くまわらなかった。
アル「な?こうゆう、初な所も可愛いだろ?俺の自慢の嫁さんだ。
誰にもやらねぇからな?」
マイルナ「もう!いきなり、何おかしな事を言い出すのよ//」
アル「なんだよマイルナ。嫌だったのか?それとも、俺の事は愛して無いのか?」
マイルナ「そんな事無いでしょ//嬉しいわよ//それに、貴方の事を愛してるに決まってるでしょ//」
そう言ってマイルナは、恥ずかしそうにアルベルトに抱き付いた。
幸太郎「ねぇ皆。もう疲れたから、学園に帰ろうよ?」
幸太郎が近づいてくると、慌ててマイルナはアルベルトから離れた。
その時のマイルナの顔は、もの足りなさそうな顔をしていた。
アル「すまねぇな幸太郎。さて、俺達も用事はすんだし、さっさと帰ろうぜ。」
アルベルトの合図で、幸太郎達はゆっくりと帰路についた。
アル「おいマイルナ。そんな顔すんなよ。続きは、帰ってからな?」
マイルナ「もう!別にそんなんじゃ無いわよ!」
マイルナ「その//絶対だからね//今までよりも、甘えちゃうわよ?」
アル「おう!気にせずどんどん甘えてこい。」
アルベルトの答えに、マイルナは満面の笑みを浮かべた。
そんなマイルナを見て、千冬と束はアルベルトの言っていた、マイルナの可愛さが良くわかったのだった。
ヤバイ!凄くマイルナは可愛い!
マイルナの可愛さと、アルベルトの男前さが、まさに最高の夫婦ですね。
マイルナみたいな人が現実にいたら、ギャップ萌えとか言うやつで、皆をイチコロにするかもですね。
私はされる自信しかないです!