アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第7話

~~~休憩室~~~

 

マイルナ「二人とも疲れたでしょ?ほら、この麦茶でも飲んで。」

 

幸太郎「ありがとうマイルナさん。久しぶりの散歩だったから、喉がカラカラだよ。」

 

そう言って幸太郎は、マイルナから麦茶を受け取り、飲んだ。

 

幸太郎に続いて、束も麦茶で喉を潤した。

 

マイルナ「そう言えば貴方達は、来年で中学生ね。なにか夢でもあるの?」

 

マイルナからの突然の質問に、幸太郎は腕を組ながら考えていた。

 

マイルナ「まぁ、束の夢は幸太郎のお嫁さんだと思うけど、出来ればそれ以外で頼むわ。」

 

マイルナは、幸太郎に聞こえない様な小さい声で、束にそう耳打ちをした。

 

束「な//何を言うんですか義姉さん//確かに…、幸太郎のお嫁さんになれたらなぁ…って、願ってますけど、他にもありますよ//」

 

箒「もう姉さん、恥ずかしがりすぎ。顔が真っ赤ですよ。」

 

マイルナ「フフッ、青い春ね。それで束、ほかの夢って何なの?」

 

マイルナがそう聞くと、束は一つの資料を取り出した。

 

その資料には、沢山の計算式や機械の設計図などがビッシリと書かれていた。

 

マイルナ「あら、随分と難しそうな資料ね。どれどれ…、来年中学生の子供が、こんな難しい考えが出来るなんて、末恐ろしいわね。」

 

束「これは、私が開発中の宇宙空間で使うマルチフォーム・スーツ《インフィニット・ストラトス》の設計図です。

これを作って、宇宙をもっと身近な存在にしたいんです。」

 

マイルナ「宇宙空間か、なるほど。それは素晴らしい夢だわ。」

 

幸太郎「そうだよ!やっぱり束は凄いな。俺には、宇宙なんて壮大すぎてわかんないよ。」

 

初めて千冬以外の人間に、肯定されたので束は恥ずかしくもあり、誇らしかった。

 

幸太郎「じゃあ次は箒の番だよ。」

 

箒「夢って聞かれても、今はパッと出てこないけど、出来ることなら人の役に立てる様に、特にその…い、一夏の役に立ちたいな//」

 

束「そっか、箒ちゃんはいっくんの事が大好きだったね。いっくんの役にか、以外と箒ちゃんも乙女だねぇ。」

 

箒「べ、別に一夏の事なんか!な、なんとも想って無いんだから//」

 

これまでの仕返しか、束はニヤニヤと箒を見ていた。

 

箒「そんな事より、次は義姉さんの番ですよ?」

 

マイルナ「私の夢か。私は貴方達みたいな、大きな志しは無いけど、強いて言うなら幸太郎の病気を完全に治す事かしら?

それが、先代の所長の夢でもあるからね。」

 

そう言ってマイルナは、幸太郎の頭を撫でた。

 

束「義姉さん…、それは私も願ってる事です。もし私が力を貸せる事があるなら、是非教えてください!」

 

マイルナ「ありがとう束。今はその想いだけで嬉しいわ。

じゃあ次は幸太郎の番よ?幸太郎は何か夢はあるかしら?」

 

幸太郎「夢か…、夢ね…。」

 

幸太郎は、自分の夢についてじっくりと考えてみた。

 

幸太郎「これは、夢じゃ無いかも知れないけど、俺は大好きな皆とこれからも仲良く過ごしたい。

例え病気が治らなくても、最後まで皆と楽しく笑っていたいんだ。」

 

幸太郎の想いに、マイルナ達は目頭が熱くなっていた。

 

マイルナ「幸太郎、それは夢じゃ無いわ。」

 

箒「そうですよ!だって、今だって楽しく過ごしているわ!」

 

束「それに、貴方が病気だろうと関係ない。私達も貴方が大好きです。

だから、いつまでも仲良く過ごせるわ。」

 

三人の言葉を聞いて、幸太郎は安心した。

 

幸太郎「そっか、じゃあ俺の夢は無いね。やっぱり、大切な人達って良いね。

これからもずっと、よろしくね!」

 

幸太郎が差し出した手を、三人は優しく握った。




なんだか、心暖まるお話ですね。

いや、やっぱり良いですね友情と愛情は。

次回からは、少し話が飛んで一夏達がIS学園に入学後になります。
ご了承下さい。

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