一夏「幸太郎さんのお父さんですか!?お父さんに聞くなんて、何だか気が退けると言うか…。」
アル「そう思うなら、最初から聞いてくるなよ。まぁ、あの人の事だから言うんじゃないか?
それに、もう15年になるしな。」
アルベルトは、その出来事を思い返していた。
そしてマイルナは、怒りと憎しみが溢れだしていた。
アル「さて、データの更新に少し時間がかかりそうだし、もうそろそろ来る筈だから、移動するか。」
マイルナ「貴方達、絶対に失礼な態度はとらないで、粗相の無い様にしてね。」
こうしてアルベルト達は、部屋を出ていった。
そして、アルベルトとマイルナの部屋に来ていた。
マイルナ「お茶請けの準備はバッチリね。それに、掃除も完璧。
身だしなみも、おかしな所は何一つ無いわ。」
鏡を見ながら、髪を整えているマイルナを見て、束達は幸太郎の父親がどんな人なのか気になって仕方がなかった。
束「そう言えばリネ、貴女は義父様に会った事はあるの?」
リネ「いえ、まだお会いした事はありません。ですので、今はドキドキしております。」
ラウラ「それよりも束、義父様だなんて気が早すぎるんじゃない?
まだ嫁の父上の顔を知らないくせに。」
束「私と幸太郎の仲は、義姉さんと義兄さんにも認められてるんだよ?
それなら、私が義父様と呼ぶのも当たり前でしょ?」
束の言葉に、ラウラが反応しようとした瞬間、マイルナが止めた。
マイルナ「貴方達、騒ぐんだったら外でして!ついさっき、粗相の無い様にって言ったでしょ!」
マイルナがそう言った時、マイルナの携帯がなった。
マイルナ「到着したようね。アル、私はご案内するから、ちょっと席を外すわ。」
アル「あ、あぁ、気をつけて行けよ。」
こうしてマイルナは、到着した幸太郎の父親を迎えに行った。
待たされているアルベルトは、貧乏ゆすりやため息、辺りをキョロキョロと見回して、落ち着きがなかった。
そんなアルベルトの姿に、一夏は驚きと同時に、あのアルベルトをここまでする人物に、興味が湧いていた。
そして数分後、部屋のドアが開くのと同じタイミングで、アルベルトは席を立った。
アル「お久し振りです。本来なら、こちらからご挨拶に伺わなければならない所を、わざわざお越しくださいまして…。」
「アルくん、前から言っているけど、そんなに畏まらなくても良いんだよ。私は、そんなに大した人間じゃないんだから。」
アル「そんな事ございません!松陽さんに何度助けられた事か。」
「全く…、マイルナちゃんもそうだけど、君達は頑固な所があるね。
まぁ、それを含めてしっかりとした人間だから、幸太郎を任せられるんだけどね。」
「えっと、この子達が今の幸太郎と親しくしてくれてる子達だね?」
マイルナ「はい。その通りでございます。」
そう言って父親は、千冬達の方を向いた。
「挨拶が遅れたね。既に二人から聞いてるかもしれないけど、私は幸太郎の父、寿 松陽(ことぶき しょうよう)と言う者です。
以後、お見知りおきを。」
ニッコリと笑った松陽の顔や暖かさは、まさに幸太郎の父親といえる程、幸太郎とそっくりだった。
幸太郎の父親、松陽さんの登場です!
アルとマイルナが、ここまでなるなんて、松陽さんはどんな人なんでしょうかね?
まだまだ、謎だらけです。