アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第72話

一夏「幸太郎さんのお父さんですか!?お父さんに聞くなんて、何だか気が退けると言うか…。」

 

アル「そう思うなら、最初から聞いてくるなよ。まぁ、あの人の事だから言うんじゃないか?

それに、もう15年になるしな。」

 

アルベルトは、その出来事を思い返していた。

そしてマイルナは、怒りと憎しみが溢れだしていた。

 

アル「さて、データの更新に少し時間がかかりそうだし、もうそろそろ来る筈だから、移動するか。」

 

マイルナ「貴方達、絶対に失礼な態度はとらないで、粗相の無い様にしてね。」

 

こうしてアルベルト達は、部屋を出ていった。

そして、アルベルトとマイルナの部屋に来ていた。

 

マイルナ「お茶請けの準備はバッチリね。それに、掃除も完璧。

身だしなみも、おかしな所は何一つ無いわ。」

 

鏡を見ながら、髪を整えているマイルナを見て、束達は幸太郎の父親がどんな人なのか気になって仕方がなかった。

 

束「そう言えばリネ、貴女は義父様に会った事はあるの?」

 

リネ「いえ、まだお会いした事はありません。ですので、今はドキドキしております。」

 

ラウラ「それよりも束、義父様だなんて気が早すぎるんじゃない?

まだ嫁の父上の顔を知らないくせに。」

 

束「私と幸太郎の仲は、義姉さんと義兄さんにも認められてるんだよ?

それなら、私が義父様と呼ぶのも当たり前でしょ?」

 

束の言葉に、ラウラが反応しようとした瞬間、マイルナが止めた。

 

マイルナ「貴方達、騒ぐんだったら外でして!ついさっき、粗相の無い様にって言ったでしょ!」

 

マイルナがそう言った時、マイルナの携帯がなった。

 

マイルナ「到着したようね。アル、私はご案内するから、ちょっと席を外すわ。」

 

アル「あ、あぁ、気をつけて行けよ。」

 

こうしてマイルナは、到着した幸太郎の父親を迎えに行った。

 

待たされているアルベルトは、貧乏ゆすりやため息、辺りをキョロキョロと見回して、落ち着きがなかった。

 

そんなアルベルトの姿に、一夏は驚きと同時に、あのアルベルトをここまでする人物に、興味が湧いていた。

 

そして数分後、部屋のドアが開くのと同じタイミングで、アルベルトは席を立った。

 

アル「お久し振りです。本来なら、こちらからご挨拶に伺わなければならない所を、わざわざお越しくださいまして…。」

 

「アルくん、前から言っているけど、そんなに畏まらなくても良いんだよ。私は、そんなに大した人間じゃないんだから。」

 

アル「そんな事ございません!松陽さんに何度助けられた事か。」

 

「全く…、マイルナちゃんもそうだけど、君達は頑固な所があるね。

まぁ、それを含めてしっかりとした人間だから、幸太郎を任せられるんだけどね。」

 

「えっと、この子達が今の幸太郎と親しくしてくれてる子達だね?」

 

マイルナ「はい。その通りでございます。」

 

そう言って父親は、千冬達の方を向いた。

 

「挨拶が遅れたね。既に二人から聞いてるかもしれないけど、私は幸太郎の父、寿 松陽(ことぶき しょうよう)と言う者です。

以後、お見知りおきを。」

 

ニッコリと笑った松陽の顔や暖かさは、まさに幸太郎の父親といえる程、幸太郎とそっくりだった。




幸太郎の父親、松陽さんの登場です!
アルとマイルナが、ここまでなるなんて、松陽さんはどんな人なんでしょうかね?

まだまだ、謎だらけです。

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