アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

8 / 143
第8話

千冬「はぁ、新しい用務員ですか?」

 

学園長「その通りなんだよ。なんでも、君のクラスに一言挨拶がしたいと、申し出があってね。」

 

1組のクラス代表戦の次の日、千冬は職員室で学園長に話しかけられた。

 

なんでも、今日から新しく用務員が入ってくるらしい。

 

千冬「それで、その用務員の名前や写真は無いんですか?」

 

学園長「すまない。相手側からは、何も情報提供が無かったんだ。

だがその代わり、電話の相手は君の知り合いだと言っていたぞ?」

 

学園長がそう言うが、千冬には心当たりが全く無かった。

 

それどころか、自分の知り合いを装い近づいてくる、面倒なファンの仕業とも考えていた。

 

千冬「わかりました。例え相手が誰であろうとも、関係ありません。」

 

そう言って千冬は、職員室から出ていった。

 

~~~1組の教室~~~

 

千冬「本日から、新しい用務員が入ったらしい。そして、どうやらこのクラスに挨拶があるとの事だ。

だから、心しておくように。」

 

一夏「でも千冬姉、その用務員の人はどこにいるんだよ?」

 

千冬「先生と呼べ。なんども言わせるな。」

 

そう言った千冬だが、自分も時計を確認した。

もうすでに、朝のHRも終わり、一限目が始まろうとしている時間だからだ。

 

それなのに、未だにその用務員は姿を現さなかった。

 

自分の知り合いの中に、そんな礼儀知らずは束だけだと、千冬は考えていた。

 

千冬「まぁ、時期にすぐ来るだろう。それよりも一夏、今日からお前はクラス代表だ。

気を引き秘めて行けよ!」

 

セシリア「そうですわ!私も、精一杯のサポートをいたします。

一緒に、頑張って行きましょう。」

 

箒「セシリアの言う通りだ。まぁ、私も協力してやらんでもないぞ//」

 

そんな会話をしていたら、一限目の開始のチャイムがなった。

 

千冬「それでは、授業を始める。」

 

だが一限目が終わっても、その用務員が来る気配はなかった。

 

それどころか、二限目、三限目と、時間が過ぎていた。

 

いい加減、千冬は我慢の限界に達していた。

 

千冬(本当になんなんだ!既に四限目に入っているのに、来る気配が無いじゃないか!)

 

するといきなり、教室のドアが開いた。

 

幸太郎「いや~すみません遅れちゃって…。言い訳に聞こえるかも知れないけど、色々あったんですよ。」

 

開いたドアから、幸太郎が申し訳なさそうに頭を下げながら入ってきた。

 

千冬「こ、幸太郎なのか!どうしてお前がここにいるんだ!?」

 

箒「そうですよ義兄さん!どうしてですか!」

 

見知らぬ人物の登場と、千冬と箒のリアクションから、教室はザワつきだした。

 

幸太郎「おっ、久しぶりだね箒に一夏、それに千冬も。

あれ?ここに束はいないんだね。」

 

千冬「それよりも、お前がいる理由と遅れた訳を教えてくれ!」

 

幸太郎に詰め寄る千冬だったが、幸太郎の背後の人間に止められた。

 

マイルナ「一旦落ち着きなさい。理由なら、私の口から説明してあげるわ。」

 

箒「お、義姉さんまで!」

 

マイルナ「幸太郎がここに来たのは、幸太郎がここの新しい用務員だからよ?

そして、遅れた訳は二ヶ月前から一時間前まで倒れてしまってたからよ。」

 

マイルナにそう言われ、千冬は改めて幸太郎の顔を良く見てみた。

 

幸太郎の顔色は、あまり良くは無かったのだ。

 

千冬「そうだったのか…、じゃあマイルナさんはどうしているのですか?」

 

マイルナ「私か?私もここの保健員になったからよ。それよりも、幸太郎の為に速く挨拶をすまして良いかしら?」

 

千冬「あ、あぁかまわないが…。」

 

千冬がそう言うと、幸太郎は張りきって教壇の前に立った。

 

幸太郎「えぇ、皆さん初めまして!この度、IS学園の用務員になりました、寿 幸太郎です!

まだ至らない事ばかりでISの事も、良くわかりませんが、マイルナさん共々仲良くしてください!」




幸太郎とマイルナが、無事にIS学園に仲間入りです。
用務員に保健員、なかなか地味なような違うような…。

わりとさらっと流されましたが、二ヶ月前から一時間前まで倒れてたって、凄く心配な事ですね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。