千冬「はぁ、新しい用務員ですか?」
学園長「その通りなんだよ。なんでも、君のクラスに一言挨拶がしたいと、申し出があってね。」
1組のクラス代表戦の次の日、千冬は職員室で学園長に話しかけられた。
なんでも、今日から新しく用務員が入ってくるらしい。
千冬「それで、その用務員の名前や写真は無いんですか?」
学園長「すまない。相手側からは、何も情報提供が無かったんだ。
だがその代わり、電話の相手は君の知り合いだと言っていたぞ?」
学園長がそう言うが、千冬には心当たりが全く無かった。
それどころか、自分の知り合いを装い近づいてくる、面倒なファンの仕業とも考えていた。
千冬「わかりました。例え相手が誰であろうとも、関係ありません。」
そう言って千冬は、職員室から出ていった。
~~~1組の教室~~~
千冬「本日から、新しい用務員が入ったらしい。そして、どうやらこのクラスに挨拶があるとの事だ。
だから、心しておくように。」
一夏「でも千冬姉、その用務員の人はどこにいるんだよ?」
千冬「先生と呼べ。なんども言わせるな。」
そう言った千冬だが、自分も時計を確認した。
もうすでに、朝のHRも終わり、一限目が始まろうとしている時間だからだ。
それなのに、未だにその用務員は姿を現さなかった。
自分の知り合いの中に、そんな礼儀知らずは束だけだと、千冬は考えていた。
千冬「まぁ、時期にすぐ来るだろう。それよりも一夏、今日からお前はクラス代表だ。
気を引き秘めて行けよ!」
セシリア「そうですわ!私も、精一杯のサポートをいたします。
一緒に、頑張って行きましょう。」
箒「セシリアの言う通りだ。まぁ、私も協力してやらんでもないぞ//」
そんな会話をしていたら、一限目の開始のチャイムがなった。
千冬「それでは、授業を始める。」
だが一限目が終わっても、その用務員が来る気配はなかった。
それどころか、二限目、三限目と、時間が過ぎていた。
いい加減、千冬は我慢の限界に達していた。
千冬(本当になんなんだ!既に四限目に入っているのに、来る気配が無いじゃないか!)
するといきなり、教室のドアが開いた。
幸太郎「いや~すみません遅れちゃって…。言い訳に聞こえるかも知れないけど、色々あったんですよ。」
開いたドアから、幸太郎が申し訳なさそうに頭を下げながら入ってきた。
千冬「こ、幸太郎なのか!どうしてお前がここにいるんだ!?」
箒「そうですよ義兄さん!どうしてですか!」
見知らぬ人物の登場と、千冬と箒のリアクションから、教室はザワつきだした。
幸太郎「おっ、久しぶりだね箒に一夏、それに千冬も。
あれ?ここに束はいないんだね。」
千冬「それよりも、お前がいる理由と遅れた訳を教えてくれ!」
幸太郎に詰め寄る千冬だったが、幸太郎の背後の人間に止められた。
マイルナ「一旦落ち着きなさい。理由なら、私の口から説明してあげるわ。」
箒「お、義姉さんまで!」
マイルナ「幸太郎がここに来たのは、幸太郎がここの新しい用務員だからよ?
そして、遅れた訳は二ヶ月前から一時間前まで倒れてしまってたからよ。」
マイルナにそう言われ、千冬は改めて幸太郎の顔を良く見てみた。
幸太郎の顔色は、あまり良くは無かったのだ。
千冬「そうだったのか…、じゃあマイルナさんはどうしているのですか?」
マイルナ「私か?私もここの保健員になったからよ。それよりも、幸太郎の為に速く挨拶をすまして良いかしら?」
千冬「あ、あぁかまわないが…。」
千冬がそう言うと、幸太郎は張りきって教壇の前に立った。
幸太郎「えぇ、皆さん初めまして!この度、IS学園の用務員になりました、寿 幸太郎です!
まだ至らない事ばかりでISの事も、良くわかりませんが、マイルナさん共々仲良くしてください!」
幸太郎とマイルナが、無事にIS学園に仲間入りです。
用務員に保健員、なかなか地味なような違うような…。
わりとさらっと流されましたが、二ヶ月前から一時間前まで倒れてたって、凄く心配な事ですね。