アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第82話

車を駐車場に停めて、一同は松陽の案内で入り口に向かっていた。

 

幸太郎「それにしても、久しぶりにおじいちゃんとおばあちゃんに会うな。なんか、緊張じゃ無いけどそわそわするねパパ。」

 

松陽「そうですね。かんがえてみたら、幸太郎が宗次郎さんと桜華さんと会うのは、大体一年ぶりくらいでしたね。

御二人とも、今日幸太郎と会うのを楽しみに待っていますよ。」

 

そう言って松陽は、幸太郎と手を繋いで歩きだした。

手を繋いでいる幸太郎は、無邪気な子供のように嬉しそうに笑っていた。

 

一夏「アルさん。さっき松陽さんが言ってた桜華さんって、誰のことなんですか?」

 

アル「御前は・・・、本当に何も知らねぇんだな。話の流れで、大体はわかるだろ?

桜華さんは宗次郎さんの奥さん、つまり幸太郎の祖母だ。」

 

マイルナ「そうよ?それに、桜華さんも宗次郎さんに負けず劣らず凄い人なのよ。

寿家の繁栄に、桜華の力あり・・・、って世間では言われてるわ。

それにあやかって、華の寿家なんて昔は呼ばれてたのよ。」

 

マイルナとアルベルトの話が、いまいちパッと来なかった一夏は曖昧な返事を返した。

 

そんな一夏の態度を見た二人は、呆れた様にため息を吐いた。

 

アル「おい一夏、お前は世界初の男子IS操縦者なんだぞ?もしかしたら、これから世界中のVIPや著名人に良くして貰うかも知れないのに、相手が誰か知りませんじゃ、大問題だぞ?

千冬に束、お前らももっと前の段階からいろいろな教えておけよ。ISの操縦より先だろ?」

 

アルベルトの言葉に、図星だと思った千冬と束はぐうの音も出なかった。

 

松陽「まぁまぁ、そんなに三人を責めてはいけません。その誰が相手だろうが恐れない無知さが、一夏くんの強みでしょう。」

 

一夏「うぐっ、意外と松陽さんも厳しい事を言いますね。無知さか・・・、学園に帰ったらしっかりと、勉強しようかな。」

 

そうしている内に、一同は入り口の前に到着していた。

 

見るからに豪邸とわかる大きな入り口に、さすがの一夏も緊張していた。

 

「お待ちしておりました皆様。ここからは、私がご案内致しますので、よろしくお願いいたします。」

 

松陽「わざわざお迎えなんていらないと、あれほど言っておいたのに。

お前は相変わらず、堅いなリズ。」

 

リズ「さすがに、師匠をお迎えに行かない訳にはいきません。」

 

松陽「紹介します。この男は、リズリー・ネイフィールと言い、簡単には言いますと、二代目の寿家専属執事です。」

 

リズ「ご紹介にあずかりましたリズリー・ネイフィールです。以後お見知りおきを。」

 

リズは、ブカブカと頭を下げた。

 

アル「相変わらず、お前は良い子ちゃんだね?昔からドジばっか踏んでたお前が、今じゃ松陽さんの後釜とは。」

 

リズ「何が言いたいんだアホベルト。お前こそ、相も変わらず悪さばかりで、すごしているんだろ?」

 

アル「んだと!?誰がアホだ!?」

 

リズ「アホにアホと言って、何が悪い!?」

 

さっきまでの強かな雰囲気から一転し、今すぐにでも喧嘩をしてしまいそうな程、二人は火花を散らしていた。

 

ラウラ「い、一体何が起きてるんですか?」

 

マイルナ「言ってなかったわね。アルもリズも、同じ孤児院出身なのよ。それに昔から、顔を合わせると口喧嘩ばかりで。

しかも内容もしょうもないのよ。」

 

アル「俺の方が、幸太郎の為になってるね!その証拠に、俺は幸太郎の兄なんだからな!」

 

リズ「お前みたいな野蛮人が近くにいては、幸太郎様に悪影響なんだ!本当に幸太郎様の為になるのは、私なのだ!」

 

松陽「はぁ・・・、二人とも口喧嘩は止めようね。」

 

松陽が少し低いトーンで話すと、二人は口喧嘩をピタリと止めた。

 

松陽の表情は笑顔だったが、確実に恐怖のオーラが出ていた。

 

松陽「幸太郎を想ってなのは、嫌というほど伝わりました。ですが、今は私達を案内するのが先でしょう?」

 

リズ「は、はい!すみません!」

 

松陽の一言で、リズは案内を開始した。

 

一夏「松陽さんも、怒ると怖いんですね。ていうか、幸太郎さんの周りの人って、なんであんなに怖いオーラを出すんだろうな。」

 

一夏の率直な疑問に、誰もが同じ意見だった。




無事に到着です!

そして新キャラ、リズ登場です。
ポジションとしては、アルの悪友?ですかね。

そして名前だけですが、桜華さんも登場です。
夫婦そろって、規格外です・・・。

怒ると怖いね、松陽さん。

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