アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第92話

それから千冬とリズリーは、軽く雑談を交えながら目的地の宛もなく歩き始めた。

 

アル「ったく、良い大人のデートだってのにこれじゃあ、職場の備品の買い出しだぜ。つまらん、なんなら邪魔しに行こうか?」

 

一夏「まだ5分もたってないですよ。飽きるの早すぎです。でも、確かに少し物足りない気もしますね。」

 

ほぼ1分ごとに退屈で文句を言うアルベルトをなだめながら、一夏達は二人の尾行を続けていた。

 

そして二人は、そのまま商店街に来ていた。

 

千冬「ここが、私がいつもお世話になっている商店街です。」

 

リズ「なかなか、雰囲気の良い場所ですね。こんなに良い場所で育ったので、千冬様や一夏様は素晴らしい御方に育ったのですね。」

 

千冬「そ、そんな事無いですよ//私なんて、リズさんと比べれば平凡な人生ですよ//」

 

リズリーに誉められて恥ずかしいのか、千冬は顔を赤くしてリズリーから顔をそらした。

 

そして気をそらすために、近くの雑貨屋さんへとリズリーの手を引いて入っていった。

 

中にはいった千冬は、自分がしている事に気がつき余計に赤くなった。

 

リズ「地域の商店街にしては、品揃えが良いですね。」

 

千冬「突然手なんて繋いでしまって、すみません//自分でも何をしているのか・・・」

 

リズ「それくらい、なんとも無いですよ。それよりも、今日は私がエスコートする筈でしたのに、それこそ申し訳ございません。」

 

そう言ってリズリーは、千冬の右の手の甲にキスをした。

 

リズ「おや?これは素敵な髪飾りですね。そうです、お詫びとしてこの髪飾りをプレゼントしますよ。」

 

リズリーは、花柄の髪飾りを手に取りそう言った。

 

外で待っている一夏達は、中の様子が見えずに一夏は不安に、アルベルトは退屈に襲われていた。

 

アル「外で待ってなきゃならんのも、暇で暇でしょうがないな。中の様子が気になるな。」

 

すると、ふたりが出てきた。

髪飾りをしている千冬、そして自分の右手の甲を見ながら惚けている姿を見て、アルベルトは中で起きたことを瞬時に理解した。 

そして一夏の肩に手を置いた。

 

アル「あの様子だと、時間の問題だな。今のうちに覚悟をきめておけよシスコン君。」

 

そう言ってアルベルトは、二人の尾行を続けるために歩き始めた。

 

一夏「アルさん、時間の問題ってなんですか!?それに覚悟を決めろって!?」

 

アルベルトのことばの意図に気がつかない一夏だったが、今は尾行を続けることにした。

 

そして商店街を歩いていると、二人は八百屋に声をかけられた。

 

八百屋「誰かと思ったら、千冬ちゃんじゃないか?ワシらが知らんうちに、そんな男前を捕まえてるなんてな。」

 

千冬「なにを言うんですか!?別に、捕まえてるだなんて//」

 

八百屋「照れんでええ。それよりも彼氏さん、あんたの名前は?」

 

リズ「自己紹介がまだでしたね。千冬様の彼氏をさせてもらっている、リズリーともうします。」

 

リズリーがそう言った瞬間、アルベルトの顔つきが変わった。

 

八百屋「おお!そうか!それでリズリーさんよ、あんたは千冬ちゃんの事を、ちゃんと愛してるんか?」

 

リズ「はい。この世の誰よりも愛していますよ。」

 

千冬「もう恥ずかしいから止めてくれ!私達はもう行きますから//」

 

そう言って千冬は、リズリーを引っ張り走り出した。

 

アル「う、嘘だろ・・・。まさかリズが・・・」

 

~~~ショッピングモール~~~

 

千冬達は、ショッピングモールのフードコートに来ていた。

 

そして尾行組も同じように、遠くの席に座っていた。

だが、さきほどの八百屋との会話から、アルベルトの様子がおかしかった。

 

一夏「いきなりどうしたんですかアルさん?リズさんが何かおかしい事でもしたんですか?」

 

アル「いや・・・すまん!!少し落ち着いてくる。」

 

そう言ってアルベルトは、席を立った。

 

マイルナ「全く、ふたりでこそこそ学園から出ていったと思ったら、デートの尾行だったのね。」

 

一夏が後ろを振り向いたら、買い物袋をもったマイルナが立っていた。




リズリー大胆すぎ!
まさに、ジェントルマンですね。

そしていきなり様子が変わったアルベルト。
いったい、原因はなんなのでしょうね?

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