不良少年と生徒会長   作:すいーと

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早くもお気に入り30突破、UA2000突破しました。
他2作を放置して優先的に書くぐらいうれしいですね。
あっそれと感想ありがとうございました。


新たな出会い

放課後。

大雨の影響でじめっとした廊下をオレ一人で歩いている。なんかろくでもないことが起こりそう。雨の日にはいい思い出がない。一度携帯電話を大雨で水没させている。

 時折すれ違う生徒が大げさに道を開ける。浦の星は比較的まじめな生徒が多く、オレみたいな問題児は数えるほどしかいない。そのおかげであまり見た目がいかつくないオレですらこうして避けられるのだ。

 大雨の日にしてはストレスなく廊下を歩き、生徒会室が見えてくる。赤い髪の小柄な少女と、長く艶やかな黒髪の生徒会長がなぜか生徒会室に入らず扉に張りつき、中をうかがっていた。こいつら一体何してんだ? と疑問が浮かんでオレは声をかけた。

 

「おい。そこで何してんだ?」

 

「ピギィッ」

 

「見てわからないのですか?」

 

 鳴き声のようなものを上げた赤髪に対して生徒会長は、馬鹿でも見るような顔で振り返えりそう言った。昼休みの事故については気にしてように見える。言い終わると生徒会長はドアの前から避けた。

 

「見ろってことか?」

 

 回答を待たずに扉にある中をのぞけるところを覗く。中はパイプ椅子に机、それから行事予定の書かれた黒板。

どこにでもある普通の生徒会室といった印象だ。特に入るのを躊躇う場所はどこにもないように見える

 

「わりぃ。見てもさっぱりだ」

 

「1番奥の窓をよく見なさい」

 

「窓?」

 

言われた通り奥にある窓を注意深く見る。上から下に視線をずらしていく。そして見つけた。

 

「まさかあの窓の下のほうにいるあれが原因か?」

 

「ええ」

 

「いやでも4月に出るわけないだろ」

 

「じゃああれは何だというんですの?」

 

4月誰かが出会いの季節なんて言ってたがこの出会いは求めてない。むしろ永遠に寝ていてほしい。

 

「じゃあ、あのゴキブ――」

 

「ぴぎゃぁぁぁーーー」

 

奴の名前を言おうとしたその時赤髪が走り去ってしまった。

 

「お待ちなさいルビィ。って聞いていませんわね」

 

「あれどうすんの?」

 

「当然あなたの初仕事ですわ」

 

「さすがに素手であいつと対峙するのは無理だ」

 

「隣の部屋は物置になっていますからそこにあるものなら使用許可します。私はルビィを探して来ますから戻って来るまでに何とかしてをおきなさい」

 

そういうと生徒会長は顔を日つらせたまま逃げるように駆け出して行った。それを見送ると、深いため息をついた。

 

「はぁー。まじであれと戦うのか」

 

 自慢じゃないが喧嘩はそこそこやってきたが昔から虫と勉強は苦手だったする。特に飛んでくるタイプの奴は弱点中の弱点だ。蝶とか見てかわいいとか言える人間の神経が信じられない。あんなの蛾とほぼ一緒じゃねーか。

とか愚痴りながら、隣の物置を開ける。埃を被った扇風機や掃除用具、大量の軍手、などのイベントや日々の業務に使うモノしかなく殺虫剤や新聞紙といった対虫用のグッズはまったくない。

 

「これじゃあ軍手でつかんでポイしかないか……。いや触るのは無理だな、何か他の案を考えよう」

 

『ピロン♪』

 

必死に考えていると、電子音が鳴った。

 

「なんだとこっちは必至に考えてるのに。ん? スマホなら何か見つかるかもしれないな」

 

届いたメールには目もくれず奴を倒す方法を検索する。どうせスパムに決まっている。

 

「なるほど掃除機で吸うのが手っ取り早そうだな」

 

 物置には当然掃除用具の中に掃除機があったので引っ張り出す。業務用でやたらと大きく、出すのに少し苦労したが問題ない。生徒会室へと戻り奴の位置を見る。相変わらず窓の下の方日陰でじっとしている。よく数分もじっとしていたもんだと感心しつつコンセントにプラグを差し込み準備をする。

 

「さっさと失せやがれ」

 

 言い終わると同時に掃除機のスイッチを入れる。あっという間に吸い込まれいなくなる。数秒そのまま放置してスイッチを切る。なんか死んでなさそうで怖いので急いで隣の部屋に掃除機を置く。

 

 掃除機をしまって廊下に出ると生徒会長が待ち構えていた。

 

「あれはどうなりましたの?」

 

「退治した」

 

「ほんとですか?」

 

生徒会長の後ろに隠れていた赤髪の子がとびだして来た。

 

「ああ。というか誰?」

 

「ピギィッ」

 

「人に名前を聞くときはまず自分が名乗るのが礼儀ですわ」

 

「葵優里だ」

 

「私は黒澤ダイヤ。後ろに隠れたのが私の妹で生徒会庶務のルビィですわ」

 

紹介を受けたルビィは控えめに生徒会長の後ろから顔を出し、頭を下げた。

 

「ルビィは極度の人見知りですからあまり近づき過ぎないようにお願いします」

 

「いやもうこないから」

 

「何をいっているんですの? あなたには今日から生徒会庶務として働くことを命じます」

 

「ふざけんなっ。」

 

「退学」

 

「ぐっ。わかったやればいいんだろ」

 

 生徒会長は勝ち誇った顔をして、その妹は会話についていけてないですという顔をしている。やっぱり雨はろくでもないと思う。ともかく不良生徒会庶務はじめさせられました。

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