しばらく放置している間にお気に入りが60を突破していました。ありがとうございます。
もう少し更新頻度を上げられる。よう努力しようと思います。
ではまた近いうちに
ずぶ濡れで帰宅したオレはひとまず濡れた肌に張り付いた制服をはがしてシャワーを浴びる。部屋着着替えたオレはさっぱりしたことで、別のことに意識がいくようになった。そう空腹感だ。今日はいろいろ慣れない仕事を2件もこなして少し疲れたこともあって、いつもより強く感じている。
冷蔵庫を開けるが、中身は空だ。正確には飲み物や調味料類はあるが全く腹の足しにはならない。
「しゃあない、コンビニ行くか」
さっと着替えると傘を差しながら、まだまだ降り続く雨の中を歩いていく。防水対策をしていないスニーカーは水を吸い少しずつ重くなっていく。まとわりつくような冷気は何となく孤独な気持ちにさせる。
不快な道のりを何とか超えて、コンビニへとたどり着く。店内は、雨音が聞こえるぐらいの静けさに包まれている。客が入ったことを知らせる音が雨音に混じって聞こえると、二人いる雑談をする店員が露骨に静かになった。客が誰もいない時のコンビニは少し落ち着かないが空腹感に比べれば小さな問題だ。
入り口に積まれたかごを持ち、レジの前を横切り弁当が売られている売り場まで進むと弁当を吟味する。最近のコンビニ弁当は種類が豊富で、おいしさだけでなくカロリーや栄養なんかにも気を遣った商品がある。
普段パンコーナーしか覗かないオレはせっかくだからと、色々と手にとっては感心していた。
しばらくそれを繰り返していると客が入って来たことを知らせる音が呑気に鳴ると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「お姉ちゃんほんとにお菓子買ってくれるのっ?」
少し遠慮がちで小動物のような声。
「もちろんですわ生徒会の手伝いをしてくれた買って上げると約束しましたもの」
凛としてはいるがどこか優しさを感じる声。やはりどこかで聞き覚えが……。声の主を確認しようとこそっと首を後ろに向けた。見覚えのある長い黒い髪とうちの制服の後ろ姿。生徒会長だ。さっと買って出ていこうと、近くにあった焼き豚弁当を2ほどかごへと放り込むと
レジへと歩き出す。動いたことで生徒会長がこちらを見る。目があった。存在を認識されれば無視するわけにもいかず、会釈だけしてやり過ごそうとする。この女強引で怖いんだもん。
学校の外でまで文句は言われたくないし。
「あら? こそこそ何をしているんですの?」
「見ての通り夕飯の買い出しだ」
「一人暮らしかか何かで?」
「まあ一応な」
「コンビニ弁当ばかり食べてると健康に良くないですわよ」
「べつに料理ができないわけじゃないぞ? しないだけで」
「とてもそうは見えませんがね」
「なら明日の昼休み嘘じゃないことを証明してやるよ」
こいつ見栄はってるよウケルー的な態度を隠すことなく前面に出してくる生徒会長に態度にイラッとしたオレはつい勢いで余計な言葉を口ばしってしまった。
「ふふっ」
返事は鼻で笑われただけだった。これが負けず嫌いのオレのやる気に火をつけた。
コンビニで会計を済ませたオレはそのまま、数キロ先のスーパーまで走り、食材を買った。
無意識に笑ってることに気づかいまま少しだけ軽くなった足で暗くなった帰り道を走っていく。