ここまでなってくるとむしろ1000文字埋めるのが難しかったり
最終話 別に今生の別れって訳じゃねぇんだ
『おーい、神様ー』
『お、とうとう思念だけで会話するようになりましたか。人間止めちゃったんじゃないですか?』
『大丈夫だ。自覚してる。それで、今からこいつらに別れの挨拶をするわけだが』
『はい、なんでしょう。』
『俺が一回強く手を叩いたら諏訪子と一緒に転送してくれないか』
『わかりました。手を一回叩いたら、ですね』
『助かる。』
「君!名前何だっけ!」
「ちょっと純狐、失礼でしょそれは。」
「はは、良いですよ。洩矢紅です。」
「・・・ちょっと諏訪子。あんた名字まであげるとか、どんだけこの子好きなのよ」
「家族だし良いじゃないかー。ヘカだって家族が名字違ったら嫌だろ?」
「そこの二人はどうなるのかしら?家族じゃないの?」
「神奈子は神だから無理、早苗は代々続く洩矢直属の風祝の東風谷の一族だから無理。」
「あ、そ・・・」
「さて、突然ですがここで皆にお別れの挨拶をしようと思います。」
「本当に突然だな・・・まあ良いか。」
「私、洩矢紅と洩矢諏訪子は、5年ほど幻想郷を出ようと思います。」
「え、諏訪子が外の世界に行くってこと?信仰は大丈夫なの?」
「大丈夫ですよヘカーティアさん。信仰は私が何があってもし続けますし、外の世界とは少し違います。」
「あ、そうなの?じゃあ安心したわ。」
「ちょっと待って!それじゃあ紅くんの料理を5年も食べられないって事!?」
「あ、大丈夫ですよ。純狐さん、念話って使えます?」
「え、使えるけど・・・」
「じゃあそれを別世界や別次元にも届く様に改良しますんで、念話で食べたいものを言ってくれれば、直接できたてを送りますよ。」
「よ、よかったぁ・・・」
「あんたどんだけ心配してたのよ。」
「他に質問がある人は?」
「はい」
「はい神奈子、どうぞ」
「そこは神の行っても大丈夫な世界なのか?」
「大丈夫ですよ。ここみたいな能力持ちは一人もいませんし、神の存在自体うやむやなので、神力を感知できる者は存在しません。」
「そう?じゃあ良かったわ。」
「じゃあお母さん。お母さんからも何か言うことがあれば。」
「ううん、何もないよ。どうせすぐ戻ってこれるんだ。大丈夫さ。」
「そうか。あ、神奈子。ちゃんとお姉ちゃんを・・・早苗を守ってやれよ?」
「無論、言われるまでもないさ。」
「それじゃあ、行くとしますか。」
「すぐ戻って来るとしても、やはり会えなくなるのは寂しいな。」
「まあまあ神奈子。多分紅に言えばいつでも帰って来れるよ?」
「いや、良いよ。思いっきり楽しんできてくれ。」
「うん、ありがと!神奈子!」
「それじゃあお母さん、俺に腕に掴まって。」
「うん、わかった。」
「じゃあ、行くよ?」
「「行ってきます」」
「「「行ってらっしゃい。」」」
大きな音が辺りに響きわたる。
「行ったか・・・良かったのか?早苗。何も言わなくて。」
「はい・・・言ってしまったら、多分・・・泣いてしまいました。心配は掛けたく無いので・・・」
「・・・そっか。優しい子だね。早苗は。しっかり『お姉ちゃん』してるよ。」
「はい・・・ありがとうございます・・・神奈子様・・・」
「・・・帰ろうか。純狐。」
「ちょーっとお前らぁ!なぁにそんな空気になってんだぁ!」
「ちょ、ちょっと純狐!?」
「別に今生の別れって訳でもねぇんだ!ならせめて笑って帰りを待っててやるのが!待ってる者の役目だろうがぁ!!」
「・・・・・・ふふっ」
「あはははは!あんた良いこと言うね!純狐とか言ったっけ?ありがとう、元気出たよ!」
「そうですね、私たちに出来ることは、待ってることだけですもんね!」
「そういうこった。じゃあ私らは帰るから。じゃあな。」
「はぁ・・・疲れたー。熱血キャラって体力どうなってるのかしら・・・」
「純狐・・・あんたは優しいね・・・」
「んー?優しい?なんのことだろ。私はただ、空気を読んでない発言をしただけだよー?」
「・・・ふふっ、そうね。」
はい、無事最終話となりました。いやー、非常に短かった。
この短期間で、UAが1000を越えてくれました!やったぜ!
次の転生先は、あまり出なかった厨二設定が光る!・・・かも?