ハリエットさんの転生生活(前世編) 作:しかぞく
無くしていたアズカバンも見つかったので、また続きを書いていけます。
「アバダケダブラ!」
「エクスペリアームス!」
ハリエット・ポッターとヴォルデモート卿、この光と闇の陣営のトップ同士が、半壊状態のホグワーツの大広間で最後の戦いをしていた。双方とも既に傷だらけであり、共にあと一つの呪文しか使うことはできないだろう。
二人がその最後の呪文に選んだのは、互いが最も得意としている呪文だった。
二人が放った呪文は大広間の真ん中で激突した。それは周りで見守る人々がその呪文のぶつかった時の衝撃のあまりの強さに盾の呪文を使って自らの身を守らなければならないほどだった。
次の瞬間、周りで見ている人が見たのは反射した自ら放った呪文に撃たれて倒れていくヴォルデモート、真の持ち主へ向かって飛んでいくニワトコの杖、そして、力尽き崩れ落ちていくハリエットだった。
それから25年がたったある日、とある三人家族がキングス・クロス駅を走っていた。
「ハリエット!待ちなさい!」
母親が声をかけた先には、カートをおしながら走っている小さな赤毛の女の子がいた。
「ママ、遅いよ!早く早く!乗り遅れちゃうよ!」
「誰のせいだと思っているの?あなたが行き際に携帯沼地なんて使ったからこんなに遅くなったのよ?分かっているの?」
「分かってるよ!」
「まったく、ハリエット。あなたまた怒られたいの?」
母親の説教が再び始まりかけたとき、あわてて父親が口を挟んだ。
「まぁまぁ、ハーマイオニー落ち着いて。車の中でも話はしたんだからさ。」
「えぇ、ロン。あなたはあの子に意図も簡単に言いくるめられていましたけどね。まったく、あの子は似なくてもいいところまでそっくりだわ。」
「全ては、きっとあの名前のせいだよ。これからネビルは大変だろうな。」
「そうね。後でネビルにお菓子でも送っておかないといけないわね。」
あの戦いのあと、ロンとハーマイオニーの親友であるハリエットは、ハリエットが誰よりも愛していたジニーに抱き締められた瞬間、黄金の炎に包まれて二人ともこの世から完全に消えてしまった。その出来事は、ハリエットとヴォルデモートとの戦いを見ていた全ての人に衝撃を与えたが、ダンブルドアの描かれた肖像画の、「二人は違う世界で共に生き続けていくのじゃろう」、という言葉によって多くの人がハリエットとジニーが違う世界で幸せに生きていけるようにと祈った。
だが、英雄のいなくなった魔法界では、再び平穏な日常に戻るまでに長い年月を費やした。ロンとハーマイオニーの二人も魔法界の安定のため、逃げ延びた死喰い人の捕獲や、マグルへの忘却術に、壊された建物などの修理に走り回った。
そして、あの戦いから14年もたった時にロンとハーマイオニーは結婚した。
生まれてきた子供には、二人の親友の名前をつけた。
『ハリエット・ウィーズリー』と。
そのせいなのか、どうやら二人の子はいたずらが大好きな子に成長してしまっていた。これには、二人とも頭を抱える毎日を送っている。
「ハリエット、ちゃんとお行儀よく過ごすのよ。くれぐれもいたずらなんてしないこと。いいわね?」
「分かってるって、ママ。」
ホグワーツ特急が出発する直前の家族との最後の別れの時に、プラットフォームでハーマイオニーは既にホグワーツ特急に乗っている、いたずらをやめるつもり気など、さらさらないであろう我が子に、辛抱強く言葉をかけていた。
「ハリエット、ちゃんと僕たちに手紙を書くんだぞ。」
「うん!ちゃんと送るからね!毎回楽しみにしといてね!」
ハリエットが父親に返事をしたと同時に列車はホグワーツに向けて動き始めた。
「じゃあね、パパ!ママ!」
「ハリエット、気を付けるのよ!」
「なんかあったら、ネビルに相談するんだぞ!」
次回から賢者の石に入ります。