【完結】嵐を呼ぶうたわれるものとケツだけ星人(うたわれるもの 二人の白皇×クレヨンしんちゃん)   作:アニッキーブラッザー

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第12話 お助けだぞ

「ブルタンタ佐衛門! 早くケツをしまって、戦うのだ! 其方を召喚した余の命令を聞くのだ!」

 

 ぶりぶりざえもんという、あまりにもこの世界の文明からかけ離れた名称を、まさかしんのすけの口から聞くとは思わなかった。

 あらゆるコンピューターに侵入をし、乗っ取ることも破壊することも可能と言われた、伝説のコンピューターウイルス。

 しかし、それは名前のみが噂として語られていただけで、実際にそのウイルスが発動されたことはなかった。

 それゆえ、伝説でもあり、幻でもあるぶりぶりさえもん。

 だが、なぜしんのすけがその名を?

 

「おい、私に命令をしているのか? 人に気安く指図するな、このボケえ!」

「…………んなっ!?」

「人にものを頼むなら、お願いしますだろう! そして、お助け料は100億万円だ。なお、救い料の支払いは現金はもちろん、ローンや小切手、更にはクレジットや郵便振込みも可とする」

「……あ、その、す、すまぬ……後生の頼みだ……」

 

 そして、このぶりぶりざえもんとかいうブルタンタ。召喚主であるクーヤの命令に対してすごい反抗的だぞ?

 クーヤも予想外過ぎて反応に困っている。

 

「本当に私に悪いと思っているのなら、私の尻を舐めろ」

「……………………」

「さあ、早くしろ。尻が冷える」

 

 驚きと、衝撃に続く衝撃で、もはや自分たちはどう反応していいか分からなかった。

 

「……なんだか……しんのすけに似てるかな」

「えええええ! クオンちゃん、おら、あんなお下品じゃないぞーっ! あんな風に尻ばっか出すなんて恥ずかしすぎるぞーっ!」

「「「「「全く同じじゃないか」」」」」

 

 ケツをカンタムに向けて腰を振る、ぶりぶりざえもん。

 ブルブル体操で精神的ダメージを受けたほど、初心なクーヤに向けてなんということを……

 

「カン・タムゥよ……あの禍日神を消滅させ―――――」

「さて……仮面の小僧よ! お前が私の相手か。果たして私に勝てるかな?」

 

 低い声を出したクーヤがカンタムの拳を振り上げて、ぶりぶりざえもんに振り下ろそうとした瞬間、ぶりぶりざえもんはパッと態勢を変えて、態度を変えてきた。

 その額にわずかに汗が滲み出ているのが分かった。

 こいつ……あんなエラそうに出てきておいて、ビビったのか?

 

「ぶりぶりざえもん! おらだぞ? おらが分からないの?」

「やかましい! この状況なら、もう戦うしかねーだろボケェ! いざ、勝負ッ!」

 

 ぶりぶりざえもんが、溜息を吐きながら、アクション仮面になったしんのすけを見据える。

 その視線を受けてしんのすけは、仮面で顔を隠しているものの、その小さな背中がどこか悲しそうに見えた。

 

「…………分かったぞ…………ぶりぶりざえもん、おらと勝負だ!」

 

 しんのすけは、ぶりぶりざえもんを知っていた。

 そしてこの反応は、ただ知っているだけではなく、何かもっと別の繋がりが?

 そう思ってしんのすけに問いかけようとするも、アクション仮面となったしんのすけは、顔を上げて足を一歩前へ踏み出した。

 

「お、おい、しんのすけ……」

 

 その、決意を秘めたような、今までにないしんのすけの力強い言葉に、自分たちは驚いてしまった。

 

「止めちゃダメだぞ、ハクとーちゃん」

「しんのすけ!」

「男の子には、退いてはいけない時があるんだぞーっ! いくぞー、ぶりぶりざえもん!」

 

 走り出したしんのすけ。

 

「いざ、尋常に勝負ッ! チェケラッ!」

 

 ぶりぶりざえもんも真っすぐ走り出した。

 

「とりゃあああああああああああ!」

「でりゃあああああああああああ!」

 

 走り出した二人が、今、衝突するかと思った、その時だった!

 

「おらのちんちんの方がおっきいぞーっ!」

「なにをーっ、私のちんちんの方が大きい!」

「おらのぞうさんは最強だぞーっ!」

「私のちんちんが最強にきまってる!」

 

 二人とも下穿きの中を見せ合い、一歩も引かずにお互いに詰め寄っていた……

 

「おい、そなたら…………なにを……」

「「…………どっちがでかい?」」

「ッ! なんだそれはああああああああああああああああああっ! ま、真面目にやらぬかあああ! 下穿きを上げろーっ! くだらぬものを見せるな―ッ!」

 

 分かる! クーヤ、分かるぞ、その気持ち! 

 自分たちも叫び出してしまいたかった。

 

「くだらなくなんかないわよね~ん」

「そうよ~ん、あいつ見たことないのよきっと」

 

 頬を染めて、オカマ口調になって身を寄せ合う、しんのすけとぶりぶりざえもん。

 に、似てる……この二人……やはり、何かがあるぞ!

 

「それより、しんのすけ! 何で、お前がぶりぶりざえもんを知っているんだ! お前はぶりぶりざえもんのなんなんだ?」

「ん? ぶりぶりざえもんは、救いのヒーローでおらの友達だぞ?」

「…………………………………………えっ?」

 

 思わず聞いてしまった二人の関係。その問いかけに、しんのすけは当たり前のように答えた。「友」と。

 

「な、なんだと、おい、ブルタンタ佐衛門! 長らく封印されていたそなたが、そのモロロ頭の小僧と友とはどういうことだ!」

「ふむ………………友か…………」

「おい、ブルタンタ佐衛門!」

「…………」

 

 友。そう呼ばれたことに、ぶりぶりざえもんは何かを考えているかのように黙る。

 ウソでも出鱈目でもな―――――

 

「こ、答えよ、ブルタンタ佐衛門! 答えによっては、そなたも敵とみなし、この超カンタ・ムゥで滅ぼし―――――」

「さあ、かかってくるがよい、貴様ら! 貴様らが全員束になってかかってこようとも、この私……に代わって、このカンタムが貴様らを倒してくれよう!」

「「「「「って、ヲイッ!」」」」」

 

 全員ズッコケて同じツッコミをしてしまった。

 だって、何だか、ぶりぶりざえもんとしんのすけが本当に過去に何かあったのかと思った矢先に、ぶりぶりざえもんはシレっとカンタムを背に、自分たちに向けて宣戦してきた。

 

「ちょ、ちょっと待てい! お、お前、しんのすけと友達とかそういうんじゃないのか?」

「何を勘違いしている。私は友の味方などではない。私は強いものの味方だ」

「んなっ!」

「そんなこと、当り前〇のクラッカーだ」

 

 な……なんというセコイことを堂々と……

 

「なんと不愉快なブルタンタか! それでも剣士か! そなたの腰の剣が泣いているぞ!」

「べーっ! これは千歳飴だもんね~、ペロペロ」

「つ~~~~~っ! ええい、そこに直れ! たたっ斬ってやる!」

「トウカお母様も落ち着くかな! とにかく、今は、このブルタンタ何とかと、あのカンタ・ムゥをどうにかするのが先かな!」

 

 とにかくだ、コンピューターウイルスとしてはその名は知ってはいるものの、このぶりぶりざえもんそのものは、そこまで強くはなさそうだ。

 小さくて、少しすばしっこそうな感じはするが、トゥスクルとヤマトの武士たちに比べれば、そこまでのものとは思えない。

 だからこそ、今は、やはりあの超カンタムをどうにかすること。

 

 

「つっ、まあよい。なぜ、こんな下品で役立たずなブルタンタが禁忌とされていたかは知らぬが、気を取り直して……仮面の男ォ! ハクオロォ! 覚悟ォ! ヤマトの娘どもも余に続くのだァ! モロロ頭の小僧も、お尻ペンペンしてくれるっ!」

 

「「「「「オオオオオーッ!」」」」」

 

「カンタ・ムゥの飛び出す拳を受けてみよッ!」

 

「行くぞ! 暴れてくれようぞ!」

 

「ハク様! 今、ハク様の身も心も私たちが保護します!」

 

「連れて帰るぞ、ハク!」

 

「ほな、い~~っぱいヤリ合おうな、おにーさん」

 

 

 そして、もう、ぶりぶりざえもんは見なかったことにと、気を取り直したクーヤが、ルルティエたちを従えて再び声を上げる。

 

「えええ、おらも? いやだぞ、怖いぞ! ピンチだぞ、お助けだぞー!」

 

 ハクオロ。自分。そしてついには、ここまで散々クーヤを不快にさせていたしんのすけすらも、クーヤの標的になったようだ。

 流石にしんのすけも慌てて後ろに下がって、自分の影に隠れ……

 

「助けてーッ! ぶりぶりざえもーーーーーーーーーん!」

 

 そう叫んだしんのすけ……。いや、そいつに助けを求めるなって、しんのすけ。

 あいつは敵なんだから。

 ほら、向かってくる、カンタムと帝さんたち側について、まるで戦う気は――――

 

 

「…………ふう……やれやれ……もう少し遊びたかったが…………それでも、ちんちんが付いているのか?…………しんのすけ」

 

 

 それは、確かに聞こえた。

 風見鶏のような態度だったぶりぶりざえもんの声が、確かに聞こえた。

 すると、その時だった。

 

「ッ、こ、これはっ! 一体……」

 

 その異変に真っ先に気付いたのは、ウルトリィさんだった。

 

「オンカミヤムカイの大地が……震えて……」

 

 そして、すぐに自分たちも気づいた。

 地震? それは何の前触れもなく起こった。

 まるで、地の底から何かが飛び出してくるかのような……

 

「なんだ、これは! 一体、何が?」

「聖上、一体? おさがりを!」

「クーヤも止まれ! な、何か、何かが下から来るぞ?」

 

 この瞬間ばかりは、敵も味方もなくただ、状況が分からずに混乱してしまった。

 そしてついに、その地上へと飛び出してきた何かが自分たちの目の前に現れた。

 それは……

 

「ッ、え、……え、ええ?」

 

 なんで、これが今?

 

「あれは……ゲート?」

 

 そう、ゲートだ。

 オンカミヤムカイの地の底にあったと思われる、ゲート。

 既にマスターキーも消失したことで、既に起動しないと思われていた、大いなる父の遺産。

 しかし、これはどういうことだ?

 

「お、おい、ハクオロ、アレ!」

「ああ……どういうことだ? 光が……起動している?」

 

 ゲートが光、まるで何かを転送しようとしているかのように動き出した。

 

「ばかな、何でマスターキーがないのに……」

 

 そう、なぜ、マスターキーがないのに? そう思ったとき、一人だけやけに落ち着いた様子のぶりぶりざえもんが……

 

「マスターキーなど必要ない。こうして肉体を与えられてはいるものの、本来の私は電子生命体。私は、あらゆる電子媒体に干渉して操作することができる無敵の存在…………ゆえに、禁忌とされていたわけだが……」

 

 何を言っている……? これは、ぶりぶりざえもんが? 電子媒体に干渉? 操作?

 あまりにも訳が分からない事態に頭が混乱する中で、ぶりぶりざえもんは小声で、しかしハッキリと告げた。

 そして……

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、しんのすけええええええええええええええええ!」

 

「しんちゃあああああああああああああああああああああああん!」

 

「あういあああああああああああああああああああ!」

 

「キャンキャンキャンキャンッ!」

 

 

 その時、閃光が晴れ、中から熱く振動する車輪のついたデカい箱が飛び出してきた。

 馬が引かずに走る箱……まさかっ!

 

「な、なんなの、あれ!」

「あれはまさか……大いなる父の遺産……」

「間違いない! ウォシスが聖廟で小生らに見せた、大いなる父たちの世界の記録で、確かに似たようなものが!」

 

 車。自動車だ……ばかな、なんで?

 しかも、誰かが乗っている。

 男? それに女と、赤ん坊と、犬の声が……

 

「そ、それに、ちょっと待って! い、今、あの箱から、ハクの声が……」

「ええ? でも、おにーさんここに居るやん」

「しかし、僕も確かに、兄上の声が……」

「どういうことなのです! 一体、何が起こっているのです!」

 

 中から聞こえた声。しかも、しんのすけの名前を……

 

 

「これもまあ……人助けだ。………………………………無断でお前をこの時代に遊びに来させた、詫びもあるしな」

 

 

 ぶりぶりざえもんは、ただ、淡々とそう呟いていた。

 




この、ぶりぶりざえもんの正体。そしてこの世界としんのすけの世界の関連性。
そこを掘り下げる気はありません! 皆様のご想像にお任せします!

そして、コンピューターウイルスぶりぶりざえもん・・・このネタを知っている人は、多分、私とそんなに年齢が離れていないと勝手に思ってます。
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