練火デース!!!(´・ω・`)
新しいバイト先決まったぜー!!
……1ヶ月持てば良いけど(ボソッ)
教会の中は、窓や入り口からの光のみでほの暗くなっている。祭壇の前には神父服を着た一人の老人が視線の先の暗闇に向け、口を開く。
「それでは、暫定的なルール変更の内容は言った通りだ。何か質問がある者はこの場で言いなさい。まぁ、そこのサーヴァント以外は無理だがな……」
「ルール変更…か」
長椅子に座りながら、アークは口を開いた。その手には撮影状態のビデオカメラが握られている。
その周りにいた鴉や鼠などの動物は一斉にその場から去っていった。暫定的なルール変更での対象である、キャスターのマスター・雨竜龍之介を
「君は行かなくて良いのかね?」
神父であり今聖杯戦争の監督役である言峰漓正は未だに席を立たないアークに向け問う。
「なに、俺は俺で聞きたいことが有ってね」
「ほぅ。聞きたいこととは?」
欠伸混じりに答えるアークに漓正は更に訊いた。
「なに、簡単な質問さ……」
「ーーーーー中立がなんで
先ほどまで欠伸混じりで、どうにもやるきが無さそうだった目の前のアークがまるで鷹が獲物を狙い殺すような視線が漓正を貫く。
「……何の事かな?」
「惚けなくても良いぞ?神父」
話が解らないと言う風な顔をする漓正にアークは何の感情を見せずに続けた。
「いやいや、誤魔化さなくて良いぞ?俺の探知魔法には俺を含めて
その言葉と同時にアークの足元から槍の形を模した氷柱が出現し、アークの背後に伸びた。
ズチャッ!
「グギャッ!」
そこには、一人のどくろの仮面を顔に縫い付けた黒い男が自身の左腕に刺さった氷柱を引き抜こうとしていた。
「じゃあこれは、いったい何なんだろうな?」
「そ、それは…」
漓正が弁解をしようとした瞬間、アサシンの腕に刺さっていた氷柱がその身を無数に突起させ、アサシンの体を貫いた。
アサシンであったズタボロな何かは光の粉となり消えていく。
「ちなみにだがーーー嘘を言ったと判断した場合と不用意に動いた場合……今みたいな事になるから、確実に正しい判断を期待するよ」
その言葉に漓正は生唾を飲み、冷や汗を流す。
当初うやむやにしようと考えていた自分を叱咤したい気持ちで一杯だ。そう、目の前にいる
そうだとしたら、正直に答える以外に道は…
「……だ、だとしたら。君は何が知りたいのかね?」
精一杯の平静を装いながら、アークに訊くと。
「何、ちょっとばっか教えてほしいことが有るだけだ」
そう言うと、アークは三本指を立てて、
「一つは今回のターゲットである雨竜龍之介の拠点場所、知ってるんだろ?」
漓正は頷いた。
「二つ。アサシンの真名はどうでもいいから、その特性だけ教えろ」
漓正は渋々だが頷いた。
「三つ。アサシンは俺とマスターに対し一切の攻撃行動をするな」
漓正は頷…その場で止まった。
「そ、それは……」
「出来るだろ?なんせ神父、アンタは監督役でありながらアーチャーのマスターである遠坂と手を結び、その同盟関係であるアサシンのマスターまで匿って騙してるんだ。コレがバレたらどうなる?」
漓正が想像するに、アーチャーとアサシンを倒すために全英霊が手を結ぶ率が高い。
「概ね考えてるのは、俺を含めたサーヴァント達がそちらの2騎のサーヴァントを
そう言うアークの声は冷めきって聴くもの全てを萎縮させた。するとアークはついさっきとは一転して笑顔になり
「まぁ、そう縮こまるな。俺達に対し…だ、他はどうでも良いんだぜ?こんなにも解りやすい道は無いだろ?なぁ?」
「解った……約束しよう」
顔を下に向け、断腸の想いで呟く漓正。
この時顔をアークに向けていたら、さらに心が折れたであろう。
なんせーーー
「懸命な判断を有り難う♪」
ーーーーーこんなにも歪で狂喜に満ちた笑顔で声無く笑う姿なのだから……。
▼△▼△▼△
時刻は昼過ぎ。
アークは漓正から教えて貰ったキャスターの拠点へ向かうべく、下水道を歩いていた。
「通りで解らないはずだ。地下にあったのかよ」
「まぁ、それだけの殺人犯だからな」
昨日調べた時は交番裏の空き地で反応が有ったためにお手上げだったのだ。
「それにしてもすべて、使い魔しかいないのか?」
雁夜が下水道に浮かぶ、千切れた蛸のような生物を見ながら歩を進める。
「マスター。どうやら着いたみたいだ」
アークがそう言うと、雁夜は視線を前に向けた。すると、あまりの異臭に目を背けたくなる。
「な、なんだこの匂い…」
雁夜はそう言いながら、何か情報になるものはないかと下水道の広い部屋を動きだそうする。
グチャッ
「……グチャッ?」
「マスター。下を向くな。何も見るなこっちに戻ってこい」
アークが重そうな声で雁夜に忠告を出すが遅く、
「……なぁ、バーサーカー……これ、肉…血?…ッ!ウワァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアァッ!!!!!?!!?!!!?」
雁夜が踏んだものを手に取り、それに携帯のライトを当てると絶叫しだした。
そう、雁夜が踏んだものは
まだ桜と同い年くらいの少年かも少女かも分からぬグチャグチャに切り裂かれた
「マスター、落ち着け」
アークが近づいて声をかけるが、雁夜は短く粗い呼吸のまま、取り乱している。
「ハァハァハァハァッーーーあ、アーク!?か、皮、人の!子供の!!?」
アークは短い舌打ちをすると、雁夜の両肩に触れ
「すまんが、落ち着いてもらうぞ。《
そう唱えると、今にも吐きそうなほど取り乱していた雁夜がゆっくりと眠りに落ちた。
「しかし……これはクソッタレだな」
アークが周りをみると、微かに声が聞こえる。
コロシテダレカ。オネガイコロシテ
イタイイタイイタイイタイイタイイタイ
コロシテヨモウヤダヨダレカダレカ‼
どれもこれも嘆きの悲鳴ばかりだ。
アークは両手で顔を押さえながら、内から沸き上がる
雁夜に対し冷静であったが、その内心は人一倍疑問と怒りで溢れていた。
(何故だ、何故世界は子供にこんな仕打ちをする!?あの世界でもこの世界でも!!ーーーふざけるなふざけるなよクソッタレガ!!!何故無垢な子供がこんな地獄よりも更に酷い責苦を負っている!!!?何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだナゼダナゼダナゼダナゼダーーーーーナゼダ!!!!!!)
はち切れんばかりの怒りと殺意を圧し殺していると、雷の音と共に聞いたことある雄叫びがアーク達のいるこの広い部屋に響いた。
「坊主、着いたぞ。っと先客がいたようだな」
「安心しろ、敵意はない。確か征服王だったか…」
「おぉ、覚えていたか!それは重畳。ーーーーー待て坊主、これは見ない方が良いぞ?」
ライダーがアークが雁夜にしたような忠告をするが、それを無視して、暗闇の中身を見てしまった。
「これはなんだ?家具か?それに食器に…えぇ?これは人の骨…それにこれは…人の皮。この部屋全てを人で人で…ンボェオェェェェッ!!ガハッ‼」
「やっぱりか?」
「だからな?やめとけと言ったであろうが?」
アークとライダーが揃ってウェイバーの元へ近づいていく。
ウェイバーは四つん這いで蹲りながら
「うるさいッ!!……チクショウ馬鹿にしやがってチクショウ!!!!」
「意地の張り所が違うわ馬鹿者。良いんだよそれで。これで眉一つ動かさぬやつがいたら余がぶん殴っておるわい」
「ライダーのマスター。君は正しい。こんなのをみて平静を装えるやつは怪物だ。人から外れた存在に成ってしまうからね」
「じゃあお前らはどうなんだよ!!お前らだって眉一つ動いてないじゃないか!」
「余は腸が煮えくり返っておる。キャスターが一分一秒でさえも生き長らえているのは胸くそ悪いわい」
「俺は怪物だ。だが……こうでもしないとこの街を更地にしちまいそうだ」
二人の怒気はたちどころにこの広い部屋に充満するのであった。
あ、奨学金の引き継ぎもしなくちゃ!?