暴食の魔王   作:練火

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珍しく投稿しました~~

練火デース。



食べ物の力

(ここは…………?)

 

薄暗い部屋の中で横になっている間桐雁夜は月明かりで照らされている自身を眺めた。

どうやらベッドで休んでいたようだ。

雁夜は起き上がろうとすると、背中の痛みが来た後。ベッドに服の端が引っ掛かっているのか、ピンッと引っ張られる。

それを外そうとして見てみると

 

「…………桜ちゃん?」

 

寝ている時は間桐の柵から解放されるのか、年相応の寝顔を覗かせる間桐桜だった。

 

「何で桜ちゃんがここに…………?」

 

「ーーーーーそれはそこの嬢ちゃんの部屋だからだよ」

 

雁夜の呟きに、いつの間にか真横に座っていた漆黒コートを羽織った一人の青年だった。

 

「だ!誰だお前!?」

 

「誰とは酷いなぁ。アンタが俺を呼び出したんだろ。なぁマスター(・・・・)?」

 

「お前……サーヴァントか?バーサーカークラスの…?」

 

青年は頷く。だが、実体化しているのに魔力を吸い上げている虫の痛みが来ない。

少し考え、出た結論が

 

「お前、俺の魔力を使ってないのか?」

 

「そうだが?」

 

青年は何を言ってる?と言う風に首を傾げている。

 

「自分の魔力だけで現界なんてバーサーカークラスじゃ出来ないハズだぞ?」

 

「ああ、だからガンガン魔力が減っているな。だがそれがどうした?」

 

「なっ!?」

 

サーヴァントにとって魔力は姿を表す…人間で言う血液みたいに必要な物だ。ソレを倍以上で減っているのに感想がそれがどうしたと言うだけだ。

さすがの感想に雁夜は口を開けて呆然としていたが、少し間を開けて、もう一つ訊く。

 

「………臓硯は?」

 

そう、召喚時に隣で見ていたジジイがいたならば、今ここに桜がいるハズがないのだ。

今の時間は桜の魔力を虫どもが食べる時間帯なのだから。

そう問いかけると

 

「臓硯………もしかしてあの爺さんの事か?」

 

青年はアレかぁみたいなのんびりとした口調で手をポンッと鳴らすと。

 

 

「うんーーーーー食った」

 

 

なんでもない風に答えた。

 

「…………は?」

 

まさかの返答に雁夜は口を開きそんな言葉が漏れた。

 

「いや、だから食った。でも不味かったわアレは」

 

「お、お前……ッ!?まさか俺達も食べるのか!!?」

 

「……はい?」

 

雁夜が桜をその場で庇うように抱きしめ、青年を睨む。

だが、青年はえっ?と言う顔で聞き返すのみだ。

 

「頼む!俺は食われても良いが桜ちゃんだけは止めてくれ!!!」

 

しかし雁夜は未だに気が動転しているのか、それに気付いていない。

 

「いや、食わねぇよ?」

 

「まさか、俺だけじゃ足りないのか!?」

 

雁夜は絶望の表情を浮かべながらそう言ってくる。

 

「その前に俺の話をだなぁ」

 

桜を抱きしめた雁夜は涙を流しながら、その場で正座して土下座してきた!!

 

「ーーー頼む桜ちゃんだけはッ!!」

 

「聞けや人の話ィッ!!」

 

ベシンッ!

 

「ガッ!?」

 

土下座で頭が下がっている雁夜の頭を軽くチョップしながら青年が怒った。

 

「ーーーーーだ!か!らっ!!食わないって言ってるだろ!?」

 

「だ、だが…人を食べるのだろ?」

 

「昔はな。今は人よりこっちの方が旨い」

 

そう言って青年が取り出したのはポテトチップス(コンソメ味)だった。

 

 

 

△▼(数十分前)△▼

 

アークは自身のマントで、口や顔に付いた返り血を拭い終わると、足元に倒れている男性(雁夜)に気づいた。

 

「……コイツが我のマスターか?」

 

右手の令呪を見ながら暫くどうするか悩んでいると

 

ギィィッ

 

階段の上からドアが開く音が鳴った。

 

(なんだ…上が出口か)

 

雁夜を引きずりながら、階段を上がるとそこには開いたドアとその影から一人の少女が顔を覗かせて此方を見ていた。

アークはそのドアへ近付いていくと、少女は引きずられているのが雁夜だと知り、直ぐ様雁夜に近付き安否を確かめた。そしてこちらに顔を向けると

 

「…………誰?」

 

少女はか細い声で問い掛けた。

アークは少女の目の高さにしゃがむと自己紹介をする。

 

「俺か?俺はアーク、ただの魔ーーーーー嬢ちゃん、何か嗅いだことがない良い臭いがするんだが?」

 

クンクンと鼻を鳴らしながらそう言うと少女はポケットから一つの小さい四角の何かを取り出した。

 

「…なんだソレ?」

 

「?チロルチョコ」

 

「ちろるちょこ?」

 

少女はそう答えると、包装を解き。アークに渡す。

アークはソレを近づけて臭いを嗅ぐ。甘く香ばしい臭いする。

 

「いただきます」

 

アークはチョコを口に含み、モグモグゴックンっと数秒後……

急に立ち上がり!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーー旨すぎる!!!!!」

 

 

 

 

 

 

大絶賛の雄叫びが一室に響き、部屋の壁が震えた。

 

「ーーーんだコレなんだコレなんだコレ!?口の中が全体甘い!?まさか王族限定の砂糖をふんだんに使っているのか!!?」

 

魔王と言うキャラを忘れて、素の感想を口にするアーク。

 

「まさか、これが庶民のお菓子なのか!!?人より旨いお菓子が一般的だと言うのか……」

 

暫く呆然としていた後。

少女にまだ無いかと訊くと、少女は雁夜を指しながら

 

「部屋に……運んで」

 

「了解した!!」

 

今度は引きずるような真似をせずに両腕で抱えて。少女の後を追うのであった。

 

 

 

▼△▼△

 

「ーーーーーそして、報酬に貰ったのがコイツだ」

 

バリッ‼モグモグ

 

説明を終えると、アークは袋を開け。食べ始めた。

雁夜は一通り説明を聞き終えると。

 

「食べ物の力って凄いんだな……」

 

そう漏らしたのであった。

 




すっかり地球の食べ物のに魅せられた魔王・アークでした(笑)
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