まず最初に……申し訳ございません!!(;´・ω・) 前回の完結する前に書き直しています!
現実が忙しいと言う事もあって投稿が遅れがちでしたが、リメイクを書き始めた理由ですが……。
それは最近になり何故か直接メッセージが届くようになりまして、その内容が。
『面白いけど主人公をもっと頑張ってほしい』
『元が出来ているので書き直してはいかがでしょうか?』
『面白いけど面白くない。書き直したら見たいです』
……と、何故か色んな人から”書き直し”を強調する内容が多くなり、私も確かに話しブレてるし、主人公の性格も勢いだけで書いていた為、不安定になっていたのでいっその良い機会だと思って書き直す事に致しました(;・∀・)
一応、話の流れはリメイク前が基準ですが、主人公や内容がちょっと変わっております。
前回から応援してくださった方々には申し訳ありませんが、読んでいただければ幸いです。
現在:ベルベットルーム
薄暗く、シリアスな雰囲気を漂わせる電車の内装をした場所で、一人の青年は座っていた。
その青年の髪は灰色に染めており、また顔も最低限は整えている。
だが、青年の目には生気が感じない。それはまるで抜け殻の様に。
そして、その正面ではまるで青年を見据えている様に見詰める鼻の長い男。その隣では目を閉じ、この場の雰囲気を楽しんでいる様に黙っている銀髪の女性が座っていた。
「ヒッヒッヒッ……二年ぶりでございますな。再びこのベルベットルームへ訪れた事、歓迎致しますぞ……」
鼻の長い男『イゴール』の言葉に一瞬、青年は反応するがすぐにそれは消えた。
しかし、興味がない訳ではなく、青年はイゴールへ瞳を向ける。
「何故、俺は
声には生気があまり感じられない。それはあまりに儚く、意識しなければすぐに青年が何を言ったのか分からなくなりそうだ。
しかし、それだけならばまだ良い。青年は”存在”すらも認識しずらく感じてしまう程にこの狭間、ベルベットルームに溶け込んでる。
そんな謎の雰囲気を持つ青年の言葉を聞いたイゴール。彼は既に青年が何かを勘付いていると判断するや否や、口元から漏れる笑い声を抑える事が出来なかった。
「ヒッヒッヒッ……! やはり貴方様は大変面白いお客様でございますな……!」
「否定しないか……再び招かれた以上、契約の事以外にも何かあるのか?――いや、寧ろ何かが起こるんだな」
イゴールの言葉には意味があり、同時に意味がない事を青年は知っている。正確に言えば、イゴールからの助言はあくまでも切っ掛けに過ぎない。
その助言を受け、自分が何を考え何を成すかが重要。
同時に青年にとってベルベットルームへ招かれたのは規模で言えば
そしてイゴール自身も慣れた相手と言える青年に対し、余計な言葉は不要と判断して薄気味悪く笑った。
「ヒッヒッヒッ……!」
一定の間イゴールは笑い終えると、真剣な眼力が青年を捉える。
「近々、貴方様は不思議な事件に巻き込まれる事でしょう。しかし、その事件に足を踏み入れるかお決めになられるのは貴方様自身でございます」
おかしい、イゴールの言葉を聞いた青年はそう感じた。
今までの経験上、イゴールが介入するかしないか決める様な事を聞いた事はない。既に決められた運命とも言える起こる事が確定された事件や異変の数々。それに対し、自分達がどの様な思いでどの様な選択をするのかを楽しんでいる様な男だ。
故に、この言葉は違和感しかない。
そして案の定、イゴールの話は終わってはいなかった。
「……この度の異変。真に対峙なされるのは貴方様ではございません。ですが、貴方様と無関係とも言えない御方。――もうお分りでしょう?」
「ッ!?……まさか……!」
初めて青年に大きな変化が起きた。声を少し荒上げ、目を大きく開けて驚いている。
その考えが正しければ青年にとって今の自分が置かれた
「そういう事か……」
顔を下に向け、諦めたように首を横へ振る青年の姿にイゴールも静かに頷く。
「そう……貴方様の”弟様”でございます」
それを聞いた瞬間、青年の行動は早かった。
この夢から覚める事。意識を徐々にはっきりさせて行き、意識を覚醒させようとしているとイゴールの隣にいた銀髪の女性が口を開いた。
「あらあら……随分とお急がれになられるのね」
「……お前は?」
一瞬、自分が知っている彼女に見間違えそうになったが、その雰囲気は大人の女性であり青年が知っている女性とはまるで違う人物だと気づく。
「エリザベスはどうしたんだ?」
「あの子はいないわ。ベルベットルームを出たの。……今は現実世界のどこかにいるわ」
嘗てのこの世界の住人でもあり、青年にとっても友であり戦友である大切な女性であるエリザベス。
彼女がもうこの世界にいないという事実は多少なりとも青年の心を揺さぶったが、青年は我を忘れる事はなかった。
「何があった……?」
「……『宇宙のアルカナ』を背負いし一人の人間。あの子がこの世界を出て行ったのはその人間を救うため。――それに関しては貴方の方が詳しいのでは?」
「……ああ、詳しいさ。詳しくない訳がない」
そうか、エリザベスが……。青年はそう呟き、再び女性を見つめた。まだ彼女の名前を知らないからだ。
その視線に女性も気づき、静かに頷く。
「ご挨拶が遅れました。私の名は『マーガレット』……貴方様が知るエリザベスの姉になります」
「姉?……どうりで似ているわけか」
青年は多少驚きながらそう言って小さく笑う。
「……互いに個性的な下の姉弟を持って大変だな」
笑みを浮かべながらそう言った青年の言葉。
それを聞いたマーガレットは少し驚いた表情をするが、やがてゆっくりと頷いた。
「ふふ……そのとおりね」
マーガレットがそう言った時だ。青年の世界が揺れた。
嘗て、何度も経験したこの感覚。覚えのある感覚だ。
「どうやら急がなくとも、現実の貴方様が御目覚めになられるようですな……」
「ああ、そうみたいだ。……稲羽に着いたら頼むぞイゴール。弟を……”悠”を頼む」
今にも意識が薄れる青年の問いにイゴールは頷いて答える。
それを見て青年も安心した様に同じように頷く。
「それでは、そちらも頼みましたぞ。――全てを受け入れる『黒きワイルド』・『黒き仮面』持ちし命の旅人。……”鳴上 洸夜”様」
その言葉を最後に、青年の意識は夢の世界から消えた。
End