新訳:ペルソナ4~迷いの先に光あれ~   作:四季の夢

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ゴールデンウイークで得られた休み、計二日。
わーいやったー(涙目)


黒き仮面~鳴上 洸夜編~
第三十五話:愚者の旅先


 

 

 現在:堂島宅【洸夜の部屋】

 

 町が人が寝静まった頃、洸夜は布団の上で片足を曲げ、その上がった膝に手を置きながら座っていた。

 別に眠れない訳ではない。だが洸夜がまだ起きていると変化は訪れた。

 電源を入れていない筈のテレビが勝手に映る現象。それはマヨナカテレビとも違い、砂嵐を背景にした洸夜?の姿を映し出した。

 

『怒り……恨み……妬み……憤怒……復讐……悲しみ……全て自分で選んだ事。自らが負の絆を選び、周りを利用していただけ……己の心を埋める為にな』

 

「……」

 

 金色の瞳を光らせて禍々しい笑みを浮かべながら洸夜?は呟くが、洸夜はそんな相手を無視する様にペルソナ白書を開いていた。

 その開いたページには『スサノオ』と『ロキ』の名が記されていた。

 陽介のスサノオとは違い、本格的な日本神話らしい姿をした仮面と北欧神話のトリックスターの名を持つ仮面達だ。

 

「……」

 

『受け入れろ……も……う……全て……が……遅……い――』

 

 その言葉を最後にテレビは何も映っておらず洸夜?も姿が消えた。

 それを確認する様に洸夜はテレビをジッと見詰め、そしてその後もう一度ペルソナ白書の先程のページを視界に入れた。

 

『■■■』

 

 そこには既に何も書かれておらず”白紙”のページとなっていた。

 そんなペルソナ白書を洸夜は認識すると、静かにそのページを閉じた。

 

 

▼▼▼

 

 

 7月31日(日)晴れ

 

 現在:堂島宅【洸夜の部屋】

 

 悠との壮絶な兄弟会議の翌日。テレビのニュースは美津雄逮捕一色で報道されていた。

 家族への突撃インタビューは勿論、嘗ての同級生から絶対に関わった事のない様な赤の他人のインタビュー。

 更には美津雄の嘗ての作文等も映されており、まさに我先にと言う感じの報道合戦である。

 また、まるで物語の様な殺人である故に事件を前々から知っている者、そして知らなかった者までもが加熱し、未成年の学生だった事も手伝い、美津雄の事を分からない者は殆どいない。

 己の逮捕によって美津雄の願いは叶った。色々な人間が彼の事を見ている。

 

――【殺人犯】として。

 

 しかし、そんな中で洸夜はとある人物と通話をしていた。

 それは昨日から着信を行って来ていた者からであり、洸夜からしても意外な人物からだった。

――その人物の名前は【伏見 千尋】と言う。

 

 高校時代の付き合いであった彼女から連絡が来るのは予想外ではあったが、昨晩から多く着信があった以上、洸夜には無視すると言う選択肢はなかった。

 そして互いに久し振りの挨拶をし、会話を行う。

 

「しかし、本当に久し振りだな。お前から連絡が来るなんて思ってみなかった」

 

『実は本題がありまして……鳴上先輩にお頼みしたい事があるんです……』

 

「頼み……?」

 

 洸夜は伏見の言葉を聞き始める。

 

 

▼▼▼

 

 

 話を聞いた洸夜は頼みの内容を頭でまとめると、今度修学旅行と言う名目で月光館学園に他校の生徒が来るとの事なのだが、他校の責任者の先生に不幸が起きてしまい急遽予定を修正し、学園の良いところとかをOBに言ってもらうと言う企画が持ち上がった。

 その事で洸夜にも参加を伏見は頼んだのだが……。

 

「それ……俺じゃなくても良いだろ? と言うより、なんでわざわざOBが学園の良いところを言わなきゃいけない? ただの自慢話になる……と言うよりもそういうのは在校生の役目だろ?」

 

『うぅ……確かにそうなんですけど……』

 

 その言葉に少し申し訳なさそうな声になる伏見。

 その声に洸夜も少し罪悪感を覚えるが、伏見の能力は洸夜も知っている為、いくら急遽の予定を作る事となったとしても伏見がこんな企画を出すとは思えなかった。

 

「……なにかあったのか? 生徒会長になったお前がこんなよく分からない企画を出すとは俺には思えない」

 

『そ、それが……』

 

 洸夜の質問に対し伏見は、少し言いづらそうに口ごもりながらも静かに話し始めた。

 

『……最初、江戸川先生がなんか新たな薬品を作ったからその実習をさせたいと言ったんです。 そしたら、それを聞いた生徒会のメンバーがその提案を阻止する為に適当に言ったのが……』

 

「この企画か……」

 

――恐るべし江戸川。

 

 洸夜は思わず頭を抑えた。

 江戸川先生……嘗て、洸夜が在学していた私立月光館学園の保険医兼総合教師であり、普通の生徒からまあまあの人望を、一部の生徒からは熱狂的な人望を持つ教師である。

 しかし、その知識の範囲は魔術・秘術・儀式・神話・薬品等々、オカルトや薬品技術に至るまである意味で幅広く、嘗て調子が悪くなった洸夜と『彼』も変な薬を飲まされた事もあった。

 だが不思議と効果は良く、未だに江戸川先生の作った薬による事件は起こっていない。

 伏見の話から察するに、二年たった今も相変わらずなのだろう。

 

『あと……江戸川先生、何故か鳴上先輩が来るかも知れないと伝えたら喜んでいました。"彼なら飲んでくれる"……そう言ってました……』

 

(未だに俺を忘れていなかったか……!)

 

 どの生徒ならば協力的なのか記憶している恐るべき江戸川である。

 伏見からそんな事を聞いてしまった洸夜は話を変える事にした。

 

「それより伏見……俺以外に何人来るんだ? 流石に俺一人じゃないだろ?」

 

『今の所は鳴上先輩を含めれば三人ですね……』

 

「誰と誰だ?」

 

『それは……内緒です! でも、鳴上先輩もきっと喜んでくれる人達ですよ!』

 

 そう言いながら伏見は電話越しで嬉しそうな様子が想像できる様な明るい声を出し、洸夜も伏見の嬉しそうな意味が分からなかったがそれ以上は追求しなかった。

 

『あの……それで、鳴上先輩……来てくれますか? 予定は9月7日なんで、出来れば前日に来て頂きたいんです……』

 

「つまり9月6日……か」

 

 そう言いながら洸夜は机の上に置いてある黒色の写真立てを視線に捉えた。

 部屋の電気は消しているがそれでも確かに見える写真を見て洸夜は、伏見のお願いに承諾すると言う事は再び"あの街"に行くと言う事を自分に問い掛けた。

 

(……俺はどうしたいんだ? 断ればそれで終わりだが……これを逃せば、あの場所に行く機会は二度と無いだろうな)

 

 洸夜は悩み、そしてその結果を口にする。

 

「俺で良いなら……行ってもいい」

 

 洸夜は考えた末にそう言った。

 あの事件の始まりと終わりの町。洸夜が大事な物を手に入れて失った場所。

 色々あったが、洸夜はあの街が好きだった。

 それが洸夜を再びあの街へ向かう事を決めさせたが、それと同時にあの街へ行くのはこれで最後にするとも覚悟を決めさせた。

 そんな洸夜の言葉の裏にそんな葛藤がある事等分かる筈もない伏見は、電話の向こうで喜びの声をあげた。

 

『は、はい! 詳しい事は後々、御連絡しますので! 九時過ぎなのにありがとうございます!!』

 

「いや……礼を言うのは此方かもな。(もう一度、あの場所に行く機会をくれたんだからな……)」

 

『は、はあ……? 良くは分かりませんが……それでは今日はこの辺で、御休みなさい鳴上先輩 』

 

「君もな伏見……」

 

 それだけ言って電話は切れた。

 再び静かになった部屋で洸夜は静かに溜め息を吐くと、自分が本当にその場所へ行くと言う事を言い聞かせる為に、呟く様に自分の行く場所の名を口にした。

 

「学園都市……人工島"辰巳ポートアイランド"……」

 

 

▼▼▼

 

 8月1日(月)曇り➡晴れ

 

 その日、洸夜は堂島と共に昼食を取っていた。

 洸夜はバイトがなく時間に余裕があり、堂島も昼時間ぐらいは取れると言っていた。……と言うよりも、そう言って洸夜を昼食に誘ったのは堂島自身である。

 珍しい堂島からの誘いを洸夜が断る筈もなく、堂島が行きつけの蕎麦屋で食べ終えると入口に設置されている自販機から缶コーヒーをそれぞれ買い、二人は近くの公園のベンチで残りの昼時間を過ごしていた。

 

「まぁ……たまにはこういうのも良いだろ」

 

 まだ何も言っていない洸夜の疑問を晴らすように堂島はさり気なく、独り言の様にそう呟いた。

 

「確かにこういうの初めてだ……」

 

「なんだかんだでお前と二人、こういう時間が取れなかったからな……」

 

 ただでさえ多忙だった中での怪奇殺人事件が重なり、堂島が洸夜と二人で何かする様な時間は殆どなかった。

 家に帰れば適当な会話はするが、それは一歩踏み込むような会話ではない。

 洸夜が既に二十歳とは言え、堂島からすれば十年以上会っていなかった甥っ子に過ぎず、甥と叔父としての家族としての会話も楽しみたかったのだ。

 

「あぁ……その、なんだ……確か今年は大学を受験するんだったな?」

 

「本音を言えばそこまで興味はない……けど後々、自由に生きるのに学歴は付きまとう。なら……そうするしかない」

 

 何とか会話を見つけたいのか堂島はやや口ごもりながら話し掛け、洸夜もそれに応える。

 だが、どこか堂島の表情が暗い事に洸夜は引っ掛かりを覚えていた。

 そしてそれは的を射ており、この会話も本音五割・建前五割であり、堂島が洸夜に聞きたい本音十割が確かに存在していた。

 

「そうか……だが受ける以上は手を抜くなよ? お前が勉強している事も知っているし、受ける前とは言え合格に関しては気にしちゃいないが、やる気も無ければ力も発揮できないからな」

 

 堂島はらしくないと分かっているのか、自分の言葉に苦笑しながら言った。

 叔父らしい事を言って洸夜を激励してもいるが、やはり何かを言いたそうにしているが言えない。

 そんな反応を見れば洸夜も流石に気付いており、自分から切っ掛けを作ろうと考えた。

 

「……叔父さん。そろそろ本題に入ってもらって構わない」

 

「!……やっぱり気付くよな……」

 

 洸夜に言われ、冷静になった事で堂島も自分の様子が変だったと思い出しながら自覚し、気まずそうに肩を落とす。

 

「言い訳みたいだが……今回、お前を昼に誘ったのはその事だけの為じゃない。純粋に叔父と甥としてお前との時間を作りたかったんだ」

 

「その事に関しては疑問を持ってない。……ただ、そんなに言いづらい事なのかなってさ」

 

「それは……」

 

 洸夜のハッキリとした言葉に堂島の表情が曇る。

 刑事である堂島が身内とは言え、ここまで言葉を詰まらせるのも中々に珍しい事と言える。

 だが洸夜は堂島がこうなる時はどういう時か知っている。それは家族として踏み込もうとする時にあり、自分の言葉で家族が傷付くのではないかと思った時、堂島は臆病になってしまう。

 

(俺が言うしかない……)

 

 洸夜は自分が架け橋を掛けようと決め、堂島へ聞き返そうとした。

――時だった。架け橋は意外な所から架けられる事になった。

 

「”桐条”が今回の事件に介入したんですよ……洸夜さん」

 

 背後からの声に洸夜と堂島が振り向くと、そこにいたのは直斗だった。

 突然の事で驚いたものの、洸夜からすれば聞きなれた声でありそこまで驚く事ではなかったが、堂島は別である。

 

「白鐘……! お前……なんでここにいる? って言うか、盗み聞きしてやがったな?」

 

 驚いた表情でそう言う堂島だが徐々に表情に怒りが現れた。

 聞きたい話の本題はまだ言っていないにしろ、今は叔父と甥っ子二人の時間でもあった。

 そんな時に空気が読めないと言うか、赤の他人に踏み込まれて良い気分は堂島はしない。

 

「その事に関しては申し訳ありません……が、堂島刑事も聞きたかった筈ですよね? 洸夜さんと桐条の関係を……」

 

 申し訳ない気持ちはあるらしく直斗は気まずい感じに帽子を深く被り直すが、その表情はすぐに真剣なものに戻して洸夜と堂島へ視線を戻す。

 申し訳ないからの堂々とした直斗の態度。それを見た堂島は”もう一つ”気付く事ができた。

 

「……お前。さてはお見合いの話も聞いてたな?」

 

 堂島はそう言って問い詰める様に鋭い眼光で直斗を射抜く。

 帰って来てからその事を話したの相棒の足立にだけであり、良くも悪くも口の軽い足立が直斗に言い包められたのだと堂島は想像に容易かった。

 

「それも否定しません。……ですが、堂島刑事も洸夜さんに聞きたかった筈ですよね? 桐条の事で……」

 

「!……それは……だな……」

 

 直斗の言葉に堂島の表情が曇る。

 ハッキリ言ってそれは正しく、洸夜にそれを聞きたかった思いがある。

 堂島はそれを言われた事で嘘だとは言えず、表情を曇らせ続けていると洸夜が静かに立ち上がった。

 

「……」

 

「洸夜さん……?」

 

「少し歩いた方が良い。叔父さんが昼休み終わりに署に戻れなくなる」

 

 洸夜のその言葉に堂島と直斗は互いに顔を見比べた後、静かに頷くのであった。

 

 

▼▼▼

 

 現在:稲羽市【警察署への通り】

 

 洸夜・堂島・直斗の三人は警察署に行く道を歩きながら先程の話の続きを行っていた。

 

「……っと言う事で更に言えば桐条と言うよりは、桐条主体の政府公認の特殊部隊――【シャドウワーカー】がこの事件を裏で捜査し始めたんですよ」

 

 直斗は堂島と並んで歩きながら前を歩いている洸夜の背中にそう語る。

 

「だが……俺から言える事は殆ど何もない――美鶴達とは確かに友人だったが、その後にアイツ等が起こした事までは把握なんか出来ない」

 

 本当は美鶴達にシャドウワーカーに誘われたが、今はその事をが直斗に言わない方が良い。

 

 直斗の手伝いをしていると言っても、洸夜もわざわざ場がややこしくなる様な事を言うのは気が進まず、そう思いながらシャドウワーカーの事は無関係と言い張る事にした。

 事実、殆どシャドウワーカーについては知らないのだから真実と嘘が両方あって丁度良い。

 

――しかし、それで直斗が納得するかどうかは別問題。

 

「シャドウワーカーの事に関してはそうでしょうが――”桐条”そのモノに関してはどうでしょうか?――【南条】から独立し、自分達だけで得た桐条の力は良くも悪くも大きい……堂島刑事だって御存じでしょう?」

 

「……ったく、一番言いづらい所で振ってきやがって」

 

 直斗の言葉に堂島はばつが悪そうに頭をかき、足を止めて溜め息を吐きながら語りだした。

 

「……警察関係者の間じゃあ有名な話だ。自分達が捜査している事件に、もし桐条が関わっているなら上の連中から圧力を掛けられ、事件は揉み消されるってな」

 

「そういう事って……刑事の叔父さんが普通に言って良いモノなの?」

 

 堂島が足を止めた事で洸夜も足を止めて話を聞き、刑事である堂島がそんな話をして良いのかと洸夜は尋ねる。

 事実を知っているとはいえ、洸夜は噂の様な内容を堂島が信じているように話すのが珍しくも思えていたからだ。

 だが、洸夜の言葉に以外にも堂島は特に表情も変えずに続ける。

 

「言ったろ? 関係者の間じゃあ有名だってな――最初は噂程度だったが一時期、桐条の関わる事件に手を出した奴が上の指示を無視して捜査した結果、左遷させられ表舞台から消されたって話があった。……それ以来、口には誰も出さないが……公然の秘密みたいになってんだ。まあ、こんな田舎の警察には関係無い話だったがな」

 

 そう言って堂島は話を戻すかの様に直斗を見詰める中、その話を聞いた洸夜はその内容に心当たりがあった。

 

――黒沢巡査……。

 

 嘗て、自分や『彼』と結構良好な関係を築いた交番の警官の事を洸夜は思い出す。

 見た目が恐いが中身は優しかった人であり、色々とサポートをしてくれた人だ。

 学園都市を去る際に挨拶したのを最後に何の音信も無い。

 だが、桐条が原因で左遷させられた黒沢巡査はあの事件に大きく貢献したのは事実故、恐らくは酷い扱いを受ける事はないだろう。

 そして洸夜がそう思いながらボ~としてた時だった。

 

「……それで、結局あなたはどの程度まで知っているんですか?――洸夜さん」

 

 不意に言葉の照準を自分に向け直す直斗の声に洸夜は我に返る

 

「だから知らない。シャドウワーカーとか言われても俺には分からない。どちらかと言えば叔父さんの方が知っているんじゃないのか?」

 

「……いや、俺もシャドウワーカーなんて特殊部隊の名は聞いた事はない。――分かっているのは桐条の力だけだ……現にうちの署の署長は桐条相手に既に尻尾を振っている状態だからな」

 

 堂島はそう言って思い出したようにし、うんざりした様に溜め息を吐く中、直斗は話を続けた。

 

「知らないという割には色々とタイミングが良いと思いませんか? この事件の今まで桐条が介入する予兆はありませんでしたが……あなたとのお見合いの直後に介入してきた。――更に言えば、あなたは友人でも桐条と親しい方ですよね?」

 

「……俺が美鶴達に何か言ったと言いたいのか?」

 

 如何にも疑っています。と言わんばかりの直斗の態度に洸夜の視線も険しくなり、直斗も迎え撃つ様にその視線を受け止めた。

 一触即発までとは言わないが、少し空気がピリ付いているのを堂島も察してはいたが、それを口に出して止める事まではしなかった。

――否、出来なかった。

 

(白鐘は前に言っていた……洸夜はちょっとした協力者だと)

 

 堂島がそれを知ったのは本当に偶然だった。

 あまり事件以外で周りと関りを持たない白鐘が、何故か洸夜が共にいるのをよく目撃されているのが気になった堂島が直斗に尋ねたの始まりだ。

 

『洸夜さんとは事件についての簡単な協力者の関係です』

 

 堂島にとってはまさに寝耳に水であった。

 悠達とは違って怪しい行動も洸夜には見受けられなかった事もあり、堂島が直斗を問い詰めると直斗は一瞬だけ意外そうな表情をしながらもすぐに平常心となり、堂島へ説明をした。

 

『鳴上 洸夜は――』

 

――何かを知っている。

 

 テレビ報道された人物が誘拐される事。天城雪子の件等を始め、洸夜が色々と知っているのは直斗からすればそれなりに不可思議な事であった。

 勘が鋭いやら偶然やらで洸夜は片付けたが、少なくとも直斗はそれだけとは全く思っていなかった。

 しかし、だからと言って洸夜が犯人とも思えず、犯人の共犯者の証拠もない。

 だが――。

 

――鳴上 洸夜は事件について何かを隠している。

 

 それが直斗の出した答えであり、洸夜が自分達に敵対している訳ではないが、他に隠している事もあると踏んでいる。

 洸夜と接してきた直斗が洸夜との会話で今まで感じて来たの”一線”である。

 一線を引かれている。それが直斗が感じて来た思いであり、洸夜が事件に関わっている可能性を聞かされた堂島も悩んだ。

 

(悠もそうだが……洸夜までも。だが……洸夜は桐条とも繋がりがある。――それ関係なのか?)

 

 今まで悠達には何度も疑う機会はあったが、その裏に洸夜がいるとは思っても見なかった堂島。

 そんな堂島が選んだ選択が直斗からの問いに対する”洸夜の反応”である。甥っ子の様子を見守り、真実を見極める事を選んだのだ。

 

「洸夜……」

 

 最後の弱音なのだろう。堂島はどこか不安そうに甥っ子の名を呟く。

 

「洸夜さん……別に僕は貴方を責めている訳ではありません。これは信頼の裏返しとでも思ってください。――僕は知りたいんですよ……貴方が隠している事――」

 

――非現実。

 

 直斗の言葉を遮った言葉。洸夜の声で放たれた言葉に遮られ、その言葉に全てを呑まれた事で後に残るは沈黙だけ。

 ピシャリと言われた言葉に呆気になる直斗と堂島の二人。だが二人の先を歩んでいる為、背を向けている状態の洸夜はその顔を見ないまま語り始めた。

 

「この事件に非現実が関わっていたらどうする? 都市伝説の様な……心霊現象の様な……本来、俺達が踏み込めない世界がこの事件にあったらどう思う?」

 

「っ!――何を!?」

 

 直斗は洸夜の言葉に我に返ると、すぐに非難するかのように険しい表情を洸夜の背へと向けた。

 なんだかんだで直斗は真剣に聞いている。だが、その答えが非現実やら等の訳の分からない言葉であった。

 直斗だけではなく、堂島も何を言っているんだと言うかのように困惑した表情を浮かべていた。

――その時だった。一瞬、洸夜の身体がブレた様な歪んだような光景を直斗と堂島は目撃した。

 

「!」

 

「……?」

 

 直斗は目の錯覚かと瞬きをし、堂島も疲れ目かと軽く目を閉じて撫でる。

 しかし、それは錯覚ではなかった。洸夜の身体から二重に見える様に何かが微かに存在していたのだ。

 

――アイテル。黒き愚者が微かな存在を示していた。

 

「愚者は迷いに魅入られ……抜け出す事を諦めた」

 

 背中しか見せずに洸夜はそう呟き、そんな背しか見れない直斗と堂島はやや不気味さを覚える。

 背しか見えない故、洸夜の表情が想像できないの原因だ。

 また目の前の現象も影響を与えている。目の前の現実なのか、目の錯覚なのかも分からない事が二人に混乱を呼んでいた。

 そして、混乱の中で二人を非現実が吞み込み始めようとする。 

――瞬間。

 

「そこまでに致しましょう」

 

 直斗と堂島の目の前に不意に姿を現す存在。

 幻想的な青を強調した服を纏う銀髪のエレベーターガール――エリザベスが洸夜の背から肩に右手を置いていた。

 その行動はまるで落ち着かせているようにも見え、洸夜もエリザベスの存在に気付く。

 

「悪い……迷惑をかけた」

 

「いえ……大事にならずに済んで良かったです――あまり……ご無理をなさらず」

 

 エリザベスは心配と不安を混ぜてそう言うと洸夜から手を放し、直斗と堂島に一礼して二人を横切って行く。

 そしてエリザベスが横切った事で直斗は我に返り、すぐに背後を向く。

 

「あの――ッ!」

 

 直斗はいつの間にか現れたエリザベスに興味を引かれたが、振り向いた時には既にエリザベスの姿はそこになかった。

 

「そんな……」

 

「……疲れてんのか?」

 

 直斗も、我に返って同じ様に振り向いた堂島も頭が付いて来ない。

 目の前にいた人間が僅かな時間で消え、更に先程までの現象が消えた事で先程までのは夢、幻だったと思えている自分に複雑な思いを抱く中、直斗は向き直して再び洸夜の方を向いた。

 

「洸夜さん……!」

 

「時間だ」

 

 直斗の声に洸夜は一言そう言った。

 そして洸夜のその言葉に堂島は自分の腕時計を見ると、既に時間は12時50分を過ぎていた。

 残念ながら時間はここまでだ。

 

「もう戻らなきゃならん」

 

「じゃあ俺も……」

 

 そう言って洸夜はその場から去って行く。

 そんな甥っ子の背を見詰めながらも堂島は頭を切り替える様に左右に振り、署の方へ駆け足で向かって行く中、直斗だけは最後まで洸夜の背を見つめ続けていた。

 

 

▼▼▼

 

 それから約一月程、時は流れる。

 

 所謂、夏休みの期間。悠達は夏休みを堪能しながら宿題やテレビの世界を行き来して過ごしていた。

 いつの間にかジュネス以外にも堂島宅に集まるのが普通の様になり、陽介達が堂島宅にいるのも珍しい事ではなくなっている。

 それは結果として良い方向であり、菜々子が寂しい思いをせずに済んでいたりしていた。

 そして洸夜もそんな彼等にバイトの合間などを利用して菜々子の宿題と一緒に教えたり、美鶴達やエリザベスと共に稲羽の町を過ごす等、色々とした日常の中を歩いていたりした。

 

 夏休み・海・スイカ、堂島共々、色々と巻き込まれる事もあったが、時期が九月に近付くに連れて美鶴達も部下を残して一旦は稲羽を離れるなど、ちょっとした変化が稲羽を訪れたり去ったりしている。

 

 そして、その去る変化の中には洸夜の姿もあった。

 

▼▼▼

 

9月6日 (火) 晴れ

 

 現在:稲羽駅

 

「それじゃ色々と作り置きしてるからカップ麺以外にも食べてくれよ? あと、燃やせないゴミは今度から火曜日に変わったから。それと、寝る時はちゃんとガスの元栓と戸締まりをしっかり。それから――」

 

 まだ朝早い時間、大きなスポーツバックと刀の入った袋を右肩に乗せがら洸夜は車の外から車内にいる堂島と学校の都合で休みの菜々子にそう話していた。

 早いものでもう9月6日だが、それまでまた色々とあった。

 なにせ、弟と修学旅行へ行く様なものなのだから。一昨日になって洸夜と悠達はお互いに向かう場所が同じだと判明した。

 判明した時の様子は十人十色の反応だったが、洸夜と絆が深くなり尚且つ、洸夜が月光館学園の卒業生だと言う事が分かった事で少なくとも全員が喜んでいた。

 暇があったら洸夜に案内等をしてもらうと言う事だ。

 

 そして修学旅行前日、洸夜は準備等の為に修学旅行で来る悠達よりも一日早くに月光館学園へ着かなければならず、時間の都合でこんな朝早くに稲羽を出なければならなかった。

 堂島宅を出る前に長持ちする料理を作ったり、ゴミの日についてもメモを残したりして後は電車に乗るだけなのだが、洸夜はやはり心配になり現在に至っている。

 そんな洸夜の姿に堂島と、お見送りをすると譲らず付いて来た菜々子も苦笑しかでない。

 

「洸夜……大丈夫だから早く行け。そろそろ電車が来るぞ。――つうか、なんで”木刀”を持っていくんだ? 枕じゃねんだからよ」

 

「洸夜お兄ちゃん……菜々子達は大丈夫だよ?」

 

 そう言う二人の言葉に漸く洸夜は心配しながらも車から離れた。

 

「……それじゃあ、本当に行くけど……本当に大丈夫?」

 

「大丈夫だからさっさと行けって……」

 

 しつこい洸夜に堂島は苦笑以外でない。

 まるで日頃、自分達が何も出来ないと思われているかの様だからだ。

 食生活とか安定したのは事実だが、洸夜と悠が来る前はこれが普通だったのだから問題はない。

 そう思いながら苦笑気味にそう言った堂島の言葉に洸夜はやっと駅へ入って行った。

 

「それじゃあ、土産期待してくれ」

 

「洸夜お兄ちゃんいってらっしゃい!」

 

 菜々子の言葉に手を振って答え洸夜は、駅の中へと消えていった。

 そして、いきなり静かになった空間が嫌だったのか堂島は洸夜が出てこないのを確認するとすぐに車を出した。

 

「洸夜お兄ちゃん……大丈夫……かな?」

 

 洸夜を見送ると言って聞かなかった菜々子だが、やはりまだ眠いのか目をこすりながらそう言った。

 

「……アイツなら大丈夫だから、お前は寝てなさい」

 

「……うん」

 

 堂島の言葉に菜々子は小さく頷くと静かに目蓋を閉じ、その姿に堂島は一息入れて運転を続ける。

 菜々子が洸夜を心配するのも無理はなく堂島も理由を理解していた。

 今日までの間、やたらと洸夜が上の空である事が多かったのだ。

 この間も菜々子と堂島の弁当を間違え、堂島に可愛らしいキャラ弁が、菜々子にはガッツリした弁当を渡してしまった事もある。

 そのお陰で日頃のイメージは改善されてしまい、一部の刑事、婦警と何故かお弁当会が開かれてしまった。

 そんな事を堂島は思い出していたが我に帰り、再び運転に集中する。

――が、すぐに別の事を思い出してしまう。

 

(あの時のは一体……)

 

 堂島が思い出すは8月1日の事、あの時に目撃してしまった異常な光景であった。

 ただの疲れと思って無理矢理に考えない様にしていたが、思い出す度にやけにリアルだったと思ってならない。

 あれから直斗も何か考える様になったり、桐条も更に鳴りを潜める様に裏で調べ始めている。

 

(何だってんだ……)

 

 この田舎町に突如投げられた”連続怪奇殺人事件”と言う名の爆弾。

 洸夜と悠が来た時期ともあって色々と堂島にとっても特別な事件でもあったが、気付けば事件の裏に甥っ子の影・警察上層部からの探偵・桐条率いる特殊部隊。

 

――何かがおかしい。

 

 堂島は事件の中で”引っ掛かり”を覚えていた。

 世間や警察は美津雄逮捕で事件終息と思っているが、堂島はそう思う事は出来なかった。

 

(諸岡殺害は久保だが……最初の二人は?)

 

 諸岡殺害の証拠はいくらでも出ている。最初の二人の事件では警察が手を抜いていたのではないかと思う程に。

 

(色々と気になるが……) 

 

 今考えても仕方ない。そう結論を出す事で堂島は運転に集中し直し、自宅へと戻って行った。

 

 

▼▼▼

 

 数時間後。

 

 現在:とある乗り換え駅。

 

 洸夜は現在、稲羽から幾つか離れた駅で降りていた。

 ここからは乗り換えをしなければならず、少し面倒だが降りなければならない。

 だが乗り換えれば、後は辰巳ポートアイランドまで乗り換えなしで終点まで寝ていられる。

 費用も既に伏見を通して学校から受け取っている為、困る事もない。

 

 洸夜は荷物を整えながら乗っている電車を降り、乗り換えの電車に乗ると適当な席を見付けた。

 四人が座れる座席だったが誰もいない為、洸夜は棚に荷物を置き、刀の入った袋を持ちながら窓際の座席に座ると刀に身を任せながら外を眺めながら昨夜の事を思い出す。

 

『刀は持って行くべき』

 

 昨夜、悠は突然部屋に来ると、そう言って刀を返して来た。

 突然の事に理由を聞いても”なんとなく”やら”勘”みたいな事を言っていたが、悠には辰巳ポートアイランドが前のシャドウ事件の場所である事を伝えていたからかも知れない。

 

(何も起きはしない……起こさせないさ)

 

 今は止まっているが、やがて電車は動き出した事で景色も動きだし、洸夜はそう心の中で呟きながらいつの間にか眠ってしまった。

 次に目を覚ましたのは巌戸台駅だった。

 

 

▼▼▼

 

 現在:巌戸台駅

 

 電車の音声と共に扉が開く。それと同時にぞろぞろ電車から出る人々。

 個の存在を意味など成さないかの様な人混みの中に洸夜も混ざりながら歩く。

 この時だけは自分もペルソナ使いではなく、どこにでもいるただの人間でいられる様な気がする。 

 洸夜はそう思いながら次の目的地へと足を進めながら久し振りの駅の光景に心の中だけで笑みを浮かべていた。

 

(二年振りか……)

 

 嘗ては何度も訪れていた巌戸台駅。そこに着いた洸夜が次に向かうのは接続駅である為に存在するローカル線だ。

 それに乗り換え終点であるポートアイランド駅へ向かい、母校である月光館へと向かわなければならない。

 

(余裕だな……)

 

 左手の腕時計を見ながら洸夜はそう呟いた。

 伏見から指定されていた時間には余裕があり、このまま行けば何事もなく辿り着けるだろう。

 元々、江戸川の案を潰す為の企画となっている以上、自分や他のOB・OG達はいてくれるだけで良い。

 申し訳なさそうに伏見がそう言っていた事もあり、特に心配する事も洸夜にはなかった。

 

(行くか……)

 

 まだ時間はあるが、あとちょっとで出るモノレールがある。

 ここで時間を潰すのも良いが油断して遅れるのは防ぎたい。ならばポートアイランド駅で時間を潰した方がまだ安心できる。

 洸夜は人混みの流れに混ざり、その流れに身を任せる様に歩き出した。

 

「……」

 

 何事も起こらない。

 周りの毎日が同じ日常である人々の流れに混ざりながら辺りを見回し、洸夜はそう思いながら進んで行く。

――瞬間、洸夜は不意に後ろから手を掴まれた(・ ・ ・ ・)

 

 

▼▼▼

 

 彼女(・ ・)にとってそれは偶然だった。

 昔、引っ越してしまった親友と泊りで遊び、その翌日の早朝に電車に乗った。

 他の友人達と集まる約束をしていた為、その場所へ向かう為だった。

 乗り換えも特にはなく、人も少なかった事で安心して座る事が出来、彼女は静かに眠りに着いた。

 

『巌戸台駅~巌戸台駅~です。御降りのお客様はお忘れ物のない様にご注意ください』

 

(!……もう着いたんだ)

 

 どうやら深い眠りに入っていた様だ。

 アナウンスで目を覚まし、気付いた時に目的地までの間が短く感じてしまった。

 

「んっ……!」

 

 座ったまま伸びをし、彼女は他のお客が降りるのを待つことにした。

 今乗っている電車はこの駅が終点であり、乗って来るお客はいない。

 自分と同じ様な考えをしている人も多く、一部のお客は他のお客の様子を見ながら荷物をまとめている。

 

 また自分の隣に座っているお客もその一人だろう。彼女はそう思った。

 自分からは座席の背もたれ側である為、姿は見えないが気配はある。

 

(この人や他の人が行き始めたら私も行こうかな……)

 

 彼女は三つ編みにしている自分の髪を整えながらそう思い、手回りの荷物を確認していつでも降りられるようにした時だ。

 不意に隣のお客が立ち上がり、彼女は思わず見上げた。

――瞬間、世界が止まった。

 

「えっ……」

 

 それは一人の青年。灰色の長髪が目立つ、スポーツバックを肩に掛ける一人の青年だった。

 しかし彼女にとってはそれだけの存在ではない。

――二年振り(・ ・ ・ ・)でも分かる程だった。

 

「どうしてここに……!――っ!?」

 

 突然の事に思わず涙が出そうになるが、青年が自分に気付かずに電車を降りた事で彼女はすぐに我に返り、急いで荷物をまとめて降りた。

 

(どこ……!)

 

 急いで見渡すが既に青年の姿はどこにはいない。

 視界に映るのは沢山の人々の流れ。この中で目的の人物だけを見つけるのは困難としか言えない。

――だが。

 

(!……そうだ)

 

 彼女はすぐに思い出す。

 青年とはいつも登校していた。だから行動が昔と変わらなければ……。

 

「!」

 

――見つけた。

 

 人の流れの邪魔にならない柱の傍、昔と同じ様にそこに立ちながら人の流れを見ていた。

 しかし、青年は腕時計を見るとその場から移動を始めた。

 だが、彼女も次は見逃す事はしない。ここで見失えば本当に会えない気がしたからだ。

 

――二年前の様な別れは望んでいない。

 

 青年が人の流れに入ると同時に彼女も流れに入り、ずっと青年の背を捉え続ける。

 仲間達とこの町に会う約束がされた今日。これは偶然ではなく運命としか思えなかった。

 だからこそ――。

 

――彼女は。

――【女教皇】は。

 

――『山岸 風花』はその手を掴んだ。

 

 

 

▼▼▼

 

 

 現在:ベルベットルーム

 

「おや……? どうされましたかな?」

 

「エリザベス……?」

 

 イゴールとマーガレットに背を向けながら不意に立ち上がったエリザベスは二人の言葉に振り向かずに答えた。

 

「……少し出掛けて参ります」

 

「またなの? 今度は何処へ行くつもり?」

 

「つーん……でございます」

 

 正す様にエリザベスに言うマーガレットだが、エリザベスは反抗する様に言い返す。

 そんな妹の姿にマーガレットは呆れた様に溜め息を吐くが、イゴールは全てを分かっているかの様に笑い出した。

 

「ヒッヒッヒッ……! あの街に向かうのですか……気をつけて行くのですよ」

 

「はい。主様……」

 

 イゴールの許可に頭を下げるエリザベス。

 その言葉にマーガレットもエリザベスが何処へ行こうとしているのかが分かった。

 

「もしかしてエリザベス……あなた、あの街に行く気なの? でも、なんで今更……」

 

「ヒッヒッヒッ……! 何かを感じましたかな……」

 

 二人の言葉にエリザベスは顔を横へ向けて二人の方を向くと、小さく笑みを浮かべると彼女は右手の人差し指を立てる。

 その指の先には20枚のアルカナカードが回っていた。

 

「はい……再び回り始めた彼の旅の結末。その一つを私自身に刻み込む為に……」

 

 エリザベスはそう言ってベルベットルームから姿を消した。

 

 

 

END

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