新訳:ペルソナ4~迷いの先に光あれ~   作:四季の夢

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アンケート式の悠の選択肢が好評で嬉しい私です(´・ω・`)
またキリが良いので今回は短めで。その代わり次の話で戦闘は決着させるつもりです。


第四十九話:道化師

 

「……お前は誰だ?」

 

 悠は洸夜の前に立つと、そう言った。

 

「……」

 

 すると洸夜の纏う気配が変わったのを悠とクマは感じ取った。

 

「ク、クマァ!?」

 

「……」

 

 クマは何かに気付いた様に叫んだ。

 悠は険しい表情で洸夜を見つめるが、まだ事態が分かっていない美鶴達は悠の言葉に困惑してしまう。

 

「なに……?」

 

「お前、何を言って――」

 

 美鶴が悠の言葉に疑問を抱き、順平も何を言っているのかと聞き返そうとした時だった。

 コロマルが急に洸夜へと吠えた。

 

「!――ワンワン!!」

 

「コロマル……?」

 

「コロマルさん……?――っ!」

 

 乾とアイギスがコロマルの様子に違和感を抱くと同時だった。

 コロマルの声を聞いたアイギスは何かに気付いた様に、指の銃口を洸夜へと向ける。

 

「アイギス!?」

 

「おい! お前まで何を……!」

 

 ゆかりと明彦がアイギスの行動に驚いている中、悠も刀を洸夜?へと向けた。

 

「おい! どうなってんだ!」

 

 真次郎も流石に困惑しており、思わずその場で叫んでしまう。

 しかし、全員が困惑していた訳じゃなかった。悠やアイギスの様子を見ていた風花がまさかと思い、ユノを召喚した。

 

 そして洸夜?を対象としたのだろう。ユノは洸夜?を真っ直ぐに捉えた時だった。

 

「っ!――皆、下がって! その人は洸夜さんじゃありません!」

 

「えぇっ!?」

 

 風花の言葉に順平がマヌケな叫び声をあげるが、美鶴達は即座に間合いを取った。

 すると洸夜?も顔を下へと向いてしまい、何も喋らなくなった。

 

「洸夜……?」

 

 美鶴が洸夜?へ声を掛けるが、洸夜?は何も言わない。

 ただ黙って下を向き続けており、その姿が美鶴達には不気味に見えたのだろう。

 

 不意にゆかりが顔を逸らした時だった。

 ゆかりは洸夜?の足元から伸びる影に気付いた。

 

「あっ!!」

 

――!?

 

 ゆかりの悲鳴の様な声に全員が洸夜?の足元――その伸びる影を見た瞬間、言葉を失った。

 悠もそちらの方を見ると、すぐに異変に気付いた。

 

 その異変――洸夜?の影は異形な姿をしており、まるで笑っている様に動いていたのだ。

 それを見た瞬間、美鶴達は一気に後方に跳ぶと同時にアイギスが洸夜?へ発砲した。

 

 しかし、洸夜?は人間と思えない動きでそれを回避すると、後方へと跳んだ。

 そして洸夜?が顔を上げた瞬間、悠達は思わず目を見開いた。

 

「あの目は……!」

 

「シャドウだと……!」

 

 顔を上げた洸夜?の顔は――金色の瞳をし、同時に禍々しいオーラを纏ったのだ。

 そして洸夜?はようやく言葉を発した。

 

『バレた……()()()()()が見破られた……』

 

 洸夜?はまるで無気力の様に覇気のない声をだった。

 魂が篭っていない声とも見え、その声があまりに不気味で美鶴達も身構えていた。

 

「お前は誰だ!!」

 

 悠は腹の底から叫ぶように声を出した。

 兄を騙る洸夜?の存在も気に障るが、何より兄の無事が分からないから尚のこと不安だった。

 

 すると洸夜の纏うオーラが徐々に大きくなっていることに悠は気付いた。

 

『俺は洸夜……それ以上でもそれ以下でもない。ただの洸夜……そして――』

 

 そこまで言った瞬間、洸夜?のオーラが一気に膨れ上がった。

 そして足元の影が洸夜?を包み込むと、徐々にその肉体は巨大化し始める。 

 

「これは……!」

 

「一体、どうなってやがる!」

 

 あまりの強風に美鶴は顔を抑え、真次郎は武器を構えたまま思わず叫んでいた。

 悠もクマと共に武器を構えながら強風に耐えていると、やがて風が止むと同時に洸夜?が姿を見せた。

 

『我は影、真なる我……我は何者にもなろう。我こそは真なる洸夜……真なる【道化】なり』 

 

 洸夜?――<洸夜の影>はその姿を現すと、その姿に悠達は思わず言葉を失った。 

 その姿はシャドウとは思えない程に()()()で、巨大な仮面を付けていた。

 

 すると、その姿を見た美鶴達は思い出した様に声をあげた。

 

「このシャドウは……! この世界に来た時に洸夜を呑み込んだシャドウか!」

 

「どうやら先程のシャドウは前座だった様だな……!」

 

「コイツが本命……? さっきのシャドウとは何かが違う……!」

 

 美鶴はこの世界に来た時に見た洸夜を呑み込んだシャドウであることを思いだし、それを聞いた明彦は既にやる気に満ちている様にファイティングポーズを取っていた。

 

 そしてチドリは外見から感じる威圧感に、先程の洸夜のシャドウとは違う不気味さを感じ取っている様だった。

 

「クマ……どうなんだ?」

 

「センセイ……このシャドウから強い力を感じるクマよ! まるで空っぽの様なのに凄い沢山の力を感じるクマ……!」

 

 悠の問いにクマは震えながらそう答えた。

 クマが本気で怖がるほどのシャドウ。それはきっと並みのシャドウではない。

 

 悠も思わず息を呑み、刀を構えると同時に美鶴が風花へ指示を出す。

 

「山岸! 奴を探ってくれ!」

 

「はい!」

 

 風花はユノを維持しながら洸夜の影を探り始めてくれた。

 そしてすぐに風花は皆に知らせた。

 

「分かりました。全属性に対する耐性は無し! ですがスキルは一通り扱えるようです!――そしてアルカナは……【道化師】です」

 

「道化師……?」

 

 初めて聞くアルカナの名に悠は、すぐにマーガレットからのメモを開いた。

 すると、そこには確かに道化師の名前があり、同時にこう書かれていた。

 

『道化師――【愚者】の別解釈のアルカナ』

 

「愚者の別解釈……? それが道化師のアルカナ……あれが兄さんの中に存在していたのか」

 

 ワイルド能力者である洸夜の本来のアルカナは【愚者】の筈だった。

 しかし、現にシャドウとして現れている以上、洸夜の中に【道化師】が存在していることを意味していた。

 

 そして同時にこのシャドウの体内に洸夜がいることも。

 

「美鶴さん……兄さんはあのシャドウに?」

 

「あぁ……私達が直に見ている。洸夜はあのシャドウに呑まれた。だから助ける為には……」

 

「悠さん……あのシャドウを倒しましょう。そうしなければ洸夜さんも……!」

 

 美鶴はシャドウを睨みながらそう言うと、続く様にアイギスがそう言った。

 その言葉に悠も、そして他のメンバー達も一斉に武器を身構えた。

 

 皆、分かっている様だった。

 目の前のシャドウが倒すべき存在であることを。

 

 胡坐で座り、周囲に幾つもの仮面を浮かべている洸夜の影。

 やがて洸夜の影も静かに動き始めた。

 

『我は演じる……望む姿……望まれる姿を……』

 

「来ます!」

 

 洸夜の影が腕を伸ばし、周囲の仮面を手に取ると同時に悠が叫んだ。

 洸夜を助ける為の戦い。その最後の戦いが幕を開けた。

 




助け出された洸夜が敵だった伏線?

・探知できる風花、クマ、アイギスを徹底的に無視した。
・実はエリザベスは最初の洸夜の影から洸夜を助け出したが、その洸夜が【道化師】のシャドウだった為、奇襲されて敗北している。だから「洸夜を信じるな」と言った。

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