ボバ・フェット(偽)はウィッチとともに空を飛ぶ 作:KeI77777
なんでや!!愛している相手を傷つけないヤンデレかわいいやろ!!
感想返し
Q更新乙です
とりあえず一言・・・ルパーーー○!!!お前のせいでボバくんがたいへんなことになっているじゃねーーーか!!!確かに女の口説き方は上手いけど下手したら世界中の女軍団につけ狙われるやつだそれ!!!
とりあえずボバくん・・・いいお茶葉送っておきます・・・(哀れみの目で
Aルパンなら仕方ない。
ボバくん。もう腹を斬ったほうが速いんじゃないかな(諦観)
斬ったら斬ったで彼の遺体をめぐってウィッチ同士の争いが起きる模様。
SBR(スティール・ボール・ラン・レース)かな?
彼にお茶を与えると、今は扶桑皇国に帰っている宮藤のことを思い出しては夜な夜な悲しんでおります。
心理フェイズは遊戯王の基本(デュエリスト並感)
ほんへ開始。
KEY(ドM)
基地での清掃を終えて、やってきましたA隊とB隊の模擬戦。
さすがにこれだけの数のウィッチが相対するだけですごい迫力だ。
記者や報道陣達も我先にと詰め寄り、ウィッチ達にインタビューしようとしている。
いや、先に自分の国の汚職を片付けろよ、と思いつつも持ってきた『美よし』のまんじゅうを食べながら呑気に観戦している。
そして昨日のロザリー名誉隊長との会話を思い出す。
・・・・・・・・・・
「おや?俺も一応待機するんですか?」
「ええ。一応、です。」
何だか気疲れしている彼女にクッキーを差し入れつつ、話の続きを聴いていく。
お手製のクッキーをぼりぼりと一緒に食べながら彼女の入れてくれた紅茶を一緒に飲む。
「一応とは?」
「なぜか上層部からはあなたの情報が極力もれないようにしろ、とのことで。あっ、このクッキーおいしい・・・。・・・もし、でるとしてもA隊とB隊のどちらに味方するかまでは知りませんが・・・。」
「そうなんですか。」
無理もない。
俺はどの国にとっても機密扱いのはずだ。
模擬戦で出せばその情報が漏れてしまう可能性がある。
その結果、裏社会と何人かのウィッチたちの間だけで噂されている(そう聴いた)らしい俺の情報が洩れて、どんな世論が巻き起こるか分かったものじゃない。
だが、一応隊に協力しているという体を保つために、今回の待機となったのだろう。
「ミス・ロザリー。こんどは俺が紅茶をいれますよ。」
「あら、ありがとうございます。」
い少なくとも彼女からは嫌われてはいないらしい。
あれだけのことを言ったのに、人間ができている人だ。
そのまま、ティータイムを楽しみつづけた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
で、今に至ると。
いやー。ロザリーさんも俺の顔を知らないから、出番が来るまでこのビルの上で悠長に彼女たちを眺めつつ、持ってきたお菓子を食べているんだよねー。
まさか屋根の上から試合を見ようとしている男がいるとは思わないだろな。
そして、合同訓練を行っているここはトロワの郊外である、フォレ・ドリオンのオーゾンタンブル湖だ。ここはA隊がいるセダン、B隊のいるディジョン、そしてパリからの等しい距離なのでこういった506の軍事演習にうってつけの場所なのである。
せんべいを食べながら、双眼鏡で彼女たちの様子を見る。
どう見ても至近距離まで顔を近づけてメンチを切っているようにしか見えない。
・・・・・・・・本当に上手くいくのかこれ?
そんな悠長なことを、せんべいをかじりながら考えていたら、心臓が止まりそうになった。
元501のエーリカとバルクホルンがなぜか現れたのである。
エーリカはアイスを食べていてだらーっとしているが、バルクホルンは掲示板の前に立って何かを説明している。
なんであの二人が?と思いつつ懐かしい彼女たちの姿にほっこりしていると
エーリカがこちらの方を向いてきた。
慌ててしゃがんで隠れる。
やっばい。さすがエーリカ。
半端ない勘の良さだ。
おそらくすべてのウィッチの中で世界最高のネウロイ撃墜数を持つだけある。
気配がなくなったのでもう一度覗き込むとバルクホルンと何かを話しているようだった。
おそらく、アイスを食べてやる気が全くないように見えている彼女を叱っているのだろう。
501に居たときに何十回と見てきた光景だ。
そのまま、模擬戦が始まるのを待ち続けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん?」
「どうした、エーリカ。」
「いや、なんか懐かしい感じがして・・・。何だろう。すっごくじれったい感じがする。」
「?」
なんでもない、と言って506のメンバーの方に向き直る。
結局、あの夜に彼を探していたが見つからずに基地までを撤収した。
もう少しのところで会えたかもしれないと思うと悔しくてたまらなかった。
どうしていっつもこんなすれ違いが多いのだろう。
髪につけてある、彼からもらった赤いかんざしを手でいじりながらそう考える。
まぁ、今はそれよりも彼女たちのことだ。
メンバーはそれぞれ大体5人程度で、A隊とB隊に分かれていた。
傍から見ても口喧嘩を早速始めているくらいだから聴いた通りあまり仲がいいとは言えないらしい。
それにしたってだらしがないと自覚している私だってもうちょっと上手くやるけどなぁ。
隣に立っているバルクホルンに予想を聴いてみる。
「どっちが勝つと思う?」
私がそういうと少し腕を組んだ後、「Aかな。」とつぶやいた。
「へえ。なんでさ?」
「見たところだと戦力的にはおおよそ互角だろう。・・・・・ただし、彼女が今は居るからわからんが。」
ちらりとその人物の方に目を向けるトゥルーデと私。
その視線の先にいるのは、どこか宮藤に似ている黒髪のウィッチ。
「資料を見たところかなりの修羅場はくぐってきているようだ。実力的にも一流と考えて問題ないだろう。」
「だからAの方が勝つ可能性が高い、か。」
「戦いにおいては何が起きても不思議じゃないのだがな。逆も十分あり得る。」
「・・・・・・彼だったら何て言うだろうね。」
「あいつなら『俺が付いた方が勝つよ』とでも言いそうだな・・・・。全く、どこにいるのやら。」
・・・・・・・・・・・・
「ふえっきし」
体調管理はしっかりしているはずなのにくしゃみが止まらない。
ずず、と鼻をすすって彼女たちの様子を見る。
少し気になっているウィッチ達が何人かいた。
一人はマリアン・E・カール。
あのシャーロット・E・イェーガーと同じくスピード狂で彼女を尊敬してやまないという人物だ。
もっさんの親友である竹井醇子というベテランのウィッチと互角の戦いを繰り広げたという情報が確かならばその実力は本物だろう。
実は、少し楽しみでもある。
そして、もう一人が前に会ったときに突っかかってきた赤髪の長身のウィッチ。
アドリアーナ・ヴィスコンディである。
ハンナ・マルセイユがトブルクに居たときにすれ違いで配属となった実力者のウィッチで、もし二人が出会っていたら、大げんかしていたか意気投合していたかのどちらかだというジョークが交わされている人物だ。
彼女にもそういった点からハンナよりも強いのかどうか興味がある。
そして、一番のジョーカーである黒田那佳。
彼女はあの扶桑海事変に関わっていたことからかなり年齢が低いときより空を飛んでいたことが伺える。
人柄もかなりよいが、それ以上にその実力がどれほどのものか見てみたい。
何というか、彼女は死ななそうな感じがすごいのである。
ルーデルほどではないだろうが、撃墜してもケロッと歩いて帰ってきそうだ。
にしても、あの二人がオブザーバーとは。
バルクホルンの唇を読んで、聞き取った会話から彼女たち二人がオブザーバーであるということを知った。
カールスラントのスーパーエース二人の姿を見てそうため息をつく。
わかっていたけどここのレベルはそこそこ高いだろな。
さすがに501、502クラスのウィッチ達はそうはいないだろうがそれでも一筋縄じゃ行かないだろう。
始まるまで寝るか、と思って寝転がろうとしていたら、隣の建物から奇妙なものが見えた。その屋上から何かが光っているのが見えて、そちらの方に目を向ける。
すると、スナイパー・ライフルをつけた怪しい黒ずくめの男がウィッチ達のほうに照準を合わせて撃とうとしている。
いつもの装備に変えて、ワイヤーを男のところまで伸ばし飛んでいき、飛び蹴りを食らわせる。
蹴られた衝撃でくるくると回りながら落ちていくライフル。
攻撃された手を抑えてこちらを睨みつけてくる男。
「何者だ?」
「通りすがりの清掃人さ。答えろ。なんで彼女たちを狙った?」
男は答えずにナイフを構えて飛び掛かってきた。
それを手首の部分をつかんで握り締めて、ナイフを落とさせる。
パンチを食らわせてきたが、アーマーに阻まれて鈍い骨が折れたような音とともに男がうめく。
「悪いね。これ特注品なんだ。あんたの軟な拳じゃ傷一つつかないよ。」
形勢が不利だと悟った男が屋上から飛び降りる。
すぐに駆け寄って下を見ると、上手く窓や壁についている突起を蹴って、地面への衝撃を減らして降り立つ男の姿があった。
・・・・・仕方ない。
腕から毒矢を発射して男体を射抜く。
神経麻痺の毒なので死にはしない。
腕を男の背中に向けて発射したそれは、やつの背中を貫いた。
小さな声を挙げて倒れる男。
すぐに駆け寄って誰もいない物置まで引きずる。
手足を縛り、危険なものをすべて没収した。
これで大丈夫だろう。
男は毒が回ったのか失神している。
しかし、なんで彼女たちを狙ったのか。
腕を組み、首をひねって考える。
(なぜ人がこれだけ多くいて、しかも報道陣まで詰め寄ってきている中で実行しようとした?・・・・・・・いや、むしろ逆に大衆の前でウィッチ達を殺すことが目的なのか?・・・・・わからない。ならこいつの体に聴くか。)
口に布をかませ、男を近くにあった麻袋の中に入れて担ぐ。
どこからどう見ても清掃作業しているおっさんにしか見えないだろう。
そのままえっほ、えっほと運んでいく。
すると、後ろか声を掛けられる。
「すいませーん。お手洗いってどちらですか?」
振り向くとエーリカの姿が。
かぶっていた清掃帽を深くかぶり直し、マスクをつけ、声を低くしてごまかす。
「あー。向こうの方ですよ。お嬢さん。」
「ありがとうございまーす。」
とてて、と小走りで指示した方に向かう彼女。
まさか彼女に声を掛けられるとは。
バレなくてよかった。
人間を袋詰めにして運んでいるのを見られていたら言い訳のしようもなかったからな。
そのまま男をスレーヴⅠの中まで運び、扉を閉める。
さて。
色々と聴いてみますか。
男を袋から出して、かませていた布を外す。
「さてと。こんにちは。俺が誰かわかるかい?」
「・・・・・・・・・・」
黙る男。
顔を一発殴っておく。
それでも言葉を発さなかったのでもう一発おまけしておいた。
「お前に黙秘権はない。・・・・・・・ボバ・フェットという名前を知っているなら今のうちに吐いた方が身のためだ。」
驚いたような顔つきになる男。
唇は真っ青に、額には冷や汗が浮かび上がってきている。
それでも意地なのか、しゃべろうとはしない男。
困った。
俺は拷問とか得意じゃないからあまりわからない。
こういったときにどうすればいいのか。
・・・・・・・・あ、そうだ。
男の近くまで寄りながら、マスク越しに満面の笑みを浮かべて肩に手をまわしてなれなれしく接する。
そんな俺に警戒する男。
おいおい、怖がるなって。
次の俺の一言で男は今度こそ絶望したような顔になった。
「ねーえ。君。お空の旅って好きかい?」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「おばちゃん、いるー?」
そういいながら甘味処である、『美よし』のボロボロである引き戸をがらがらと引いて入ってくる一人の少女。
彼女の眼の中にテーブルの上で腕を組み、眠りこけているしわしわの老婆の姿が飛び込んできた。
少女は彼女のところまで歩くと、肩をつかんで揺さぶった。
「おきてよー。おやつ買いに来たんだからー。」
「・・・・・んん?ああ、いらっしゃい。なんだ、せっかく気持ちよくねていたのにさ。」
「もう少し防犯対策とした方がいいんじゃないの?」
「お菓子やに入ってもお菓子しか盗るないもんないだろうに。」
それもそうか、と少女は納得して老婆の正面の椅子に座る。
「ねえ。なんかすっごく幸せそうな顔で寝ていたけど、何かいい夢でも見ていたの?」
そんな少女の言葉に顔のしわを深めて笑みをこぼす彼女。
その顔は、孫のことを考えているような祖母の顔つきだ。
「いやぁ。懐かしい夢を見てねえ。」
「懐かしい夢?」
「そうさ。」
自分がかけている老眼鏡を外して、眼鏡ふきで拭き、耳にかけなおしてから続ける。
「・・・・・・ずっとずっと昔。私がまだ今より若かったころ。一人の常連客がいてねぇ。今でも時々やってきては大量にお菓子を買っていってくれるんだけど、その子が小さな女の子を連れてきたことがあって、その時のことを思い出していたのさ。」
テーブル上の両肘をつき、腕を組んでその時のことを思いだす彼女。
「へえー。そんな長い付き合いのある人がいるんだ。で、その人って今はどうしているの?」
「今でも顔を出してはくれるんだけど、世界中を飛び回っているっていっていたよ。」
自分がつくり、さらに入ったお菓子を小女に渡して食べさせてやる老婆。
それをありがとーと言って受け取る少女。
もぐもぐとそれを箸でつっついて食べている。
「おいしーい!やっぱりおばあちゃんの“がね”って最高だね!」
「ほめても何も出やしないよ・・・・。ああ、今のあんたの姿を見ているとその時きた女の子の反応を思い出すよ。」
「その人たちってなんて名前だったの?」
「確か・・・・。」
壁に飾ってあるその人物たちと自身がピースして写っている写真を見ながら思い出したかのようにそういう彼女。
「ああ。そうだ。あの写真に写っているのが加東圭子って子だね。」
「ふーん。加東・・・・圭子・・・?」
はて、どこかで聴いたような気が?と少女が頭をひねるも出てこない。
そして、もう一人の名前を老婆が告げる。
「・・・・・・・もう一人がジャンゴ・フェットだね。」
まだ若い少女、黒田那佳は幸せそうに笑顔を浮かべている少女と、老婆と、その間に立っている顔の部分が汚れで見えない一人の男性の写真を眺めた。
・・・・・・・・・・・・・
「ほーれほれ。早くはかないとどうなっても知らないよー。」
男をワイヤーでつるしながら空中で引きずり回す。
目をまわしながらとうとう観念して情報を吐き出す男。
「わ、わ、わかった!!わかったからもう降ろしてくれ!!気持ち悪い・・・。」
そんな男を地面へと降ろして、話を聴くことにする。
「やっとか。結構根性あるじゃない。少し見直したよ。・・・・・・・で、何で彼女たちを狙っていたんだ?」
「はあっ、はあっ、はあっ・・・。ああ、依頼されたんだよ・・・。あんたがこの一件に関わっているっていうから引きずり出すためだって。」
「つまり、狙いはウィッチ達じゃなくて俺だっていうのかい?」
「そうだ。裏社会であんたのことを知らないやつはいない。あんたのことが邪魔な奴らがいるのさ。」
泡を少し吹きながらそうって言ってくる。
「ちきしょう・・・・。ドジっちまった・・・。消されるかもしれん・・・。」
「まあ、あまり気にすんなよ。あ、お菓子食べるか?」
「・・・・この際やけだ。食ってやらあ・・・。」
そういって俺が差し出したお菓子に縛られたままかぶりついて食べる彼。
おお、言い食いっぷりだ。
あぐあぐと噛んで、ごくりと飲み込んだ。
「依頼主は?」
「言ったら消される・・・・。ってまてまてまて!!銃をこちらに向けるな!!言う!!言うよ!!」
男が懇願してきたのでブラスター・ライフルをしまう。
今度こそ観念して情報を吐き出す。
「・・・・・・・依頼主の一人はカールスラントだ。」
「・・・・は?」
カールスラント?なんで?
ガリア、リベリオン、ブリタニアあたりの俺を恐れているやつらならわかるが、エーリカたちの祖国がどうして俺を狙う必要がある。
話しの先を促す。
「なんでもあんたがカールスラントのウィッチ達と仲が良すぎるのでそれを危惧した軍部の一握りのお偉いさん方が暴走したようだな。」
「あー・・・。」
そういわれて思い返す。
今まであったカールスラントのウィッチ達を。
エーリカ・ハルトマン。ゲルトルート・バルクホルン。ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ。ヴァルトルート・ケルピンスキー。エディータ・ロスマン。ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ。ライーサ・ペットゲン。グンデュラ・ラル。ハンナ・ルーデル・・・・・。
ああ、確かにこれはやばいな。
まだまだたくさんいるし。
彼女たちが万が一魔力を失うことがあったらカールスラントはお終いだろう。
そして、もう一つ気になったことを聴く。
「さっきあんたは依頼主の一人は、って言ったよな?他にも複数いるってことか?」
「ああ。詳しくは知らないがなんでも扶桑皇国とか他の国々からも狙われているらしいぜ。」
まじかよ。
あれか、今まで好き勝手やってきたからか?
額に手を当てて天を仰ぐ。
・・・・・・・どうやらまたあいつに情報を集めてもらう必要が出てきたな。
「よし。わかった。嘘は言っていないようだしな。・・・お前はこれからどうするんだ?」
「まずは死亡偽装をしておかないと殺されるからな・・・・・。それから考えるわ。あんたも甘いな。彼女たちを撃とうとした俺を殺さないなんて。」
同じ世界に身を置くものとして信じられないといって顔を向けてくる。
以前の俺だったらあっさりあの世に送っていただろうけどな。
「早く逃げな。顔を変えてな。」
「そうするわ。・・・・・もう二度とあんたに会いたくねぇよ。」
「だったらきちんと足を洗うんだな。」
わかったよ。じゃあな。
そういって出て行く男。
先ほどの男の話を頭の中で繰り返す。
敵はガリア、ブリタニア、リベリオンの要人だけかと思っていたが他の国も絡んでいたか。
装備をしまい、ジャンゴの服装に着替えてさて、模擬戦をやっているところに戻るか、と考えながら歩いていたら知り合いにばったり会ってしまう。
「あ。」
「ん?あれ、ジャンゴさんじゃないですかー!!」
そういってこちらの両手を握ってぶんぶんと振ってくる人懐っこい彼女。
おおよそ貴族という言葉がこれ以上似合わない相手はいないだろうという少女。
庶民派の黒田那佳である。
そういえば彼女もA隊として模擬戦に出るんだったか。
嬉しそうにこちらの顔を見つめてきて、先日のお礼を言ってくる。
「この前くれたあのお菓子。あれ、すっごく美味しかったです!!よかったらまたくれませんか?!あっ、もちろんお代は払いますから。」
「いや、そんぐらいいいから・・・。まあ、たまにだったらね、たまに。」
「えー。まあもらっておいて厚かましいですよね」
彼女と横並びで歩く。
服のいたるところにペイントはついているが、模擬戦はもう終わったのだろうか。
気になったので聞いてみる。
「そういえば模擬戦どうだった?」
「えへへ。おかげさまで勝てましたー!!」
ぶいっと指でピースサインしてこれ以上ない笑みを浮かべる彼女。
へえ、あの強者そろいのB隊に勝ったのか。
さすがに扶桑のウィッチは強いのが多いなぁ・・・。
・・・・もっさんとか、“彼女”とかがおかしいいだけか。
そのまま話を聴いていく。
「でも、報道陣もみんな帰っちゃって、そろそろ終わりだと思ったんですけど、それでもまだあと一つやることがあるんですって。」
「へえ。」
ん?A隊とB隊の演習が終わったのにまだ何かあるのか。
一体何だろう。
彼女たちがいるところに行くと、誰かの怒鳴り声が聞こえてきた。
「・・・・・・彼のことを悪く言ったら許さない!!」
「なんじゃお主は!!本当のことをいって何が悪い!!」
ぎゃーぎゃーと周りの人に抑えられながら今にも殴り掛かろうとするエーリカと、それをかかってこいと言わんばかりに迎え撃とうとして、同じように周りから止められているハインリーケ。
・・・・・・・・なんだこりゃ。
黒田さんが近くにいたイザベルさんに聴く。
「あ、あのー。あの人ってオブザーバーのウィッチさんですよね?なんでハインリーケさんと喧嘩しているんですか?」
「ああ。何でももう一人A隊とB隊には協力者がいてね。彼を含めて模擬戦をやろうということになったんだけど。彼のことをハインリーケが悪く言ったら、あそこで喧嘩しているエーリカさんが怒って。それで・・・。」
エーリカ。俺のために怒ってくれるのは嬉しいけど、ちょっとやりすぎのような気がする。
バルクホルンもしぶしぶエーリカを止めてはいるが、それでも同じくらいキレているのがわかる。
目が全く笑っていない。
二人の会話に耳を澄ませる。
「彼のことを何も知らないくせに!!あの人がいたら、あんたたちなんて一瞬でやられちゃうんだからさ!!」
「何を!!そやつはこの場に来ておらんじゃろう!!大方尻尾でも巻いて逃げたのではあるまいか?!」
「彼は絶対そんなことしないよ!!!」
「よせ!!エーリカ!!気持ちはわかるが・・・。」
・・・・・エーリカ。バルクホルン。
頭が急速に冷えていく。
「ねえ、黒田さん。俺ちょっと用事ができたから行ってくるね。」
「へ?ああ、行ってらっしゃい。」
まだ喧嘩している二人を尻目に俺は近くの茂みに入った。
・・・・・・・・・・・・・
悔しい。
彼のことを悪く言われるなんて。
バルクホルンと一緒に506のオブザーバーとして参加して、まさか最後の最後で彼の名前を聴くことになるなんて。
嬉しいと同時に悲しくもなった。
506の人たちがいやそうな顔をしていたからだ。
あの人のことを悪く言われて、頭に血が登ってしまった私も私だけど、それにしても彼のことを知らなすぎる。
「あの人は!!世界一強いんだから!!」
「そんなわけなかろう!!妾一人でも倒せるわ!!」
でも、冷笑されるばかりで取り合わない。
同じく苦々しい顔つきで私を止めるトゥルーデ。
「魔力を持たない者がどうやってネウロイと戦うというのじゃ!!」
「こうやってだよ。お嬢さん。」
上から声が響く。
皆がそちらに顔を向けて、声のした方を見る。
「あ・・・・・・。」
思わず声を漏らしてしまった。
そこにいたのは、あの頃と変わらない姿で空を飛んでいる彼の姿。
「ボバっ!!」
・・・・・・・・・・・・・
すぐに着替えて彼女たちの真上に飛んできた俺。
声を掛ける。
「久しぶり、エーリカ。相変わらずかわいいね。」
降りてきた俺に駆け寄って抱き着いてくる彼女。
「私・・・。」
「うん。全部見ていた。俺のためにありがとう。でも、彼女たちの言い分だって間違っていないから、ね?」
「うん・・・・。」
抱きしめて、頭をなでる。
次に近くにいて腕を組みながらこちらを見つめてくるバルクホルンに声を掛ける。
「バルクホルンも久方ぶり。元気だった?」
「・・・・・・ふん。お前がいなくたって元気だったさ。」
先ほどまで悔しそうに顔をゆがめて居た彼女は、いつもの感じに戻っていた。
元気になったか。よかった。
そんな俺たちの姿を見て呆然とする彼女たち。
そういえば俺が彼女たちの知り合いだと知らなかったか。
「でもなんでお前がここに・・・。」
何か言おうとした彼女の唇に手を当てて、黙っているように頼む。
(ちょっとね。まぁ、俺がもともと501で戦っていたことはみんなには内緒で。)
(・・・・また何かあったのか?)
いぶかしんできた彼女にちょっとね、とごまかして返す。
我に返って詰め寄ってくるハインリーケさん。
「お、お主。今空を飛んでおらんかったか・・?」
「ええ、そうですよ。ハインリーケ嬢。」
そんな俺の言葉遣いに吹き出すエーリカとバルクホルンの二人。
・・・・・・・真剣な話をしているんだからさ。
真面目に聴こうよ。
そんな彼女たち二人を気にせずに続ける。
「それで、俺と一緒に戦うのは気に入らないと?」
「!!そ、そうじゃ!!A隊で戦う責務があるのは貴族だけ!!おぬしがわざわざ戦う必要もないはずじゃ!!」
「へえ。それはそれは。」
振り返ってB隊の隊長を務めているジーナ・プレディさんに聴く。
「B隊の皆さんはどう思われますか?」
「・・・・・・正直言うとまだ信頼できない。あなたは異質すぎる。」
想像通りの言葉だ。
計画通りに上手く事が運び続ける。
「さて。困りましたねぇ。俺は一応506の協力者としてここにやってきて、その実力をみせるために模擬戦への参加を一応していたのですが・・・・。全く、どうしたらいいものやら。」
芝居がかった口調と態度で周りに振る舞う。
皆からの怒りを感じる。
わかりやすく煽っているから無理もない。
「模擬戦はやりたい。でも、俺はA隊からもB隊からも一緒に戦うことを拒否されてしまった。」
「だったら私とバルクホルンが一緒に・・・。」
「いや、君たちは一応二つの隊のオブザーバーだから、そうもいかないよ。」
「ではどうするというのじゃ?何か案があるとでも?」
あまりやりたくなかったが、ある提案をする。
彼女たちにとってはそのプライドが大きく傷つけられるその一言を。
「・・・・・俺VS,A隊&B隊っていうのはどうでしょうか?」
しん、と静まり返る場。
こいつは何を言っているんだ?という顔を皆している。
そして、感情を抑えたような冷静な声で異議を申し立てるハインリーケのお嬢さん。
「お主・・・・。自分が何を言っているのかわかっておるのか?」
「もちろん。」
「ここにいる506全員を相手に勝てるとでも。」
彼女たちをちらり、とみて答える。
「大体15分くらいで全滅させられますよ。」
「~~~~~~言ったな!!貴様!!」
これで釣れた。
さて、審判をやっていたバルクホルンに聴くか。
「バルクホルン。ルールはさっきのA隊とB隊が戦ったときのままでいいんだよね?」
「ああ。これがルールだ。」
ペイント弾を使ったルール。
大まかに言うと、①ペイント弾が体に当たったら撃墜判定となり、即離脱すること。
②ストライカーユニットの片側に当たった場合はそちらだけを故障して動かなくなった扱いとし、戦闘続行は可能。③ストライカーユニットの両側に当たった場合も撃墜判定となり、これも即離脱。
こんなところか。
念のために言質を取っておくか。
「あとルールを追加してくれないか?俺の場合は背中のジェットパックがストライカーユニットってことにしてくれ。それと俺のこのアーマーは持ち込みOKかい?ハインリーケさん?」
「ちょ・・・。」
「よいぞ!!それくらいの条件飲んでやるわ!!」
あちゃーという顔になっているジーナさんとロザリーさん。
詳細なことを聴かずにすぐに彼女が了承してしまったのでこれはまいったという顔をしている。
「それでは、3分後に始めるのはどうですか?」
「いいでしょう。・・・・・・皆もそれでいいわね?」
「A隊と組むなんて死ぬほど嫌だけど、今はあいつを倒したい。」
「奇遇じゃな。妾もお主たちと一緒に戦うなど考えたくもないが、今だけは特別じゃ!!」
これで勝負することが決まった。
戦いの場に赴く前に、二人の元へ向かう。
「お前は馬鹿か?相手は8人だぞ?勝ち目はあるのか?」
「501全員相手にするよりは楽だろう?」
俺がそういうと腹を抱えて笑い出すバルクホルン。
よほどツボに入ったらしい。
「はっはっはっはっは!!そうか!!それなら大丈夫だな!!・・・・・行ってこい。お前が負けるなんて微塵も思っていないよ。」
そういってこちらの背中を叩いてくる。
次にエーリカの方を向く。
「あのさ・・・・。私も本当は一緒に戦いたいけど、今日は見守っているよ。」
「うん。ありがとう。・・・・・君が信じてくれた男は、世界一強いってことを証明してくるよ。」
彼女の頭を撫でて、戦いの場へと向かう。
渡されたぺイント弾入りの銃を複数担ぎ、彼女たちと向かい合う。
8人もいるので圧巻だ。
「ほう。本当にやるつもりか。狂っているのか?」
「もともとそうだよ。お嬢ちゃん。」
「誰がお嬢ちゃんじゃ!!妾にはハインリーケという由緒正しき・・・。」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ彼女を無視して他のメンツを見る。
殺気、憎悪、嫌悪、憤怒。憐憫、それぞれ違う感情を抱えているのが目に見えてわかる。
「あんたを倒す。」
「できたらいいね。お嬢さん。」
ペイント弾が入った銃を構える。
「10・・・・。」
審判役のバルクホルンがカウントダウンを始める。
「ああ、一つだけ言っておくよ。」
「・・・・・・?」
頭にクエスチョンマークを浮かべて何のことだとこちらを見る彼女たち。
「8・・・・・7・・・・・・・。」
カウントダウンが続く中、俺も自身の言葉を話し続ける。
「・・・・・・俺のことをとやかく言うのはどうでもいいが・・・。」
4・・・・3・・・・とカウントダウンが終わりかける中、静かに告げる。
「・・・・・・エーリカとバルクホルンを悲しませた報いは受けさせるぞ。小娘ども。」
1までカウントが続き、0と彼女が言った瞬間。
戦いが始まった。
ボバ「エーリカとバルクホルンェ・・・・・。いやいいけど。」
エーリカ「だっこして。」
バルクホルン「(チラチラと何かを期待するようなまなざしを向けてくる。)」
506「倒す(殺意)」
黒田「ん?何か聞き覚えのある声のような気が・・・。」
宮藤「あれ?なんかむかむかする・・・。あの人のことを考えて落ち着こう。」
ミーナ「」←後日、模擬戦で彼に会えたエーリカとバルクホルンから話を聴いて拗ねている。
模擬戦で戦うことになったボバ君。
エーリカとバルクホルンが見ているのでガチで戦います。
宮藤が見ていたらもっと強くなっていました。
次回予告。模擬戦。
ボバ「(外道シールド展開)」
ウィッチ達「やめろォ!」
お楽しみに。
KEY(ドM)