ボバ・フェット(偽)はウィッチとともに空を飛ぶ 作:KeI77777
だから投下だ。
その前に感想返し。
Q伯爵が可愛い!?
ストライクウィッチーズで一番好きなキャラ&ヒロインが珍しいキャラなので、今後が凄い楽しみですw
取りあえず、全裸で待機してます
A伯爵はかわいいですよ。
シャーリーとか、もっさんとか、サーニャが好きな人が多いと思います。
実は宮藤って淫獣ネタがなかったら完全無欠のヒロインになりえちゃうんですよね。
だからそうしたふざけた部分を公式が足して、接しやすくしたんじゃないかな、と。
Q一言だけ、・・・・・・最高じゃーないか!!!
ボバさんとうとうやってしまいましたねどうなることやら(ふっふっふっ
Aウイッチたちと継続して文通している時点でただならぬ予感がするんだよなぁ・・(恐怖)
付き合っていないのにライーサと毎日トランシーバーで連絡しあって、妻が二人いて、それでこれからまだ増やすために命を張るっていうんだから(愉悦)
あっ、いいネタが思い浮かんだ。(フラグ)
Qボバさんェ...遂にやっちまったなぁ‼(意味深)このままボバさんが何処ぞの誠くんのように、NiseBoatな展開にならないことを祈るばかりです。それでは次回の更新を首を長くして待ってます。
Aボバくんに対する、みんなからのおもちゃを見るような目つきに草不可避。
そういうハッ○ーセットについてくる玩具のような扱いを受けるとは思わなかったので腹筋にダメージが来た。
NiceBoatか・・・・。Ifとしてみんながキャットファイトして争う路線・・・。
想像してみたら胃が痛くなった。
あっ、そうだ。Ifのお話としてみんながヤンデレになる話を本編後に書いてみようかな。
次回の更新も未定。
KEY(ドM)
スピード狂。
それは、速さを求め続けるいかれ野郎にのみ送られる称号である。
シャーロット・E・イェーガー。
通称、グラマラス・シャーリーはそれだった。
何かにとりつかれたかのように速さを追い求める生活。
1943年には、それだけのために軍隊に入隊してしまったほどの筋金入りの人間である。
その性質からか、軍規に背くような違法改造を自身のストライカーユニットにたいして施していた彼女は追放されかかっていた。
そこで訪れた救いの手、それは501統合戦闘航空団への誘いであった
能力的には極めて優秀な彼女を追放処分してしまうのはあまりにももったいない。
それが軍上層部の見解であった。
ならばと最後の賭けにも等しく、リベリオンはストライク・ウィッチーズへの入隊を命令。
結果的には彼女を御することに成功した。
相方として気があった、同じような問題児、フランチェスカ・ルッキーニとの出会いが彼女の問題行動を静まらせた。
と、同時に脱走を繰り返していたルッキーニの問題行動も彼女から諭されたのかすっかりとなりを潜めてしまった。
これでよかった。
あの男が現れるまでは。
今、リベリアン上層部並びに、統合戦闘航空団にウィッチを派遣している国のトップたちが一同に会していた。
丸い円形のテーブルを囲むように用意された椅子に座る。
それぞれの顔には、おのれ、奴め、という表情が浮かんでいる。
仕切りをとっている男が立ち上がり、司会を進める。
「それでは、今回の緊急会議を進行させていただきます。」
国のトップが集まって話す議題。
それは
「やつをどうにか縛り付けることはできんだろうか。」
小太りの勲章をいくつも体中につけたカールストラントの元帥がそう述べる。
彼は先日、“取引”を持ち掛けられたうちの一人であり、ウィッチと彼の関係を懸念している人物でもある。
リスクよりもリターンをもたらすことができる存在。
利用しないわけにはいかないが、かといってそれに依存しては不味い。
あの男を敵に回した場合、他の彼になびいているウィッチが脱退、最悪はこちらに牙をむいてくる可能性がある。
それだけはどうしても避けたいことだった。
ウィッチはどの国にとっても最重要の戦力であり、彼女たちがいるこそネウロイに対抗で来ている面は否めない。
戦線がここまで維持できるのも彼女たちの力によるところが明らかに大きいのだ。
それに対してリベリオンの同じく軍部のトップが反論する。
「下手なことをして刺激した結果、やつが襲ってきたらどうする。たった一人でネウロイの巣を壊滅させられる相手だぞ。」
その目には動揺の感情が浮かんでいる。
カールスラントの元帥と同じく、彼も“パフォーマンス”によってその力を見せつけられていた。
隠していたカードをわざわざ切った理由は、こちらへの武力的な牽制であることは明らかだった。
それに加えて、ウィッチ達が魔力減退期を迎え無くても引退できるようにしろ、と要求をしてきた。
あの男がネウロイを根絶やしにしてくれるのならば、二つ返事で飛びつくだろう。
しかし、まだその信憑性を信じ切れていかなった。
ネウロイの脅威を身に染みて理解している彼らかすると、今でも自分の目を疑っているほどだった。
ならばと思い、女で篭絡しようと試みたがハニートラップは効きそうもない。
逆に送り込んだ女スパイが「あっ、私彼のそばにいたいのでやめます。」といって退職届を出したと聞いた時には卒倒したものだ。
このままでは主導権を握られてばかりだ。
それにもっとまずい問題がある。
件の男はかつて、501統合戦闘航空団が解散してから様々な組織を回っていた。
それぞれの組織にいた期間はそう長くはなかったはずだが、やつが来た組織では明らかにネウロイ撃墜数が上がり、去った後には陳情書が送られてきた程だ。
まるで、ハーメルンの笛吹のようにこちらのウィッチ達と親しくなってしまった。
そして、再結成された501にトンボがえりをして、今そこで落ち着いているという。
そのことを聴いた他のウィッチ達がまた不満をもらしていて、現場からは何とかしてほしいという声があがった。
悪夢と希望を一度に持ってきた男。
それがボバ・フェットという男だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シャーロット・イエーガーはボバ・フェットに対して興味を抱いては居なかった。
自分のスタイルがいいと自覚していた彼女は、また胸とか見てくるのだろうな、と明るくけらけらとふるまいながらも半ば冷ややかに考えていた。
整備班の男性たちにはいつも世話になっているし、他の軍人たちもいい奴ばかりだった。
しかし、なめまわすようにこちらの肢体を見てくるのだけはどうしても受け付けなかった。
(この男もそうだろうな。)
そう思っていた。
しかし、違った。
こちらに全く興味も見せずに淡々と仕事をこなしていた。
(なんだ?どうしてあたしを見ない?)
それは、初めての体験だった。
本当に事務的な会話しかせず、最低限の挨拶しかしてこない男など、会ったこともなかった。
街を歩いていたらナンパされたこともあった。
それ自体は純粋に嬉しかったが、やはり脳内でいやらしいことをかんがえているような相手だったので丁重に“お断り”した。
結婚をいきなり申し込まれたこともあった。
でも、こちらからすれば見知らぬ相手だったので何か怖かったし、傷つけないように拒否した。
そういった経験を積み重ねていくうちに、やはり自分は恵まれているんだな、という優越感を感じられたものだ。
それに驕ることはなく、自分自身の魅力として活かした。
でも、あいつはこっちを見なかった。
やつはいつも何かを目で追っていた。
その先には決まって宮藤がいた。
あたしとは正反対のはっきり言ってまだ小さい子供。
でも、この部隊の誰よりも優しい頼れる仲間。
なぜ彼は彼女を追いかけていたのだろう。
気になって仕方がなかった。
それまでは彼と深く話す機会はなかったが、彼が来てから数日後、その時がやってきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はあ?ドッグファイト?」
「そうだ。これも訓練の一環だ。」
そういってきたバルクホルンにそう聞き返す。
やっぱりお堅いねぇ。
もっとゆるーくしててもいいだろうに。
そんな気持ちが顔に出たのか、こちらを睨みつけてくる。
おおっ、こわっ。
「で、相手は誰?ルッキーニ?それともバルクホルン?」
「彼だ。」
その言葉を聴いて固まる。
彼?それって
「だっはっはっは。まっさかー。戦うの?」
「そうだ。」
はっきり言ってこの時のあたしはあいつをなめていた。
そんな強くもないんだろうって。
「まあ、やれっていうのならやるけど。」
「だ、そうだ。」
そういって姿を表す男。
ボバ・フェット。
確か最強の賞金稼ぎとか言われているらしいけど、果たして本当なのかね?
少し挑発してみる。
「おいおい。大丈夫?手加減してあげられないけど。」
何か言い返してくるだろうと思っていた。
でも、あいつは「ルールは?」とバルクホルンに聴いてくるだけだった。
まるで無視されたみたいでカチン、と来る。
「制限時間は・・・そうだな。お昼の時間までにしよう。撃墜判定が出たら終わりだ。
殺しはもちろんご法度だ。」
「わかった。」
そういってようやくこちらを向いてくる。
ようやくか。
「あたしは早いぜ~?追いつけるかな?」
言葉を投げかけるも、またこちらではなく、こちらの後ろを見ている。
その視線を目で追うと、また彼女がいた。
一体何なんだ。
今はアタシが相手しているところだろ。
なるべくけがをさせずに終わらせようと思ったが、気が変わった。
銃を構えて狙う。
「あたしさ。これでも結構寛容な方だと思っているけれども、さすがにちょっと傷ついたかなーって。」
「・・・・・・・・・は?」
訳が分からないという感情で声をだす。
そういうところがますます気に障る。
もういい。
「墜としてやる。」
・・・・・・・・・・・・・
先日けがを治してくれた彼女を盗み見していたら、ウサギ耳が生えている彼女に殺気を飛ばされた。
おかしい。
俺は彼女に対してかかわっていないはずだ。
名前は、えーっと。
・・・・・・・・・いや、まさか、女性の名前を憶えていないなんてミスをするわけない。
前に名前を間違えたときには、その女性から本気で怒られた経験があって、同じようなミスをするなんて。
とりあえず、銃を乱射してきたので、それを小回りを利かせて飛び回り、弾幕を避けていく。
腕の方はかなりいいようだ。
こちらもボルテージが上がっていく。
確かウィッチ達はシールドを持っていたはずだから当たっても大丈夫だよな?
さすがにミサイルは撃たないが、ブラスターは良いだろう。
後ろを向きながら飛んで、彼女の方に照準を合わせて三点バーストで牽制する。
「うわわわわわ?!」
こちらのブラスターの光弾に驚いたのか慌てて緊急回避をとっている。
厄介だ。
身のこなしだけならあの坂本少佐並みに上手いかもしれない。
これは長期戦になるか?
「あんた、変な銃もっているな。まるでネウロイ・・・。」
そう言いかけて、ハッと何かに気づいたような顔をする彼女。
「・・・・・・・・まさかネウロイ?」
そんなわけあるか。と思わず突っ込んでしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・
「ん・・・・・・。」
あれ、あいつは?
ああ、そうか。
「あの時の夢をみるなんてなぁ。」
もうちょっとロマンスがある夢を見せてくれたっていいのに。
ベッドから起き上がり、カーテンを開ける。
窓を開けて空気を入れ替える。
今日は雲一つない快晴だった。
まだ眠っている相方の体を揺さぶって起こす。
「起きろ、ルッキーニ。朝だぞ。」
「ん・・・・。」と身じろぎを数度した後、目をぱっちりと開けて体を起こし、きょろきょろとあたりを見回している。
「あれ?ボバは?お菓子は?」
「何寝ぼけてんだよ。もう起きる時間さ。」
大方彼に餌付けされる夢でも見ていたのだろう。
全く、あの男は。
宮藤がいるというのに、商売女に尻尾振っちゃってさ。
そんなことを考えているともやもやしてきたので、さっさと着替えて食堂に向かうことにした。
お腹も空いたし。
まだ少し寝ぼけているルッキーニの手を引きながら、一緒に食堂まで歩いていく。
中に入る。
すると、すでに何人かは来ていたようだ。
「おはよう。」
「おはよう。・・・・ルッキーニはまだ寝ぼけているのか。」
やれやれ、とバルクホルンがあきれる。
今ここにいるのは、宮藤とボバ以外の全員だ。
いつもは早起きのあの二人が今日は珍しい。
「あの二人は?」
「リネットに聴いてみたが、宮藤は部屋に帰っておらず、彼も自分の部屋にいないようだ。」
あの二人が、ねぇ。
どうもきな臭いというか、何か直感みたいなものが訴えかけてきているというか。
何かあったんだろう。
「どうする?一応温めればまたすぐにたべられるでしょ?」
「あー、せっかくこうして奇跡的に集まったのだからみんなで一緒に食べたいんだけどなー。」
「エーリカの気持ちはわかるが・・・。」
テーブルに顎を乗っけてうなだれるエーリカ。
その髪には見たことのない黒色のかんざしがつけられている。
あれ?
「なあ。そのかんざしどうしたの?」
「もらった。」
もらった?誰に?
確か扶桑の装飾品だよな、アレ。
じゃあ、あの二人のうちどちらか?
もっさんの方を見るが、どうやら違うらしい。
少し羨ましそうな感じだったからだ。
「それよりあの二人は?」
「今、他のやつにも探してもらっている。」
たった二人っきりで消えるとはねぇ。
何というか。
「気に入らない。」
「ん?何かいった?シャーリー?」
何でもないよ、といつものように飄々とした笑顔をルッキーニに対して返す。
そうだ、あいつがどうだろうとあたしには関係ない。
すると、ドアが開いて二人が入ってくる。
「遅かったな。二人と・・・。」
顔を上げて二人の姿を見たもっさんが固まる。
何だ、と思い二人がいるであろう後ろの方向を見てみる。
思わず、目を背けそうになってしまった。
すぐに離れたからほんの一瞬だけしか見えなかったけど、確かに手をつないでいたのが見えた。
それを慌てて離す二人。
「・・・・・・ふーん。」
何かをいいたそうな顔つきで二人を見るエーリカ。
有体にいって、どこか気に入らない、といった感じを受ける。
食堂の温度が二度下がったような気がする。
その姿を見たとき、何だか胸が苦しくなった。
それでいいんじゃないか。
だって、二人は相思相愛なんだろう。
ずっとずっと、二人は想い続けてきたんだろう。
じゃあ、何も問題はないじゃないか。
気まずい沈黙が食堂に流れる。
おかしい。ここは「やっと告白したか、このヘタレ。」とでも言って彼をからかうシーンじゃないのか。
口を開いて軽口を叩こうとするも、うまく動かない。
「とりあえず、座ったら?」
ミーナがそう勧めて、二人が隣同士の席に座る。
あたしのとなりにあいつが座ってきた。
思わずびくっ、と体が跳ねてしまった。
「じゃあ、朝食を頂くとするか。」
そういっていただきますの温度をとるもっさん。
こころなしか辛そうに見える。
「「「「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」」」
朝食が始まった。
・・・・・・・・・・・・・・
しまった。
まいった。
まさか食堂に来るまでに手を離すのをうっかりと忘れてしまうとは。
こんな凡ミスをしてまうなんてありえない。
でも、彼女の手は、とても温かかったなぁ・・・
そんなことを考えていると、隣から視線を感じる。
宮藤の方を見ると、ジト目で何かを訴えかけてきていた。
(どうするんですか。皆にばれちゃったんじゃないですか?)
そんな彼女に目線だけ送りながら返す。
(大丈夫だ。現にこうして穏やかに食事がとれているだろう?)
そういう意図をこめて視線を送り返すと、テーブルの下でモモをぎゅっとつねられる。
「いてっ!」
「どうした?」
「なんでもない」、とごまかす。
どうやら彼女はおかんむりのようだ。
機嫌を取らなければ。
彼女の片手をみんなに見えないようにテーブルの下から握る。
すると、わずかだが顔を真赤にしてこちらを見つめてくる。
(ちょ、ここでそんな・・・)
(いやかい?)
「・・・・・・・バカ」と彼女が小さくつぶやいたような気がした。
さて、最優先の問題はこれで解決した。
しかし、新たな問題が発生した。
・・・・・・・・どうやって食事をとろうか。
結局、途中で手を離して食べるのに専念した結果、こんどはつま先を軽く踏まれた。
期待させおいてお預けのような形になった分、ますます機嫌が悪くなったらしい。
そのあと必死にフォローした。
・・・・・・・・・・・・・・
「ところでさ。」
エーリカが何かをぽつり、と突然話し始める。
「昨日何か獣のようなうめき声が聞こえなかった?」
彼女がそういった瞬間ぶほおおっ、と仲良く吹き出すボバと宮藤。
むせて息が苦しくなっていたが水を飲んで落ち着く。
その二人の様子の理由に全く気が付かない者、疑惑の目を向けている者、ジトっとした目で舐っている者。
反応は様々だった。
「の、野良猫でもいたんじゃないかなー?」
「そうそう。最近繁殖期だから増えているようだしな。」
宮藤とボバがそういう。
「そうなのかなー。シャーリーはどう思う?」
「ええっ?!あたし?!」
突然話題を振られて戸惑うシャーリー。
理由として考えられるものが彼女には浮かんできてしまった。
その光景を想像しただけでも顔から火が出るほど恥ずかしい。
本とかでは知っているが、そういう経験はまだないのだ。
勘弁してほしい、と彼女は切に願った。
「どうだろうなー。ま、まあ、狼なら基地で見たことがあるけど・・・・。」
「本当か?それは不味いな・・・。さすがに駆除せねば。」
全く気が付いていないで対策を打ち出し始めるもっさん。
首をひねってそんなのいたか?と考えるバルクホルン。
狼、ね。とボバの方に意味ありげな視線を送るミーナ。
そして、疑念の目をボバと宮藤に向けているエーリカとサーニャ。
え?え?どういうこと?とおいてきぼりなエイラ、ルッキーニとペリーヌ。
芳佳ちゃん、まさか・・・・。と宮藤のほうを見つめる耳年増なリネット。
三者三様の反応をとった。
「大丈夫さ。俺が探して退治しておくから。」
なっ、とみんなに言う。
隣の宮藤は「ボバさんがそうでしょう。」と心の中でつぶやいた。
結局、ぎこちない、何というかいつもとは違う雰囲気で朝食会が終わった。
「・・・・・・・・嘘つき。」
誰かのそんなつぶやきが、聞こえた。
・・・・・・・・・・・・・・・
今日は特にやることもないし、掃除でもするか。
そう思い、スレーブⅠの中をごそごそと漁り、いらないものを出していく。
戦いの前には綿密な準備が必要だ。
それも、手ごわい敵が相手ならなおさらに。
基地に送られてきていた手紙を見る。
色とりどりの封筒が大量に来ていた。
月に一度、まめにこういうものを返している。
継続的にコミュニケーションをとるのは人間関係でとても重要なことだからだ。
はっきり言うと面倒に感じることもあるが、前に返事を送らなかっただけで悲しまれたので、それからは何があっても極力返すようにしている。
手紙を開けて、中身を確認していく。
これといって変なこともないが、一応戦線のことも詳しく知ることもできるので、彼女達からの情報はとても貴重だ。
もし何かあっても、すぐに駆け付けられるようにしておいてある。
彼女たちにはばれないようにだが。
手紙を確認していると、大きな封筒を発見した。
送り主は、ハンナだった。
中を開けるとサイン入りのブロマイド写真だった。
サイン嫌いなのにわざわざこうして入れて送ってきたということはお返しを期待しているということか。
彼女は国民から絶大的な人気を誇っているので、もしサイン入りのブロマイドを持っていることがファンにばれたら冗談抜きで殺されるかもしれない。
絶対にばれないようにしなければ。
戦慄しながら次の封筒を開けると、かわいらしい丁寧な文体の手紙が入っていた。
ライーサからだった。
要約するとお体に気を付けてください。また、会えたら嬉しいです、だそうだ。
何というか、男殺しだよなぁ、とつくづく思う。
こんなこと言われたらぐっと来てしまう。
あらかた手紙をさばき終わると、最後に一際大きな封筒が目に入る。
これは、誰だ?
裏の差出人を見るとヴァルトルート・クルピンスキーと書いてあった。
彼女か。しかしいつもは簡素な手紙だけなのに何で今日はこんな大きな・・・。
そう思って中を取り出すと、今までで最大の奇襲を受ける。
いつもの彼女の装いとは違う、長髪の髪型、スカートを履いており、胸元を強調している彼女の写真が入っていた。
何で、どうして、と思いつつ添えられていた手紙を読む。
『やあ。ちょっと女らしい格好してみたんだ。髪はウィッグで、スカートは服屋の店員さんに頼んで見繕ってもらったよ。スタイルがいいと自負しているからくらっとしてくれたかな?ふふふ。君があわてる姿が見れたら嬉しかったんだけどね。髪は伸ばした方がいい?』
その問いに即答でイエス、という返事を書いておいた。
もう一度彼女の写真を見る。
くあああああああああっ、といいもしれぬ感情が胸の奥から湧き上がってきて船内を転がる。
ごろごろごろと壁にぶつかるまで悶えながら転がり続けた。
そんな奇行を繰り広げていると、ドアをコンコン、と叩かれる音が聞こえる。
誰だ?
警戒してブラスターをもってドアの前に立つ。
「誰だ?」
ドアを開けた先には・・・・。
・・・・・・・・・・・・・
あいつとドッグ・ファイトをしてからいくばくかの時間が経って。
最初は距離を測りかねていたみんなが次々と仲良くなっていくのを目の当たりにした。
あの口うるさいお堅いバルクホルンがあんな顔をするなんて久しぶりに見た。
エーリカは無関心を装っているけれども、気がついたら彼の近くにいる。
もっさんは一緒に稽古をするのが楽しいのか、いつもあいつを連れて剣で打ち合っている。
ミーナはそんな皆にあきれたような顔をしていたけれども、どこかすごく羨ましそうだった。
ペリーヌはしぶしぶといった感じで接しているが、憎からず思っているのが丸わかりだ。
ルッキーニはお菓子をもらうようになってからは懐くようになった。
リネットは最初は怖がっていたが、紳士然としたあいつの態度に安心したのか、好きな本について一緒に語り合っている。
サーニャはあまりあいつとしゃべっていないけど、どこか落ち着いているような気がする。
エイラは「サ、サーニャを守るためだからナ!!」とか言っているけれども、本当はどちらが目的なのかもうわからない。
宮藤は、いつの間にか彼に笑顔をよく向けるようになっていた。
あたしは、取り残されているような気になった。
別に誰かが悪いわけではない。
そう、誰も悪くないからこそ、やるせないのだ。
誰かを責めることはできないし、またそうするべきでもないんだろう。
あたしは、どうかって?
目をそらし続けていたけれども。
最初は無視されているみたいで大っ嫌いだった。
それからはこちらに注目するように気を引こうとした。
誰よりも速く空を飛んだり。
普段やらないようなおしゃれしたり。
あいつのためにご飯つくってやったり。
でも、そんな女の子らしさとか、あたしには無縁だって気がついて。
心の中で人知れず泣いた。
スタイルの良さを活かして、視線を釘付けにしようとしても全く効かなかった。
嫌われているのだろうか。
そんな考えが頭をよぎって不安になった。
ちょっと酒を飲んでみて、嫌なことを忘れようとしたら、あいつが酒場に来た。
あたしを心配したミーナ達に頼まれて迎えに来たらしい。
男連れに見えるから、安心して連れ帰ってこれるだろうという理由からあいつが来ることになったんだと。
大丈夫か、と言われたけども「うるさい。」と不機嫌に返してしまった。
そのままあたしはテーブルに突っ伏していたけれども、あいつに起こされて、気が付いたらおぶられていた。
「何だよ・・・・。もうちょっとくらい飲ませてくれたっていいじゃんか・・・。」
「さすがに飲みすぎだ。」
いつもはアタシのことよりも、あの娘のことばかり気にしているくせに。
こういったところで他の女にやさしくしているのがなんとなく腹が立つ。
首をぎゅううっと絞めてやった。
「なあ。」
「ん?」
何かを聞いてくるあいつ。
何だよ・・・・。放っとけよ・・・。
「速いのが好きなのか?」
急に聴いてきたのは、そんな質問。
誰かからあたしが速さを追及しているということを聴いたのだろう。
笑って答える。
「そうだよ。速いのっていいよなー。だって嫌なことぜーんぶ忘れられるし。」
このもやもやとした気持ちだって吹き飛ぶはず。
速く空を飛んで何かも忘れてしまいたい。
そんなことばかり考えていた。
「じゃあ、もしストライカーユニットよりも早くぶっ飛べたら気も晴れるか?」
「そうだったらいいなー!!まっ、ありえないと思うけど!!」
酔いが回って適当に答える。
思考がぐちゃぐちゃで世界もぐちゃぐちゃに見える。
「じゃあ、ぶっ飛びに行かないか?」
そんなあいつの提案を聴いて、あたしはこれまでにない経験をすることになった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ライーサ!!」
わたしを呼ぶ、彼女の声。
また何かあったのだろか。
「これを見ろ!!」
そういって見せつけてくるのは、ハンナの写真がプリントされているポスター。
ご丁寧にサインまで書かれている。
「これをあいつに送ったら喜ぶかな?!」
ウキウキと言った顔つきでそんなことを言ってくる。
いや、さすがにこれは・・。
というかいつこんな水着姿の写真とか撮ったんだろう。
「写真屋にいって、私のサインをやるから撮ってくれ、と頼んだら喜んで作ってくれたぞ!!」
大スターである自分の特権を活かしてそうした胸を張ってそういう彼女。
大かた写真屋さんもハンナのポスターをもらっているのだろう。
・・・・・・・・後で私ももらっておこうかな。
それより私もこんな過激なのをとって贈れば・・・・・。
「おい。聴いているのか?ライーサ。」
「えっ?!うん!!聴いている!聴いている!!」
こちらの様子をいぶかしんだハンナに詰め寄られるが、慌ててごまかす。
・・・・・・・・・胸とかあまりないけれども、彼はそんなことで差別しないもん。
戦力差を確認して少し落ち込む。
気持ちが大事だから!!うん・・・・・・。
「ところで手紙はもらえたか?」
「私のは来ていたよ。」
そういって彼からの手紙を見せる。
さすがに中身を見せたくないから内緒にしているけれども、もらえると嬉しく他の人に見せびらかしてしまう。
トランシーバーですぐに連絡が取れるというのに、それでも文通はやめられない。
何というか、遠距離恋愛しているみたいでたまらないのだ。
それよりも、今度はどんなお返しをするのか考えなくっちゃ。
前あげたのはティーカップだし・・・。
うーん。
「さすがにポスターは大きかったな・・・。そうだ!!ブロマイドにしておこう!!」
そういって自分が映っているブロマイドにサインをさらさらと書いていくハンナ。
そんな簡単に書いちゃって。
ハンナのファンが知ったら喉から手が出るほど欲しがるだろうに。
私は私でしっかりと考えよう。
・・・・・・・・・・・・・
「うーん。あれぇ?ここは・・・?」
見たこともない機械が並んでいるどこかの小部屋のような場所。
ゴウン、ゴウンという音とともに体に浮遊感を感じる。
飛行船の中か?
窓のようなガラス張りの箇所から外を見る。
するとそこには信じられない景色が映っていた。
見たこともない、赤い惑星がそこに存在していた。
「・・・・・はっ?・・・・・えっ?」
目をこすってもう一度見直す。
おかしい。消えない。
そこである考えに至る。
手のひらを拳でぽん、と叩いてつぶやく。
「夢か。」
そーか、そーだったのか。
あっはっはっは。
夢にしては頭が痛いし、何だか喉がやけに乾くが、変な夢だ。
横にごろんっと転がり、目をつむる。
「起きろ。水だ。」
その声の主の顔を見ると、あいつがそこにいた。
夢の中でさえあたしの心をかき乱すなんて。
そうだ。これは夢なんだからやりたい放題やればいいや。
目が覚めたら全部消えてなくなるし。
立ち上がって、覆いかぶさる。
「よう。夢の中でさえでてくるなんてさ。日頃の恨みを晴らさせろー!」
ぐだーっ、と正面から飛び込んで体重をかける。
床に倒してやろうとしたが踏ん張ってその場に持ちこたえられてしまった。
「何だよー!夢だったらあたしの言う通りにしろよなー!」
首元に抱き着き、すりすりと体をこする。
ああ、何かいい気分・・・・。
「・・・・・・見せたいものがある。」
そういって指さすのは外の景色。
なんだ、確かに驚いたけどもう見たよ。
そう思っていたが違った。
「一回しかやらない。これは誰にも言うなよ。絶対に。」
そういって外見続けるように言うボバ。
何だっていうんだろう。
彼が何かのレバーを引いて、ボタンを押す。
するととてつもない何かが体を駆け巡り、私が見ていた外の景色が全く違うものに変わった。
さっきはなかった星のようなものがあたしの眼前に広がっている。
いや、今のは・・・・。
「どうだ?ぶっ飛んだろう?」
そういっていたずらが成功した子供のような声でこちらに語り掛けてくる。
脳がびりびりとしびれた。
ぶっ飛ぶどころじゃあない。
今のはまるで
「SFに出てくるワープさ。・・・・どうしてできるのかは内緒だが。」
ありえない。
理性はそう脳内で騒ぎ立てていたが、先ほどの現象を思い返す。
光に包まれる内部。
ものすごい速度で変わっていった景色。
さすが夢だ。こんなことが起きるなんて。
「嫌なこと全部忘れられたか?」
「あ・・・・。」
あいつの横顔を見ていると、不思議な気持ちが湧いてきた。
今までの嫌悪感が全部裏返るような変な感覚。
そうして戸惑っているあたしの手を取って何かをはめてくるボバ。
「これは?」
「ミサンガっていうアクセサリーさ。ミサンガが切れたら願いがかなうって言われている。・・・・・・・そう、遠くない未来にこれくらいのスピードでぶっ飛ぶことがきっとできるさ。」
優し気な声でこちらにそう言ってくる。
(いい夢だ・・・・。あれ、なんか眠く・・・。)
そのまま、意識を手放してしまった。
・・・・・・・・・・・・・
「いやー。さすがだねー!!」
そういってはしゃぎまわるシャーリー。
尋ねてきたのはシャーリーだった。
あの時、シャーリーは夢だと思っていたのでこちらも黙っていたが、後日いろいろあってばれてしまった。
スピード狂のシャーリーが、これが早く飛べる飛行機だと知って思いっきり駄々をこね始めた。
うっかりもらしてしまったのが敗因か。
こうしてぶっ飛ばしては彼女の速さ追及に時たま付き合っている。
彼女が突然来たのであわてて他のウィッチ達からの手紙を隠しておいた。
中にはきわどい内容のこちらをからかってきている物もあるので、しっかりと隣の小部屋に押し込んだ。
彼女自身はおとなしく船の中でゆっくりしているので、こちらも乗せても大丈夫か、と判断して乗せることにしている。
下手に暴れないだけましだ。
最高時速1000キロで飛ばし続ける。
ぐんぐんと景色が変わっていき、山を越え、谷を越え、海に出た。
「ひゃっほーう!!」
外の景色に大興奮の様だ。
やれやれ。
彼女が酔っているときにうっかりかっこつけてミサンガをうっかりつけてしまったが、寝ぼけていて記憶がないと言っていたから大丈夫だろう。
二日酔い様様だ。
しばらくそうしていると、はしゃいでいた彼女が突然静かになる。
ん?と思って後ろを向くと、こちらを見てくる彼女の姿を見えた。
「どうした?」
んー。と後頭部をぽりぽりと掻いてうなっている。
何か納得いかないといった様子だ。
「いやー。何でもない。」
彼女がそういうのなら深く聞かないほうがいいのだろう。
無視して操縦し続ける。
その間、ずっと彼女の視線を背中に感じていた。
「覚えてないわけないじゃん・・・。馬鹿。」
・・・・・・・・・・・・・・
リベリオンの辺境に位置する、うらぶれた建物の一つ。
おおよそ人が寄り付くことはまずない地区の場所。
地元に住んでいる人間なら、まず近寄らないだろう。
治安の悪さもさることながら、ここにいる人物は悪名高いことで知られていた。
ギャング。
ネウロイの発生により、利益を得て、私腹を肥やすもの。
その元締めがここにいた。
逆らうものは皆、殺される。
誰も逆らうものは居なくなっていった。
その建物の一角で、男たちは向き合っていた。
「よう。」
「・・・・・・・てめえか。」
うんざりするような顔つきでその男を眼に収める堅気には見えない、いかつい風貌のスキンヘッドの男。
また、その男に対してきわめて軽々しく挨拶をするもの。
マスク姿にアーマーのその姿は裏社会で知らない者はいない。
彼が姿を表した時、スキンヘッドの男の周りにいた他の部下たちが一斉に武器を向ける。
「やめとけ。・・・・・・・こっちは爆弾を持っている。当たったらみんなお陀仏だぞ。」
そういって左手に持っている小型の爆弾を見せつける。
その姿を見て、部下にやめるよう指示する男。
「それで?なんで来やがった?あんたの言う通り、こちらは約束をちゃんと守っているぜ。
「ああそうだな。あんたはそうだ。」
そういうボバに、訳が分からないといった顔をする男。
彼のいうことが本当ならば、ここにわざわざ来る理由は何もなかったはずだった。
しかし、そこ冷えするような冷たい声でボバは告げた。
「――――――――――麻薬を流しているやつがいる。」
その一言にあたりがどよめく。
それもそうだ。麻薬も密売人はすべて皆殺しにしてきたからだ。
彼らは百害あって一利なしの人間だったので消えてもらったのだ。
しかし、目の前の男は言った。
確信している。
ここにそいつがいると。
「お前だな?」
すっ、とボバ指をさすとその先には鼻にピアスをした坊主頭の男が立っていた。
「はあ?何言っているんだよ。証拠でもあんのか?」
あるわけないよなぁ?という耳障りの声で断言する坊主頭。
それに対して断言する。
「お前の薬で人生が滅んだ人間は、何人か生き残っているぞ。・・・・・・・しくじったな。」
そういって男の正面に立つ。
スキンヘッドの男は動かない。
どうするべきか判断しかねている様子だった。
「・・・・・・・・へへ。」
にやにやと笑いながら、それでもどこか焦ったところもなく淡々としている。
「・・・・・・・・こいつを殺すがいいよな?」
ボバがスキンヘッドの男にそう問いかけると、「・・・・・・ああ。」と苦々しい顔つきで了承する。
決まった。
「あっさりと死なせてやってもいいが、今俺は、怒っている。・・・・・・生き残るチャンスをやろう。・・・・・・おっさん。俺と一対一で戦わせてくれ。俺が死んだらこいつを見逃してやってくれ。」
「わかった。おい、お前ら。」
そういうと、部下が二人を逃がさないように少し離れた状態で囲むように立ちはだかる。
「・・・・・へっへっへ。あんた怒っているのか?そいつは悪かったなぁ。でも、仕方がないだろう?生きていくためには弱い奴を殺す必要だってある。弱いのが悪いんだよ。」
腰のホルスターにつけてある銃をいじりながらそういう男。
「抜きな。どっちが早いか、勝負といこう。・・・・・・・お前みたいな屑にチャンスをくれてやっているんだ。ありがたく死んでいけ。」
・・・・・・・・・・
坊主頭の男はラッキーと考えた。
目の前の男を殺せば、俺も生き残るチャンスがやってくる。
こんな決闘ではなく、さっさと俺を殺せばいいものを。
(バカな奴だ・・・・。)
銃をいじる。
弾丸は入っている。
早撃ちには自信があるので負けることなんて考えられない。
目の前のアホをさっさと処分して、他の国で薬をさばこう。
そんな呑気なことを思っていると、目の前の男がため息をついてぼそり、という。
「・・・・・13回」
「・・・・・・あ?」
一体こいつは何を言っているのだろうか。
気でも触れたのか。
「お前があーだこーだ考えている間に、俺がお前を殺せた回数だ。・・・・・・ゴミだったな。」
怒りがこみ上げてくる。
はったりをかましやがって。
何が世界最強の賞金稼ぎだ。
どうせ単なる噂だろう。
俺がこいつを殺して名を上げてやる。
そして、スキンヘッドがコインを床に落とした瞬間。
銃を抜くために手をかけた。
(勝った!!お、れ、の・・・・・?!)
自分が銃に手をかけて出そうとした時、
目の前の男は既にこちらに銃を構えていた。
馬鹿な。同時に動いたのになぜあいつのほうが速い?
銃を突きつけられて、全く身動きができずに固まる。
「遅いな。訂正するわ。・・・・・・・お前、18回死んでる。」
そういってこちらの四肢を撃ち抜いてくる。
焼けるような痛みが体に広がる。
「あぎいいいいいいいいいいっ!!!」
ごろごろと床に転がって痛みに悶える。
熱い、痛い。
なんだこれは。
なんで俺が床にはいつくばっている。
「て、めえ・・・。」
「勝負あり、だな。」
そういってこちらの頭に銃をかちゃり、と向けてくる。
「クソが!!なんでだ!!自分が生きていくために!!他人を食い物にして何が悪い!!」
怨念をこめてありったけの声で叫ぶ。
この世は騙し騙される弱肉強食の時代。
俺は何一つ悪くないはずだ。
「・・・・・そうだな。お前がいうことは自然の摂理に則っている。」
冷徹な声でそういう目の前のマスク。
だが、と続ける。
「お前自身が食われる側についに回った。それだけだ。」
かちゃり、と引き金が引かれた。
・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・よかったのか?」
「ああ。」
後処理を任せて、スキンヘッドの男と話し込む。
色々あったがなんとかなった。
これで彼女も喜ぶだろう。
「なぁ、何でこんな一文にもならないことをしているんだ?あんたほどの腕だったらもっと他にやることがあるんじゃないのか?」
こちらのやっていることの意味が分からない。
言外にそう言ってくるスキンヘッド。
ソファーにもたれながらお茶をずずず、とすすり、答える。
「・・・・なあに。惚れた女のためだよ。」
・・・・・・・・・・・・
シャーリーを乗せて、気ままに飛び続けて数時間が経った。
沈黙が部屋に漂う。
お互いに話しつかれてしゃべることもなくなった。
そろそろお開きにするか。
基地に近くに着陸する。
「ついたぞ。」
「うん・・・・。」
そう彼女に言うがどこか元気がないようだ。
「なあ・・・。」
顔を上げてこちらを見つめてくる彼女。
何かを決意したような瞳に、顔つきは真面目なものだった。
お茶らけることが多い彼女にしては珍しい。
「どうした?」
「あたし、あんたのことが好きだ。」
俺は持っていた銃を床に落とした。
・・・・・・・・・・・・
焦っている、焦っている。
いつも涼しい顔して余裕こいているあの男が。
いい気味だ、女泣かせ。
たまにはいつもドキドキさせられる側の気持ちを知ればいいんだ。
そう頭の中で考えて、いつも通りに茶化そうとするが上手くいかない。
頬に手を当てると、今までにないほど熱く火照っていた。
世の男女はこんな恥ずかしい経験をしているのか。
まさか自分がそういうのに加わるとは。
相手の返事を待つ。
ボバが宮藤のことを好きなのは知っている。
それでも気持ちを伝えずにはいられなかった。
後悔はない。
だから、早く振ってほしい。
「俺もだ。」
え?
何で?どうして?
だってボバは、だって宮藤は。
「そうだな。まずは俺の状況について話しておこうか。」
そうしてボバの女性関係を洗いざらい聴くことになった。
話を聴き終わった私は、思いっきりこいつの脛を蹴ってやった。
「節操なし!!女ったらし!!バカ!!一辺地獄墜ちろ!!」
どこ吹く風と言った感じでそれを受け止める姿にますます腹が立つ。
「シャーリー。」
「なに・・・」
抱きしめられる。
?
~~~~~~~!!!?
ななななななななななっなななな
ナニしてるんだ、こいつ!!?
突然の出来事に頭がショートする。
「好きだ。」
耳元でそういわれて体がぞくりとする。
あ、だめだこれ。
自分の中の何かが壊れていくような感覚。
そしてそれに身をゆだねてしまえという悪魔のささやきが頭の中に浮かぶ。
(あたしのせいじゃないから仕方ないよな。うん。仕方ないよな・・・。)
背中に手をまわし、がっちりとホールドする。
こいつの方からしてきたのだからこいつが悪いんだ。
・・・・・・・・・・・・・
さて、目の前のうさぎの機嫌とりにどうやら成功したようだが、ここからが本題だ。
彼女からまだ返事をもらっていない。
それは、宮藤を正妻として一夫多妻に加わらないかという提案。
普通の女子が聴いたらまずありえないと言ってくるだろう。
小細工なしで正面から告げた。
それがきっと誠意というものだからだ。
目の前の彼女はまだうなっている。
やはり駄目だったのだろうか。
「・・・・・ゆびわ。」
そうぽつりと彼女が漏らす。
指輪・・・・?
「~~~~~だから!!プロポーズしているんだから渡すものがあるだろ!!」
そういって怒ってくる。
あっ、とようやく気が付く。
緊張していてすっかり忘れていた。
ポケットからそれを取り出す。
リベリオンの紋章が入った特注の指輪だ。
彼女の使い魔であるウサギもシンボルとして彫ってある。
それを彼女のほうに差し出す。
「結婚してくれ。」
目を見つめながらそういう。
それに対してそっぽを向きながら明後日の方角を見ている彼女。
「・・・・・・幸せにしなかったらぶっ飛ばす。」
ぶっきらぼうに指輪を受け取って薬指につける。
OKをもらえた・・・・のか?
少し自信がないが、なんとかなったようだ。
彼女にはいろいろとお願いをした。
まだ、俺たちの関係を黙っていてほしいこと。
ネウロイを撃退したら、一緒に暮らそうということ。
色々あるだろうが、共にいてほしいということ。
「あんたって本当に、さ・・・。」
はあ、とため息をつかれる。
・・・・・・・・・・・・
(一体何人のウィッチと仲良くなっているのやら。)
酷い男だ。
プロポーズしてきた目の前の男を見る。
どこか緊張しているようにも見える。
それだけ、今日のために力を入れて準備してくれたのか。
背中を向けて、顔を見られないようにする。
「ま、まあ。あんたの気持ちはわかったよ。あたしのことが好きなんだって?しょうがないなー。」
だらしなく緩んでしまう頬と、真っ赤になっている顔。
こんなところを見せられない。
左手についた指輪を見る。
それだけで幸せな気持ちになる。
今日は徹底してからかってやる。
目の前の節操なしに抱きしめられながら、背中を預けた。
ほんの少しだけ、今日は帰りが遅くなった。
実は部隊で一番常識人なシャーリー。
こういったキャラのあわてて取り乱す姿が好きです。
シャーリーの故郷が荒らされていると聞いてこっそり制裁しに行ったボバ君。
かっこつけたくて仕方がなかった模様。
シャーリーをなだめた彼の次の任務はみんなとのショッピングだった。
何やら不穏な影が・・・?
次回「賞金稼ぎは彼女たちと買い出しに行く。」
もう、ゴールしてもいいんじゃないかな(適当)
KEY(ドM)