ボバ・フェット(偽)はウィッチとともに空を飛ぶ   作:KeI77777

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感想返し
Qこの主人公、なんというか控えめに言ってクズなのでは???
Aそうですね。

Q投稿乙です。
誤字報告ですけど、扶桑海事変編三話の『黒野綾乃』じゃなくて『黒江綾香』だと思うんですけど。誰やねんとなってしまいました(笑)。修正お願いします。

いらん子中隊の話が出てきましたがボバさんがどんなからみをしていたのか気になります。特にあの最強の淫獣との会話が気になります。

寒い日が続きますがこれからも頑張ってください!
A誤字でした。
いらん子は・・・・まずい・・・。
百合百合しているから若干距離を置く彼と、言葉や態度ではあーだこーだ言っても実はあれだった彼女たち。

・・・・・・・ここが一番やばいんじゃないだろうか。
ここの過去話をやるとr18になっちゃうからキング・クリムゾンしています。

Qボバくん本当に撃墜王だな・・・いろんなもの(悪党、ネウロイ、恋)を含めてだがな
尚彼もいろんな意味で撃墜される模様・・・マジでお祓いに・・・
神様「面白いからもう少し運命のいたずらしてみよう」(運命を弄っている
・・・神は死んだ(真顔で
・・・とりあえずうどんやすき焼きの材料送っておくか・・・(哀れみの目で
A祓ってもまた取りつかれるんだよなぁ。
撃墜王であると同時に世界中のウィッチ達から墜とされようと狙われている模様。

すき焼きとうどんを食べて精をつけた結果、またその精力を搾り取られる。
彼に安息の時はない(確信)

Qなんていうかさ
シャーリーって、良いよね
そんな当たり前のことが再確認出来た最新話でした!
A最近のシャーリーは何というか少女になってきています。
直情的な分、もしウィッチを引退したら・・・
使い魔がウサギ。後はわかるな?



賞金稼ぎと妹分とそのころの彼女たち

「ふあーあ。」

シャーリーとスレーヴⅠの中で一晩過ごし、起きたあさ。

今俺は、彼女と一緒に朝食を作っている。

 

隣にはぴっとりと寄り添ってくる彼女。

さすがに少し恥ずかしくなったので距離を離そうと体を少し引くと、そのぶんずずいっと彼女が寄ってくる。

 

視線でとがめてもどこ吹く風、と言った様子だ。

 

「昨日あんなことしたんだからちゃんと責任とれ、馬鹿。」

顔を赤らめて、こちらを罵倒してくるがそれでも体をくっつけてくる。

 

「離れる気はないのか?」

「・・・・・・」

げっしげっしと腹に軽いボディブローをもらう。

 

「だから、そういうこと聴くなよ・・・・。意地悪。」

体に火が付いて、自分を抑えられなくなるほど今のシャーリーの姿にやられてしまっていたが、どうにか耐えて、止める。

 

背中に回って胸を押し付けてくる彼女になんでもないような顔で告げる

 

「それで、朝食はなにがいい?」

俺がそう聞くと彼女は数秒うーん、と考えて、

 

「・・・ハンバーガー!!」

といい笑顔で言った。

さすがになかったのでストックがあるパンとスープを一緒に調理して食べることにした。

 

出来上がった料理をテーブルに並べ、いただきます、と手を合わせて一緒に食べようとしたところ、彼女がフォークでおかずをさしてこちらに差し出してくる。

 

「あーん。」

にやにやと意地の悪い笑みを浮かべてこちらを恥ずかしがらせようとしてくるのがわかっていたので、あえてのそれに乗っかる。

 

ぱくり、と口でおかずを食べる。

 

それを目を丸くして自分のフォークをぼーっと見つめる彼女。

「あ・・・・・・・。」

 

何かをためらっているようだ。

どうしたのだろうか。

 

考えてその答えにたどり着き、言ったらまた寸止めさせられるな、という結論に達して黙っていることにした。

今度はこちらがおかずの刺さったフォークを彼女の前まで差し出す。

 

「・・・・・・・・・。」

恥ずかしがりながらもしっかりと食べるシャーリー。

普段、あれだけ飄々としている彼女がこうも恥ずかしがっているのを見るのはとても胸に来るものがあった。

 

ぴこ、ぴこ、と動いているウサギ耳の付け根の部分をそっとなぞって撫でると嬉しそうに目を細める。

 

「・・・・・・・はっ。」

自分が何をされているか我に返って思い出した彼女が照れ隠しにテーブルの下から椅子を蹴ってくる。

 

「~~~~~~~~!!~~~~!!」

頬を真赤に染め上げて、声にならない叫びをあげている彼女の姿を堪能しながらともに朝食の時間を楽しんだ。

 

 

 

脛を蹴るのはやめてくれ。

 

 

■

 

「ふーっ。」

朝の稽古を終えてリラックスしている眼帯の女性。

坂本美緒。

 

彼女は今、思い悩んでいた

ずばり、あの男の一件をどうしようかということだ。

 

初めてあったのはずっと前。

そして、正体を知ったのはそれから先のこと。

 

敬語を使わなくなったのも彼に認めてもらいたかったから。

 

そして、その願望がかなってしまい、それからどうすればいいのか迷っていた。

 

私のことをどう思う?という聴き方近い質問をしたら、即答で「そんな美緒が大好きだ。」と返され羞恥心で顔をゆでだこのように赤らめて剣をぶんぶんと振っていた彼女。

 

坂本美緒には明確な恋愛経験というものがなかった。

 

 

物心ついたころから眼帯をつけはじめ、自分の心の弱さに怯えながらもずっとウィッチとして戦うために修行し続けていた。

 

長い付き合いである竹井醇子、若本徹子、そして師匠である北郷章香など素晴らしい人間関係をもっていた。

 

男性以外だけであったが。

 

出会いの機会がある環境ではなかったので、そもそもがそういう甘酸っぱいというか、異性とのあいびきというものが全くなかったのだ。

 

ゆえに、先日掛けられた自身への好意を含んだ言葉を頭の中で今でもぐるぐると考え続けてしまっていた。

 

うれしい、はずかしい、どうしよう、こちらもちゃんと伝えるべきか?結婚はいつにしよう。こどもは何人・・・・。とだんだん思考がおかしな方に向かいつつあるのに気が付いた彼女は自信を戒めるために剣を振るい続ける。

 

 

キレは全く落ちていない。

それどころか、今では魔力が全盛期だったころ以上に速く、正確に打ち込める気さえしていた。

 

それも、彼からかけられた、たった一つの言葉によるものだと思うとまた恥ずかしさでうずくまり、体育座りで地面にのの字を書いて悩み始める。

 

今まで全くそういうそぶりは見せなかったくせに、今頃になって言われたって嬉しくなんか・・・。

嬉しくなんか・・・・。

 

(・・・・・・・・・・・・・。)

自分の両手でぱちーんと頬を張り、気合を入れなおす彼女。

 

(い、今はまだ、その・・・・。うん・・・。)

結局のところ、女としての魅力が自分にあるかどうか自信が持てない彼女が出した答えは逃げであった。

 

扶桑皇国のお茶をずず・・・・・、とすすりながら落ち着く。

 

(・・・・・料理だけでなく、化粧もしてみるか・・・・。)

彼だったらどんな風にほめてくれるだろう。

胸に不安と、淡い期待を持ちながら、こっそりと買っておいた女性雑誌を開いておしゃれの研究をし始めた。

 

■

 

えっち!!変態っ!!という罵倒をシャーリーからビンタとともにもらい、彼女と別れてから、別の場所にやってきた。

 

どうも手紙を見ていると彼女の様子がおかしいことに気が付いたからだ。

 

アフリカ。

ストーム・ウィッチーズが所属している基地。

 

そして、様子がおかしい相手と言えば、ただ一人だけだった。

 

いつもの姿ではなく、人目につかないような恰好で基地へと向かう。

 

途中、屈強な体つきの門番に呼び止められたのでおとなしく止まる。

 

「へい、そこのジャップ。今すぐ回れ右して帰んな。ここはあんたみたいなやつが来るところじゃないぜ。」

 

前後を囲みながらそう言ってくる。

懐かしい相手だ。

 

腕をつかまれたのでそれをさばいて投げ飛ばす。

 

「おおおっ!!?」

自分より小さな相手にこんな真似をされると思わなかったのか、驚きながらすっ飛んでいく。

 

それを呆然とした様子で見つめるもう一人の相方。

 

「俺だよ。・・・気が付かないのも無理ないけど。」

 

俺が声を出してそういうと、何かに気が付いたような顔つきになり、敬礼し始める。

 

「こっ、これは!!ボバさん!!」

「今はジョドー・カストだよ。・・・・あんまり騒ぎを起こしたくないからこんな格好していることを察してくれ。」

「失礼しました!!」

 

軽く投げ飛ばして目をまわして気絶しているもう一人の男を近くの壁に寝かせて、中まで通してもらう。

 

「一体どうしたんですか?」

「いつものあの装備で来ると、お前らが騒ぎ出すからだよ。」

 

陸戦型のウィッチ達に囲まれるのも今は不味いと考えて返送してきたのだ。

この姿はライーサやハンナも見たことがない対ウィッチ用の服装なので気が付かれずに行けるだろう。

 

すたすたと長い道のりを歩く。

 

俺は彼女が爆発しないかと思い、こうしてやってきたのだ。

 

 

(圭子。)

最愛の妹の顔を思い浮かべながら歩き続けた。

 

■

 

なんであなたは空を飛ぶの?

『俺?んー、何というかかっこつけのためというか。』

 

なぜかっこつけたがるの?

『・・・・・・・いろいろあったんだよ』

 

へんなの。

あっ、お菓子なくなっちゃった。

ちょーだい、おにーちゃん。

『いいかげんにしろっ。』

 

いたっ。うー、たたいたー。

『ものには限度ってものがあるだろう?』

 

でも、お兄ちゃんは初めて会ったときいくらでも食べていいって言ったじゃん!!

『それはその時俺が持っていたお菓子のことだよ。圭子の健康を心配してそういっているんだ。いいな?』

 

・・・・・・わかった。

じゃあ、だっこして。

 

『おいおい、お前はもう一人で飛べるだろう?』

 

えっ?・・・・・あれ、なんで?

さっきまで子供のころと同じ姿だったのに・・・。

 

『じゃあ、ハンナ、行こうか。』

『ああ。』

 

 

!!ま、待ってよ!!

どこ行くの!!

 

兄さん!!

おいてかないでよ!!

 

まって!!

 

 

「まってってば!!」

 

頭をがばっと挙げて起き上がると何かにぶつかったような感触を感じた。

 

「あ、あれ?」

 

隣を見ると、そこには顎を抑えて悶絶する兄さんの姿が。

 

「な、なんでここに兄さんがいるのよ!!」

 

枕をつかんでばしばしと叩く。

 

「おい、待てよ。こっちは誰かさんのヘッドバッドを顎にもろに食らってかなり痛いんだからさ・・・。」

「あ・・・・、ご、ごめんなさい・・・・。」

 

彼の顎に手を当ててさする。

強く打ったのからか少し腫れてしまっている。

「ごめんね兄さん・・。」

「いや、圭子にさすってもらったらよくなった。」

 

そういって私の膝に頭を乗っけて寝転んでくる。

「ちょっと。恥ずかしいんだけど・・・。」

「いっつも俺がだっこしてあげていただろ?たまには圭子がしてくれよ。」

 

もう。

人の気も知らないで・・・。

 

目をつむって気持ちよさそうに寝ている彼の髪に触れる。

 

硬質な髪が手に少しちくりと刺さる。

 

「兄さん。なんでここにいるのかしら?」

 

そういう私に先日送った手紙を見せてくる。

 

「お前、何か悩んでいるだろ。」

 

心の中を見透かされて、息が止まる。

 

なんで、私はそんなそぶりはみせていないのに。

 

 

ごまかさなければ。

 

「ああ、いっとくけどお前が嘘をつくときどんな顔つきになるのかわかっているからごまかそうとしていても無駄だぞ。」

 

「・・・・・・・・・・。」

この人は。

勝手に人の気持ちを奪って。

勝手に人の心を察して。

 

思わず首を絞める。

 

「ひどいよ・・・。私・・・・。私・・・・・。」

「・・・・・!・・・・・・・・」

 

苦しそうにしながらも抵抗しない彼に困惑する。

 

「どうして?抵抗しないの・・?」

 

「げっほ・・・。お、おおかた俺が何かやってしまったから圭子は苦しんでいるんだろう・・?だったら少しくらいこっちも傷つかなきゃわりに合わんだろう。」

 

彼のその言葉に急速に頭が冷えて、首にかけていた手を離す。

 

「ごめ・・・な・・さい・・・。」

「それはこっちのセリフさ。ごめんな圭子・・・。」

 

彼に抱きしめられる。

あたたかく、落ち着く心音が耳に届く。

 

「うう・・・。」

泣き顔を見せないためにしがみついて顔を隠す。

 

彼とハンナが二人っきりでいるところを見てからずっともやもやしていた感情が出て行く。

 

嗚咽に近い泣き方をしながら、自分の気持ちを漏らしていく。

 

「私、にいさんがすき・・・。」

 

言ってしまった。

もう後戻りできない。

 

「俺もだ。・・・・・・・・ちょっと話を聴いてくれるか?」

 

 

■

 

あいつからもらった指輪をこっそりとはめて、手袋で隠す。

そんなことをしてでも、どうしてもいつでもこれは身につけておきたいと思ってしまっていた。

 

あいつは、私のことをどれくらい思っていてくれているだろう。

そう考えるたびに何だか気恥ずかしくなる。

 

こんな風に恋する乙女みたいに悩むのは私のキャラじゃないような気がする。

 

 

でも、妄想が止まらない。

 

(えへへへへへへ・・・・・・・)

気を抜くとすぐにだらしなく頬が緩んでしまう。

まるで、炭酸の抜けてしまったコーラの様だ。

 

銃の整備をしていても、やはり頭から彼が言ってくれた愛のささやきが消えない。

 

多くのウィッチ達から思いを寄せられている男性。

その相手が自分を特別扱いしてくれている。

 

そんな事実が時分にとってはとてつもなくうれしくって、廊下を歩く足取りも自然と軽くなってしまう。

 

圭子の元に向かい、用事を済ませに行く。

 

彼女の部屋の前までやってきたのでドアをノックする。

 

『は、はい?!』

 

いつも落ち着いている彼女から信じられないような驚きの感情を持った声。

ガタガタと部屋で何かやっているのが聞こえてくる。

 

何をしているんだろうか。

 

「圭子?入っても大丈夫か?」

『え、ええ。大丈夫よ・・・・・~~!!!』

 

何か小声で言っているような気がしているが気にせずに中に入る。

 

ドアを引いて中に入ると、ベッドの上でなぜか正座している彼女の姿が目に映る。

 

「圭子?何やっているんだ?」

「い、いやー。ちょっとねー。」

 

ちらりと布団が丸めてある方を見てそういう。

 

気にせずに布団が丸めておいてあるところに座る。

 

「あっ。」

「ん?」

 

彼女が何か声を挙げたが気にせずに続ける。

 

「圭子に雑誌の特集について聞きたいことがあってな。」

「あ、ああ。そうなの。」

 

きりっとした表情だが、どこか顔が赤い。

もしかして・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・・。」

「ハ、ハンナ?」

 

 

すくっと立ち上がり周りのインテリアや家具の後ろなどを調べ始める。

 

「ちょっ、ちょっと!!何しているの?!」

「いるんだろう?」

 

核心をもってそう聞くと一瞬驚いた顔になる。

そうか、やはり。

 

圭子に事情を話して甘い言葉の一つや二つをあいつがかけに来たのはわかった。

でも、それでも。私の方にだって来てほしい。

 

めんどくさい女だと言われようがこれはすなおな自分の気持ちなのだ。

 

がさがさと探っても見つからない。

 

 

「どこ行った?」

「もういないわよ。」

 

自白する圭子。

しかし、それは嘘だな。

だったらそんなに顔を赤らめたりしないだろう。

 

そこでピンとくる。

 

布団をがばっと剥ぐと、

 

 

そこにはあいつの姿が。

 

「あっ。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

すっと目を細めてにじり寄る。

 

「まてまてまて。ハンナ。きっと何か思い違いをしているぞ。」

一体何を言っているのだろうか。

私は冷静だし、思い違いなどしてはいない。

だから、右手で硬くてとがった鈍器をもって近寄るのも全くおかしくない。

 

「・・・・・・・。」

顔を赤くして両手で自分の顔を抑えてうずまる圭子。

 

「あっ、そういえば急用を思い出した。」

 

そういってダッシュでドアから走って逃げていく。

 

「逃がすかっ!!!!!」

 

それを追っていく私。

 

プロポーズされたときにこういうことがあるかもしれないっていうのは了承済みだが、実際に見せられて嫉妬しないわけないだろうが!!

 

「もっと私にも構え!!」

「検討しておこう!!」

 

 

基地の中で、ぐるぐると鬼ごっこをし続けていた。

 

■

『兄さん?私、やっぱりここで兄さんのことを殺して私も死んだ方がいいと思ってきたわよ?』

『・・・・・・言い訳できないな。』

 

この人は・・・・・・。

全く、全く!!

 

頬を思いっきりつねっておく。

 

『いひゃい。』

『兄さんに焦らされて、待たされている娘達もこれくらい痛いんじゃないかしら?』

 

私がそういうとシュンとなる。

彼もこうして落ち込むことがあるみたいだ。

 

・・・・仕方ないなぁ。

 

隣に座って指を絡める。

 

『・・・・・・許してあげる。こうして、私にプロポーズしてくれたから。』

『もししていなかったら・・・・・?』

 

 

 

 

『そうね。一緒に死んでもらっていたわ。』

それはそれでいいからちょっと残念な気もするが。

 

久しぶりに彼に抱っこしてもらう。

あたたかく、たくましい胸に抱かれて猫のように縮こまる。

 

気持ちいい。

 

『こうしてもらえるのも、久しぶり・・・。』

『今まで、俺は圭子のことを妹だと思っていたが、やっぱり男として好きだと気が付いたよ。』

『・・・・・私はずっと前からあなたのことが好きだったよ。』

 

 

長年の想いが実って、ぽろぽろと涙がこぼれる。

嬉しさと、激しさが心の中を占めていって、感情がわっと湧いてくる。

 

『うれしい・・・。うれしいよ・・・。』

『圭子・・・。』

 

 

自然と見つめあい、目を閉じて、顔が近づいていき、

あともう少しで唇が触れ合うというとき。

 

 

ドアがノックされる。

 

思わず布団でがばっと彼を隠す。

もがもがとじたばた動く彼。

 

「は、はい?!」

『私だ。ハンナだ。』

 

 

あともう少しだったのに・・・。

いや、今はそれどころじゃない。

 

『入ってもいいか?』

「ちょ、ちょっと待って!!」

 

布団の中にいる彼にそっと小声で言う。

 

(いい?絶対顔を出したり、声を挙げたりしないで!!・・・・うう、なんでこんなタイミングで・・・。)

(わかった。・・・この布団圭子の匂いがす)

 

頭にチョップを落としておく。

そんなデリカシーのないことをこんな時に言うような男には天誅だ。

 

そして、結局ばれてしまい、彼らは今も追いかけっこしているというわけだ。

 

 

(ハンナ・・・・。今はタイミングが悪いってレベルじゃ・・・。)

 

 

布団を畳もうとすると、さっきまで彼がくるまっていたことを思い出す。

 

(・・・・・・・)

さわるとほのかに温かく、彼がまだそこにいるみたいだった。

 

深呼吸して心を落ち着かせ、

 

・・・・・・その布団にくるまる。

 

彼に包まれているみたいな、いけない気持ちになる。

 

(・・・・・・・・・・・・・・。)

無心で匂いを嗅いで、ぬくもりを感じる。

 

・・・これは、彼が他の女性と変なことをしていないかのチェックだ。

だからおかしなことなんて何もない。

 

そう、何も・・・。

 

一通り堪能しきったので、もう一回味わおうとしたら。

声を掛けられる。

 

「あの・・・・。」

 

くるまっていた布団を蹴っ飛ばして明後日の方向に飛ばす。

 

 

「な、何かしら?!」

後ろを向くと、ライーサが不思議そうな表情でこちらを見つめていた。

「あの二人が、基地でおにごっこしているんですけど。それを見た兵士さんたちがどっちが勝つのか賭けをし始めてしまって・・・。」

 

そういえばそうだった。

というか何でそんな皆して悠長なのか。

呑気にもほどがある。

 

「い、今行くわ。」

「はあ・・・。じゃあ私はなるべくやりすぎないように二人を見張っていますね。」

 

すたすたと去っていく彼女。

ここの司令官として仕事をきちんとしなければ。

 

さきほど蹴っ飛ばしてしまった布団を見つめる。

 

手に取ると、まだ彼の匂いが残っている。

 

「・・・・・・。」

 

それを手に取って、ドアを閉めて鍵も掛け、もう一回だけ楽しむことにした。

 

兄さんが悪いんだ。

 

そう言い訳しながら。

 

■

 

 

ハンナとの鬼ごっこを続けていたら、いつの間にか知り合いの兵士たちがはやし立てて賭け事していた。

ワイヤーで引きずり回しの刑に処してやろうとおもったが、それよりももっと効果的な罰を思い浮かべた。

 

胴元に近寄り、自分が勝つ方に数億円賭けることした。

 

その時の奴の顔と言ったら真っ青だった。

 

ほかの男どもは皆ハンナが勝つ方に賭けているので、もし俺が勝ったりでもしたら倍率がとんでもないことになる。

 

そして、ライーサの提案で俺対ハンナの一騎打ちの模擬戦をやることになった。

 

フルスペックの装備を身に着けて空を飛ぶ俺と彼女。

 

俺にはブーイングの嵐。

ハンナには「愛しているー!!」とかノリで言う男ども。

 

・・・・・・さっき愛しているとか言ったやつにはしっかりと話しておかないとな。

 

 

「私が勝ったら、一周間一緒に居ろ。」

 

いつもの狙撃銃を構えてそういってくる彼女。

 

「もし俺が勝ったら?」

「もう、二度と嫉妬したりしない。」

 

それはいい条件だ、と笑みを彼女に向ける。

ペイント弾が入った銃をお互いに向けあう。

 

「こうするのも久しぶりだな。私を墜としたんだ。・・・・逃がさん。」

肉食獣のような顔つきでそういってくる彼女にこちらも虚勢を張ってにいい、と笑っておく。

「それはそれは。俺はいつもハンナと向き合っているんだがな。」

「宮藤。」

 

その言葉を言われた瞬間持っていた銃を落としそうになる。

 

「ハーレムを築こうという男がたった一人を特別扱いするとはなぁ・・・。」

「・・・・・・ノーコメント。」

 

そんな俺の態度に腹を立てるわけでもなく、本気の殺気を当ててくる。

 

「安心しろ。もし墜落して二度と飛べなくなっても私が世話してやる。・・・・・尽くす女だぞ?私は。」

「知っている。」

 

 

開始の合図を待たずにお互いに弾丸を撃ちあう。

 

ひねり込みや、急停止してハンナの狙撃を避けようとてもそれさえも彼女の偏差射撃の能力で当てられそうになる。

 

リネットと同じか、それ以上のスナイパーなだけある。

 

「どうした。動揺しているのか?いつもより動きが鈍いぞ。」

「俺は恥ずかしがり屋なのさ。・・・・・ハンナ、愛している。」

 

「っ!!」

俺の言葉に驚いて一瞬膠着した彼女に引き金を引いてペイント弾を撃ち込むが、いずれもい回避される。

 

それどころか反撃さえしてくる彼女の戦闘センスに舌を巻く。

 

こちらが練習して出せる動きをこういった天才たちは一瞬でできてしまうから嫌なんだ。

 

 

一番大きな胴体を狙うも身をひらりとかわされて一発も当たらない。

 

前よりもレベルアップしている。

 

 

俺のせこい戦い方が観客たちの気に障ったのかブーイングがさらに激しくなる。

 

「やはり汚いマネをするな貴様は・・・。普通に戦っても強いくせに。」

「こっちももう歳なんだ。これくらい許しておくれ。」

 

不満を口にしつつもしっかりとこちらの後ろをとってついてくるあたり、さすがスーパーエースだと感心する。

 

 

 

そのまま近くの建物まで飛んでいく。

 

「そのまま壁に突っ込んでぎりぎりで躱すつもりか!!そんなものは効かんぞ!!」

後からの狙撃を紙一重でぎりぎりよけつつ、最大速度で突っ込む。

 

そして、壁の近くまで来たら一瞬速度を緩めて

 

 

――――――壁を蹴って、上手くUターンする。

 

「なっ!?」

驚愕に顔をゆがめる彼女。

 

ウィッチ達のストライカーユニットではまずできない戦法。

 

ハンナにすれ違いざまに銃撃をする。

「うおおおおおおおおっ!!」

 

それを一瞬で切り替えて同じく銃の引き金を引いてくる。

 

さすがハンナだ。

 

一瞬の交差の後、決着がついた。

 

 

■

 

先日エイラにタロットで占ってもらい、覚悟を決めた私。

今は、こうして彼の部屋で帰りを待っている。

 

・・・・・・芳佳ちゃんと、シャーリーもなぜかいるけども。

 

 

そして、ドアの向こうからちらりと覗き込んでくる他のウィッチ達。

 

・・・・・・・・入りたいなら入ればいいのに。

 

 

にこにこと笑みを絶やさずにお茶を入れる芳佳ちゃんと、なぜか彼のベッドに寝転んでいるシャーリー。

 

 

「粗茶ですが・・・・。」

「おー、ありがとう。」

「・・・ありがとう。」

 

それを受け取って飲む。

彼がいつも飲んでいる緑茶の味がする。

 

渡された湯飲みをまじまじと見つめる。

これを彼はいつも使って飲んでいるのだろうか。

 

そう思うとまたお代わりした方が得な気がしてきた。

 

「ああ、それは来客者用で彼の湯のみは別のところにしまってありますよ。」

「・・・・そうなんだ。」

 

ちっ、と心の中で軽く舌打ちする。

こちらの心を読まれた。

何だか気に入らない。

 

彼女達とはよき友人関係だけどもこれに関しては別の話だ。

 

お茶をすする音と、壁に立てかけてあるセンスのいい古時計が時を刻む音だけが部屋に響き渡る。

 

お互いに耳と尻尾を出して、牽制しあう。

 

「・・・にゃー。」

「・・・ぐるるるるる。」

「・・・・・・・・。」

 

痛い沈黙が場を支配する。

 

(な、なんだこれ・・・。雰囲気が悪いってレベルじゃないゾ。)

(うわー、やっぱりこうなったかー。まあシャーリーもそうだとはわかっていたけれども。)

(よ、芳佳ちゃんが黒い笑みを浮かべている・・・)

戦々恐々とドアから顔少し出してこちらの様子を伺ってくる彼女たちを無視して話しかける。

 

「私は彼に用事があるからここで待っているんだけど。」

「あたしもそうだけど?二人とも帰れば?」

「何言っているんですか。私はあの人からお留守番を任されているんですから。」

 

ラップ音ではなく、何かがばちばちとぶつかり合うような音が鳴る。

 

まずはジャブを繰り出す。

 

「そういえば彼が最近香水を変えたこと知っている?」

「ああ、それが?」

 

何でもないように言ってくるシャーリーさん。

でも、これは知らないことだろう。

 

ごそごそと彼からもらった香水を取り出して見せつける。

 

「・・・それは?」

低い声で聴いてくるシャーリーさんに薄い笑みを浮かべて言う。

「彼が私にくれたの。」

 

目に見えて動揺する彼女。

どうやらアドバンテージのようだ。

 

「あ、あたしだってあいつにいろいろもらっているし!!」

そういって腕につけているミサンガをこちらに見えるように手首を露にする。

 

「“願いがかなうといいな”って言ってくれたものさ。これをもらったのはあたしだけだから。」

「私だっていろいろともらっているんですけど。」

 

「は?」

「は?」

 

 

いつものような雰囲気が消えて剣吞な空気になっていく。

どうやら彼女もそうらしい。

 

 

「二人ともそんなにいがみ合わないでください。」

 

正座をお茶をすすりながら余裕綽々といった顔でこちらを見つめてくる芳佳ちゃん。

なんだろう。この感じは。

 

「私たちが争うのを彼は望んでいませんから。」

正論を言われて押し黙る。

確かにそうだ。

 

こんな争いをしていても何にもならない。

 

「ごめん。シャーリーさん。ちょっと熱くなりすぎた。」

「いや、こっちこそ・・・。」

 

そういってお互いに謝りあう。

 

これで丸く収まると思ったとき、芳佳ちゃんが聞き過ごせないことを言い始めた。

 

「だって彼の一番は私ですもん。」

 

 

「「・・・・は?」」

 

下げていた頭を戯言を言った相手の顔に向ける。

頬に手を当ててうっとりとして顔つきになる彼女。

 

 

「えへへへ・・・・。まあ深くは言えませんけども・・・・。彼ってとっても情熱的なんですよ。」

 

幸せそうにそういう彼女。

シャーリーさんと目を合わせてお互いにうなずき合う。

 

 

「ちょっと調子に乗りすぎじゃないの?みやふじー。」

「それは聞き逃せないよ。」

 

立ち上がって彼女に詰め寄る私たちを手で静止してくる。

 

「お二人とも。ここがどこか忘れていませんか?」

 

そういわれて思い出す。

ここは彼の部屋だ。

でも、それがどうしたのだと言うんだろう。

 

「・・・・・彼ってこの部屋に服とかおいていっているんですよ。」

 

体が固まる。

 

「そして、今、あのひとはいない。・・・・ここまで言えば後はわかりますね。」

 

 

「宮藤、仲良くしよう。喧嘩はいけないよな。」

「うん。で、そのブツは?」

 

嬉々とした表情で彼のものを物色する私たち。

大丈夫。

彼が帰ってくるまでだから。

 

 

そして、それから部屋に置いてあった通信機に連絡が入る。

 

 

よどみない動きでそれを手に取る芳佳ちゃん。

 

「はい、ボバです。」

 

それは自分が彼の嫁だというアピールなのか。

すこしむっとする。

 

『芳佳?ああ、連絡が付いたか。』

「どうしたんですか?」

 

聴きたいと思っていた彼の声。

彼のコートに身を包みながらその声に聞き入る。

 

『いや、ちょっとな・・。』

「何かあったんですか?」

 

 

 

 

『一週間帰れなくなった。』

 

・・・・・耳と尻尾をぴん、と立てて目を見開く。

隣ではシャーリーがベットで横になって絶望した表情で寝ている。

 

手を震わせながら懇願するような声で聴く芳佳ちゃん。

 

 

「う、うそですよね・・・?」

『嘘じゃないんだよなぁ。そういうことで皆にも言っておいて。お土産はちゃんと買って帰るから。じゃあね。』

 

「・・・・・・・はい。」

 

がちゃり、と通信が切れて、シャーリーがふて寝している隣で同じく寝っ転がる彼女。

 

「・・・・・しくしくしくしく。」

 

・・・なんだかかわいそうになってきた。

 

そして、気が付いた。

 

逆に考えると一週間彼の部屋でやりたい放題できる・・・?

 

着ていたコートをハンガーにかけて、同じくベットにもぐりこむ。

 

 

何だか眠くなってきてしまった。

 

(わ、私もサーニャと一緒に・・・)

(ヘタレには無理でしょ。彼の部屋に入るだけで顔を真赤にするくせに。・・・さすがにベットは店員オーバーか。羨ましい。)

(芳佳ちゃん・・・・。)

 

 

ドアの向こうでこそこそとしている三人を放っておいて、今日は彼のベットで寝ることにした。

 

 

 

 

本日のオチ

 

「相打ちの場合どうなるんだ?」

「私はもう嫉妬しない。そしてお前は私の傍に一週間いる。両方叶えればいいじゃないか。」

「・・・・俺が帰ってからも嫉妬しないでいられるか?」

「一週間だけだな。私に勝ってはいないし。」

「だよねえ・・・・・。」

 

 

「兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん・・・・。」

(彼があと一週間いるうちにいろいろと誘惑してみよう)

 

 

 




年齢的に20代後半に差し掛かったところで意中の相手と結ばれて歓喜に震えるおケイさん。絶賛重い(白目)

ハンナとの賭けが相打ちだったので一週間アフリカに滞在していた彼。


その間にいろいろとやっていた他のウィッチ達。
あっ(察し・・・・。

次回予告「IF 502に惚れ薬を盛られたら」

「」
「惚れ薬飲ませたらこんな風になっちゃった・・・・。あれ?これってチャンス?」
「ヴァルト好きって言ってくれ。」
「ヴァルト好き。」
「~~~~~~~~~♡♡」
(録音機持ってこなきゃ(使命感))
(好意を擦り込んでおこうかしら・・・・。)
(言質とっておこう。)
(直枝愛しているって言わせてみよう。)
(婚姻届けどこだっけ。)



なんだこいつら?!(驚愕)

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