ボバ・フェット(偽)はウィッチとともに空を飛ぶ   作:KeI77777

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過去編よりも本編のほうが人気あって草生える
本編そろそろ投稿しようかなー。

ジョジョのアニメでついにバイツァ・ダストが出たので投稿です。


感想返し

Qとりあえず506編見て一言、ボバ君のパーツの元になった人みんなたらしじゃねーか(゚Д゚;)
しかも最近のハーレム物の主人公ではなく、男でも惚れる生き方やあり方の方々ばかり
じゃないか(歓喜)

それならモテますは、しかも好意に鈍いというのも、横島君は持っていましたしね、
そして女性を口説く部分はパンチさん主導からの
腕にサイコガンとXYZのハンターの人をミックスしたものか、これはひどい(゚Д゚;)

さらに忘れちゃいけないラッキースケベは体が勝手にの最強のモギリか うわー
文章にすると本当ひどいな

質問なんですが通信機を持っているのはどれくらいいるのでしょうか?
ライーサやルーデル、那珂が確定していますが、あと渡している人はどのくらいいるんですか
他の航空団に一つという感じではなかったので

後、おかしいな過去編のはずなのに502に爆弾の針がどんどん進んでいくよ(恐怖)
そしてどうぞ書きたいようにお願いします。

A男のなかの男って言ったら彼らのような存在だと思います。
何というか信念がはっきりしている男のキャラって悪役でも味方でも魅力的に映るんですよね。

女ったらしで、しかも本物の“男”って誰かな?と考えたとき彼らの顔が浮かんできました。

通信機は作中で明確にもらったというウィッチ達と「ちゃっかり手に入れている」娘達ですね。

お察しのとおりハンナ、ライーサ組に、黒田那佳とかはもちろん、渡されっぱなしだったハイデマリーもそうですね。

これを持っている娘は彼がまあ、この娘ならあげても大丈夫だろう、と主観的に判断した娘だけになっております。

・・・・・・・あくまで彼がそう考えるだけですが。

ナオちゃんあたりにあげていたら毎日ツンデレ発揮するんでしょうね。
過去であってもそれよりも先の日から大抵振り返っていますから。

実は最後に全ウィッチが集結しても大丈夫なように整備しております。
集めるかどうかは別としてできるようにしておいたらかなり面白い地獄絵図が見れるでしょうから…(震え声)

では、扶桑海事変編どうぞ。

KEY(ドM)



賞金稼ぎと過去なお話
賞金稼ぎと過去編 扶桑海事変 その1


扶桑皇国の明野の飛行場近くに存在する有名な喫茶店。

かつて、『扶桑海の閃光』という映画のヒットにより、“巴御前”と知られていた穴拭智子の御用達の店として、主に女学生に人気のスポットである。

 

そこのキッチンで一人の女性がコーヒーを挽いていた。

江藤敏子。

かつて、1938年4月まで続いた扶桑海事変に関わった伝説のウィッチの一人である。

かつて軍に所属し、ウィッチとして空を飛び、ネウロイ相手に戦いを繰り広げていた彼女は退役し、喫茶店を構えていた。

 

今日は定休日だったので、彼女はゆっくりと自分のためにコーヒーを挽いていた。

鼻歌を唄いながらご機嫌な様子で作り続けていく。

 

そんな中、喫茶店のドアが開かれる。

「ああ、すいませんけども、今日は定休――――」

 

 

「・・・・・コーヒーを一杯もらえるかな?」

 

思わず持っていたマグカップを落としそうになる江藤。

それほど彼女にとっては衝撃的な出来事だった。

 

「・・・章香!!」

来訪者の前まで小走りで近づき、抱きしめる。

それをしっかりと抱き留めて、抱擁し返すもう一人の人物。

 

北郷章香。江藤敏子の親友である。

 

かつて“軍神”と呼ばれた扶桑皇国のウィッチである。

彼女も現在はウィッチを引退しているが、後進を育てるために教導者として軍に身を置き続けている。

 

「久しぶりじゃないか!!元気だったのか!!」

「ああ。おかげさまでね。・・・・座ってもいいかな?」

「もちろん!!あ、コーヒー入れるぞ。」

旧友の来訪に喜びながらせわしなく動き回る彼女。

たまに来る彼女との会話を心待ちにしていたのでそれほどの嬉しさだった。

 

こぷこぷとマグカップに汲まれたコーヒーを北郷の前に出す。

それを受け取って飲む。

「おお。上手いな。さすがに店を開くだけのことはある。」

「そりゃあな。もう何年もやっているんだから。」

友からの賛辞に顔をほころばせて笑う。

懐かしさばかりが募っていた。

 

「で、今日はどうした?また面白そうなウィッチでもいたの?」

「前話した雁淵孝美のことか。確かにそれもあるが、今日は他の話をしたくてやってきた。」

 

飲んでいたコーヒー入りのマグカップをとん、とテーブルの上に置き、腕を組んで離し始める。

 

「――――――あの戦いから、もういくつも経つんだな。」

その言葉に顔をゆがめる江藤。

苦々しい記憶が彼女の脳裏によみがえる。

「正直、二度と思い出したくもないな。・・・・なんで生きていたのか本当にわからん。」

 

最後の決戦の時、彼女たち二人はネウロイではなく、扶桑皇国海軍の軍艦と相対し、味方のウィッチ事ネウロイに一斉砲火を行おうとするのを阻止するために戦っていた。

 

結果的に重傷を負うも、一命をとりとめてこうして今日まで生きている。

 

「で、なんで今更あの時の話を?」

「――――今、かつての軍の将校たちが、不審死を遂げている事件が起きているのは知っているか?」

 

彼女が言う事件。

それは、軍上層部としてウィッチ事ネウロイを吹き飛ばす作戦を考案し、実行するよう命じていたかつての元将校たちが次々に死亡している事件である。

 

捜索当初は殺人事件として進められていたが、証拠が何一つ出ずに捜査が難航した。

そして、それらの死体には同じ共通点があった。

 

「死体はすべて、頭を何かで焼かれたようなやけどの跡があったらしい。」

すっと自分の額を指さして説明する。

かつて、江藤敏子は大本営会議の際にその将校のうちの一人を怒りのあまり殴ったことがあった。

 

自分たちの権力掌握に明け暮れる軍部に失望したのが原因だった。

右こぶしを撫でてその時の情景を思い浮かべる。

 

「おそらく、真相が明かされることは絶対ないような気がする。・・・・これは勘だが。」

「そうか。・・・・・・さすがに嫌いだったとはいえ、無能な奴らではなかったからな。少し残念だ。」

苦々しい表情を浮かべる彼女。

心根は優しい彼女にとってそれは本当に悲しいことでもあった。

 

「話はここからだ。・・・・そのずっと前から、軍内部に何かおかしな空気が流れるようになった。」

「・・・・・・・空気?」

「ああ。何というか。はっきり言って日和見ばかりしていた、権力の椅子にしがみついているような輩たちも私たちウィッチにたいして態度を露骨に変えたんだ。」

「・・・・・・・・・。」

 

彼女が言う通り、かつての軍部の中にはウイッチに対して不信感を露にするものも多く存在していた。

まだ10代、20代の若造の女が軍で指揮権を握るなどと、という鬱屈とした思いを募らせていたからである。

 

扶桑海事変が勃発し、それを収束させたのが彼女たちであったことからその功績が認められ、ウィッチたちは世間から称賛を浴びることになった。

 

「そして、圭子から聴いたことでもあるが、どうやらそれに深くかかわっている人物がいるかもしれないと。」

「それって・・・・。」

 

 

 

『で、これでよかったのかい?』

「ああ、ありがとう。こちらも“用事”はすべて済ませてきた。」

 

机に脚を乗っけて椅子にもたれかかって座る男。

グラスに扶桑の酒を入れ、煽っている。

いつもは飲まない酒も彼にとって、たまにたしなむくらいなら楽しめるものであった。

持っていたグラスをテーブルに置いて、銃の手入れをしながら話を続ける。

 

『かつての扶桑の将校たちの居場所なんて一体何に使うのよ?』

「・・・・・・・妹が“世話”になったから、その“お礼”に行ったのさ。」

『それってボバちゃんが前言っていた有名な加東ちゃん?』

「ああ。自慢の妹さ。」

 

彼が言う人物。

それは扶桑海の三羽烏として有名なウィッチである加東圭子のことである。

彼が彼女に出会い、兄妹のような関係になったのは大昔の話だが、その出来事について知る者は本人たち以外に誰も存在しなかった。

 

ゆえに、通信機の向こうにいる情報屋も本当に血がつながっていると思っていた。

『前に雑誌かなんかで特集くまれていたよなー。ウイッチちゃんたちはかわいい娘ばかりだねえ。そんな娘とたくさんあってきたなんて羨ましいよ。大丈夫?刺されていないかい?』

「?何言っているんだ?俺はからかい半分で彼女たちを口説いているんだぞ。ウィッチ達もそこらへんはわかっているだろう。」

『・・・・・・こりゃだーめだ。俺が刺されないようにせっかく女遊びのうまいやり方をおしえてあげたっつーのにさー。』

「何か言ったか?」

いや、なんもーとあきれ混じりのため息をついてあきらめた様子を浮かべるルパン。

こいつ、一体どうしたんだ?と本気で自分の状態を認識していないボバ。

 

戦いの中では同じく、凄腕の二人であったが、このときはまだ女の気持ちを察する能力に関しての差が絶望的に開いていた。

 

頼むから死んでくれるなよ、と心の中でルパンが十字架を切り、気になったことを尋ねる。

『そうそう。その扶桑海事変だけどさ。・・・・・どうも変な噂があってね』

「噂って?」

『彼女たちウィッチがネウロイの奴をぶっ倒してお国を守ったっていう美談は世間に知られているけども、一人の奇妙な格好をした男がそれにかかわってじゃないのかっていう話もちらほら出てんだよなー。』

核心をものの見事に突かれてドギリ、と心臓が跳ねる。

 

『ボバは何か知らない?』

「いやー。そんな奴がいるなんて初めて知ったよ(棒)。一体どこの誰がそんなコトヲー。」

しらじらしい声を挙げて返事をする。

 

『あっそ。そうしておくよ。』

「ただ、俺も。・・・軍に従事していた知り合いに聴いた話だけども、大きな空とぶ棺桶みたいなものを嵐の中で見た、なんて聴いたぞ。・・・・これは知り合いの話だけども。」

往生際が悪いなー、とルパンは思いつつも言わないことにした。

何かかくしたいことがあってそうしていることが分かったので、それに触れてやらないのが男というものだからだ。

 

だから、いつも通りの軽い調子で彼に聴いた。

『人から聴いた話でもいいからおしえてちょーだいよ。うちの侍とあのとっつぁんの故郷の話だから気になっててさー。』

「・・・・俺が知っている範囲だったらな。」

 

同じ時刻。

同じ日に。

違う場所で。

 

かつて、扶桑海事変で戦っていた二人が自身の知り合い相手にその時のことを話し始めた。

 

「「そう、あれは1937年から始まった・・・・。」」

 

 

193x年。扶桑皇国の舞鶴にて。

 

 

「圭子。」

俺の前にいる、赤いマフラーを首に巻いた一人の少女。

頭にはゴーグルをつけ、巫女服のような恰好をしている。

 

こちらを振り返る。

「兄さん。」

「ウィッチとしての素質があったんだって?おめでとう。」

そういって彼女の頭に手を置く。

昔から知っていたあのおチビがこんな立派な戦士の顔つきになるとは。

人生は面白いものだ。

 

「ありがとう。・・・・ちょっと歩いて行かない?」

「そうだな。そうしようか。」

並んで町通りをあるく俺たち。

店が並び、店員や店主たちが品物を通りがかった人に薦めている。

商魂たくましく、町は活気にあふれていた。

 

「こうしてみると、ネウロイによって世界が危機に落ちかけているとは思えないな。・・・・・・お、これ上手そうだ。」

「ちょっと。これから美味しいご飯を食べさせてくれるんでしょ?」

わるい、わるい、と手に取ってお菓子を店に戻し、また歩き始める。

子供たちが後ろから駆け抜けていき、近くにあった公園に集まっていくのが見えた。

 

近くでは学校の帰りなのか眼帯をつけたポニーテールの少女と、ショートカットの女の子がリンゴ飴を食べていた。

 

その光景にちょっとほほえましさを覚える。

 

「今日行くところは昔からの付き合いがある場所でね。圭子のためにうんと奮発しておいたよ。」

「そんなこと言っちゃっていいの?期待しちゃうよ?」

「いいさ。かわいい妹分のためだからな。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「あれ?」

先ほどまで笑顔だった圭子の顔がむすーっといじけたときのものとなり、すたすたと早歩きで先に行ってしまう。

俺は何かまずいことでも言ったのだろうか。

いや、いったかもしれないということはなんとなくわかるし、彼女が怒っているらしいことも分かった。でも、なぜ怒っているのかはさっぱりわからなかった。

「待ってくれよ、圭子。場所知らないだろ。」

おいてかれないように早歩きでついていく。

 

「・・・・・・鈍感。」

彼女が何か言ったような気がしたが、町の喧騒にかき消されて聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

「これおいしいね。美緒ちゃん。」

「うん。」

そういって屋台のリンゴ飴を食べる二人の少女。

舞鶴小学校に通うウィッチ志望の少女。

坂本美緒と竹井醇子である。

 

一方は扶桑皇国でもっとも有名なウィッチとなり、もう一人はリバウの貴婦人としてその名を世界に知らしめることとなる伝説のウィッチであるが、このときはまだ小さな子供であった。

 

彼女たちはいつも通っている講道館での稽古を終えて、町で食べ歩きを楽しんでいた。

お小遣いを使って買ったリンゴ飴を美味しそうに食べる二人。

 

「でも、徹子ちゃんもこられたらよかったのにね。」

「うん、しょうがないよ、なんでも“秘密”の稽古に行くとか言っていたもん。」

 

彼女たちがいう人物。

後に扶桑皇国史上で最強と謳われるまでのウィッチとなる、若本徹子のことである。

性格は荒っぽいが向上心があり、なんだかんだいって二人のことを気にかけている友達であった。

 

「私も負けないように頑張らなくちゃ!!」

「私もおいてかれないように頑張るよ。」

 

 

どこか気弱さを放ちながらも何とかしてみせる、と意気込む坂本と自分に自信が持てなくてもあきらめない竹井。

 

不思議と馬が合う二人はこうして互いに切磋琢磨しあっていた。

 

 

そして、そんな二人の近くをとある男女のペアが通りかかった。

一人は170Cm程度の身長でがっちりした体系であり、顔に細かな傷があった。

もう一人は赤いマフラーを首に巻き、頭にはゴーグルをつけていた。

 

(あれ?何だか見覚えがあるような気が・・・・。)

しかし、そのまま男女のカップルは人ごみの中へと消えていってしまった。

 

(女の人の方は新聞か何かで見たことあるような気がしたけど・・・。気のせいかな。)

今となってはもうわからないので坂本は気にせずに、竹井と話すことにした。

 

日が暮れて、町なみが暗くなるまでそうしていた。

 

 

 

「・・・・・・・ん?」

「どうしたの?兄さん?」

突然立ち止まり、振り返った俺にそんな声を掛けてくる圭子。

「いや、なんでもない。」と言って再び歩き出す。

 

圭子の方へ視線があったような気がするが気のせいか。

そのまま歩き続け、目的地へと着いた。

 

料亭『伊吹』

 

ここの主人とは大昔からの知り合いだった。

彼がまだ板前ですらないただの下働きだったころからの付き合いだ。

 

のれんをくぐり、引き戸を引いて中へと入る。

 

カウンターにたって包丁を握って調理している板前。

俺たちが入ってきたのに気が付き、こちらを向いてくる。

「いら・・・。おう、ボバじゃないか。」

「よう。予約しておいた料理を食べに来たぞ。」

「バカヤロー。お前なら予約なしでも・・・。」

 

そう言いかけて、隣にいた圭子を見た瞬間動きが止まる。

心なしか目を見開いてとても驚いているようだ。

 

「・・・・・・・ボバ。」

ちょっとこっちこい、と手招きされる。

圭子にちょっと待っててね、と一言断り、

?と疑問を浮かべながらもそれに従って近づく。

小声で話しかけられた。

 

(おめえ、いつからあんなぺっぴんさんと知り合いになったんでい。)

(圭子は俺の妹だぞ。)

(妹?!おめえ妹がいたのか!!)

(ああそうだよ。血はつながっていないけど。・・・なんだよ、俺に妹がいたらおかしいのか?)

(いや、まぁ・・・。)

 

ちらりと彼女の方を見る板前。

ニコニコといつから身に着けたのか営業スマイルでこちらに手を振っている。

何なのだろうか。

 

(・・・・気づいていないのか?)

(?何がだよ。)

(いや、そうならそうでいい。)

 

そういって俺たちを店員さんに個室まで案内させる。

「腕によりをかけて作るんで。たのしみにしていてくだせえ!!」

「あら。それは楽しみです。」

満面の笑みを浮かべた圭子に顔をあかくしてでれーっと鼻の下をだらしなく伸ばす。

こういう時の圭子は人なつっこく見えても実のところ壁があるんだけどな。

 

しかし、彼のはかない夢を壊したくなかったので黙っていることにした。

 

 

 

 

奥の方まで行った彼らを見届けて、包丁に目を落とす。

 

(しっかし、あいつがかぁ・・・。)

ボバと初めて会ったときのことを思い出す。

お互いに、まだまだひよっこだった時。

自分が世界一の板前を目指している、と周りに言っては笑われていた時だ。

 

とある山の中で山登りをしていたら、変な爆発音がしたのでそちらの方に向かったら奇妙な銃を持った男が、的に向かったこれまた奇妙な赤く光る光弾を撃ち込んでいた。

 

しかし、あまり当たらず、外している弾数の方が多かった。

 

(な、なんだありゃ・・・。)

茂みに隠れてそれを覗き込む。

そして、男は銃を乱暴に地面へとおいて腰につけていた剣で木を切り刻んでいた。

 

乱暴で、稚拙なそれはおおよそ剣に通じていたなどとは到底思えないものだったが、そこにはある種の輝きがあった。

 

そして、もう一度切り刻もうと男が腕を振り上げた瞬間、動きを止めてこちらを向いてきた。

 

「――――――誰だ?」

こちらに剣を構えたまま歩み寄ってくる男の剣幕に押されて、慌てて飛び出す。

 

「ま、まてよ!!ただ山登りに来た通りすがりだ!!」

両手を上げて降参の意思を示すと、興味を失ったのかまた訓練を続ける男。

 

(なんだ、こいつ。)

 

その日から、たまに山に来ては男とたびたび遭遇することになった。

 

話してみると、案外普通の人物で気が結構あった。

 

その中で、自分たちの夢を語り合ったことがあった。

 

「俺は、世界一の板前を目指している!!」

「奇遇だな。俺も世界一の賞金稼ぎを目指している。」

 

それからあいつは世界を股にかける伝説の賞金稼ぎとなり、俺は世界一の板前となった。

 

 

(さて。昔を思い出すのはこれくらいにして料理に集中するか)

今日は予約のお客たちしかいないので、彼らのためだけに存分に腕を振るおうと魚をさばいていた時、また引き戸が開かれた。

 

「入るよ。おじさん。」

そこには、ポニーテールに白い将校服を着た美女と、同じく将校服を着こみ、短く切りそろえられた髪型のこれまた美女がいた。

 

 

「おお!!おめえらか!!久しぶりだな!!いやー大きくなったなー。」

この舞鶴でしらないものはいない“軍神”、北郷章香と、その戦友である江藤敏子がそこにいた。

 

 

 

「ここって随分高そうね。」

「何て言ったって日本一だからな。・・・・お金のことは心配しなくても大丈夫だよ。」

落ち着かずに個室の窓から外を眺める彼女にそう言い聞かせる。

いつもの背伸びしているときと違って、あまりにもそわそわしているので笑ってしまいそうになった。

そんな俺の頬をつねってくる。

「兄さん。」

「はふはっはよ(悪かったよ。)」

もう、といって頬から手を放す。

虫歯のように頬が少し腫れていた。

俺が子供扱いすると、彼女はこうして怒るのだ。

 

・・・・・・ウィッチだからと言って無理しなくてもいいんだけどな。

 

彼女なりの理由があるだろうからそっとしておいた。

店員さんがお茶を運んできてくれた。

 

それを受け取って飲む俺たち。

 

「で、実際に空を飛んでみた感想は?」

「・・・人に抱えられて乗るのと、自分独りで空に上がるのじゃ全然違うね。・・・・・最初は怖かったけど今は楽しいよ。」

 

彼女の夢の一つ。

それはウィッチとして空を飛び、ネウロイの魔の手から人々を守ることであった。

それがこうしてかなったのが俺としても本当に嬉しかった。

 

おしぼりで手を拭き、彼女に話しかける。

「・・・・死ぬなよ。圭子。」

「大丈夫よ。兄さん。ネウロイを相手に戦うほうが兄さん相手に戦うよりもずっと簡単だから。」

「言ったな。こいつ。」

 

がしがしと頭をなでる。

「や、やめてよ!恥ずかしい・・・」

と顔を俯かせて恥ずかしがるが、個室で誰も見ていなかったので手の動きを止めない。

「まあ、何かあったら俺に任せな。伊達にお前の兄じゃないんだから。」

「えー?本当にー?これからは代わりに私が戦うから兄さんはのんびりしていてもいいんじゃない?」

「圭子が戦っているんだ。世界のためとかそんなことを考えたことはないけれども、泣き虫だった妹を守ることくらいはするさ。」

 

窓の外から見える月を眺める。

俺がこの世界に落ちて、もう何年が経ったことやら。

 

わけもわからずに戦い続け、気が付けばこんなところまで。

1910年代に起きた第一次ネウロイ大戦からここまで生き延びるとは。

 

 

今度は圭子のほうから話を振られる。

「ねえ。そういえば最近山の方に行っているみたいだけどどうしたの?」

「ああ。ちょっと昔の思い出巡りしていた。・・・昔のね。」

ふーんと聴いてきたくせに興味なさそうに言う彼女。

ひどいな、おい。

すぐに話題を変えることにした。

 

「圭子みたいに根性あるウィッチの候補生にであったぞ。」

「へえ。どんな娘?」

「確か10歳くらいだったか。俺が山で剣と銃の練習をしていたら、同じく剣を振るっていたその娘と会ってな。少し戦い方を教えてやったんだ。俺が山にいることを内緒にする条件付きでな。」

「兄さんに教わるって・・・。その娘死んじゃわない?」

おい、それはどういうことだ、とジト目で抗議の視線を送る。

妹とはいえ、いくらんでもひどいんじゃないだろうか?

 

「・・・・・兄さんが私にやらせた訓練ってどんなものだったか言ってみて。」

「ん?まずは人体急所の暗記だろ。」

「そこからもうおかしい。最初訓練を受けたときは私大丈夫かなーって本気で心配したんだからね!!」

 

どうやらお気に召さかったようだ。

本気で教えたのに。

 

「で、他は?」

「あと確か圭子に伝授したのは、対人格闘の術と、銃器の扱いと、弓矢、剣術、体術・・・ああ、あとは応急処置の医学か。」

「この人やっぱり頭おかしい。」

「それでもかなり役に立っているだろう?」

「たっちゃっているから困るんだよね・・・。」

うあぁぁぁ・・・兄さんに染められるぅぅ・・と勘違いされそうなことを頭を抱えながら小さく悲鳴のように言う。

 

「まさかその娘にもそんなことを教えていないよね?」

「・・・・・・・・・」

彼女から目をそらす。

 

「に い さ ん?」

「・・・・・・ちょっとだけ。」

 

場の空気を変えるために他の話題を出すことにした。

時には逃げるのも立派な戦術なのである。

「そういえばずっとまえに話していた同期の娘達とはどうだ?上手くやれているか?」

「子供の様子を聴くんじゃないんだから・・・・。上手くいっているよ。皆大切な戦友。」

力強いまなざしでそんな風に断言する彼女の姿を見て、本当に子供だった圭子はもうどこにもいないんだな、と気が付きいつもの振る舞いをすることにした。

 

「・・・・・・・そうか。じゃあ、俺もこれからは・・・。」

「あ、それはやめてね。」

まさかの妹からのダメ出しに面食らう。

 

「他の娘の前でならいいけど、私にはダメ。いつも通りに接して。」

「なんでだ?」

「女ったらしの癖にそういうこと聞いちゃうんだから。」

「んー?」

圭子が何を言っているのかわからず首をひねって考えるが、冷たい視線を送られるばかり。

考えてもわからないのでやめて、運ばれてきた料理に舌鼓を打つことにした。

箸で鯛の刺身をとり、緑のねばり気のある本わさびにつけて口の中へと運ぶ。

 

熟成された鯛のうまみと、わさび醤油が上手く組み合わさり、絶妙な味となっていた。

「おいしー!!ナニコレ?!こんなの食べたことない!!」

「よかったよ。まだまだあるからあわてずに食べな。」

わーい、と子供のようにはしゃぐ彼女。

 

どれだけ大きくなってもこういうところは変わらないな、とどこか安心した。

 

 

 

 

 

ボバと加東圭子が食事をとっている個室の隣の部屋で、北郷章香と江藤敏子は

同じく料理を楽しんでいた。

 

「前言っていた加東圭子もかなり成長したんだって?いやぁ、もう世代交代かな。」

「何言っているんだ。“軍神”ともあろうものが、まだまだ早いだろう」

はっはっはと笑いながら自虐的に話す北郷とそんな彼女に突っ込む江藤。

お互いの後輩に関して自慢していた。

 

「私の道場でも、まだまだひよっこだと思っていた坂本っていう娘がいたんだがな。・・・・・・・なんとあのうちの一番強かった若本から一本取ってしまったんだ。」

「若本ってあの負けん気が強い娘だな。確かに才能に溢れている。軍にもし入ったら直々に鍛えてみたいものだ。」

「その時はお手柔らかに頼むよ。大切な教え子だ。」

「ああ、まかせろ。」

本人たちのあずかり知らぬところで、少女たちの未来が決まりかけていた時に北郷が冗談めかしたようにとある話を始める。

 

「・・・・・この前あったガランド中尉どのが面白い話をしてくれてね。」

「アドルフィーネ・ガランドか。有名だな。」

彼女たちが言う人物とは、かつて1936年に起こったヒスパニア怪異で戦果を挙げた一人のウィッチのことである。

 

カールスラントのエース・オブ・エースとして世界に知られている人物であった。

 

「ヒスパニア怪異でのことを話してくれたんだ。彼女は最前線で戦っていたからさ。」

「へぇ。そりゃまた貴重な話だな。隊をはぐれた彼女がなぜか一人で軍司令部に帰ってこれた話は有名だしな。」

「それで、お酒が回ったのかぽろっと彼女がこぼしたんだ。」

 

 

前に彼女とガランドが出会ったときのこと。

秘蔵のワインを飲んでいたガランドは、あまり人に話していないことに関して北郷に打ち明けていた。

『えっ?人を探している?』

『ああ。ずっとずっとあの日から彼をね。』

『誰なんだい?その彼っていうのは?』

『私たちと同じく空をとんでネウロイと戦い続けている人物さ』

『・・・・ウィッチなのか?』

北郷の問いかけに首をふって否定するガランド。

 

『いや、声を聴いたが男だったよ。マスクをつけて、体のいたるところに武器をつけて、背中に背負っている奇妙な装備で空を飛んでいた。』

 

最初、北郷はガランドが彼女を笑わせるためにジョークを言っているのではないかと感じ、話のオチを待っていた。

しかし、いたって真剣なかおつきそのもので熱っぽく、その時のことを彼女は話し続けていく。

 

『初めて会った彼は、地面に倒れ伏しており、かなりの傷を負っていた。死体だと思ったくらいだったよ。』

『その人が?』

『うん。襲い掛かってきたネウロイをたった一人で七匹倒し、隊からはぐれた私を仲間のところまで運んでくれた恩人さ。・・・・・・惜しむらくは、名前を知らないことだね。』

 

いつもは毅然としていて、どんな言葉をかけてものれんに腕押しと言った彼女が、恋する乙女のような顔つきで話し続けるのを北郷は呆然と見つめていた。

 

彼女にとっての王子様。

それが、現れてしまったという。

 

(いいな・・・。)

前線で戦い続ける北郷にとって、自分よりも強い男性に守ってもらういうのはほとんどありえないことであった。

 

決して、ちょっと会ってみたいとか、そんな思いはなく、単なる好奇心で彼女は尋ねた。

 

―――――――もし、彼女がボバの容姿についてガランドから聴いていなかったら、話はまた違うものになっていただろう

 

 

「そんな話があるのか・・。ウィザードじゃないのか?」

「かもしれない。世界には一人くらい魔力を持った男性がいるかもね。」

「・・・・期待しているのか?」

「正直、少し。」

 

そんな彼女を笑わずに話を聴き続ける江藤。

同じ女性として何か感じ入るものがあったのか。

 

「私も“軍神”なんてみんなからあがめられているけども、根は一人の人間だしね。・・・・・・できることをやっているだけだよ。今は前線に立つだけでなく教えるのもそれだけど。」

「そうか。・・・・・・ふー。いかん。酒が回ってきたか。」

 

 

窓から見える月を見つめる江藤と北郷。

 

これからのち、ここにいる四人は全員あの扶桑海事変へと巻き込まれることとなる。

ネウロイと戦うウィッチと、それを陰から守る一人の男。

 

 

隣にその件の人物がいるが、彼女たちと彼が出会うのはいましばらくの時間を待つ必要があった。

 

 

 

 




本日のオチ

「人体急所は覚えたな?あとは相手の気力をそぐ方法だ。それと体術も仕込んでやる。」
「今日こそは俺がかーつ!!」←あやしい男から英才教育を施され、強化されていくのちの“扶桑皇国史上最強”のウィッチ。


遂に始まった扶桑海事変。
このお話はかいていて楽しい。
何気ないニアミスとかっていいよね。


彼を探し続けているガランド。
妹ポジを確立している加東圭子。
飴をなめている竹井醇子と若きもっさん。(もっちゃん)
彼から戦い方を教わる若本徹子。
色々と女性関係でまだまだ鈍感なボバくん。

(カオスと化す未来が)見える見える・・・・・。

ちなみに若本徹子ちゃんはボバくんが原因で原作よりさらに強くなりました。
やったね(白目)

彼が将校たちを消しに行ったのは、加東圭子がネウロイと戦っているなかで彼女ごとそれを吹き飛ばそうとしていたことを知ったこと。

それを阻止するために動いてくれた北郷と江藤の二人のために自分の知名度と力を使って彼女たちをその後、守り続けたりとかいろいろと細かい部分もあります。

この時、宮藤ちゃん7歳。

後にいろいろな意味で彼を搾り取ることとなるが、まだまだ穢れを知らぬ無垢なこどもでした。

どうしてああなった・・・。

次回。『扶桑海事変 その2』

「兄さん。女の子が会いに来ているけど・・。」
「んあ?」←寝起き

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