海鳴市・空中
「凄い戦いだね…魔法戦って…」
激突する二人の魔法使い達の近くまでやって来たライは、遠目から見える砲撃や魔力弾を用いた戦闘に見入りそう口にする
≪あの二人は魔力値もかなり高いので必然的にああいった大規模な戦闘になるのです。 普通の魔導士の戦闘ではあそこまでの戦いにはなりませんよ≫
「そうなんだ」
フリーザの言葉にライはそう返事を返すと、再び両者の戦闘を見る。
桜色の魔力光を放っている者が砲撃を放ち、金色の魔力光を放つ者がそれを高速移動で回避、魔力弾を放ち反撃をするが桜色の方はそれを防御魔法で防ぐ。
防御の際に動きが止まった桜色の者に金色の者は斧のような形状のデバイスで接近戦を仕掛ける。
凄まじい激戦だが、金色の方が優勢であるのは明らかだった。
「桜色の方は接近戦があまり得意ではないみたいだね…金色の方に接近されて押されてる…」
≪そのようですね。 主様、もう少し近づいてみましょう≫
「うん、そうだね」
フリーザの言葉を受け、ライは二人の姿が見えるくらいまで近づく。
すると、闘っていた2人はライと同じくらいの少女であることがわかった。
そして、桜色の魔力光の少女にライは見覚えがあった。
「あ、あれは、高町さん!?」
そう、桜色の者はライのクラスメイトの少女…"高町なのは"だったのだ
≪主様の知り合いですか?≫
「うん、クラスメイトの女の子だよ。 あまり親しくはないんだけどね」
再び両者の戦いを見るライであったが、次第に空間が歪み始めていることに気づく。
「何だろう? 何だか空間がおかしくなってるような気が…」
≪!? 主様、二人の戦闘を早く止めましょう! このままAAAランクが全力に近い形で何度もぶつかり合えば次元震が起こりかねません!≫
「フリーザ、次元震って何なの!?」
≪次元震とは、簡単に説明するとこの世界を破壊しかねない次元の歪みが大魔力の連続発生が原因で爆発的に巻き起こり、大規模な次元震が起こった際には最早手遅れになりかねない魔力によって引き起こされる災厄のことです≫
「それって相当にマズイ状況だよね!? 早く戦いを止めよう!」
≪はい!≫
次元震の危険性を理解したライはフリーザをライアットフォームへと変え、二人の戦闘に乱入する。
「フリーザ、防御魔法をお願い!」
≪了解です主様! "フリズンプロテクション"≫
ガギン!!
「「!?」」
なのはと金色の少女は突如乱入したライに自らのデバイスによる打撃を防がれ、目を見開く。
「君達二人の衝突で次元というものが悲鳴をあげてる。 この世界を壊しかねない程にね…これ以上戦いを続けるのなら、僕も参戦させてもらう!」
ライはなのはを見た後、金色の少女を直視する。
すると、ライと金色の少女は両者共顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「(な、なにこの子…か、可愛い////)」
「(だ、誰だろ? か、カッコいい////)」
≪(どうやら主様もこの子も初見で一目惚れしてしまったようですね…次元震に焦っていた状況から変わり過ぎです…)≫
フリーザの心の中の言葉通り、まさにライと金色の少女の二人は一目惚れであった。
次元震が起こりかねないという切迫した状態からのまさかの展開になるが…
「ふ、ふぇ~!? な、なんでライ君が此処にいるの!?」
此処で忘れかけられていた少女…なのはから驚きの声が上がり、一目惚れにより放心していたライと金色の少女は正気に戻る。
「君達二人の魔力で僕のデバイス…フリーザが起動することになったみたいでね、僕は魔法なんて知らなかったんだけどフリーザのおかげでちょっとした魔法が使えるようになって、戦う君達を見に来たら戦闘の影響で次元震が起こりかねないって状態になって…う~ん、僕もさっき魔法に出会ったばかりだからあんまり上手く説明できないや」
「にゃはは、私もつい最近魔法に出会ったからわからないことだらけだよ。 あっ! この子が私のデバイスの"レイジングハート"だよ!」
≪レイジングハートと申します。 よろしくお願いします…ライさんでよろしいですか?≫
「うん、僕の名前は渋谷 ライだよ。 よろしくねレイジングハート」
≪はい≫
≪私も高町さんに自己紹介しましょう。 私はフリーザラッド…主様同様フリーザと呼んで戴いて構いません≫
「うん! よろしくねフリーザ! 私のことも高町さんじゃなくてなのはって呼んでよ。 勿論ライ君もね!」
「わかったよなのは」
≪はい、なのはさん≫
自己紹介などで話始めるライとなのは。
そして、そのデバイス達。
その時
「…"ジュエルシード"封印"」
≪畏まりましたマスター≫
金色の少女が半ば放置されていた膨大な魔力が籠った宝石…"ジュエルシード"を静かに封印した。
そして、少女は封印したジュエルシードをデバイスに仕舞うとそのままこの場を立ち去ろうする。
「ま、待って!」
「……」
なのはの呼び掛けに少女は無言で歩みを進める
「待って!」
「…何?」
しかしライの呼び掛けに対し少女は立ち止まり、背を向けた状態ではあるが一言そう返事を返す。
「なんで君はその宝石を集めているの?」
「…その質問には答えられない…」
「じ、じゃあ、名前…名前を教えて!」
「………ト…」
ライの問いかけに少女は小さな声を返す。
「えっ?」
「…フェイト…テスタロッサ…私の名前。 この子はバルディッシュ…」
ライが聞き取れなかったのを察し少女…フェイトはもう一度小さな声ではあるが、はっきりと自身とデバイスの名を名乗った。
「教えてくれてありがとう。 僕は渋谷 ライだよ。 そして、この子はフリーザラッド。 僕はフリーザって呼んでる」
「…ライにフリーザラッド…どちらも良い名前だね
…」
そう言い残すとフェイトは今度こそ超スピードでその場から姿を消すのだった。
ライとフェイト…この二人が後にパートナーとなることは神のみぞ知る話である。