仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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後日、加筆する予定。



98話 植民地主義② 闇は来たれり

 

遂に世界は大きく動き出した。

サータバーハナ朝と徳川大日本帝国西方統監府及び同盟国を中心とした総勢20万の征討軍がプトレマイオス朝の正統なる後継者クレオパトラ17世を奉じて北アフリカのローマ属州全てを目標に進路上ローマ属州アエギュプトスへ侵攻を開始した。

そして、今まで態度を明確にしてこなかったアクスム王国、メロエ王国に対しても服従か滅亡かの選択を迫ったのであった。

征討軍の詳細はサータバーハナ朝軍9万、徳川大日本帝国西方統監府軍1万、パーンディア朝軍2万、クシャトラパ王国2万、マガタ国5000、スキタイ王国1万5000、大夏国1万、アラビア首長連合軍3万の兵によって編成されている

 

征討軍の主要兵力は槍や剣と言った旧来の白兵武器を持った者達が主流であったが、西方統監府軍は手持ちの砲兵を全て動員して後方支援に重点を置いた。

 

征討軍とローマ属州軍の戦いは以下の通りである。

睨み合う両軍。

弓を引くローマ属州兵。

ギリギリと弦が張り詰めていく音が聞こえてくる。そして指を放そうとした瞬間、彼らの視界には空が斑模様に見えるほどの砲弾が見え、次の瞬間圧倒的な鉄の暴風に飲み込まれ一瞬で意識を刈り取られていくのだ。

 

征討軍の白兵兵力のお仕事はローマ属州兵及びローマ軍兵の大半を挽肉にした後に突入し、挽肉を具足と軍靴で捏ね回して人肉ハンバーグの素を量産しつつ生き残りを殺すと言う一方的な戦いであった。

 

徳川大日本帝国西方統監府は永らくローマ侵攻の戦争に参加を見送っていた。しかし、いつの日か連中の息の根を止めるために大砲とその砲弾の数を揃え、銃と銃弾を備蓄し、銃剣と刀(日本刀と軍刀)を磨き続けていたのだ。無論同盟国も鉄製武器を揃え力を貯めていた。しかし、ローマを狩るその大きな刃はまずは希望大陸に絶望を振りまく凶器となったのであった。

 

身の安全を保障されているローマ属州アエギュプトスのエジプト人達はローマ属州軍の敗北を知るや否や暴徒化、ローマ軍の統治府へ襲撃し武器を強奪。反乱軍化したエジプト人達はプトレマイオス再興軍を名乗りアエギュプトスにおいてローマ人及び非エジプト人系属州民の虐殺及び強制追放を強行し、それに抵抗した者達と激しく争うことになる。

最終的には征討軍の参戦で反乱軍の勝利に終わり、乱妨取りの一環としてローマ人資産の強制接収が行われ、抵抗した者達は容赦なく殺されたのであった。

 

一方的な戦いが繰り広げられ希望大陸におけるローマ属州は戦闘時間など殆どなく征討軍の移動時間と占領地の暫定運営組織の設置時間のみしか掛からなかった。

同地の住民地たちは僅かながらに逃げ延びたものもいたかもしれないが老若男女問わず物言わぬ屍として骸をさらすか、スエズ運河開拓の強制労働者として後送した。その為、この地域においては比喩でなく根絶やし系の民族浄化が行われたのであった。

 

アクスム王国、メロエ王国は征討軍の接近を知るや否や即座に降伏。征討軍のスエズ運河賦役の要求を飲み、兵力の供出にも応じた。

 

スエズ運河には強制労働者が絶えず送り込まれ、多くの命をその運河の中に飲み込んでいくのであった。一応記載しておくが人権の認められている賦役労働者と人権がない強制奴隷労働者の死亡率は圧倒的に強制奴隷労働者の方が多い。

 

征討軍は希望大陸におけるローマ属州を占領した。征討軍は海を渡りローマへ至ることはなくその矛先を南へと向けたのであった。

 

 

これより先は徳川大日本帝国を中心としたサータバーハナ朝やパルティア王国などの文明国が重商主義と帝国主義に覚醒したがゆえに起きた闇の時代。

彼らによって非文明国と分類された第三世界の住人達にとって恐怖と苦痛と絶望によって彩られた時代。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、植民地時代の始まりである。

 

 

 

 

 

 

 

 


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