仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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101話 植民地時代⑤ ローマの衰亡

スエズ運河完成。

徳川大日本帝国を中心とする列強連合による欧州征討軍がついに動き出す。

 

スエズ運河より幕府海軍第一・四艦隊を基幹とし、第二・三・五から抽出した蒸気船、サータバーハナ朝海軍や琉球海軍に大朝鮮国と言った列強先進国の保有する少数の蒸気船で構成された連合艦隊の戦闘艦船、幕府陸軍及び諸藩軍、列強諸国の陸軍が乗り込んだ輸送船団がスエズ運河を越えて地中海へと侵入して行く。

地中海から侵入した連合艦隊は地中海のローマ海軍を悉く撃滅していき、地中海の制海権を手中に収めていく。

もう一方でアナトリアのパルティア王国を中心とする連合陸軍も希望大陸より動員した奴隷兵(正式名称希望大陸義勇軍)を前面に押し出し西進を行いアナトリアを完全に制圧し、

バルカン半島へ進軍、コンスタンティノープルを制圧し勢力圏を広げていった。

 

連合海軍艦隊も地中海のローマ艦隊を撃滅せしめ主要沿岸都市部に対して砲撃を実施、イタリア半島に上陸、ローマ帝国首都ローマを制圧した。

 

列強艦隊の上陸の混乱でローマ皇帝が暗殺、その結果自称ローマ皇帝が乱立し、属州の独立反乱が多発、列強軍に反撃するための戦力の再編など望むでもなく。ローマ元老院が主導する政権が単独であったが列強連合軍首脳部と講和。

条件はバルカン半島全域の譲渡・イベリア半島の譲渡・ヴィスワ川以東の領有権の放棄・イングランド及びスコットランド並びにエール諸島の列強による侵略行為の黙認によるものであった。

 

今後の欧州はローマ帝国一強の時代は終わり群雄割拠の時代となるであろう。他国の戦争は戦争の当時国以外の国にとってはおいしいものである。是非にも長引かせたいものである。

 

世界の覇権は徳川によって握られたと言っても過言ではない。

徳川にとってもはや足元を多少なれども揺るがせる存在はこの世から消えたと言ってよい。

欧州はローマ帝国の分裂によって群雄割拠の時代へ、希望大陸は植民政府によって現地人の一部の特権階級のグループとそうでない現地民の対立を煽られる形で紛争が続き、蓬莱大陸や南天大陸は変わりなく、上都大陸では未開拓地域の開拓がはじまっていた。

 

世界は未だに平和にはならなかったがそれに視線を背けることが出来る程度には余裕が出来てきていた。世界は一応の安定期に入ろうとしていた。だが、安定期に入る前に大きな戦いが起きようとしていたことをその時はまだ誰も気がついてはいなかった。

 

 

 

漢王朝曹操政権(以後漢魏)

 

「華琳様、蜀よりこの様なものが・・・」

荀彧、郭嘉と言った軍師文官の重臣が曹操にあるものを見せていた。

 

「これは・・・」

曹操の視線の先には鉄の筒、つまりは銃が置かれていた。

 

「徳川を中心とした国々が保有する飛び道具です。」

「これの数を揃えることが出来れば、徳川の影響力を排したうえで華琳様の大陸統一を為すことも可能かと思われます。」

荀彧の言葉に曹操は視線を強めたうえで尋ねる。

 

「桂花・・・、そう言うからには製造方法も入手済みなのね。」

「はい、蜀の天の御使いよりもたらされています。それと内密なものですが同盟の打診がありました。」

 

曹操は腕を組み考え込んでから決断する。

 

「蜀の考えが見えないけど、この機会は利用させてもらうわ。すぐに真桜の所に回して一刻も早く生産体制を整えなさい。それと春蘭と秋蘭達にも今ある分で銃の訓練を始める様に指示を出しておきなさい。荊州南下はそのまま続ければいいわ。でも揚州の袁術が手を出した地域には無理にこちらが手を出す必要はないわ。今は機が熟すのを待って華北袁紹と揚州袁術を討つ。陛下や馬騰達には私の方から伝えるから、あなた達もそのように動きなさい。」

 

「「っは」」

 

 

 


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