仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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09話 植民時代

 幕府は植民開拓団を南へ派遣した。

 フィリピン以南のオセアニアまでを領域とし、特にオセアニアは多くの資源が手つかずに残っており金・銀・鉛・石炭・石油・鉄鉱石・タンタル・リチウム・ダイヤモンド・亜鉛・ボーキサイト・マンガン・ウランと多くのものが発見・産出された。特に銀・ダイヤ・タンタル・リチウムは世界トップクラスの埋蔵量を誇った。現時点では活用技術がないものもあるがその将来的な発展性は大きい。北方開拓団よりカムチャッカ近郊で大規模銀山を発見したと報告があった。東南諸島でも金・銅・石炭・石油の鉱山の発見が報告された。そして新世代の黒いダイヤ石油油田の確保も完了した。

 農業にも力を入れ牧畜では考えなしとも思えるほどの種類の家畜を各地で飼育させた。その種類は牛(ホルスタイン・ジャージー・和牛・水牛・コブ牛・ヤク)・豚(梅山・金華・アグー・ヨグー・日本黒)・山羊(カシミヤ・ジャムナバリ・シバ)・羊(コリデール・ドライスデール・蔵・寒)・馴鹿トナカイ・馬(大陸種・日本種)驢馬ロバ・兎・鳥(鶏・アヒル・ガチョウ・沖縄アヒル・ウズラ・雉・鵜。養蜂・養蚕)。川魚類(コイ・ナマズ・スズメダイ・アユ・マス)・魚貝類(ブリ・タイ・エビ・タイ・カキ・サケ・ホタテ・ホヤ・ワカメ)等種類の多さから幕府の迷走ぶりが伺える。意外にもほとんどが入植地に根付くことになる。

 農産物も米が最も推進されたが大麦・小麦・粟・黍・稗・玉蜀黍(トウモロコシ)・蕎麦と多くが同時に推奨され、ほかにも豆類・芋類の推奨が行われ、ほかのあらゆる野菜の生産を推奨していた。つまり、幕府は何でもたくさん作れと御触れを出した。

 綿花や麻・タバコ・茶・ハッカ・ゴムなど工業作物も国の管理のもと増産された。一方で工業も養殖産業の大推進で発達。当時の日本は比較的人口が多かったが労働力が足らず、入植地にいた原住民の融和帰化政策を推進し人手が不足するのを防いだ。

 また、極秘裏にウランを用いた核研究が行われたが技術レベルの問題から芳しくなかった。と言うよりも幕末の技術力じゃ絶対無理。核兵器の存在を知っていた転生者の3人もなんかふわっとした知識ゆえに進展はなくじきに打ち切られた。

 他にもケシから阿片を製造して敵国を薬漬けにして国体を崩壊させる計画用に阿片を製造していたが道徳的な問題、自国内での密売が警戒され本当に研究用や医療用に少数しか製造しなかった。

 

 植民地政策においても北方開拓団(後の北方統監府)はアイヌ系及びツングース系民族の帰化政策を、南方開拓団(後の南洋統監府)はオセアニア・パプアのアボリ系民族の帰化政策を推進した。

 東南アジア系民族は幕府の拓務省と民部省の管轄で帰化政策を実施していた。

 

 外交においても南蛮と称される扶南(フニャン)国。朝鮮半島諸国とも関係を築く。

 鮮卑族・朝鮮北部諸民族とは敵対関係になったが、その敵対者である烏桓族・南匈奴族とは友好な関係を築けた。

 五胡は匈奴(友好)・鮮卑(敵対)・羯(友好)・氐(未接触)・羌(未接触)である。

 

 また、南北開拓団から新たに新大陸開拓団が編成され、主に北アメリカで鉱山資源の確保を目的とした入植がはじまった。現在のところ鉱山資源に興味を持たない現地民とは衝突はない。

 また、アフリカにも開拓団を派遣する予定で有志を募っている。

 

 

 江戸城中奥で家茂は定敬と今後のて展望を話し合った。

「北はシベリア・アラスカ、南は南天(オーストラリア)、東は新大陸の入植地、西にもアフリカに入植地ができる予定だ。我が国は太陽が沈まぬ国になるだろう。定敬これで良いのだろうか。」

「何を弱気な、皇族とはいえ壱与など所詮は小娘。外史の管理者などと言ってはいても何の力もありません。我が国が未来永劫の世界国家になる唯一の好機なのです。これを逃すなど考えられません。富の一極集中、これはいつの世も覇権国家なら誰もが通る道。日本が世界の主となるのです。」

 少し納得のいっていない家茂に定敬は少々芝居がかった動きをして訴える。

「上様!我が国がなぜ1000年以上昔にタイムスリップしたのかを考えたことはありますか?私はあります!あれは私が浦賀の黒船を幕命によって周辺警戒をしていた時です。私がふと黒船を見ると中の異人達が私の目の前で測量を始めたのです。その時同じく警戒に当たっていた川越藩や忍藩の者たちと抗議しました。ですが、連中はあろうことかわれらに取り合わず、銃口や砲をこちらに向けてきたではないか!!しかも笑いながらだ!!馬鹿にされた!!連中!!藩主であるこの私をバカにしやがった!!許せない!!だからわかるのです、いくら高度な技術を持っていても野蛮な連中はいつまでたっても野蛮なのだと・・・世界をあんな野蛮人にくれてやるわけにはいかない!!この世界に来た時私は確信した、神が私に奴らを滅ぼせと言っているのだと!!でも、私とてそんな無謀で野蛮なことはしない。別に暴力に訴える必要もないのです、我々が歴史に介入し連中を弱らせて将来的に農業しかできない三等国で終わらせてやるのです!!この世界は我が国こそがふさわしい、この誇り高き武士の国が・・・」

「お、おう・・・」

家茂はドン引きだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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