仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。 作:3番目
朶思王を下した連合軍は降伏し傘下に下った朶思王の軍隊5千を加えて、次なる地パガン王国へ進軍した。(残存したチャンパ王国の兵は元々4万だったが戦いで負傷した兵、壊滅した後詰、治安維持に必要な兵差し引いて供出できる兵は5千が限界であった。こちらにもある程度損害があり負傷兵は後方へ)
扶南軍・徳川遠征軍・チャンパ供出軍凡そ4万はパガン王国の国境を越える。
パガンの王は猛獣使いの木鹿大王である。彼女の軍団は虎や豹といった猛獣や毒蛇を操り、さらに木鹿大王自身も象に乗って出陣する。
松平康英 松平忠誠 松平直克
「聞くところによると、パガンの王は何でも猛獣を操る妖術使いだとか。だが、所詮は畜生よ。我が軍の銃火による応酬で食肉が増えるだけぞ!!!」
「左様左様・・・・」
「全く持ってその通り、流石は康英様。この程度の戦は狩猟と変わらんとは!!この前橋藩藩主松平直克感服の至り。」
連合軍の前に現れたパガン軍は通常の歩兵に加え、大熊や大虎を筆頭に豹や狼、大鹿に猪、大蛇、棍棒を持った猿が待ち構えていた。
「実物を見るに猛獣は多く、巨大な熊や虎は銃弾が通るのか不安になるほど威風堂々としている。ゆめゆめ油断なき様にせねばならんか。」
「左様左様・・・」
「康英様、敵を見て正確に分析なさる見識や見事!!この前橋藩藩主松平直克尊敬の至り。」
猛獣の群れを前に多くの藩主達が気圧されていたが、もろにその脅威を感じたのは前線の歩兵達である。
前線の兵士たちは恐慌寸前であった。
「構えろ!!構えろ!!撃て!!撃て!!」
小隊の隊長格の上士が叫び
銃を構えた兵卒達が引き金を引く
突進してくる猛獣たちに何発もの銃弾があたり、陣列に食い込む前に少なくない数が倒れていき、それを見ていた後方にいた獣達が本能的に危機を察知し木鹿大王の命令を無視して逃げ始めていく。
ただ、少数の猛獣が幕府軍の陣列に食い込む。
「ぎゃおおおお!!」「がるるるるる」
少数の猛獣たちが陣形を組んでいた歩兵をなぎ倒し、前衛に配置されていた藩の天幕に接近するという事態も起こった。
小浜藩は今回の遠征軍の中で最も小規模な藩である。今回の派兵戦力も唯一100に満たない。維新戦争時初期の内から幕府支持を表明したため現在も優遇され目溢しされている。
今回の遠征は松平性の親藩の箔付けを第一に東南アジアの新領土及び租借地の割譲することで佐幕派の地盤固めを行うことが目的である。戦闘は敵対国の技術が冶金技術もままならない三流国家同士の戦いにおける優勢な勢力に対する支援が主目的だった。動物の牙だったり石だったりを木の棒に括り付けた土人同士のくだらない戦いだと皆が思っていた。少なくとも遠征軍上層部の藩主陣はそう思っていた。
だが実際は確かに主な武装は石器や同程度の武器だったが、予想外の象兵と言う巨大な騎兵の存在、眉唾だと思っていた妖術を使用する現地人。
藩主酒井忠義は後悔していた。先ほどまで前衛で暴れていた虎がもう目の前まで迫っていた。他の藩の陣地にも猛獣がくらいついていたが猛獣の対処にて慣れていた扶南軍の兵士が退治してくれていた。
運が悪いことに彼の率いる小浜藩は配置上扶南国軍から離れた配置だった。そのため、猛獣に陣深くまで潜り込まれてしまったのだ。
銃兵たちが慌てて銃剣を銃先に取りつけ、虎を阻もうとするが銃兵としての訓練しかしていない平民上がりの民兵では無理があった。刀を手にした武士達だって虎相手では足がすくんでしまう。
と言うよりすでに虎には銃剣の剣先が折れて刺さっていたり、刀も何本か刺さっている。すでに銃弾だって無数に浴びたはずだ。なのに虎は忠義の方にのしのしと迫ってくる。
「う、う、あああ。来るな・・・来るな!!獣め!」
忠義は腰が抜けて上ずった声で叫ぶ。
虎が大声で吠えたあとそのまま崩れ落ちた。
「た、助かった・・・」
連合軍は勝利し、東南アジア主に扶南国が収まり幕府は同盟国としての役割を果たした。
大陸住人の一部が超常的な力や異常に高い身体能力を持つ事、対処すべき課題を残したまま。物語は進んでいく。