仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。 作:3番目
空丹も白湯もまだ出せない・・・・・・
さらに、今日出てきたのは張譲(アニメ版のつもり)・・・・・・
陳留を足早に去った聖謨ら外交団一行は、洛陽に到着した。
洛陽の町は、それなりに発展していた。
表通りはシルクロード経由でやってきたのだろう。異国の商人の姿も見える。
庶民も他の町に比べて生活水準がいいのだろう。
どの国でも首都や大都市の庶人が地方よりも生活水準が高いのは当然の事であろう。
路地裏の方に浮浪者がいるのは仕方がないだろう。
そう考えると、我が国は海外に入植者や開拓民を出したりしていて無職者がいない。
ああいった浮浪者がいないというのは町の景観の維持には重要だ。
我が国の富国強兵策には国民総活躍社会を目指すと言うものがあるが、この国も浮浪者を全員異民族との前線に放り込むぐらいの事をすれば、国内も多少は安定するだろうに・・・
そんなことを考えながら聖謨は宿の一室で窓を見ながら考えた。部屋では政憲ら、他随行文官達と話し合いをしていた。
「では、あらかじめ手を回すべき人間はこの面子で構わんだろう。川路殿よろしいか?」
政憲が手書きした王朝高官の名前の書いてある紙を渡す。
「張譲・趙忠・何皇后、この三人を押さえておけば大体うまくいくはずじゃろう。すでに面会の予約は入れているのじゃろう?」
「張譲と趙忠はすでに面会の予定を組んでおりますが、さすがに皇后へのパイプは我が国にはありませんでした。」
聖謨の問いに文官の一人がお答えた。皇后との面会のパイプがなくてその場で作らなくてはならないのは少々骨折りだが少なくても張譲は金でどうにかできる人間の様だ。そこから作ればよいだろう。
「賄賂用の延べ棒を何本か用意して置け。そうだな、皇后には延べ棒よりは宝石とかの貴金属の方が良いやもしれん。漆箱に宝石を見栄え良く詰め込んでおくように。」
政憲が文官達に賄賂の支度をさせている。聖謨は事前会議がほぼ終わったのを確認すると、持ってきていた煙管に火を点けた。
「ふぅ~」
気が付けばつい最近まで国内でせこせこ働いていたのに気が付けば、こんな異郷の地だ自分でも目まぐるしい時代の変化によくついて行けたものだと考えてしまう。
「どうした、聖謨よ。急に黄昏おって?今から終わった気になっておるのか?」
「なに、この激動の時代をよく流されずにやってこれたなと思うたのじゃ・・・」
「ふっ、何を弱気になっておる。恐らく、この仕事が終わればお主はどこぞの役所から総裁職、最低でも奉行職のお声がかかるじゃろうて。」
「難儀な話じゃ。」
「何を言うか!出世は男の本懐だろう?はっはっは!」
政憲は年に似合わない豪快な笑いを上げて文官達を引き連れて部屋を出て行ってしまった。
あいつは最近若さを取り戻しているようだ。どうせ、その足で遊郭でも行くのだろう。
それに比べて自分は老け込んだような気がする。そろそろ、引退したいのだが、それはまだ先になりそうだ。
翌日、聖謨は張譲と面談をする。
「お納めくだされ。」
「東夷とは思えんほどに話が分かるな。!?!?・・・・・・・・本物か・・・」
そう言って、賄賂に渡し布を取った瞬間、張譲の言葉が詰まる。金の延べ棒を少し持ち上げてようとした。まあ持ち上げられなかったが・・・黄鉄鉱を疑ったのか?
「いや、失礼。東夷などと、貴殿は確か蓬莱?倭国のものだったな?」
「正式には日本皇国ですじゃ。」
「そ、そうであったか?度々失礼をした。」
大量の金を見て急に態度を変えた張譲。典型的な悪徳役人であるが、その分扱いやすいというもの。
「いえ、お気になさらず。」
「ところで、貴国は他の者とも面会を?」
やはり、探りを入れてきた、ここは正直に言うか。
「はい、趙忠様と副団長の筒井が今頃面談してるかと?」
「ほう、そうであったか。まあ、あやつは給仕だったころの事が抜け切れてない様で政はさほど得意とは言えませんぞ。あなた方は運が良い、この洛陽の酸いも甘いも熟知している、私の方に団長のあなたが来たわけだからな。」
恐ろしいくらいに典型的な悪徳役人だ。我が国との窓口は自分だけにしたいという思惑が丸見えだ。
「私であれば、多少融通も聞かせられるというものだよ。」
こいつ、かなりの下種だ、これは都合が良い。
「左様ですか。実は張譲殿には何皇后と陛下の謁見前に繋いでいただければと・・・。それともう一つ、張譲殿ほどの方ならばもうご存知とは思いますが、我が国は、現在遼東を巡って、現地の公孫度殿ともめておりましてのぅ。」
「仲裁ですかな?」
聖謨は思い切って踏み込んで話してみる。
「はい、その通りですじゃ。民の血を払い異民族を追い出した我が国としましては遼東を我が手にと主張する者も多いのですじゃ。」
「さすがに、それを認めさせるのは無理だぞ。」
「いえいえ、我が主もそんな甘いことは考えておりませぬ。ところで、貴国は昨今不逞の輩が増えているようでいささか物入りのご様子。金銭はあって困ることはございますまい。我が国としては陛下との謁見の際に遼東購入を提案したいと思っておりますじゃ?」
「いかほどでだ?」
こいつ、国を速攻で売りやがった。いよいよもって御しやすい女よ。
「そうですな、手持ちで済ませようかと思っておりまして1670斤(1トン)ですじゃ。普通の馬車ではつぶれてしまいますゆえ鉄馬車を使いましたがの。」
「せ、1670斤!?・・・・・・・・・・ほ、本当か?・・・・・・・貴国はずいぶんとたくさんの金山をお持ちの様だ。」
まあ、貴国の国家予算何年分でしょうかね。
「ほ、ほう。それだけあれば購入も出来なくはないかもしれませんな。」
「いやはや、話は変わりますが、わしも最近は年のせいか、仕事が雑になりましてな。約とか凡そなんて言葉を書類に書いてしまうことが増えましてな。申し訳ないのですが量の計測をそちらでお願いしたいのですじゃ。」
「!!・・・・・・・・それは仕方ありませんな。日本とこの洛陽では距離がありますからな、長旅でお疲れゆえ仕方のない事だ。」
「そう言っていただけると助かりますじゃ。詳細の計測の方はよろしく頼みますじゃ。」
「わかった、そういった細かい作業は私がやろう。川路殿はゆっくりされるがよい。ですが、計測時に誰ぞが金塊を落とし欠けた金塊が紛失するやもしれませんがな。ふふふふふ。」
「まあ、それは仕方なき事ですじゃ。予想外の事は起きるものですゆえ、ははははは。」
こういったやからは即物的なものが多いので扱いやすい。こやつと結んでおくことが得策。
「私はこの仕事が終われば上役に昇進ですゆえ、今後はもっと大きな立場で物事を扱わねばなりますのでの。張譲殿とはより綿密なお付き合いをしたいものですじゃ。」
「それはそれは目出度い事ですな。よし、では漢と日本の友好はこの張譲が取り持ちましょうぞ!」
「おお、それはありがたい。その際は何かお礼をせねばなりますまい。」
「ははは、お礼などと・・・ですが、どうしてもというのなら受け取らざるえまい?」
「ふふふふふふふふふふふ」
「ははははははっはははは」
川路聖謨が張譲と会っていたころ。
趙忠と対談していた政憲はとんでもないことになっていた。
「おいおい、趙忠さんや・・・・そんなに、この金の延べ棒がほしいのか?」
そう言って政憲は金の延べ棒を持って趙忠の頬をはたく。
「欲しいです!!こんな大きいの初めてですわ~!!」
頬を赤く染めて興奮して叫ぶ趙忠。それを聞いて気をよくした政憲は徐に台座に足を置き。
「そうか欲しいのか・・・・ふむ、拾え。」
金の延べ棒を乗せていた台座を倒した。
「惨めに地べたを這いずって・・・あぁ~ん!!」
その言葉通り地べたを這いずって金の延べ棒をかき集める趙忠。
そんな彼女に、対して政憲は・・・
ジャバーーーーーー。
茶碗に入っていたお茶を頭から浴びせかける。
「他国の使節の前で無様に地べたにはいずり追って恥ずかしくないのか?」
「あぁぁ・・・・私は惨めな女でございます~。私・・・私は・・・あぁ~ん!!」
特殊なプレイに興じていた。
一通り、特殊プレイが終わった後。
賢者モードに入った二人は・・・・
「では、私の方から陛下に口添えしておきますね。」
「ああ、よろしく頼む」
趙忠、彼女は歴史上類を見ないドМであった。