仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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33話 旅は道連れ

 袁紹の領地を数日滞在した後、出発した幕府外交団は前回の外交団団長の推薦があった北海太守孔融と接触することになっていた。

 

 アポなしだったが、門まで来ると孔融自身が側近たちを連れて慌てて出てきた。その顔はなんで彼らがと言わんばかりだった。

 恒興は前回外交団団長の川路聖謨の推薦があったことを告げると

「なんと!あの時の異国のご老人が!?」

 とたいそう驚いていた。

 これと言って重要な交渉をしたわけではないが、今後は北海の港も日本に開いて交易をしようと言う話で纏まった。

「人生、何があるか本当にわからないものです・・・」

 孔融は恒興ら交渉団との交渉の最後にこうもらした言う。

 

 

 

 ところで、今回の外交団にお荷物としてついて行った家茂であったが、彼は外交団の仕事は隠していても一応は上様なので、皆遠慮して仕事をくれなかった。

 夜であったら花街に繰り出しているところであったが、生憎の昼、仕方がないので家茂は昼でもやっている賭場へ顔を出した。

 賭場では闘蟋(蟋蟀を戦わせる賭け事)が行われていた。

 家茂も暇つぶしにと手持ちの金子をかけて闘蟋に参加したのだ。

 負ける、負ける負ける・・・・手持ちが半分ほどになった。

 流石に、天下の徳川将軍が賭場で庶民の血税を使って遊んでいた上に半分も吸ってしまったなど聞こえが悪い。家茂は致仕方無しと残りの金子を全て賭けたのだ。

 そして、彼はイカサマを実施した自分の賭け蟋蟀が負けそうになると家茂は誰も見ていないのを確認すると相手の蟋蟀に鼻糞を高速で飛ばしたのである。

 この技は将軍として色々な人と面会する際にどうしても鼻糞がほじりたくなった時に相手にばれないようにすると言うふざけた理由で習得した技である。まともな言い方をすれば暗器とかうまく使えるとか?。馬鹿野郎である。

 この結果、家茂の賭けていた蟋蟀が勝った。

「ひゃっほーい!!!勝ったぁあああ!!!!」

 家茂は大喜びで掛け金を回収すると意気揚々と賭場を出ようとした。

 

「お客さん、ずるはダメですよー。」

 彼の肩をがっしりとつかみ離さない。足元まで伸ばした黒髪の恐ろしく長い日本刀のような剣を持った。少女はそこにいた・・・・

 

「お嬢ちゃん、言いがかりはよしてくれや。」

 ちょっと脅かせば大丈夫だろうとタカを括った家茂はチンピラ風の態度をとった。

 それが悪かったのだ、最初から謝っていればよかったのだ。

 なんとなくその場のノリでチンピラをやってしまった家茂の運の尽き。

 少女のハイキックが脳天を直撃した。

「ぷぎゃーーーーーーー!!!」

 情けない悲鳴を上げてそばにあった山積みの桶をぶち抜いて無残にも崩れ落ちる家茂。

「さあ!お金は置いてってください!!」

 少女が言い終わった瞬間。

 

「う、うえぇええええええええええ!!!!!!!!(上様と言いかけている。)と、徳田様ぁあああああああああ!!!!」

 驚愕の声を上げる彼の小姓の彦丸(02話参照)が混乱交じりの悲鳴を上げていた。

 

 

 

 

家茂がボコボコにされる少し前

 

「本当にどこにいるんでしょうね?あの征夷ダメ将軍は・・・」

 家茂の小姓である森彦丸は愛猫である玉三郎を抱いて町の中を探し回っていた。

 そして、いろいろ探していると何やら騒がしい音が聞こえた。

「おや?喧嘩でしょうか?嫌ですね~玉三郎ぅぅぅう、うえぇええええええええええ!!!!!!!!と、徳田様ぁあああああああああ!!!!」

 

 

 先ほどのシーンに繋がる。

 

 

 

 彦丸は慌てて間に入る。

「うちの徳田が、申し訳ありませんでしたぁあああああ!!!!」

 今までの経験則で状況を一瞬で理解した。彦丸は土下座を敢行した。

 

 

 

 彦丸は少女の話を聞き状況を理解した。彦丸は家茂の手持ちの金子を返して少女から許してもらった。

「本当に、うちの徳田様がもうしわけありませんでした。」

 そう言って家茂の体を支えようとした時

「あ。」

 玉三郎が彦丸の腕から滑り落ちそうになる。

 その先には水瓶があったのだ。

 しかし、玉三郎は水瓶の中に落ちることはなかった。なぜなら先ほどの少女が目にもとまらぬ早業で距離を詰め玉三郎が落ちる瞬間に捕まえたのだから・・・・

 

「あ、ありがとうございます。僕の猫を助けてくれて・・・」

「あの、もしよければ宿までこのお猫様をお連れしますよ。」

「じゃあ、お願いします。」

 ちなみにこの間の家茂は意識が朦朧としていてしゃべれなかった。

 そして、北海の宿泊地の宿に着くと、彼らを恒興と朶思が出迎えた。

 

「徳田殿どうしたのです・・・・」

「どうしたのにゃ?」

 

 朶思の姿を見た少女が声を上げる。

「な、な、な、お猫様の神様ですかぁああああ!!!」

 そう叫んで朶思に抱き着いた。

「うにゃぁああああああ!?!?!?!?にゃにをするにゃぁあああ!?!?!?」

 

 

 意識を回復した家茂と恒興、そして彦丸で何とか少女を落ち着けて朶思から引き離した。

「ごめんさい・・・・つい、お猫様の姿をしたお方がいらっしゃったので・・・・」

 少々しょんぼりした感じで答える少女。

「い、いや、もう怒ってないにゃよ?許してやるにゃよ?」

 恒興の服の裾をつかみ少々警戒しながらも少女に声をかける。

「あ、ありがとうございます!!!お詫びと言っては何ですが、皆さんの目的地まで護衛させていただけませんか!!!」

 

 家茂は思った。こいつ、朶思や玉三郎の肉球をぷにぷにしたいだけだ・・・と

 名前は同行が決まった時に教えてもらった。

 強引に周泰が仲間になった。

 

 

 

 




幕府外交団と日本外交団について
幕府は天皇(朝廷)に征夷大将軍として徳川氏に対して武家政権としての日本の統治を委託する形となっている(詳細としては行政及び軍事の専権を託している)。実質的には徳川政権がすべてを握っているが、漢王朝との交渉のため日本の正式な王である天皇からの使者の形をとる必要があり日本外交団と表記される。しかし、漢王朝との交渉以後、徳川政権自体の評価が上がったため天皇の権威を必要としなくなった。そのため、以後の外交団は幕府外交団の名将を多用することになる。ただし、国内(本土)では天皇の権威は依然健在である。
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