仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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33話 旅の英傑との論 前編

 北海でも数日過ごした後、次の目的地である汝南へと向かう。

 と言ってもすぐにつくわけではない。今回は陳留を避け南の下邳を経由していくことになった。

 下邳では現地の宿に泊まり一応太守の陶謙(老人)とも面会し、会談が設けられた。

 比較的有能な人物ではあるが、子息である陶商(少女)、陶応(少年)は能力がないわけではないが、若さゆえか攻撃的なところが見えた。陶謙老の晩年にできた子供であり、自身の教育が終わる前に、自身の命が尽きるだろうことを予想していたようだ。

 そのため、彼は日本からの援助を引き出そうと宴席を設けたり、町一番の宿に案内したりと動いた。門での検問は免除だ。

 恒興としても外務省の資料でも美徳と武勇と知性を兼ね備え、性質は剛直であり、その統治は恩愛をもって行われている。とあり、多少の援助はあってもよかったかもしれない・・・・

 しかし、海岸から離れ、比較的裕福な土地であるが土着の商人の力が強いと言う地域の性質。そして、公にはあまり知られていないが陶謙と地元の賊徒達との裏での癒着と言う不安要素。

 これらの、問題点から幕府は門戸は開いても行き来はないと言う形式だけの繋がりしか持たなかった。

 

 

「あいや!!待たれい!!!我は冀州常山郡真定の趙雲と申すもの!!!この前の貴国への遼東譲渡の事で我が友人らと共に話を伺いたいものである!!!聞き届けられよ!!!」

 陶謙との会談を終わらせた一行の馬車の列の前に陣取り、動かない3人の少女。

 恒興は「またか」と言わんばかりに嫌そうな表情をした。

 それもそのはず、洛陽での1件はすでに大陸中に広まっており、賊徒の増加と言う差し迫った話題を除けば、大陸で一番の話題の的である。天子とのやり取りこそ漏れていないが、洛陽城外での出来事はすでに庶人達の知るところであり、結構な頻度でこういった。自称義勇烈士にちょっかいを出されることがある。大半は我が国の今後の漢への付き合い方や今後の大陸がどうなると考えているかなどの話題を中心に論を交わすことを求めるのだが、正直言って、そこら辺の一般人如きに時間を削りたくないというのが本音であり、恒興としても自分の愛弟子である朶思に物事を教える時間を削ってまで、彼らと会話する価値を見出せないのだ。そもそも、彼は最初の10回までは応じていたのだが、そのあたりからさすがに嫌気がさしており、自身は応対せずに配下の下級外交役人に任せるようになっていた。

 

 しかも、こう言った自称義勇烈士を無視したり、雑に扱うと逆切れして襲ってくることもあるので非常に扱いが困難だった。

 そう言った理由もあり御徒歩銃隊の兵士達も腰の刀を半分ほど抜いて警戒していた。

 

「角田・・・頼みます。」

 恒興は配下の下級外交役人に相手をさせようとしていた。

 

 

 家茂は、凄腕の忍者傭兵少女である周泰が嫌に緊張していたのに気が付いた。

 家茂が知るところに周泰はこの中で一番強い。朶思は文官への道を目指し始めた頃から武力が落ちてきているのでやはり周泰が一番だ。

「おい、周泰殿?なんだ、彼女たちは強いのか?」

「後ろの二人は、大したことはありません軍師や文官志望なんだと思います。ですが、前の槍を構えた人は・・・すごく、強いです。」

 

 

「なるほど・・・」

 家茂は考える趙雲と言えば自分の知識にある三国志において5本10本の指に入る英雄だ。

 彼じゃない、彼女に関しては知の将としてはあまり印象はないが、確か劉備の奥さんと子供を助けた忠義の勇将だったと記憶している。となると、後ろの二人も名のある将か?

 

 家茂は恒興の方にそっと近づいて耳打ちする

「彼女たちは、この私が応対する。」

 幕府の外交官たちの中で、最近、俺たちの方が銃もあるし文明も隔絶してるから、一個人を別にそこまで重要視しなくてもいいよなと言う空気が出始めている。以前、接触してきた関羽を名乗った少女を事前交渉のために南皮に訪れていた外務省役人が遇せずにあしらってしまったのは大失態だった。関羽の方が好意的に接触してきたにもかかわらずだ。対応はそれなりだったので彼女方は礼を失してるとは思っていないだろうが、抱き込むべきだったのだ。これは、外務省に対して忠告せねば等と家茂は考えながら、彼女たちにどう対応するべきかと考えていたのだ。後ろの二人が名のある論客ならば、未成熟であろうと間違いなく天才だ。家茂自身は秀才であると自認しているが、秀才の下の方であると理解している。

 そんな彼がどの様に彼女たちの論に対抗すればよいのかと、考えながら彼女達に話しかける。

「わかりました。私、徳田新之助が応対させていただきます。あとで我々の泊まっている宿に来ていただければ、よろしいでしょうか?場所はわかりますか?」

「はい、それで構いません。町一番の宿ですから間違えることはないと思います。」

 後ろのショートヘアの茶髪才女が家茂の問いに応じた。家茂はすげー声きれいだな等と考えたが、そんなことはおくびにも出さずに

「では、後ほど・・・」

 と言ってその場を離れた。

 ついでに言うと頭に太陽の塔を乗せた幼女よりの少女は何者なんだろう・・・

 

 蛇足だが、関羽を袖にした外交官は三黒尼西亜(ミクロネシア)代官麾下の瑙魯(ナウル)島駐在役人として左遷された。

 

 




黄巾党前及び反董卓連合編までに出会う恋姫キャラはそんなに多くはありません、残念ながら。
徳川政権下日本は世界展開していますので大陸だけに目を向けることは出来ません。
必然的に自由度の高い将軍家茂も私人として超長期的に大陸にいることは出来ませんし、幕府外交団の使い経路上の地域以外には当分行けません。
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