仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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49話 国際万国博覧会② ダイナミックエキセントリックコリア

 国際万国博覧会博覧会はまだ準備月から沢山の人がすでに来ていた。

 幕府側の予想では多くの参加国が、かなりギリギリになってから到着するだろうと考えていたのだが、多くの国々がこれぞという展示物をもって我先にと、この簿留根緒(ボルネオ)島にやって来ていた。

 

 今回の催しの取り仕切りを行う立場にある、大老井伊直弼は簿留根緒大島代官川勝広英と共に会場内を見て回る。

 多くの国々や民族が思い思いの展示を準備し、その場で披露する舞踊や歌の練習をしている様子がうかがえる(陰で隠れてやっている)。

 

 直弼と広英は歩きながら会話をする。

「はじめはどれだけ集まるかと不安じゃったが、これほどの国々が集まるとは・・・・・・誰が予想できたであろうか。」

「近隣の国々だけでなく。遠国からもあんなに・・・見た事もないような国も多くあります。」

「上様の人徳の高さは、世界中に知れ渡るであろうな。武を持って覇を為す時代は終わろうとしているのやもしれん。上様は徳の力で、世界に和を以て貴しとなそうとしておられる。」

「なんと、上様はそのような高潔なお考えを・・・」

 

 彼らの通り過ぎた横では仕切り隣の国の者と和気藹々と話し合う異国人達、扶南国や越国のエスコートをする南方統監府付きの諸藩藩士達の姿も見える。

 

「そうだ。川勝殿、我ら武家は今の時代において求められるものが変わって来ておるように思えるのだ。例え何が変わろうとも我ら武家は上様に絶対の忠誠を誓いどこまでもついていく。そうあるべきと思わんか?」

「然り」

 

 彼らが話し終えると日本館の前であった。

 無線機の実演場・電気燈・万年自鳴鐘・絡繰人形・汽車の模型など多くの展示が運び込まれ設置されている。

 楽団や芸人一座が当日披露する演目の練習をしている姿も見える。

 また、徳川日本国の豊富な資源力の一端が見える世界各地の宝石販売所に一部の高い技術が詰め込まれた物品が並べられている。蓄音機などがそれだ。

 今回は陸軍伝習隊の訓練も披露されることになっている。

 徳川日本国の国威を世界に示すことになるだろう。

 

 

 二人が外に出ると、新羅国、百済国、伽耶国の代表が挨拶に来ていた。

 なんでも、重大な知らせがあるようだ。

 新羅王の奈解尼師今(なかい にしきん)と言う兎獣人少女と百済王の近肖古(きんしょうこ)と言う狐獣人少女、伽耶国王の居登(きょとう)と言う狸獣人幼女と向かい合う。

 彼女らの後ろには参加国の家臣たちが続いている。

 

「おや、御三方。何やら重要な話だとか?少々人目のつかぬところへ・・・」

 直弼は一団を目立たないところへ誘導する。部下の彦根藩士達に簡単なテーブル席を用意し、そこに座るように促す。

 直弼は椅子に腰かけ彦根藩士達を左右に控えさせる。

「本来ならば、上様が応対した方が良いのでしょうが、上様は忙しいのでこの儂が応対しよう。」

 新羅王の奈解尼師今と近肖古と居登が直弼に話す。すごい息の合った喋りだ。

「世界の情勢は刻一刻と変化しております。我らも第二次パルティア派遣隊に同行した何進より伝え聞いて居ります。」

「世界の国々と相対するには、私たちの国はあまりにも小さすぎるのです。」

「国力・軍事力・経済力、どれをとっても・・・」

「なので、私達新羅は!」「百済は!」「伽耶は!」

 

「「「大朝鮮国として一つになることを決めました。」」」

 

「「「そして、この方こそ私たちの朝鮮民族の英明なる指導者。聖地、白頭山の空に二重の虹がかかり、光り輝く新星と共にお生まれになられた。我ら大朝鮮国の最高指導将軍金膺兎様で在らせられます。」」」

 

 奈解尼師今と近肖古と居登の後ろに控えていた三ヵ国の従者達が一斉に左右に分かれる。

 その間を歩いて姿を現したのは金色毛並みの兎獣人の少女だった。

 

「朝鮮国議会議長で、大朝鮮国防衛委員会委員長、大朝鮮軍最高指導将軍の偉大な金膺兎とは、私の事である!!!」

三ヵ国の従者達が両手を天に挙げ、叫ぶ。

「「「「「「「「「「金膺兎最高指導将軍万歳!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 

「そ、そうか・・・徳川日本国大老井伊直弼だ。よ、よろしく頼む。」

 直弼はその様子にただただ圧倒されるばかりであった。

 

 

 この日、徳川日本国は最強(笑)にして最高(笑)の同盟国(驚愕)である金氏朝鮮王朝が誕生したのだ。

 後に曹操軍に攻められた袁紹軍救援のために自ら馬に跨り、曹操軍に5000の兵を率いて1万の敵兵を壊滅させ1人で凱旋した名将金膺兎がついに歴史の表舞台に登場したのだ。

 

 


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