仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。 作:3番目
曹操軍の軍議用の天幕での会話
「華琳様。袁紹より洛陽侵攻作戦の詳細が通達されました。」
「これが、命令ね・・・華麗に勇ましく進軍ね・・・」
夏候惇から受け取った命令書をひらひらさせてあきれ交じりの声で応じる。
応じる夏侯淵も微妙そうな表情だ。
「それが作戦と言う事なのでしょう・・・」
「何よそれ!そんなのが作戦なんて言えるわけないでしょう!!」
荀彧は軍師的に受け入れられないと言った感じで少々声を荒げている。
「でも、袁紹が曖昧な命令を下してくれたおかげで、諸侯の軍事力を量るいい機会だわ。あわよくば我らの名を天下にしますこともできる。」
曹操の言葉を的確に察した夏侯淵が曹操の言葉に応じる。
「御意。では、袁紹の指示は無視して、独自に動くことにいたしましょう。」
「そうね、桂花。腹案はあるかしら?」
曹操に問われた荀彧は冷静に答える。
「袁紹軍が中央中衛にいるため、動きがかなり阻害されますが幾通りかの案はあります。」
「ならいいわ。ところで先陣は誰かしら?袁紹軍からでるのかしら?」
軍議の進行役らしい夏侯淵が答える。
「劉備の軍のようです。」
「劉備軍?・・・大丈夫なのか、あそこは兵力が最小だろ?」
「かなり厳しいだろうな・・・」
「弱小勢力の悲哀ですね。」
夏候惇の言に夏侯淵と荀彧が応じる。
「しかし、この難局を乗り越えなければ、華琳様の好敵手なりえんな。」
「あら、春蘭にしてはいいことを言うわね。」
「私にしてはって・・・・」
「あら、春蘭拗ねちゃったかしら?ふふ」
「今は出陣前の軍議の最中なんですから、イチャイチャするのは後にしてくださいね。」
「あら、妬いてるのかしら?」
「・・・・知りません」
夏候惇をからかう曹操、それに嫉妬する荀彧。
「いつまでも拗ねてないで、作戦計画を練りなさい。良い作戦なら、今度可愛がってあげるわ。春蘭も戦場で武勇を示せば可愛がってあげるわよ。」
「「御意!!」」
孫策軍の天幕、こちらは軍議用のものではなく孫策の私的な天幕での内容だ。
「雪蓮、本営よりだ。我らはこの指示に従って進軍するそうだ。」
「やっとなのね、もう帰ろうかと思ったわよ。」
「指示の内容を聞いたら、もっと帰りたくなるだろうな。」
孫策は周瑜から書状を受け取り音読する。
「・・・・連合軍は雄々しく勇ましく華麗に前進。これだけなの?」
「そうだ、これだけだ。」
「ふーん・・・面白そうじゃない・・・これってさ、総大将のお墨付きで、好き勝手していいってことでしょ?」
「確かに、そのようにも受け取れるな。袁術の所の張勲は独自に後衛の主導権を握ろうといろいろ手を回しているようだが・・・」
「でしょ。総大将のお墨付きなら、袁術達も強く言ってこれないでしょ?蓮華がいろいろうるさいかもしれないけどね。」
この頃から、孫権の袁術擁護発言が増えてくる。この頃はまだお互い意識するものでななかった。
「我らの本意は袁術よりの独立。確かに本気で戦うつもりはないが、それなりに戦わんと袁術に気取られるやもしれないぞ?」
「そうね、袁術ちゃんってよりもあの子の懐守達には気を付けないとね。」
そう言って孫策は袁術軍の陣に横付けされるように張られている小さな陣にたなびく葵の紋の旗を見た。
「油断は禁物よ、雪蓮。・・・・・我らの宿願を叶えるためにもね。」
「了解・・・・・・全く、真面目なんだから」
「我が主が恐ろしくズボラな方でしてね。」
「むっ、真面目なのに嫌味だけは忘れないのね。」
「愛ゆえにと言うやつよ。」
「歪んだ愛です事。」
「真摯な愛と言って欲しいところだな。」
「私ってば愛されてるのね。・・・・・で、冥琳。私たちはどう動けばいいのかしら?」
少しばかり、おちゃらけていた空気が真面目に変わる。
「やることについては変わりないわ。最小限の損害で最大限の風評を得る。袁術達の妨害に気を付ければ、袁紹は容易い。それに、曹操も我らと同じように見える。」
「うまく、連携してくれるといいのだけど。」
「向こうにとっても、他者を利用することで楽を出来るなら乗ってくるはずだ。・・・・・それと、曹操の目的の一つとして・・・」
「諸侯の実力を量るつもりでしょ?・・・今後、邪魔になるのはどの勢力かってね。」
「それが分かっているなら特に言うことはないわ。曹操の動きに注意を払って、うまく利用しましょう。」
孔融軍の陣地
孔融が帳簿と筆を手に兵たちに指示を出している。
「麻袋の数はちゃんと足りてますね。円匙(シャベル)は全員携帯するように!!工具にも、予備武器にも、盾にもなりますからね。」
「孔融様、麻袋の詰込み完了しました。円匙(シャベル)の支給も同様です。」
孔融は帳簿を閉じ、指示を出す。
「よろしい、指示が出るまで待機で頼みますよ。私たちの様な弱小諸侯は布陣し次第、亀のように守りを固め縮こまって、他の諸侯がどうにかしてくれるのを待っていればいいのです。布陣したら土嚢づくりですからね。」
「は、はぁ」
「なんですか!?その気のない返事は、円匙(シャベル)は戦場で武器や防具として、戦が終わり里に帰れば優れた農具として使えるんですよ。この土嚢だって河川の治水にも使えて防壁にもなるのですよ!!全く何が不満なのでしょう?」
袁術(美羽)の陣
「雄々しく勇ましく華麗に前進でありますか?普通に前進するの何が違うのでありますか?」
「同じです。」
紀霊の質問にさらっと答える張勲。
「連合は烏合の衆ですから、簡潔な指示の方がいいんですけど、勘でそれを当ててしまう袁紹さんも強運ですよね。こちらも軍を前進させましょう。お嬢様、お願いしますねー。」
美羽が七乃の言葉に従って輿の上に立つ。
軍楽隊が彼女の周りに集まり前奏が流れ始める。
「うむ、いくのじゃ!・・・・・『姫さん 姫さん~』」
音楽と共に前進を始める袁術軍、兵の質は優秀だ。
袁紹の本営より進軍の号令が下され、諸侯達が進軍を開始する。
「さぁ!連合軍総大将、袁本初の号令と共に、雄々しく、勇ましく、そして華麗に進軍しようでははありませんか!!」
「全軍、汜水関に向けて進軍してくださ~い!」
「よっしゃー!行くぞみんなー!」
「「「「「「おぉおおおおおおおおお!!!」」」」」」
他の諸侯から馬鹿だ無能だと陰口をたたかれる袁紹軍であったが、兵の練度や士気は決して悪いものではないのだ。
汜水関に籠るは董卓軍5万、うち3万は華雄率いる3万。
それぞれが覚悟を決め、汜水関の前に布陣し持ち場につく中、連合軍本陣より諸侯へ伝令が伝わる。