仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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会話文も好きだけど、こういうのも大好きです。徳川日本国ダークサイドは閑話休題みたいな扱いかな。ほんとこういうの書いててマジで楽しい。自分でも歪んでるって思う・・・


65話 徳川日本国ダークサイド① インペリアル・フルーツ社

 董卓軍と反董卓連合軍が激突していた頃、世界では大きな変化こそなかったが状況の変化があった。

 

 

 蓬莱大陸では開発が進み、鉄道網が東方統監府直轄地間を繋げ、各地をつなぐ馬車道の整備が完了した。また、東方統監府直轄地ではすでに電灯が設置され始めている。無線電信の技術も発達し、遠方とのやり取りも可能になった。さすがに本国とは1週間ほどの時差が生じてしまうが早馬や連絡船も使っていたかつてに比べれば格段に違うものだ。

 また、徳川日本が警鐘を鳴らした海の向こう側からくる敵に関しても一定の理解が得られ東方統監府軍との合同軍事演習が何度か行われるようになった。

 幕府は蓬莱大陸諸民族に対して加賀藩が主導する薬物の輸出を正式に開始。彼らはもともとペヨーテと呼ばれる幻覚作用のある植物を使用していたが徳川日本国より輸入されたメタンフェタミン、つまりヒロポンによって蓬莱大陸の薬物市場は席巻された。この徳川日本国産のヒロポンはペヨーテはもちろん阿片など比べるまでもなく依存性は高いものであった。ある意味で、蓬莱大陸先住民の自主的な奴隷化が始まっていたのである。

 

 

 上都大陸は昨今のインカ帝国の侵略があり不安は残っていたが幕府軍5000の派兵によってインカ帝国の拡大は終わっていた。しかし、蓬莱大陸において今まで纏まっていなかった部族が統一に動き出し現在のメキシコにおける部分を領土としたアステカ帝国が誕生した。幸いアステカ帝国に領土的野心はなく幕府が急遽送った使節団とも友好な関係を結び、ことなきを得たが想定外の事態の発生を嫌い、どうにかして彼らの手綱を握りたい幕府上層部はある計画を実行に移した。

 モチェ王国、ナスカ王国、インカ帝国の上都大陸国家、オルメカ王国、テオティワカン王国、マヤ王国、サポテカ王国、アステカ帝国ら蓬莱大陸南部国家の支配者層と結託し徳川幕府は鉄道や港湾施設など、必要な公共設備を自己資金で建設し、その見返りとして大規模工場生産の方式を取り入れ、熱帯、亜熱帯地域の広大な農地に大量の徳川日本国の資本を投入し、現地人を労働力にバナナ・パイナップル・パラゴムと言った単一作物を大量に栽培する大規模農園を数多く開かせた。

 徳川日本国は転移前に諸外国から購入した圧縮型エーテル冷蔵庫や吸収型冷蔵庫を田中儀右衛門に解析を命じていた。後に解析が完了し田中儀右衛門を社長とした官営企業芝浦製作所(持株比率・徳川幕府55%・清水徳川家10%・徳川連枝衆10%・有力藩主達10%・田中家15%)を設置、高級で大型な電気冷蔵庫が開発される。これは各企業、国軍の輸送船に設置され保存技術は格段に上がり、輸送の電力を補うために島津製作所と湯浅蓄電池製造(後にこの2企業も清水徳川家が10%の大株主となる)と結び輸送艦に大型蓄電池を配備し、長距離の冷凍冷蔵保存が可能となった。

 これによって、徳川幕府は肝いりで官営企業インペリアル・フルーツ社(持株比率・徳川幕府50%・清水徳川家10%・一橋徳川家10%・徳川連枝衆10%・幕府高官10%・有力藩主達10%)を開業した。

 これらの国々の多くには他にめぼしい産業が育たなかったこと、インペリアル・フルーツ社の傘下企業として徳川日本国の各財閥が加わったことによりインペリアル・フルーツ社に対抗できる勢力はほぼ存在せず、インペリアル・フルーツ社、ひいてはそのバックにいる徳川日本国の言いなりになる従属国化の道を歩むこととなったのであった。

 

 

 また、大規模農園は蓬莱大陸においても実施されこちらはタバコや小麦・トウモロコシの栽培が主軸になっていた。逆に徳川日本国は徐々にこういった第一次産業から徐々に撤退の方向に舵を切り、第一次産業が採取・生産した原材料を加工する第二次産業へと舵を取り始めていった。

 

 なお、インペリアル・フルーツ社の社長は一橋慶喜が就任している

 


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