※クロスオーバーです。
それはある晴れた日のことだった。散歩に出た/引き寄せられた草原で倒れている何かを発見したんだ。
「え」
よく見てみる。赤だけが目立つけれども他にも黒や褐色も見える。そこで僕はそれが人だって気が付いた。
「ちょ、大丈夫……うそ」
心配になって駆け寄ってみる。それは……
「うわぁぁぁぁ」
『東方氷娘記 番外編 正義の味方編』
僕は空を飛んで迷いの竹林にある永遠亭の玄関先へと降り立つ。そのままの勢いで扉をバンバン叩いた。
「てゐ!」
「どうしたの、明乃珍しいじゃない……て、どうしたのよその血」
そんなことはどうだっていいんだよ。
「お願い、この人助けて!」
「どういう……って、誰よこいつ」
「知らないけど怪我が酷すぎて……」
「はあ、わかったわ」
てゐはあきれ顔だったけどすぐに僕が背負っていた人を運んでくれた。
―― 青年負傷中。
「とりあえずだけど処置は完了したそうよ」
「ありがとう……どれくらいの怪我してたの? 正直……血まみれだったから」
何処をどう言う怪我をしていたのか全然わからなかった。それくらいにあの人は酷かった。
「腕が一本なくなって、足にも大きな傷、片目も無くなってたわ」
「っ」
想像以上だったことに思わず息をのんでしまった。それに鳥肌が立ってしまう。腕や片目が無くなるってどんな妖怪に襲われたのさ。
「はぁ、そこからとりあえず腕を除くほとんどを回復できたのが奇跡ってものね。どうしてそこまでの怪我してたのかは本人に問いただす他にないけど」
「はぁぁぁぁ」
「明乃が連れてこなかったら確実に死んでたね。お手柄だよ」
てゐが頭を撫でてくれた。その感触で助かったことがようやく本当だってことが飲み込めた。
「とりあえずよかったぁぁぁ」
「うん、そうね。とりあえずあんたも湯浴みしてきなさい。兎に言いつけて湯、沸かしてあるから。それと服はこっちで預かる。血まみれでもう元の色も見えないくらいになってるわよ」
「あ」
助けるのに夢中で全然考えてなかった。
―― 少女入浴中。
永遠亭の一角にあるお風呂、それにつかりながら僕は呟く。
「ふぅ……あの人が何とかなってよかった」
思い返せば本当に酷い怪我だった。大丈夫かな?
「一体誰なんだろう、あの人」
知らない人だし、あの草原に倒れているなんてまるで……
「何処かで見たような見てないような恰好してたような……?」
―― 少女着替中。
てゐが貸してくれた服に着替えて濡れた髪を布で乾かしながら廊下を歩いていると長い黒髪で十二単を着たかぐや姫みたいな人と白い髪に赤いリボンが特徴的な人が反対側から歩いてきた。僕に気が付いて声をかけてくる。
「あ、明乃 お風呂あがったのね」
「あれ? 明乃?!」
「あ、輝夜さん あれ? 妹紅なんでいるの?」
輝夜さんはここに住んでいるんだし居てもいいけど、妹紅は何で?
「わたしはこいつに決闘を挑みに来たのよ」
「ええ、決闘を申し込まれたわ。それでね、毎回殺し合いじゃつまらないから、今回は花札なの」
「……まず殺し合いを日常にしちゃダメだと思うよ」
そこ大切だと思うんだけど。
「明乃はなんでいるのよ」
「僕のツッコミは総スルーなんだね。僕は人を拾ったんだ」
「人はホイホイ拾っちゃダメだと思うわ」
「うん、わたしもそれに関しては同意するわ」
解せぬ。
「で? 人間拾って何で風呂入るのよ」
「うん、血まみれになってさ。服もてゐに回収されたんだよ」
血がしみ込んだ服どうしよう。洗って落ちるかな?
ああ、と二人が納得する。
「それでそんな恰好してたのね」
「うん、鈴仙みたいな恰好よね」
「個人的にはようやくこの手の恰好かぁって感じだけどね」
「「??」」
学生服(っぽいの)、これが本来僕が来ているべき服だよね。外見年齢はともかく
―― 少女移動中。
近くの兎に倒れていた人の寝ている部屋へと案内してもらった。
「まだ、目……覚まさないか」
血にまみれて全く分からなかったけど髪が白い、目元には今は包帯が巻かれている。それから服も違うものに代わっていた。
その人を眺めながらついまどろんでしまった。
「………」
―― 少女夢見中。
忘れられたものの京、幻想郷
だったら忘れ去られた正義の味方が来てもいいよね?