東方氷娘記 番外   作:亜莉守

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※今回は舞台が完璧に幻想郷じゃありません。ぶっちゃけCCC話、ネタバレ多々
※※主人公君の名前はデフォルトの岸波白野になってます
※※※話の展開的にもしかしたら「ぼくのかんがえたさいきょうのサーヴァント」的な何かになるかもしれません


某凡庸型主人公編 5

 

さて、新衛士の時のおなじみBBチャンネル! いつもながらきつかった。てか、BBはここに至ってまで遊んで……いないか。なんか妙な間があったしあっちも色々不味かったのかなと推測してから。毎度の如く迷宮に向かった僕らは確実になんかありそうな看板に出くわした。

 

「水着?」

「一応探してみる?」

 

少年は首を傾げた。でもなんか期待するような目線は隠しきれてないぞ少年。

 

「まあ、僕は別にかまわないけどここって泳げるとこあるの?」

「……正論だけどなんかこう……集められるのに集められないとかもったいない気がして」

 

なんか少年は妙に凝り性っていうべきか何といべきか。こっちは呆れてるけど僕の方は呆れるよりは苦笑している。

 

「なんていうかマスターって本当にコレクター趣味っていうか……」

「ごめん、大変なところなのにつきあわせて」

「まあいいよ。とりあえず頑張ろうか、水着はともかく経験値貯めるのはありでしょ」

 

無駄に居るみたいだし。一応、回復スキルはあるし大丈夫っと。回復系のアイテム使えないけどどうにかなるでしょ。

 

 

――― 梦 少年少女探索中。

 

 

水着一歩手前でBBと遭遇したけど、すぐにBBの方が居なくなった。彼女の目を見て僕は思う。

 

「……あーあ、どこぞの信念ガリゴリ削られて摩耗しかけの正義の味方みたいだ」

 

いつぞや見た記憶の彼はあんな顔していた。あれはなんていうか見てて痛いって思ったんだよね。辛いとも……人がああなる姿って嫌だなぁ。

 

「アーチャー?」

「……正直あーゆーの見たくないんだけどなぁ。はぁマスター、さっさと回収しよう」

 

少年を急かしてアイテムフォルダを開けてもらえばそこには可愛らしいフリルのいっぱい入ったワンピースタイプの水着が出てきた。色は水色と白だけど、うわぁ……

 

「これは……」

「結構かわいいと思うけど」

 

見た目は、可愛い。それは認めよう。でもさ、これは生理的に受け付けないっていうか勘弁して欲しいっていうか。ここまで拒絶反応起こす僕も僕だけどいや、ないないないない。

 

「いや、僕的にはお断りしたいデザインなんだけど?!」

「普通に似合うと思うよ?」

「お断りします!」

 

同じく! マジで全力でお断りしたい気分だ。

 

「似合うのに……」

 

残念そうな顔しても僕は着ないぞってその時誓った……はずだった。

 

 

――― 梦 少年少女探索中。

 

 

目の前に広がるのは謎の川、渡ろうとするとばちっと攻撃が入る。

 

「……このための水着?」

「そんな気がしてきた」

 

生徒会室から通信が入った。遠坂凛たちからだ。

 

『うわ、これ水着に着替えないと渡れないようになってるわよ』

『一応対策は立ててみているのですが難しいようですね』

「……アーチャー」

 

少年が僕を見る。あああああああ、もうわかったよ。物凄い沈黙の後に僕は口を開く。

 

「……………………わかったよ。着ればいいんでしょ着れば! マスター、リターンクリスタルもってる? いったんマイルームに戻るよ」

「わかった」

 

 

――― 梦 少年少女帰投中。

 

 

一旦マイルームに帰投する。そして渡された水着に着替えた。

 

「うわぁ、違和感バリバリ」

「え、普通に似合うと思うけど?」

 

僕の水着姿を見た少年はそう感想を言った。似合うっていうのすらうれしくない。

 

「もう勘弁してよ。個人的にはこういうのはかわいい女の子が着るべきなんだよね! ほら、あのパッションリップの階で遭遇したゴスロリっ子とか」

 

決して僕みたいな奴が着るものじゃないよねと心の中で続ける。うん、正直同意するよ。

 

「アーチャーも普通にかわいいと思うけど」

「っ そんなこと言ったっておだてられないんだからねーだ。とりあえずとっととあの川渡っちゃおう!!」

「うん、それにしても何で川なんかあったんだろう?」

 

どうせBBの策略かなんかでしょ。どういう意図があるのかは不明だけど。

 

 

――― 梦 少年少女探索中。

 

 

水着に着替えて戻ってみればすんなり渡ることに成功する。よかったと思っていたのも束の間、また渡れなくなりそうになって思わず川を凍らせてしまった。

 

「はぁ、渡りきった」

「最初から凍らせればよかったって気が付いたのは後の祭という奴だよね」

「言わないで、恥晒してこの状況なんだから、ガチで勘弁願います」

 

しばらく進むとメルトリリスの毒に犯された人々を見つけた。助けることは出来ずに彼らは解けてしまう。そのことを悼みながらもなお先に進めばそこには緑色の服に緑色のマント、四肢や服の一部には少しノイズが走っているけど形は残っている弓。

 

「……アーチャー」

 

緑衣のアーチャー、森の狩人がそこに居た。何ていうタイミング、てか彼がこの状況ってことは………。

 

「よう、期待外れのお二人さんよ。切り札の一つでも取り戻したか? おや、嬢ちゃん、趣味に合わない衣装替えでもしたのか? 不機嫌そうじゃないか」

「煩い黙れ、緑の狐 それにしても溶かされそうになってるけど……メルトリリスにでも反抗したとか?  ま、反抗は君の常套手段か……あ、あの時の煙幕は君か」

 

ようやく分かった。メルトリリスが最初にコンタクトを取ってきたエリザの最初の階層、あそこで煙幕を張ったのは彼ってことだったのか。

 

「たく、お前さんなんか聞き覚えがあるのを二人も混ぜるとか何やってんだよ。ま、そういうわけだ」

 

狩人は少年に何かデータを投げてよこしてきた。

 

「わっ」

 

少年は慌ててキャッチする。そのデータが何なのか考えるよりも先に生徒会室から通信が入った。

 

『ちょっとそれ、BBのデータよ! 急いでこっちに転送して、これを解析できればBBのチート技術に対抗できるかも!』

 

どうやらこれはBBの目を盗んで彼が探したデータらしい。一体なんで?

 

「負けちまったがこれは旦那の聖杯戦争だ。個人の欲で潰していいことじゃないんだよ。報酬はそうだな。この聖杯戦争をダメにした元凶の命でいいか」

 

あー、そっか。狩人も誇りあるサーヴァントなんだ。彼のマスターは彼が使えるに値する人物だったらしい。ああ、あの老騎士が狩人のマスターだったっけ?

 

「……そういうことか、まあサーヴァントとして呼ばれた君らしいね。そんな安いことでいいなら構わないさ、むしろもっと別なの要求したらどう? 体、直すくらいならやらないでもないけど?」

「そいつは止めとくわ、オレも毒使いなんでねぇ。受けた毒の効力ぐらいはわかるさ。ところでだが、あんた本当に何者?」

 

だろうね。狩人の記憶にあるのは僕ではなく本来の弓兵だ。聞かれるのも当然。いつものように返すだけだ。

 

「何者って言われてもねぇ……ふむ、誰かの呼びかけに『応える』事しかできないただの一般人とだけ名乗らせてもらおうか。ああ、そうそう弓兵の代用品ともいえる」

「アンタみたいな一般人はめったにお目にかからねーよ。ま、そっか 代用品なら仕方ないか」

 

そして彼は弓を構えた。僕は鉄バット(ラニ=Ⅷが強化プログラムで改造してくれた)を構える。

 

「さてと、話すことは話したし殺し合いでも始めますか」

「結局この状況になるのか……はぁ」

「な、なんだって」

 

少年は驚く。それは当然だよね。普通はそうなる。何となく察してしまった僕の方がおかしいのかな?

 

「ああ、驚くようなコトかぁ? オレ、BBのサーヴァント。オタク、BBの敵対者。ごく自然な流れでしょ。目的が一致していても殺し合う。戦場じゃよくある話さ」

「……僕としてはあんまりこういう戦い好きじゃないんだけどなぁ。ま、でもマスター、これが今の僕らにできるせめてもの手向けだよ。準備、いいかい?」

 

少年の目が覚悟をした目に変わる。ああ、この諦めない目、少年はそこがいいんだよね。

狩人は薄く笑っていった。

 

「おう、かかってきな……しかしなるほど。こりゃ確かにクセになる。サーヴァント同士の戦いは悪くない誇りなんて余分なウエイトも、微笑ましくなるもんだ。あんたらが間に合ってよかったぜ。つい眠りそうになるわ、片手からずるっといきそうになるわ、こっちはこっちで心配だったんでね。これでようやく派手に行けるってもんだ!!」

 

 

――― 梦 少女狩人戦闘中。

 

 

あの後、回復アイテムの無いギリギリの戦闘を続けて、どうにか宝具解放までこぎつけ、氷剣『エクスイカバー』を召喚して最後の一撃を繰り出す。

 

「『勝利の永久凍土(アイスカリバー)』っ!!」

「ぐっ」

 

氷の一撃が狩人を襲った。これ宝具解放しないと撃てないんだよね。威力は高いから当然の話だけど、てか撃てる方が奇跡だよなぁ。

 

「……」

 

狩人は膝をつく。その体は戦いの傷と毒で急速に自壊していく。その様子なのにも関わらず狩人は自嘲気味にわらった。

 

「……何とか間に合ったか。あのままメルトリリスになるのだけは勘弁だったからなぁ。ったく、自決もできねぇとは厄介な毒もあったもんだ」

 

なるほどね。それで狩人はここに居た。同化を拒み、自分から消えることも出来ないで、最後の手段としてここで戦いに負ける道を選んだのか。

 

「それじゃあまあ、後はよろしく。オレは先に抜けさせてもらうわ。できる範囲で、納得のいく仕事をしてくれよ」

 

……狩人はそれだけを残して消えた。何というべきかこの世界での『死』というものは随分と綺麗だなと思ってしまった。どこかの誰かが見た『死』とはまた違う。そして僕が知っているものとも。でも、そこには『絶対』が隠れている。そうとも感じた。だけどそれで沈んでばかりもいられない。それだけは僕も少年も感じているようだった。

 

 

――― 梦 少年少女帰投中。

 

 

「……マスターはよく寝てるなぁ」

 

マイルームにて、少年が眠ったことを確認してから僕は空を見上げる。星ひとつ、雲一つ無い空だ。別に夜空ってわけじゃないんだよね。これ、空を見ながら僕は考える。

 

「………うん、僕らは託された。色んな人のいろんな希望を」

 

今まで散って行った仲間たちの顔が脳裏に浮かぶ。彼らのおかげでここまで進めたのだ。手を握って僕は誓う。

 

「だから、止まってられない。大丈夫、大丈夫」

 

少年を守ろう。再度、僕は誓った。

 

 

――― 梦 少年少女探索中。

 

 

「ありがとう、ありす(あたし)のことを見送ってくれて」

 

砂糖菓子みたいにふわふわとした語り手は微笑みを絶やさないまま、風に流れるように消えてしまった。その場にはSGだけが残っている。少年はつらそうな顔をしながらもSGを回収する。

 

「……アーチャー、シールドに行こう」

「うん、了解。それで正しいと思うよ……それにしてもキャスターを分裂させたあのエネミー、知り合いの人形を壊してるみたいで罪悪感半端なかったなぁ」

 

そういえば彼女もアリスか……アリスと人形は切っても切り離せないらしい。周りを見渡せばエネミーは通常の物に変わっていた。うん、よかった。

 

「―――お皿に乗った貴方の首! 本当に楽しかったわ」

 

お前はヘロデの妻、サロメかと言いたくなった。確か預言者ヨハネの首を要求した女だっけ? そして彼女を見ているとこう……悪寒が酷くなる気がするんだけど。

 

「ふふっ、そういえばアーチャー、貴女随分と可愛らしい外見をしているわね。貴女なら私のコレクションに加えてもいいかもしれないわ」

 

ああ、なんとなく悪寒の意味が分かった。彼女、僕を着せ替え人形にしようとしているときのアリスにそっくりなんだ。それに今の発言とあの子を見てみればどういうことになるかなんて明白だ。さしずめ観賞人形(プランツドール)嗜好品(ホビー)にされるのがオチだね。ああ、なんて蝋人形の館。あれPV見て怖かった記憶がする。

 

「お断りさせていただきます。この人形愛好家が! この世の全て人形に変えないと気が済まないのか」

「あら、それは楽しい発想だわ」

 

僕らの言い合いに少年の左手が反応する。やっぱSGは「人形愛好家」ってことか、まあこの空間とキャスターの証言を纏めればそうなるのも当たり前か。メルトリリスが嬉しそうに笑う。

 

「これがSGの摘出、不思議ね。穴が開いたみたいなのに心があるって実感できる。

 ―――そう、その通りよ。人形はいいわ。ひたすら愛しても文句を言わない、不満をこぼさない、変わらない。私、人間の消費文化は愚かだと思うけど、フィギュア文化を磨き上げたところは感謝しているの。事の起こりはやっぱりヴィーナス像ね。ギリシャ始まった。そうとさえ思ったわ。それが国を越え、海を越え、時を越えて……日本の職人達の手に渡った時、宇宙誕生に匹敵するビックバン、いえ、パラダイムシフトが起こったのよ。バレちゃったから言うわ。私、人形が好き。大好き。等身大から根付けサイズまで、分け隔てなく評価するわ!でも、特にお気に入りはやっぱりスケールモデルね。360度、舐め回して観賞できる支配感、所有感は最高だもの。この趣味を分からないヤツは、徹底した再教育あるのみよ。溶かした後、土台の材料にしてやるから。あ、でもアメトイはダメね。ガチムチすぎる。こと工芸において、日本人の繊細さに勝るものはないわ。私の夢は失われたガレキ職人たちを集めて、私のトイ・ストーリー王国を作ること―――あ、もちろん職人たちも人形にするから。究極の造形を求めて来る日も来る日も腕を磨きあうフィギュア職人たち……いい笑顔(グッドスマイル)!こんな素敵な光景が他にあって?いいえ、あるはずがない。ないからこそ私が築き上げてみせる!」

 

語っている。物凄い語っている。うん、冷酷無慈悲で他の「サクラ」とは違うって思ってたけどこの子もやっぱ「サクラ」だ。そして僕の生きてた時代って人形に困らない時代だったのだなぁとしみじみ思った。この前暇つぶしに歴史見たけど凄い変動が起こってたんだよね。少なくとも「僕」が生きていた世界とは全く違う世界だってことはよくわかった。

メルトリリスはその後余裕綽々と言った表情で消えて行った。まあ、舐められてるとも取れなくはないけど個人的にはありがたい。でも、未だに悪寒は消えなかった。

 

 

――― 梦 少年少女探索中。

 

 

シンジは逝ってしまった。メルトリリスの(レベル)をゼロにして。この時空の彼は随分と度胸があっていい人だなと思う。少年と僕はメルトリリスが作り出した壁の前に立っていた。

 

「……マスター」

「ああ、大丈夫だ。いつもの通り、行こう」

「それでこそマスターだよ」

 

中に入り、メルトリリスとの戦いが始まった。彼女の一撃一撃は随分と重い、マトリクス見たけど絶対に筋力Eは嘘っぱちだと思うんだけど。

向こうの攻撃をどうにか凌ぎながらじわじわとダメージを貯めていき、どうにか彼女を下した。

 

「マスター、君が選ぶといいさ。彼女の恋を砕くのも長らえさせるのも君の自由だ」

「……」

 

少年はメルトリリスに近づいていく。そうなるかなって気はしていたようなしてないような。少し複雑な気分だった。メルトリリスの壁がなくなり次の階層への通路が見えた。僕は少年に声をかけた。

 

「マスター、急ぐよ!!」

「あ、ああ」

 

階段を下っていくとそこには、

 

「これって……」

「サクラちゃん?」

 

大きなサクラのレリーフがあった。普通のレリーフよりも大きい。

 

「え、ちょ」

「うわっ」

 

その後ちょっと色々あって旧校舎へと戻る羽目になった。あーあ、ゴール近かったのに。てか少年、よく一日を秒で知ってたなおい。紫か藍なら知ってるだろうけど、人間が知ってるとか驚きだよ。

 

 

――― 梦 少年少女強制帰投中。

 

 

旧校舎の生徒会室にて、絶望している二人を見て一言言いたくなった。なんだろう、このもどかしさ。この前自分で運命を変えるために戦ってるとか言ってたのにいざその運命が見えたら立ち止りたくなるのも分かるけど。でも、それじゃあダメなんだ。

 

「……一ついいかな?」

「何よアーチャー、もうあたしたちにできることなんて……」

「そうですよ……」

 

暗い顔で二人はこっちを向いた。少年も何事かとこっちを向いてくる。よし。

 

「はぁ、とある正義の味方の話をしよう。彼はがむしゃらに正義の味方を目指した。その在り方は『正義』を貫いただけかもしれないけど、まあ正義の味方であろうとした。彼は世界と契約をする。それは『人類滅亡を止めるための緊急装置』の一部になるということだった。死後も人類の役に立てるならと彼は契約した。でも、その仕事内容は否応のない抹殺の仕事だ。彼はそんなあり方になった自分に絶望した。そして、ふとしたきっかけから自分殺しを思いついた。そして、チャンスはやってきた。どうなったと思う二人とも」

 

彼の話はいい例だなって思った。ただそれだけ……ってわけじゃないけど一番わかりやすい気がしたのも事実なんだよね。

 

「え? うーん……成功した?」

「いえ、論理的に矛盾が多数発生します。不可能かと」

「うん、結果的には殺すことは出来なかったよ。どうせ殺したところで自分は消えないのはわかってたんだろうけど。ま、そこは本人にでも聞くとして、でも彼の目的は成功した。さて、どうしてだ?」

 

うん、彼は結局自分殺しは出来なかった。むしろ自分が殺された。でも彼は満足そうだ。理由は今説明している内容じゃないだろうけど、彼の知らないところで目的は達成されたんだよね。

 

「は?」

「それはさらに矛盾しているのでは?」

「だって、正義の味方にとっては過去でもそこの彼には現在なのだもの。そこの彼は正義の味方という自身の結果を先に知ってその先を変えることができる。一種のタイムパラドックスだね。それに成功したんだよ」

「「あ」」

 

二人は顔を見合わせた。ちょっとだけ覇気が戻ってる。あともう少し。

 

「ここは現在過去未来すべてが混在する場所、だから未来が見えているわけであって、現在はまだ滅亡してないでしょ。いくらムーンセルでも一瞬で人類滅亡させるとか不可能だし」

「つまり『現在(いま)』に干渉すれば、人類滅亡という『未来(けっか)』を変えることは可能ってことか?」

 

少年が口を挟んできた。ほんと、少年ってかなり察しがいいよね。少年の発言に便乗するように僕が続ける。

 

「うん、だってたった一人の運命ですら変わるんだよ? だったら大丈夫でしょ。ただし、これはマスター一人でどうこうできる問題じゃぁない。味方がいてこそ出来ることだよ」

「凛、ラニ、今、アーチャーが言いたいこと全部言ってくれた。でも、俺からも頼む」

 

少年が二人に頭を下げる。うん、僕も頭を下げた。二人の声色が変わる。

 

「……そうよね。なんですぐに絶望してたのかしら」

「……そうでしたね」

 

まだ、負けじゃないよね。少年と僕の諦めの悪さは見てて呆れるほどだしね。

 

 

 

夢物語も最終局面、誰が笑うのかなんて決まってるじゃないか。

 





メルト編終了。最後駆け足サーセン
某正義の味方のあれは自己解釈です。

CCCプレイなう、VSメルト一歩手前。ところであの紅茶の水着は誰得なのだろうか? 連れて歩いたら公害一歩手前な気がしたので普通に普段着でうろついています。クール&ワイルドを見慣れてきた自分はどうかしてる気がする


以下設定語り







明乃さんはどんどん死に疎くなってきている感じがする。正義の味方の記憶然り里での日常然り(妖怪に食われたとか)? 前者でかなり慣れた感がある。でも視覚情報だけだろうけど。後、後者は日常的に遭遇するからまあ、じわじわと。それでも死を悼む気持ちだけは忘れない……って表現できてるのかな?
何でこんなこと語ったかというと、本能は語ってないけど理性の方はちゃんと悼んでるんだよって話。あんまりにも簡潔に書きすぎた気がorz
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