東方氷娘記 番外   作:亜莉守

21 / 23
※今回は舞台が完璧に幻想郷じゃありません。ぶっちゃけCCC話、ネタバレ多々
※※主人公君の名前はデフォルトの岸波白野になってます
※※※話の展開的にもしかしたら「ぼくのかんがえたさいきょうのサーヴァント」的な何かになるかもしれません


某凡庸型主人公編 7

 

さて、ワームホールがもう一つ発見された。

 

「……また飛び込むのマスター?」

 

僕は少年に尋ねる。

 

「うん、だってさっき片っ端から飛び込もうとか言ったのはアーチャーだぞ」

「そういえばそうだったね………うん、そうするか」

 

ワームホールの中に入れば、青いランサーと購買部の店員が居た。彼の記憶からこのコンビを引っ張り出した僕は呟く。

 

「……ある意味すごい組み合わせだね」

「? 何かあるのか」

「個人的な主観なので気にしなくていいよ」

 

戦闘の旨を伝えれば、青いランサーはすぐに承知した。僕を少し眺めて首を傾げる。

 

「ん? 組み合わせが妙な気もするがいいか、まあいいか」

「はぁ、よし 頑張るか、心臓穿たれるのだけは勘弁だし」

 

弾幕や釘バット(ラニ=Ⅷと遠坂凛による最終強化版)の応酬を青いランサーはいとも簡単にいなしていく。やっぱり不利にもほどがあるよね。弾幕は基本、矢除けの加護で当たらないし。槍の方がバットよりもリーチは長めだ。

戦っている最中に青いランサーは話しかけてきた。

 

「そういえば嬢ちゃん、俺のこと知ってるみたいだが?」

「まあね。君とはたぶん別個体の話だけど、そういえばアサシンの真似事はしないの? ついでに言うなら戦闘からの途中離脱とか」

 

彼の記憶から色々と引っ張り出したことを言えば青いランサーは驚いた顔をした。

 

「おいおい、なんで知ってんだ? だが、今回はそういうわけでもないんでな。どちらかが倒れるまでのサシの勝負だ」

「そりゃよかった。まあ、相手なら同じ弓兵でも赤いほうがよかった? 青いランサーさん」

 

青いランサーは目を細めた。その目にはなんだか感慨深いものがある。

 

「ほう、あいつの知り合いか。ま、いねーもんはしょうがねーだろ」

「それはごめんなさい」

 

それなりに通常攻撃を繰り返してたパターンが変わったのは青いランサーの宝具が撃たれたことだった。

 

「氷盾『アイシクルイージス』!!」

「なっ」

 

神代の盾を模した氷の盾が魔槍ゲイ・ボルグを防ぎきる。青いランサーは驚愕の表情を浮かべた。後ろでは購買の店員がお前の槍は当たらないものなのかとか言っているけど、そんなの気にしている暇はない。これが最初で最後のチャンスだ!

 

「どこぞのアイアスよりも防御力はあるからね。マスター!」

「了解」

 

僕の呼びかけに少年はこちらへ魔力を回してくれた。スペルカードを掲げて、僕は宣言する。

 

「氷恋符『フリーズド・スパーク』っ!!」

「ちっ」

 

氷の力を纏ったレーザーが青いランサーを襲った。青いランサーが膝をつく。この勝負こっちの勝ちだね!

 

「いぇい!」

「ははっ、久々にいい勝負だったぜ。また会う機会があったら会おうぜ、青い弓兵の嬢ちゃんよ」

 

青いランサーはそう言って消えた。うん、これこそ普通の勝負だよね……決して年齢を勘ぐられてぶちぎれるとか普通じゃないよね。うん

 

 

――― 梦 少年少女探索中。

 

 

もう一つのワームホールを発見して飛び込んでみるとそこに居たのは。

 

「…………………………………犬?」

 

犬だった。白い、ひたすらに白い犬だ。尻尾の先がちょっと黒いのが特徴かもしれない。

 

「そうだよな。何で?」

「ごめん、わからないや」

 

こんなとこに何で犬がいるんだろう? まさかあれでもサーヴァントとか?

 

「アーチャーも分からないってなると俺にはどうにも」

「わぅん?」

 

犬がこちらを向いたまま首を傾げた。あざとい、てかそんなの気にするよりも先に可愛い!!

 

「………抱きしめてもいいでしょうか?」

「ずるい。俺もやりたい!」

 

少年と僕は犬に近寄って思う存分撫でたり抱きしめたりした。

 

「はぁー癒される」

「うん、なんという極上のもふもふ」

「うぅー」

 

犬もそこまで嫌がるそぶりを見せていない。いい子なんだなぁこの子。

 

「でも何でこんなところに犬が?」

「それは気になった。でも、それよりももふもふ………」

 

少年が名残惜しそうにするけど、それは気にしないことにして、僕は犬に尋ねた。

 

「わんちゃん、何でこんなところに居るの?」

「わぅ!」

 

犬が何かを咥えて僕に差し出していた。いつの間に?

 

「? 鈴??」

 

受け取った僕が首を傾げる。

 

「これ、礼装じゃないか」

「え、な……あれ?」

 

犬に慌てて確認を取ろうとしたけど目を上げればそこには

 

「居ない」

「居ないね」

 

犬はいなかった。一体なんだったのだろう?

 

 

――― 梦 少年少女探索中。

 

 

寄り道も終えて、サクラのレリーフの前に立つ。少年はごくりと喉を鳴らしてから言った。

 

「……アーチャー、行くぞ」

「うん、行こうか」

 

サクラの防壁が消えた。ここからが正念場だ!! そう意気込んで少年と僕は中へと進んだ。

中にはムーンセルと同化したBBが待っていた。僕は少年から切り離されてありえない速度で弾き飛ばされる。

 

「っ マスターァァァァァァ!!」

 

その声は『僕』をいや『魂』を揺さぶるのには十分だった。弾き飛ばされていたのが急に元の場所へと戻っていく。戻ってみれば少年とBBはまだ対峙していた。

 

「な、何で!? 銀河の果てまで飛ばしたはずなのに」

「はぁ、それは当然でしょうに。マスターの傍にサーヴァントが居なくてどうするのさ。悪いけどチートさせてもらったよ。今なら負ける気はしないね」

「アーチャー……その恰好」

 

ま、言われるのは当然だよね。見た目は只の学生服なんだもの、平行世界の僕が通っている文月学園の制服だ。しかも男物

 

「ふふっ、『本質』はこれだった。それだけの話さ」

 

BBとの戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

――― 梦 少年少女対峙中。

 

 

結果だけ告げれば勝った。圧勝なんてものは出来なかったけど、どうにか勝てた。BBが敗れ去り、サクラがシステムをリセットして万事解決なんてなればよかったのだけどそうもいかなかった。

気が付けばムーンセル中枢に僕はいた。しばらくこのままらしい、はぁなんてこったいとか呟きたくもなったよ。それからちょっとしてからだろうか、確実に見覚えのある少年が中枢へとやってきた。少しずつ分解されながらも願いを書き込んでいく様に腹が立った。

 

 

――― 梦 少年分解中。

 

 

ムーンセル、電子の海を僕の氷が凍らせていく。僕の氷には0と1は効かない。ぽかんとした表情の少年に向かって僕は本心を口にするこんなところで建前とかないよね。

 

「ばーかばーか、マスターってやっぱり向こう見ずで自分の事大切にしないよね」

 

あーちゃー? と少年の口が動く。僕がそうだと頷けば少年が少し苦笑いして言い返した。

 

「アーチャーに言われるのはちょっと悔しいんだけど」

「そうかもね。僕らは結構似た者同士だ。時に少年、少年はこのまま消えるのを良しとしているの?」

「……ああ」

 

少年は即答した。あー、やっぱかとは思ったけどそれはそれでこれはこれだ。

 

「そっか、でもここに良しとしてない人間がいるんだよね。多分、もう一人いるし」

「え?」

 

多分、「彼」は外に置かれているのだろう。うん、令呪使って拘束しているのかもしれない。あー、ごめんね。シロウ

僕は少年に手を差し伸べて告げる。

 

「少年、来ないかい? 忘れられたものの京、幻想郷に」

 

僕が笑えば、少年は驚いた顔をした。

 

「この手を取るも取らないも君の自由さ。どうする、少年?」

「俺は………」

 

少年は…………

 

 

 

―― 少女回想終了。

 

 

 

そんなわけで、少年と僕は幻想郷に戻ったわけだけど……。

 

「あれ、少年??」

 

隣に少年はいなかった。それどころか普通に就寝したままだったし。あれか、マジで泡沫の夢か。そんなことを思っていたけど、僕の体は耐え切れずにまた眠りについた。

 

 

―― 少女就寝中。

 

 

眠って心象風景に戻ってからそれに気が付いた。

どうしてこうなった。

 

「どうもこうもないっていうべきか」

 

学生服姿の原初が苦笑いした。

 

「それについては同意見、わたしにも原因はわからない」

 

無表情の拒絶は首を横に振った。

 

「うん、理性が居ないだけマシだよね。何この一人脳内サミット」

 

一人で理性や外を眺めていた心象風景の場に拒絶と原初も居た。うん、どうしろっていうのさ本当に……『僕』の運命は確実に奇妙なものになりそうだよ。

 

 

―― 少女起床後。

 

 

何だか変な夢を見た。いや、片方は夢じゃないんだけど、もう片方は夢と思い込みたいっていうか……似た顔が三人頭突き合わせて脳内会議とか妄想甚だしいよね。うん

 

「おはよ、明乃」

「はよー チルノ」

 

先に起きていたチルノに声をかけて顔を洗う水を汲みに外へと出てみる。水を汲みに湖の方へ行ってみればなんか学ラン姿の誰かがぷかぷか浮かんでいた。

 

「うわぁぁぁ、白野君?!」

 

慌てて助け起こす。やっぱり岸波白野君だ。夢じゃない方の夢で僕がサーヴァントやってた時のマスター、確かに幻想郷には誘ったけどせめて普通の場所に落ちようよ。

 

「あ……アーチャー?」

「うわ、体つめたっ 今の時間帯に診療所開いてないよね」

 

僕の叫び声が聞こえたらしくてチルノがこっちにやってきた。白野君を見て目を丸くする。

 

「どうしたの………って誰?」

「湖に落ちてた」

「はぁ、明乃って落ちてる人間拾うのの天才ね。わかったわ。ウチに運んで」

「うん」

 

その後、白野君は綺麗に人里に溶け込む……なんてことはなかった。紅魔館で住み込みの仕事をするようになったからね。そうなった原因はレミリアが白野君を気に入ったから、それに白野君が図太かったから、うん白野君は物凄く図太いもんなぁ。フランとも仲がいいみたいだしよかった。後、パチュリーさんから魔法を習ってるそうな。

 

 

 

泡沫の夢も覚めたようだね。少年は安寧の地を手に入れたようだ。

 

ま、少女の奇譚はまだまだ続くけど?





CCCプレイなう 紅茶のCCC√クリアしました。最後まで正義の味方だったです。自分の小説では基本ネタキャラ扱いでごめんなさい。そう思える最期でした。今度はキャス狐プレイ中です。鬱展開吹っ飛ばす良妻様にほくほくなうです

そんなわけで誰得CCCコラボこれにして終了です。ちなみにわんちゃんの正体がわかった方はにんまりしてくれて構いません。もしくは感想どうぞ

最初に本能がどうしてこうなったとか言っていたのは人格分裂についてでした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。