東方氷娘記 番外   作:亜莉守

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※今回ネタ要素多めです。年齢変更とかその辺がお嫌いな方は注意です。


※氷娘見習談

 

その場に居た全員が絶句する。

 

「うん、どうしてそうなったのさ」

 

本当に聞きたいどうしてこうなった。僕の呟きにその場に居た当の本人以外の全員が同意した。

 

「……正直わからないよ」

「どうなってるんだぜ?」

「とりあえずわけわかんないっていうのだけは満場一致よね」

 

目の前に居るのは知っている彼よりもふたまわりくらい小さくなって、僕らと同い年くらいになった知人、全員の呟きに困惑している。

 

「えっと、私の顔に何か?」

 

いやさ。説明するのすら面倒なんだけど。

 

「……元英霊でも若返るんだそういう話」

 

 

―― 少女回想中。

 

 

それはちょっと前の事、団子屋で団子とお茶を楽しんでたら、偶然にも咲夜に出くわした。それで話し込んでたんだけど、どうしてここに居るのかって話になったら、ちょっと耳を疑うような話を聞くことになったんだよね。

 

「は? 若返る薬?」

「ええ、パチュリー様 何を思ったかそんなもの作って……」

 

そうなんだ。あれ? でも紅魔館の人たちって……。

 

「正直生半可な薬じゃ若返らないよね紅魔館の人たち」

「そうなのよ。そのせいでとばっちりがこっちに飛んで……はぁ」

 

咲夜がため息をついた。普段絶対に愚痴なんてこぼさないのに珍しいなぁ。

 

「ちなみに何歳くらい若返るの?」

「ざっと20くらいらしいわ。まだ仮定の段階だけど」

「へぇ、とりあえず僕や咲夜は一桁どころかマイナスだから止めておいた方がいいよね」

 

マイナス何歳とか某チョコレート工場の原作の二巻とかじゃないんだし。

 

「そうよね。だからお断りして逃げてきたっていうか……こういうことになって」

 

咲夜がポケットからなにかが入った瓶を取り出した。

 

「これが薬……ってことは?」

「誰でもいいから実験してきなさいって……気が重いわ」

「あはは……止めた方がいいと思うんだけど」

 

色んな意味で迷惑以外の何物でもないっていうか、思いつく人思いつく人ちょうどいい年齢の人いないし。みんな長生きか同年代なんだなぁ。

 

「ええ、正直止めたいわ」

 

どうしたものかと二人して考えていると見知った黒白金が声をかけてくる。

 

「よー、なんかここで見るには珍しい組わせだな」

「やほー、魔理沙はどうしたの?」

 

人里に来るときって大体寺子屋か香霖堂なのに。

 

「ん? 団子食べに」

「そうなんだ」

 

意外に普通な理由だね。

 

「なにやってんだ?」

 

魔理沙が瓶を挟んで考え込んでいた僕らに首を傾げた。あー、妙な光景だったよね。

 

「あー、ちょっとね」

「ん?」

 

 

―― 少女説明中。

 

 

「へぇ、やっぱパチュリーはすごいな」

 

魔理沙が瓶のコルクを外して薬を覗き込んでいる。頼むからひっくり返さないでよ。

 

「ええ、その凄さの被害がこっちに来なければよかったのに」

「あはは、うん そうだね」

 

ついにパチュリーさん薬は被害認定されてしまった。まあ、わからなくはないからなぁ。

 

「まあ、わたしでよければ手伝ったが生憎無理だ」

「だよねー」

「ええ、正直そう思ってたわ」

 

年齢的にアウトだし。

 

「あ、明乃!」

「あ、闇乃」

「よー」

「あ、魔理沙も久しぶりー。何やって……あ」

 

闇乃が駆け寄ってきて、僕らがちょっと動いたのとか多分その辺の要因が重なって蓋をあけっぱなしだった瓶が倒れてさらに一本だけ残っていた団子にかかってしまった。

 

「あっちゃぁ」

「ごめん、なんかまずいことやった?」

 

闇乃はきょとんとしている。まあ、そうだよね。今の今までここに居なかったんだし。

 

「ま、まあだ、大丈夫だろ。最後の一本だったんだし」

「食べなきゃ大丈夫よ」

「どうしたの?」

 

闇乃は首を傾げた。説明しないと

 

「おや、君たち」

 

それよりも先に知った声がかかった。白髪に褐色の肌、灰色の目、うんシロウだ。

 

「あ、シロウ」

「あ、店長」

「何処か買い物帰りなのかしら?」

「まあ、食材の買い付けにな。どうしたんだ? 一本だけ残ってるが」

 

シロウがちょっとだけ首を傾げた。うん、残ってるよ。食べたら拙い団子がね。

 

「あ、そうだ。店長食べない? ちょうど、一本だけ余っちゃってさー」

「おい、ちょ ま」

 

魔理沙が慌てて止めに入るけど間に合わない。うわぁ……

 

「良いのか? ではいただこう」

 

団子を食べた瞬間、シロウの外見は変わっていた。肌色に銅色の髪、似たような色の目……別人かって思うくらいの変化だった。髪型がかろうじてそこに居るのがシロウだってわかるオールバックだ。

みんなは口をポカンとあけている。そんな様子を見て僕は呟いた。

 

「……幸運Eは何処に行っても幸運Eだったんだね」

 

運がない人をサーヴァントのステータスでは幸運Eと言ったはずだし。これはあっているはずだ。

 

 

―― 少女回送終了。

 

 

「うん、どう見ても衛宮士郎です。ありがとうございます」

 

過去の夢で見た少年ときっちり被ってるね。これで素の方の口調だったらもう完璧に衛宮士郎の完成だ。

 

「いや、だからいきなりどうかしたのかね」

 

シロウが困った顔をする。あ、流石に口調まで変わってるは無かったかぁ。

すると咲夜が本当に申し訳なさそうな顔をしながらナイフを取り出した。もちろん鞘つき。

 

「……本当にごめんなさい。えっと、これで顔を確認したらどうかしら?」

 

シロウは慣れた手つきで鞘からナイフを抜いてそこに映る自分の姿を確認して、呟いた。

 

「……なんでさ」

「ですよねー」

 

正直どうしていいのかすら不明だよ?!

 





突発ネタです。見た目見習い君で中身正義の味方って感じ、正義の味方でCCCプレイ中なので地味に今、熱いんです。

正直本編がネタ詰まってるのが丸見えですよねー(オイ


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