東方氷娘記 番外   作:亜莉守

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※弧狗狸さん様の『バカと八雲と人形使い』とコラボさせていただきました。
 訂正は弧狗狸さん様より受け付けます。
 誤字についての訂正は他の方もどうぞ、たまに訳の分からないミスやらかしてる可能性もあるので。

※今回長いです。(初の5000文字突破)


氷娘陽炎夢 中

 

彼に案内されて、まず最初に向かった先は

 

「博麗神社かぁ」

 

霊夢大丈夫かな? それなりにちゃんと指示出したつもりだったけど、下手やって体調拗らせてないといいなぁ。

 

「どうしたの?」

「ううん、熱中症大丈夫かなって」

「??」

 

僕の発言は確かに事情を知らないと訳が分からないよね。なんて考えていたら、黒髪に脇の出た巫女服の女の子がやってきた。霊夢だ。

 

「どうしたのよ……あ」

「えっと?」

 

霊夢がじっと僕の方を見てきた。なんだろう?

 

「この子は博麗霊夢、この博麗神社の巫女だよ。それからさっき君を助けたときに一緒に居たんだ」

「そうなんだ。助けてくれてありがとう」

 

助けられた状況はよくわからないけどお礼言わないとね。

 

「私は何もしてないわよ。やったのは明久」

「そっか、でも心配してくれてありがとう」

「どういたしまして」

 

どうやらウチの霊夢よりは素直みたいだ。ウチの霊夢だと、皮肉が地味に効いた一言が来そうで怖い。ふと、彼の方を見てみれば何故か鳥居の方をじっと見ていた。

 

「……」

「どうかしたの……って、あれ?」

 

黒髪に赤と白のリボン、特徴的な脇の出た巫女服

 

「私?」

 

その子はにっこり笑うと弾幕で襲ってきた。

 

「弾幕張ってきた?!」

 

慌てて迎撃しようとする僕の目の前に彼が庇うように立って、クナイ型の弾幕を繰り出した。

 

「霊夢、それから明乃は下がって。僕が相手するから」

 

 

 

―― 少年弾幕中。

 

 

ちょっと離れたところで彼と霊夢のドッペルゲンガー?の弾幕勝負を見ながら、霊夢と話す。

 

「それにしてもあなた、幻想郷の外から来たのよね?」

 

あ、流石幻想郷を守る巫女、見抜かれてたか。

 

「一応、そういうことになるかな?」

 

この幻想郷から見れば別の幻想郷も外だよね。

 

「世界から『拒絶』されてるようだけど、それはどうして?」

「……あー、僕は世界に入り込んだ異物にとって邪魔な存在だった。それかな?」

 

前に別の世界に行ったときにその世界の紫から言われたことと同じだった。上手く説明しようにもできない僕はとりあえず間に合わせの言葉で誤魔化す。

 

「ふぅん、まあしばらくは幻想郷を楽しみなさい……ってこれは私が言うセリフじゃないか」

「アハハ……ありがとう」

 

世界が変わっても、雰囲気が変わっても、幻想郷の住人は幻想郷の住人だった。

 

 

―― 少女歓談中。

 

 

明乃と霊夢が話している頃、明久は霊夢のドッペルゲンガー? と弾幕勝負をしていた。ドッペルゲンガー? が放ってくる弾幕を明久は悠々とかわす。

 

「結構強いかな?」

 

また、散弾的にばらまかれた弾幕を自分の弾幕で相殺しつつ様子をうかがう。

 

「それにしても霊夢の姿をしてるからちょっとやりずらいなぁ」

 

かわし続けているとふいにドッペルゲンガー? がカードを取り出して掲げた。

 

「!」

 

 

霊符『夢想封印』

 

 

「なんで霊夢のスペルカードまで?!」

 

 

―― 少年驚愕中。

 

 

観戦していると、霊夢のドッペルゲンガー? がカードを掲げた。

 

「あれ? あれって」

「ウソ、私のスペルカード?!」

 

驚いているといきなり頭が痛くなる。

 

「っ」

「大丈夫?」

「う、うん 頭がちょっと痛いだけだから」

 

頭にあの子の声がした。また『遊ぼうよ』って呼ばれた。

 

「……『遊ぼうよ』か」

「?」

 

霊夢が首を傾げる。でも、今回は関係ない。これは多分僕の問題だ。

 

「ううん、なんでもないよ。そろそろ決着が着くみたいだ」

 

 

―― 少年弾幕中。

 

 

夢想封印をかわしながら、明久はドッペルゲンガー? から目線を離さずに言った。

 

「なんで霊夢の技が使えるかは後で聞くとして!」

 

明久がスペルカード宣言をした。

 

 

黒炎『加具土命無限炎昌』

 

 

ドッペルゲンガー? の周囲に炎が次々と灯る。慌てた様子で周囲を見渡すドッペルゲンガー? だったが、かわす暇などなく。灯った炎は矢へと姿を変えて、ドッペルゲンガー? へ向かっていった。

 

「止めだっ!!」

 

撃墜音がする。いざ話を聞こうとした明久は呆然とした。

 

「え?」

 

ドッペルゲンガー? の姿は消え失せていた。

 

 

―― 少女傍観中。

 

 

彼がこちらへと降りてきた。炎系の弾幕使うんだ……万が一弾幕勝負する羽目になったら大変だなぁ。

 

「大丈夫だった?」

「こっちは何ともないわよ。それにしても消えた?」

「うん、一体何だったんだろう?」

 

二人が話している。今回の異変は僕を指名しているらしい、二人を巻き添えにしないためにも離れないと。二人の方を向いて僕は言った。

 

「……えっと、二人とも僕のこと助けてくれてありがとう。それとすぐに帰れない用事が出来たからちょっと行ってくるね。異界で異変とかなんで巻き添えくらってんだろう、僕」

 

そのまま僕は『呼ばれて』いる方へ向かった。

 

「え、ちょ」

「待って!!」

 

 

―― 少年追跡中。

 

 

誰かに『呼ばれて』いる。それだけを頼りに飛んできたわけだけど、

 

「次はここか……紅魔館って」

 

見事に知っているところじゃないか、てか美鈴さんどこ行ったんだろ?

 

「そういえば咲夜は元気かな?」

 

赤い屋敷を見ていると、友達であるメイド長のことを思い出した。少し前からさん付けを止めるように言われたんだよね。そういえば、紅魔館は妖精メイドがバタバタ倒れて大騒ぎだっけ……今度冷たいもの差し入れよう。門の前でボーっとしていると声がした。

 

「やっと追いついた!!」

「へ?」

 

彼だ。僕を追いかけてきたらしい。何で?

 

「急に行っちゃうからびっくりしたよ」

「追いかけてくるなんて思わなかったよ。普通に放っておいてくれてよかったのに」

「いや、幻想郷って意外に危ないんだからね」

 

彼はかなりのお人好しらしかった。いや、僕もあんな意味深なこと言ったせいだよね。僕だったら追いかけてるか。

話しているとそこに銀色の髪に蒼の目、青の半袖に短いスカートのメイドさんがやってきた。こっちの咲夜だね。僕の知っている咲夜は何時でもロングスカートだった気が?

 

「あら、明久と……誰かしら?」

「あ、えっと。この子は明乃、なんか空から落ちてきたんだ」

「どうも、明乃だよ。よろしくね」

 

僕は咲夜に挨拶をする。咲夜は笑って言った。

 

「そう、暑いからお茶でも……って」

 

咲夜の目線の先には金色の髪に赤色の目、宝石を思わせるような羽、それに赤を基調とした服、フランだ。彼女のドッペルゲンガー……いや、陽炎がそこに居た。

 

「フラン?!」

「今度はフランかい」

 

思わずツッコミ入れた僕は悪くないよね。てか、フランって日光ダメじゃ?

 

 

―― 少女弾幕中。

 

 

「それにしても、何でこうなった」

「? どうしたのよ」

「ううん、なんでもないよ。はぁーあ」

 

またもや弾幕勝負自体は彼に回された。庭の日陰に僕らは居る。彼が負けるなんて絶対に思えないからいいけど、それにしてもさ。

 

『明久、がんばれ!!』

『フラン、乗り出したら危ないわよ!』

『そうですよ。フランお嬢様』

 

ベランダにこっちのフランとレミリアが居た。パラソルを持っているのは美鈴さんだ。

 

「あそこ、本当に大丈夫かな?」

「大丈夫よ」

 

だといいけど、日光浴びて火傷とかにならないよね?

そんなこんなで傍観してる合間に決着がつきそうだ。

 

 

剛脚『飛連脚』

 

 

どうやら霊力で強化した足を振りおろて、その速度で起きた風の弾幕で攻撃をしたらしい。

博夢さんのせいって言うかおかげって言うかで霊力については何となく感じることができるようになったから理解できるんだけどね。

 

「あ、勝った」

「そうね、って消えた?!」

 

陽炎が消えた。その瞬間、また『遊ぼう』って声がした。

 

「っ」

「大丈夫?」

「うん、まあ一応?」

 

やっぱりあの子は僕がご指名らしいね。

 

 

―― 少年帰還中。

 

 

「お帰り明久!!」

「わっとと」

 

彼がフランに抱き着かれている。こっちの僕もこんな感じかぁとか思った。

 

「お疲れ様、それにしてもあれは一体」

「はい、何か異変のようなものでしょうか?」

 

レミリアと咲夜が真面目に考えている。そこにまた頭痛がした。

 

「あ、今度はあっちか」

「え?」

 

僕はそのまま空を飛ぶ、説明するなんてことは無理だ。どんどん頭、痛くなるだろうし。

 

「またか!? ごめんね。あの子、追いかけてくる!!」

 

そんな声がしたけど気のせいだよね。

 

「なんなのよ。一体」

 

 

―― 少年追跡中。

 

 

「今度は魔法の森っと、見事に僕の知っているところばかりだ……」

 

今度は誰かな? アリス? それとも魔理沙? 考えていた僕の上から声が降ってきた。

 

「待ったぁぁ!!」

「! まだ追いかけてくるんだ。一人で大丈夫だって言ったはずだけど?」

 

今回は僕関係だし無関係の人巻き込みたくないんだけど。

 

「君が良くても僕が良くないんだ。それに異界の異変って言葉も気になったし、それになんで飛べるのかも聞きたいし」

「あー、そっか 説明……いるの?」

 

というか、全然説明していなかった気がする。それにかれはよくここまで追いかけたなぁと思った。

 

「うん、それからなんで急に飛んでいくのかも」

「しょうがないっか、とは言え」

 

僕は日傘を正面へと向ける。そこには見慣れた黒と白、それに金、魔理沙だ。また陽炎だけど。僕は笑っていった。

 

「この弾幕勝負が終わってからだけどね」

 

 

―― 少女弾幕中。

 

 

「はぁ、何でこんなことやってんだろうね」

 

思い返せば色々と疲れることやってる気がしてきた。

 

 

魔符『スターダストレヴァリエ』

 

 

魔理沙のお得意の星魔法、こんなの序の口って奴でしょ。どんどんとかわしていく、そういえば何でこんなことになったんだっけ?

 

「博麗神社に行ったら、霊夢が熱中症になってて」

 

 

魔符『ミルキーウェイ』

 

 

天の川をモチーフにした弾幕をかわす。そういえば七夕まだだっけ。なのに日差しがきついんだよね。

 

「帰ろうとしたら、目眩に襲われて」

 

 

恋符『ノンディレクショナルレーザー』

 

 

これもまた十八番、ここの世界の魔理沙もこれとかが十八番なのかな?

 

「気が付いたら、異界の幻想郷で」

 

 

恋符『マスタースパーク』

氷恋符『フリーズド・スパーク』

 

 

いい加減に焦れてきたし、僕もスペルカードを使うことにした。マスタースパークを相殺する。

 

「もうっ」

 

 

氷星『アイシクル・スターダスト』

 

 

青白い流れ星が流れる。ラストっ!!

 

「いい加減にしろっ!!」

 

この勝負は僕の勝ちで終わった。

 

 

―― 少女帰還中。

 

 

「ただいま」

 

すっかり暑さが緩んだ地上に戻ってきた。思いっきり氷系のスペルカード使ったからなぁ。

 

「おかえりなさい、結構威力凄いね」

 

うーん、威力重視じゃないんだけどなぁ。

 

「そう? むしろ綺麗って言ってもらえたほうが嬉しいかな。僕らの世界では『弾幕は美しいほうが勝ち』だし」

「そうなんだ。確かに綺麗だね」

 

ま、お世辞だったとしても嬉しいね。

 

「さて、陽炎が失せたことだし説明するよ」

 

ま、自分の幻想郷入りの経緯とかは抜きだけど。あれは自分でも説明できないし。

 

 

―― 少女説明中。

 

 

「とりあえず、ごめんね」

「いや、謝る要素がどこにあったのかな?!」

 

普通に普通のことを説明しただけなのに?!

 

「いや、年齢が……まさか同い年だったとは」

「ロリで悪かったなぁぁ!! もう、いいもん! 会う人会う人に間違えられりゃ慣れるもん!!」

「本当にごめん」

 

申し訳なさそうにされるのが一番つらいわぁぁぁぁっ!!

 

「はぁ、はぁ、はぁ もう、この話題は蒸し返さないことにしよう。うん、そうした」

「なんか本当にごめ「もう何も言うにゃ、あ」

 

もう何か嫌になった。ここが森じゃなくって絨毯の上とかだったらローリングしたくなるくらいに。

 

「あー、大丈夫?」

「うん、もうどうにでもなれ」

「それならいいんだけど、えっと能力について聞いてもいいかな?」

「ん、なんか変なところあった?」

 

自分としてはそこまで凄くない能力のつもりなんだけど。

 

「いや、具体的にどういうことかなって思って」

「あー、じゃあ例えばの話 何処か地下深い所で閉じ込められている女の子が居ます。その子の声は地上に聞こえるわけがないし、助けも呼べるわけがない。ここまではいい?」

「う、うん」

 

例えにしてはちょっと強烈だったかな? ふと思いついたのがフランの話だっただけで他意は全くないよ。

 

「そんな女の子が心のどこかで助けてと誰かを『呼んだ』とする。その声は僕に届くんだ」

「え?」

 

彼は驚く。そうだよね、誰にも聞こえない声が聞こえるとか普通ないし。

 

「つまり、僕の能力は『名もなき誰かの叫びを聞いて助けに行く』ってことなんだよね」

「分かったようなわからないような……でも、それって凄い能力だよ」

「物理面では何も仕事しないけどね」

 

もっと物理で仕事する能力だったほうがいいんじゃないかなって思ったことはいっぱいあった。でも、ほかのみんなが居るからいいかなとも思うけど。

 

「それで、今も誰かに呼ばれてると」

「うん、だから行かないと」

「僕も一緒に行くよ」

「……うん、よろしく」

 

僕一人で行動しようっていう方がバカだったね。一人じゃ絶対にどうにもならないしね。





またもや雰囲気小説すみません。設定ミスってたら指摘どうぞ、一応は弧狗狸さん様基準のはず。口調とか一人称とか……大丈夫ですよね?

明乃が今回、妙に悟ったように戻っているのは一人っきりの反動です。友達も親代わりの彼女も誰も居ないとこうなります。

弾幕勝負上手くいかないなぁ(遠い目)
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