東方氷娘記 番外   作:亜莉守

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※弧狗狸さんとのコラボ話とのクロスがあります
 それから明乃がぐちぐち文句言ってます。ごめんなさい


氷娘夕食話

 

日も結構傾いた頃、僕はシロウの店で作業をしていた。

 

「ふっふーふーふーふーふふっふっふ」

 

思わず鼻歌を歌ってしまう。いやぁ、ほんと楽しみだなぁ。

調子に乗ってると黒髪に赤い目の薄い赤の着物の女の子、闇乃が様子を見に来た。流石にうるさかったかな?

 

「どうかしたの? 妙に機嫌がいいけど、というよりも何でウチの店に来て料理作ってるの?」

 

闇乃が首を傾けて聞いてきた。まあ、そうなるよね。いきなり押しかけて台所貸して! だもんね。

 

「あ、闇乃? ごめんごめん、思いっきりあったかい料理だからチルノに作るなら余所でやれって追い出されてさー」

 

チルノは暑いの苦手なんだよね。そのせいか今回は結構怒られたよ。事情を聞いた闇乃はわかったみたいで軽く縦に頷いてから聞いてきた。

 

「そうなんだ。何作ってるの?」

「パエリア、この前の騒動の時に材料、明久から貰ったんだよねー。海産物とか入ってるからこっちじゃ作れなくって、それにさっきシロウに頼んでパニジャーラ投影してもらったし」

 

シロウの投影魔術って結構便利だよね。フライパンとか投影してもらったし、この前には卵焼き用のフライパンとかも、あれって無いと卵焼き綺麗に作るの大変なんだよね。

 

「それでご機嫌なんだ。それにしても、この前って?」

「ん? ほら、シロウが喧嘩買って人里壊滅しかけたあれ」

 

事情誰にも聞いても分からなかったからしょうがなくて紫に事情聞いたんだよなぁ。てか、あの人たち本当に何やってんだか。闇乃も思い出したみたいで顔を青くする。聞いた人聞いた人全員この状態だけど何かあったのかな?

 

「……あれかぁ。本当に危なかったよね」

「全く、男の子って喧嘩っ早いのが常識なのかなぁ? 煽ったあっちの紫も紫かもしれないけど二人が自重すればどうにかなった気がさぁ」

 

どうもこの件に関しては愚痴っぽくなっちゃうよ。下手したら人里無くなってたかもしれないしね。

そんなことをつらつら言ってたら闇乃が口を挟んできた。

 

「一言、シロウ反省してるからもう不問で」

 

この話題になるとシロウちょっと複雑そうな顔するしまあ、もういいや。

 

「ま、それもそっか よし、完成! 我ながら結構できた方だなぁ。てか、久しぶりだなぁパエリア」

「テンション高いね」

 

闇乃がちょっとだけ呆れた顔で言った。何言ってるのさ?

 

「もちろん! パエリアだよ。パエリア!」

「……よくわからないけどパエリアでテンションが上がっているってことはよくわかった」

 

 

―― 少女盛付中。

 

 

「きゃっふい、パエリアーっ!!」

 

とりあえず閉店している店の一角に鍋敷きを置いてそこにパエリアの入った大皿を乗せる。僕がテンションのあまりに叫んだのにシロウがツッコミを入れた。

 

「……明乃、何か悪いものでも食べたのかね?」

「パエリアだからだって」

「……なんでさ」

 

むしろなんで二人がわからないのかがわからないんだけど。適当に持ってきたお皿を隣に置いてスプーンやトングを用意する。そういえば、これ全部シロウの投影なんだよね……日用雑貨って剣じゃないのになんで投影できるんだろう?

 

「あ、二人も食べるよね?」

 

僕がそう言ったら二人がびっくりした顔をした。

 

「え、チルノのところ持っていくんじゃないの?」

「なんで? 暖かいうちに食べた方がいいよ。それにチルノは今日どこかで酒盛りだから」

 

持って帰ったところで誰も居ないんだよね。

 

「あ、そうなんだ」

「それであれば君の家で作ってもよかったんじゃないか?」

 

シロウが正論を言う。まあ、普通だったらそうするんだけどね。

 

「『暖気が籠るから止めなさい』チルノから怒られたんだよ」

 

後、僕が一人だけで食事するのが嫌だったっていうのもあるけど。

 

「そうなのか。ま、せっかく君が作ったんだ。頂くとするか」

「明乃がそこまで自信持ってるなら美味しいよね。ってわけでいただ「ちょぉぉぉっとまった!」

 

誰かが店の扉を物凄い勢いで開けた。黒い帽子に黒と白のエプロンドレスに金色の髪、ここまでくれば二人しかいないし、身長から言えば一人しかいない。

 

「魔理沙?!」

「急にどうしたんだ?」

 

闇乃もシロウもびっくりしてる。そうだよね。僕もかなり驚いたよ。

 

「いやー、なんかうまそうな匂いがしたから来てみて正解だったな」

「目ざといっていうか鼻ざといっていうか」

「明乃、そんな言葉ないよ」

 

それはそうだけどさ。

 

「だよね。でもさ、それ以上に今の状況を的確に表す言葉がある?」

「無いな」

「無いけどね」

 

だよねー。

この後、僕ら四人は普通にパエリアを食べるのだった。

 

 

―― 少女食事中。

 

 

「美味い!」

 

一口食べた魔理沙が嬉しそうに言った。よかった、料理人冥利に尽きるね。

 

「そりゃどうも、当然だよ。好物だもん」

 

好物なのに美味しく作れないとか普通は無いと思う。まあ、料理できない人もいるだろうけど。

 

「うん、僕も美味しいって思う」

「これはかなり良いな」

 

あ、本業料理人たちからも意外と好評価?

 

「お、二人の御眼鏡に適うってことはかなりいい?」

「だな。ふむ、明乃材料はまだあるか?」

「まあ、三日分は貰ったし まだあるよ」

 

結構もらったんだよね。個人的には物凄くうれしいけど、あの量を持って帰るのはちょっときつかったなぁ。

そんなことをつらつら考えていたら僕の返答を聞いてちょっと考えたシロウが言った。

 

「では、明日は私が本場の味をお見せしよう」

 

楽しみにするといいと続けるシロウに僕は聞いた。

 

「え、シロウってスペイン行ったことあるの?」

「まあ、色々とな」

 

まあ、なんか事情があってスペインに行ったことでもあるのかな? 正義の味方活動の一環とか。僕らの会話を聞いていた魔理沙が首を傾げた。

 

「すぺいん?」

「あ、現代にある国だよ。この料理はそこの国のなんだ」

 

幻想郷ってその手の知識あるわけないもんね。ある意味隔絶された場所なわけだし。

 

「へぇ、米使ってるから普通にある料理かと思った」

「まあ、米食の国ってそれなりにあるからね。米の種類違うけど」

 

本日の夕食はだいぶ賑やかだった。

 





ただひたすらにパエリア作って食べる話でした。それ以上でもそれ以下でもないただそれだけの話です。

シロウなら正直どこの料理も作れる気がするんだ。それからパニジェーラで合ってます? なんか妙にこの手の単語間違えること多いんでミスってたら訂正お願いします


弧狗狸さん、この場を借りまして拙作とのコラボにお礼を申し上げます。
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