ぺディグリーすかーれっと   作:葉虎

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突っ込みどころは多々あると思う。

だが、歩みは止めない。

神の一話は俺が極めるんだ。

どんな形にせよ。完結……とはまでは行かないかもしないが。

原作には入って見せる。

この作品でなくてもよい。

最終的に…1話……1話だけでいいから。

アニメでいう神回……のような素晴らしい話を書いてみたいものである。


第14話

 

だけど…

 

「どうしてこうなった?」

 

連れてこられた道場。

 

その中央で俺とオウカは木刀持って相対していた。

 

「第二ラウンドです。足の速さは残念ながら引き分けに…引き分けに終わってしまいましたから」

 

二度言うな。つか、オウカ自身負けを認めてるんじゃないだろうか?

 

つか…

 

「剣で勝負って……ちょっと卑怯だろ」

 

どう考えてもオウカが有利だ。まぁ、念を使えば話は別だが…

 

「そうですか?あなたならば大丈夫だと私の勘が言っています。よく当たるんですよ?それにクラン…あなたには強者が持つ独特の気を感じます。」

 

……それって念の事だろうか?念を知らないのにオーラは感じ取っている?

 

念を知らず、オーラを見る事が出来なくても念能力者のオーラを感じる事が出来る奴が居る。

 

つか、ある程度の生存本能がある奴なら感じ取ることが出来るのだが…

 

「行きますよ…」

 

言うや否やの踏込!

 

咄嗟の判断で木刀を捨て、腕で受ける。

 

振りなれていない木刀では防御が間に合わないと思ったからだ。

 

その結果…

 

「…ぐっ」

 

嫌な音がし、受けた腕の骨は砕かれていた。

 

……おいおい、マジかよ。

 

堅は使っていないとはいえ、纏は使っているんだぞ?

 

なんのオーラの籠っていない木刀の一撃で此処までのダメージを受ける理由が分からない。

 

幾ら鋭く、重い一撃でも…それでもオーラが籠っていない状態でオーラを纏った身体に傷をつけるのは難しい。

 

「…駄目ではないですか。木刀を捨てては」

 

呆れたように言うオウカの姿を伺う。

 

やはり纏は使用していない…だが……

 

「なっ!?」

 

木刀が薄らとオーラで覆われている。周を使っているのだ。

 

ちっ、油断した。

 

纏を使っていなかったせいだ。確かに意図的に纏を使わないという事は出来るし、纏を使用している居ないで念能力者を判断するのは聊か早計だったかもしれない。

 

【モグリの医者の愛用薬(ケミカルオブブラックジャック)】

 

能力を使用し骨折を治す。

 

今回変化させるのは名称ホネナオール。骨折全般に効く薬だ。

 

「……そうでした。あなたには超能力があるのでしたね」

 

白々しい。

 

「もう誤魔化さなくていいよ。まんまと騙された。」

 

一本気な…嘘がつけなさそうな性格だと思っていたが、とんだ食わせ物だ。

 

「騙すとは人聞きの悪い事を言いますね。そもそも何の事です?」

 

「念だよ。知ってるんじゃないか」

 

そうと決まったら、こっちもマジだ。

 

オーラを爆発的に開放し、堅を行う。

 

そして、増幅したオーラの3割を目に集中させ、凝を行う。

 

「もう隠さなくてもいい。何が狙いか分からないけど…」

 

流石に頭に来た。

 

基本はヘタレで逃げ腰な俺だけど…

 

此処までコケにされたら黙っちゃ置けない。

 

それに、念を見たところ俺よりも練度は低そうだ。

 

だからと言って油断はしないが……能力次第で優位はあっさりひっくり返る。

 

目下、俺が一番危険視しているのは操作系の能力者だ。

 

なんの条件で自身が操作されるか分からない。

 

隠を警戒して凝を使い、相手の様子を伺ったところで…

 

異変に気が付く。

 

「あ…あ……ああ…」

 

顔を真っ青にし、ブルブルと震えるオウカ。

 

俺の堅に対して、いまだに纏を使っていない。

 

これは自殺行為だ。

 

堅は練を維持する応用技。つまりは今の俺は通常よりも遥かに多いオーラで全身を覆っている。

 

防御力は言うまでもないが、この状態では攻撃力も通常より向上している。

 

そんな状態なのになんら対策を講じていなのだ。

 

それどころか俺のオーラに当てられつつある。

 

まさか…

 

「お前…本当に念を知らないのか?」

 

俺の問いにゆっくりとだがオウカは縦に頷いた。

 

……マジか?

 

ならさっきの周はなんだ?

 

………もしかして。

 

此処で一つの考えが浮上する。

 

念能力者の中にはそれと知らず念を使っている人間が少なからず居る。

 

世間一般では天才とかそれこそ超能力者とか言われている人種だ。

 

念の修行は当然しておらず、基本の四大行うち発のみを使っている人間も居たりする。

 

代表的なのでいえば、占い師であったネオン・ノストラードがそれに当たる。

 

オウカも念を知らないが…発……というか周を無意識のうちに行っているのではないか?

 

そんな仮説が浮かんだ。

 

つか可能なのか?

 

周は応用技だ。基本技を覚えていない状態で使うなんて…

 

まぁ、実際に周は使ってるんだ。本当に念を知らなかったんなら可能なのだろう。

 

っとと、ヤバいな。

 

そこで、堅をしっぱなしで無意識に殺気の籠ったオーラでオウカを威圧していたことに気が付き、堅を解除する。

 

念の為、円は使用して置く。

 

俺の回避が間に合う範囲の円だ。

 

「あ~~そろそろ止めにしね。色々勘違いしてたみたいだしな。怖かったろ?」

 

周を使っていたとはいえ、防御力からみれば殆どゼロに等しい。

 

微弱なオーラを浴びただけでも大怪我しかねない。

 

「こ、怖くはありません。こ、これは…む、武者震いです!!」

 

「いや、涙目になってるからな」

 

ふ~む。どう見ても演技には見えんな。

 

俺の指摘にゴシゴシと目元を擦るオウカを見てそう思う。

 

「そ、そんな事より、またネンとか言っていましたね?それにあの威圧感。……何か隠していますね?」

 

「い、いや……別に…ほ、ほら俺、超能力使えるからさ」

 

「……」

 

ジト目で見られる。

 

……はぁ、正直、迂闊だったかな。

 

さて…どうすっか。

 

このまま黙って居るべきか…でもなぁ。

 

「なぁ、一つ聞いていいか?オウカは最近、立ち合いとかはしてるのか?」

 

「なんです?藪から棒に……」

 

「大事なことだ。教えてくれないか?」

 

「まぁ良いでしょう。ここ数年…立ち合いなどはせず、一人で剣を振るっていました。」

 

「あのお父さんは?」

 

「父は怪我のせいでもう剣は握れない身体になっており…立ち合いなどは…」

 

ふむ…間一髪だったわけか。

 

あの自覚がない状態で立ち合いをしたら…非念能力者はひとたまりもない。

 

下手すりゃ稽古で死人が出かねない。

 

当面の目的は果たしたし…。

 

ハンター試験まで時間はあるしな……。

 

何より…オウカは性格こそちょっと残念なところはあるが…

 

貴重な黒髪和風美少女だしなぁ。

 

悪い奴には思えないし…

 

それに体術的には俺よりも遥かに上にいるオウカ。

 

念を覚れば結構な使い手になる。

 

組み手を行えば、俺の不足している対人戦闘の経験値もなるだろう。

 

「分かった。教えてやるよ念について」

 

取りあえず基本的な事を教えていく。しかし…説明を終えたところで

 

「信じられませんね」

 

まぁ、いきなりオーラだのなんだの言われてもそうだろうね。でも…

 

「う~ん…ほら、オウカの怪我が治ったろ、あれは俺の念能力だ。普通じゃありえないだろ?」

 

「そ、それはそうですが…それでも私にそんな力があるなど。」

 

超能力は信じたのにとも思ったが…そういう事か。

 

自分にも力があるという事が信じられないのか。

 

じゃぁ、自覚して貰おうか。

 

「ちょっと着いてきて」

 

俺はオウカを連れて、道場から庭へと移動する。

 

「あの木にさっき俺に放ったような一撃を打ってみて。ただし、直前で寸止めしてコツンっと軽く小突く感じで」

 

「……あれをですか。正直、あの技は体力の消耗が激しいのですが」

 

「何?やっぱりあれなんか特別な一撃だったの?」

 

「あれは剣を己の一部とした私が放てる最高の剣戟です。もっとも、体力と精神力が共に万全な状態で…しかも日に何度も打てるものではありません。先ほどの一撃も開始早々で体力が万全だったからこそ放てた一撃です……ですが、まぁ、あと一撃位ならどうにか…」

 

オウカは軽く目を閉じ…短く息を吐いたと思うと…

 

注文通りの一撃を放ってくれた。

 

寸止めした瞬間、木刀を纏っていたオーラが四散し始めたが、それよりも気に当たる方が速く。

 

チョンっと触れた瞬間、バキッと木の一部分が割れた。

 

「なっ!?ちょっとつついただけなのに…」

 

「ああ、今のはオウカの剣戟は完全に死んでた。本当に木刀で少し小突いた程度だ。それでもこの威力。分かったろ?これがオウカが無意識で使っていた念能力だ。」

 

「すごい……凄い!凄い!!」

 

子供のようにはしゃぐオウカ。こんな姿は初めて見た。だが、キチンと釘を刺しとかないと。

 

「分かったろ。この威力。念はむやみやたらに振るえば人を殺すことが容易にできる。だから、本来念は秘匿しなきゃいけない」

 

殺すだけならいい。よしんば手加減でもして相手が生き残った場合、相手が念に目覚める可能性もある。

 

無暗矢鱈に念能力者が増える事は好ましくない。

 

「さっきの念に無自覚なオウカなら意図せず人を殺してしまう可能性があった。だから、俺は念を教える事にしたんだ。だから教えるにあたって一つ約束だ。念をむやみやたらに広めない事。出来るか?」

 

「出来ます!!」

 

シュバッっと手を挙げて答えるオウカ。なんかキャラが違うぞ…。

 

「それで、どうすればいいの?」

 

「明日からにしよう。周を使って若干だが消耗しているから」

 

不満そうなオウカを宥めつつ、夕食が出来た事を告げに来た…理想の未亡人。サクヤさんの声で夕食をご馳走になり、宿に帰る。

 

明日10時くらいにまたオウカの家に行く約束をして……。

 

ふむ、それにしても。

 

オウカの父親は未だに意識を失っていたのだが…

 

大丈夫なのだろうか?

 

まぁ、オウカもサクヤさんも心配している様子はなかったで平気なのだろうが。




念を知らないのに発が使える人が居るならば…

周が使えてもいいじゃなーい。

といった感じで設定を盛り込んでみた。

周は普通に念を使うより疲れるのにいいの?とも自分で思ったりしたが。

剣の試合ってそんな長時間かかるものじゃないだろうと勝手に考えた結果。

敢行した。

あと、グリードアイランド編に向けて色々調べてるんだけど…。

指輪ってゲーム内に最初に入った段階で貰えるんだってね。どっかのサイトに書いてあった。

まぁ、それは良いとして、誰か魔女の若返り薬の入手方法を知っている方は居ませんかねぇ。

ってか、大半のカードの入手方法が分からないんですが…。

あれかねぇ、自分でイベント考えるしかないのかねェ。

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