ぺディグリーすかーれっと   作:葉虎

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時系列がおかしいかも…。

一応、年表はネットで見たんだけど…。

つかハンターハンターの年表に富樫さんの誕生日まで記されてたのには驚いた。


第15話

 

あ~…やってらんねぇ。

 

オウカに念を教える事になって早四日。

 

俺はやさぐれていた。

 

今俺はオウカの家に居候という形でお邪魔している。

 

部屋数は余っているし、宿から態々通うよりも効率がよく、さらにお金も浮くからとの事。

 

さらに、教えて貰っておいて何も返せないのも嫌だという事でオウカから提案され、俺もサクヤさんと……まぁ、あとおまけにオウカといく美人母娘と一緒に一つ屋根の下という環境に抗えずにお邪魔している。

 

あぁ…おっさんが邪魔だなぁ。

 

そんな事を考えつつも、ちゃんとやる事はやった。

 

別段、環境に不満は無い。

 

ではなぜ、俺がやさぐれているかと言えば、それはオウカにある。

 

あいつ…三日で纏を覚えやがったのだ。

 

三日である。

 

なんなの?もうやってらんないんですけど。

 

元々、周が使えたからかもしれないけど

 

嫌だ嫌だ。天才様と言うのは…

 

そんな感じでブツブツ言っていると

 

「はぁ…何を言うかと思えば、あなたがそれを言いますか。」

 

確かにね。俺の保有するオーラ量は普通に考えれば念能力者の中でもトップクラスだと思う。

 

なんせ、三人分。それも…爺様の保有していたオーラは恐らく規格外。

 

俺以上にオーラを保有している奴がごろごろいるとは到底思えない。

 

下手すりゃ、キメラアントの王様にも買ってるんじゃないかとも思ったりもする。見た事ないから断言は出来ないが…。

 

だが、それは所詮もらい物である。

 

俺が開発した能力。

【モグリの医者の愛用薬(ケミカル・オブ・ブラックジャック)】も多いオーラを無駄に使っているおかげで高い効能を発揮しているだけで…。

 

はっきり言って、継承前の状態の俺じゃ、まだまだだね。レベルだったのだ。

 

継承が無かったら、今の効能を発揮するまでどれだけ時間を費やしたことか…。

 

さらに、発だけではない。他の応用技も同様だ。

 

特に堅なんてもろに継承の恩恵を受けていたりする。

 

「何時まで拗ねているのですか、今日の鍛練を始めてください。」

 

ちくしょう。いいんだ……天才様にはどうせ俺みたいな凡人の気持ちなんて分からないんだ。

 

「はぁ、じゃぁ練でもやるか。あぁ、その前に纏の練習として毎日、纏の状態で生活する事を心がける事。あ、ただ漠然と纏をするのではなく、オーラの流れを意識して、粗がないか逐一チェックするんだ。俺も纏の状態で居るから参考に見比べてみてくれ」

 

これはお母様に言われた事。

 

俺はお母様の纏を参考に自分の纏を洗練させてきた……つもりだ。

 

「さて、その纏と並行して練を行う訳だけど。練は纏で使うよりも多いオーラを練りこんで放出し、纏で留めるイメージ」

 

「えっと…」

 

眼を閉じて身構えるオウカ。

 

「溜めて…」

 

「……っ」

 

「まだだ、まだ溜めて…」

 

「…っつ」

 

「!?今!!」

 

「っ!?はあっ!!」

 

ぶわっとオーラを放出するオウカ。そしてどうかそれを留めるが…

 

「留めるのが遅い。オーラが四散しちゃってる。それに練りこみも甘い。」

 

「初めてなのだから仕方がないでしょう!?」

 

それもそうか…

 

「あぁ、練の修行と並行して凝の修行も行う。纏を覚えた今のオウカなら俺のオーラも視認できるだろ?だけど、念が使えてもオーラを見えなくする高等技術がある。これは隠っていうんだけど…」

 

ピッと人差し指を立て、隠を使いながらオーラをある文字に変化させる。

 

「今、俺の指先からオーラを出して、ある文字に変化させているんだけど…見えないだろ?」

 

「……えぇ、悔しいですが」

 

「これが凝を使う事で見えるようになる。こんな感じ。」

 

見本で凝を行って見せる。

 

「こんな感じ。最初はきついかもしれないけど、慣れてくれば凝を行った状態でも戦闘が可能。つか、凝を使用した状態で戦闘が出来ないなら念能力者と戦うのは避けた方が良い」

 

堅、凝、流の練度がある程度高くないとあっさり死にかねない。

 

「まぁ、これは凝を覚えてからの話だから一先ず置いておく。んで、話を戻すけど練で増幅したオーラで凝を行い、俺のオーラが見えるようになったら練と凝はクリア。」

 

それが終わったら発だな。

 

絶に関しては教える必要がなかった。

 

なんか当たり前のように

 

「気配断ちの事ですか?それならできますが」

 

とすんなり絶を披露されたからだ。

 

……嫌だ、嫌だ天才様は。

 

どうせ練も直ぐに覚えるんだろ?

 

 

その俺の予感は二日後…

 

ピッと指を立て…

 

「と…とぅーす。と書かれているように見えます。どういう意味ですか?」

 

あっさり当たった。

 

嫌だ嫌だ。本当天才ってのは…。

 

 

「はぁ…んじゃ、次は発の修行に入る。」

 

よいよ発である。つか、此処まで来るのに約一週間て…

 

止めよう。もう考えるのは。

 

そう考えつつ、六性図を書き系統に付いて説明する。

 

「で、その系統を知るために行うのが水見式だ」

 

「このグラスに対して練を行えばよいのですね?」

 

はてさて、オウカの系統は……。

 

 

チロチロと水が溢れだした。ふむ、強化系か。

 

薄々そんなような気がしてたが…性格的に。

 

「水の量が増えるのは強化系だ」

 

「強化系……いいですね。最も私に適していると思います。ちまちましたのは好きじゃありませんし、やはり勝負するなら正々堂々。斬るか、斬られるかです。」

 

ふんすーと気合を入れるオウカ。やめてくれ折角の美少女が台無しじゃないか。

 

あぁ、見た目だけなら大和撫子なのに。

 

「所でクランは何系統なのです?」

 

「あぁ、俺は変化系だ。」

 

あっさり答える。【モグリの医者の愛用薬(ケミカル・オブ・ブラックジャック)】を見られている以上、隠していても仕方がないからだ。

 

「あぁ、一つ言っておく。自分の系統は他言するな。もちろん俺の系統も他者には黙っておけ」

 

「……?何故です?」

 

「系統がしられると戦闘面で不利になる。ほら、ことわざでもあるだろう。『敵を知り己を知れば百戦危うからず』己はどうしようもないけど、自分の情報…相手にとっては敵の情報になるわけだが、それを知らなければ、百戦危ういって事だ。」

 

まぁ、知られた所で対策の練りようがない能力を作れば、問題ないと言えば無いんだけどな。

 

「なるほど…納得しました」

 

「よし、んじゃ後は纏と練を繰り返して、練度を挙げろ。水見式でもっと爆発的な変化が起こるようになれば発はクリアだ」

 

まぁ、こいつなら後一週間もすればものにしそうだが…。あ、そうだ。

 

「あと今日は俺の能力の実験台になって貰う。あぁ、そう身構えるな。危ないとかそういう事は無いから。まぁ、念能力がどれほど恐ろしくて理不尽な物か参考になると思う」

 

一つ試したいことがあった。

 

それは、爺様の能力で詠唱を唱えたはいいが、能力の確認が出来なかった為だ。

 

まぁ、確認のためには相手が必要だった訳で。

 

「あっとその前にトイレに行ってくるからちょっと休憩な」

 

そう告げ、道場を出る。

 

そして、戻る際にこっそり詠唱を完了させておく。

 

 

ーー

 

ものみな眠るさ夜中に

In der Nacht, wo alles schläft

 

 

水底を離るることぞうれしけれ。

Wie schön, den Meeresboden zu verlassen.

 

 

水のおもてを頭もて、

Ich hebe den Kopf über das Wasser,

 

 

波立て遊ぶぞたのしけれ。

Welch Freude, das Spiel der Wasserwellen

 

 

澄める大気をふるわせて、互に高く呼びかわし

Durch die nun zerbrochene Stille, Rufen wir unsere Namen

 

 

緑なす濡れ髪うちふるい

Pechschwarzes Haar wirbelt im Wind

 

 

乾かし遊ぶぞたのしけれ!

Welch Freude, sie trocknen zu sehen.

 

 

創造

Briah―

 

 

拷問城の食人影

Csejte Ungarn Nachatzehrer

 

 

 

「さて……それじゃ行くぞ」

 

俺は身構えるオウカに無造作に近寄る。

 

「……?何をする気ですか?」

 

「大丈夫。痛いとかそういう事は無いから」

 

えっと、位置を調節して……よし。

 

「ふむ…オウカ。動いてみ」

 

「?……なっ!?身体が……」

 

能力はちゃんと発動しているみたいだな。

 

 

拷問城の食人影

チェイテ・ハンガリア・ナハツェーラー。

 

効果は「自分の影に触れた者の動きを止める」だ。

 

だが…

 

「し、正直凄まじい能力だとは思いますが……戦闘中、此処まで接近するのは困難かと」

 

そうなんだよなぁ。しかも影の出来具合にもよるし。

 

戦いの中で相手に自分の影に触れさせるののはえらく難しい。

 

つか、できるならこんな回りくどい力は使わず、他の能力を使うだろう。

 

……残念ながらこれは封印だな。

 

 

俺は能力を解除し、付き合ってくれたオウカに礼を述べた。

 

 

 

そしてその頃…

 

クルタの里では…

 

幻影旅団のクルタ族虐殺が行われていた。

 

俺がそのことを知るのは、暫く後の事になる。




みんな大好き合法ロリ…ルサルカお婆ちゃんです。

ですが、能力は微妙な感じ……。

あれなんですよね。ルカルカの能力は創造+影を自由に操れる魔術のコンボがあるからこそ絶大な効果を発揮するわけで…。

創造はあくまで相手の動きを止めるだけの能力。ですのでこの詠唱で発言するのはそれのみ。
影を操るのはまた別の能力が必要……たぶん、操作系の能力で自分の影を操る能力を開発すれば、使えるようになると思われ。

原作知らない人はごめんなさい。別の能力で影を操る力があって、それは再現できないんだー。程度の認識でいてください。




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