ぺディグリーすかーれっと   作:葉虎

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第17話

 

シソの木内部にてナビゲータのエレナさんからグリードアイランドの説明を受け、指輪を貰った。

 

そして、其処を出ると見渡す限りの草原。

 

さて……どうしよう……。

 

「取りあえず北に行ってみよう」

 

サクサクと草原を歩き始める。

 

なんか久しぶりだなぁ…こういうの。

 

道中、見知らぬ人何人かにスペルカードを使われた。

 

グリードアイランドのスペルには対象を害するようなような無いはず。

 

多分、調査系のスペルカードだ。

 

ならば問題ない。

 

今回、俺はまともにグリードアイランドを攻略するつもりは無い。

 

欲しいのは魔女の若返り薬だが…カードじゃなく実物が欲しいのでバインダーに仕舞うつもりもない。

 

だから何を知られても別段困らない。

 

とはいえ、やっぱり煩わしい。

 

スペルをキャンセルするカードが手に入り次第使っておこうと思う。

 

そして、草原から北に歩く事しばし…

 

町に着いた。

 

懸賞都市アントキバ。

 

まずやる事は…金稼ぎだろう。

 

何をするにもお金は必要。だが、手持ちのジェニーは使えない。

 

方法は…やっぱりゲームっぽく。

 

モンスターを倒して売るとしよう。

 

 

アントキバから北の岩石地帯。

 

取りあえず遭遇したモンスターを片っ端から倒していく。

 

【幸福の青い鳥の鳥籠(ハピネスアレスト)】で結界を張っているので、誰か来たら直ぐに分かる。

 

どうやら、この辺りにプレイヤーはいないようだ。

 

結界には円の効果があるので誰かが来たら直ぐに分かる。

 

なので、とりあえずプレイヤーは気にせずモンスターを倒すことに集中する。

 

しっかし…

 

「思いのほか強かったんだな。俺」

 

この辺りで苦戦するようなモンスターは居なかった。

 

フリーポケットの容量が埋まるだけモンスターを倒して、アントキバに戻り換金する。

 

そのお金で島の地図、マサドラへの行き方とアイアイの行き方を聞き、地図上で大体の場所を確認する。

 

その後は食料と水を買い込んで…

 

「んじゃ…行きますか」

 

とりあえずマサドラへと向かう。

 

道中、ちょっと気になる事があったので実験してみた。

 

上手くいけば、クリアしなくてもアイテムを持ち帰れると思ったんだが…

 

「……やっぱり甘くないか…」

 

試したかったこととは【強欲な小学生の巾着袋(ジャイアニズムポーチ!)】にこの中で手に入れたアイテムを入れたらどうなるか?だ

 

そこら辺の石をカード状態とカード化解除状態の両方で試してみたが…

 

「…入れた瞬間、消滅してるみたいだな」

 

何らかのセキュリティが働いているんだろう。

 

念の為、確認したがグリードアイランドの外で巾着袋に入れた食料などは普通に取り出せた。

 

「まぁ、今はこの恩恵だけで良しとしよう」

 

ある程度、買い為て置いたので多少の節約が出来る。

 

「アントキバで食料買ったのは勿体なかったかな」

 

 

 

マサドラへ着き…余った金でスペルカードを購入してみる。

 

離脱のカードこそ手に入らなかったが、道標が手に入った。

 

そのままトレードショップに行き、魔女の若返り薬のNoについて聞き…。

 

「道標オンNo.065」

 

さて…まずは魔女の若返り薬を手に入れるとしよう。

 

 

 

 

俺が此処に来てから半年が経過した。

 

そしてようやく…

 

「魔女の若返り薬…ゲットか」

 

ゲットしたはいいが、限度化枚数が超えていたのかカードにならなかった。

 

だが、問題ない。

 

俺が欲しいのは実物だから。

 

魔女の若返り薬…というか魔女系のカードの入手方法は、とある場所に一人で住んでいる魔女を訪ね、その魔女の出す願いを叶えつつ、薬の材料を取ってくるというクエストをこなさなければならなかった。

 

「……長かった。ちくしょう…あの婆ぁ…こき使いやがって」

 

だがそれも今日までだ。

 

ようやく…手に入れたぞ。

 

確か一粒で1歳若返るんだったな…。

 

取りあえず一粒飲んでみる。

 

「……ふむ」

 

飲んでから色々試してみたが、若返るのは肉体のみ。

 

知識や記憶はそのまま。

 

念に関しても向上した分はそのまま残っていた。

 

本当に若返るのは肉体のみのようだ。

 

そのせいで、筋力はほんの少し衰えたが……。

 

「……今は飲まず、もうちょっと年取ってからの方が良いな」

 

折角手に入れたが、無駄足になりそうだった。

 

今飲んだら修行した分が無くなりそうだ。

 

なので年を取り始めた頃…それこそ衰え始めたら飲んだ方が良い。

 

今更気が付いたが、お年寄り向きの薬だった。

 

「なんだったんだろう…俺の三ケ月」

 

まぁ、各地を回ったので地図は埋まったし、様々な情報も手に入ったが…。

 

「もういいや。癒されよう……再来オン…アイアイへ!」

 

そして……そこはまさしくパラダイスだった。

 

年上、同い年、年下。

 

爆乳、巨乳、貧乳、無乳。

 

ロング、ショート、ツインテ、ポニテ

 

挙げればきりがない。

 

が…そこには男の夢があった。

 

 

 

 

アイアイに来てからどれほど経っただろう。

 

取りあえず三人ほど攻略してみた。

 

攻略とは告白を相手が受けてくれるまでで…

 

それが成功すると、攻略した女の子のカードが手に入るのだ。

 

……こちらも期待外れだ。

 

「システム上…仕方がないとはいえ……むなしいな…」

 

ショックだったのは1人目の宿屋の年上のお姉さんを攻略したのち、二人目のパン屋のウエイトレスを攻略していた時だ。それを目撃したのは。

 

それは、俺の告白を受け入れてくれた。一人目のお姉さんが……別の男と仲睦まじくしているではないか。

 

当然、俺の事は覚えておらず……。

 

分かってた……分かって居たさ。

 

所詮はゲームのキャラだ。リセットされ…他のプレイヤーと恋に落ちるのも……。

 

まぁ、今は割り切れてるんだけど……。

 

問題はそこじゃない。

 

一番文句を言いたいのは…

 

「告白で終わりって……」

 

偶々、そういうキャラなのだと思い、三人を攻略してみたがやっぱり、告白どまりなのだ。

 

こちとら、その先のムフフな展開も期待してたっていうのに。

 

だが希望はある。それは…

 

「どうだクラン氏調子は?」

 

「あぁ、やっと…三人だよ」

 

声を掛けてきたこいつ…自称アイアイマエストロ。

 

オリバーだった。

 

細い体に眼鏡をかけた……オタク系の男子である。

 

そして何かと馬が合い。今ではそこそこ仲の良い友達という関係。

 

そんなオリバーからの情報で…

 

クリアした女の子のカードを十枚貯めたのち、アイアイのショップに売っているフォトアルバムの最初のページに1枚、残りのページに9枚をセットする事で……。

 

9枚の女の子カードを犠牲にし、最初のページの女の子とその先の展開……真ルート…

R18イベントもあるよ?に突入すると言うのだ。

 

「まだ3人かい?もうちょっと攻略のペースあげたら?何時、真ルートに行けるか分からないぞ」

 

「とは言っても…」

 

「ほら、念の修行してるっ言ってたろ?その時間を女の子に使ってさ。同時攻略すれば……」

 

「いや、それは無理。」

 

なんか転生し、念を覚えてから殆ど毎日やってたせいか。

 

やらないと落ち着かないのだ。

 

「まぁ、その辺りは自由だけどな。あぁ、そうそう。今度、年越しパーティーをやるんだ。よかったら来ないか?」

 

ふむ…年越しパーティーか……。って、えっ?年越し?

 

「……今、何て言った?」

 

「だから、年越しパーティーやるから来ないかって?」

 

……しまったーーー!!

 

ハンター試験の事……忘れてた。

 

……いや、今からなら間に合う。

 

だが、問題はカードデータが消えてしまう事だ。

 

「……オリバー。お前を同士と見込んで頼みがある」

 

「ん?なんだ藪から棒に…」

 

「俺は今からグリードアイランドを出る。外で用があるからだ……。でだ……預かってはくれないか?」

 

「……なっ!?それはお前の……そうか。俺をそんなに信頼してくれるのか……。いいぜ、此処で断ったら男じゃねぇ」

 

俺は渡す。アイアイに来てからの成果……。

 

攻略した三人の女の子のカードを…。

 

「頼んだぜ?オリバー」

 

「あぁ!行って来い。同士クラン!」

 

グッとサムスアップして…

 

俺はグリードアイランドから出る為に港へと向かった。




グリードアイランドは真面目に攻略するつもりがないので、特に細かく書きませんでした。

また後で…今度は真面目に攻略する際に書こうと思います。


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