ぺディグリーすかーれっと   作:葉虎

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Arcadiaに投稿してた分は此処まで。

ストックは後2話ほどあるからボチボチ挙げていこうと思っています。




第6話

……幻影旅団対策の第一歩として襲撃の時期を予想しなければならない。

 

そのため、クラピカの情報を入手しその時期を割り出そうと情報収集をしようと思っていた訳だが…

 

「僕の名前はクラピカって言います」

 

目の前で女顔の物凄い美少年が若干緊張しながら自己紹介をしている。

 

性格はまったく異なっているが、原作で見たクラピカの面影がヒシヒシと伝わってくる。

すなわち…

 

「な、ナンデストーーー!?」

 

 

大声をあげた俺は当然の如く、ジェロさんに説教された。

 

んで、説教が終了し帰路に着いている。

 

今日は共に学ぶ者たちとの顔合わせと自己紹介で、明日から本格的に勉強を始めるらしい。

 

まぁ、それはいい。それはいいが…

 

こんな不意打ちあるかよ……

 

俺は歩きながら今日会った事を整理する。

 

と言っても単純だ。

 

学校へ行き、教室に続々と生徒が集まってきて……その中にどっかで見覚えのある奴がいるなーと思っていた処で自己紹介が始まり…

 

その俺の疑問は見事解消された訳だ。

 

そして、肝心のクラピカの情報。

 

見た感じ俺と同年代。性格が多少原作と異なっているのは、子供という部分があるのと、原作のクラピカは虐殺という経験から形成された性格のためと思われる。

 

まぁ、後者はどうでもいい。問題は前者。俺と同年代という部分。

 

以前考えていた、クラピカが生まれる前に転生して生まれるまではのほほんと生きる。

 

あわよくば天寿を全うと言う。考えは脆くも崩れ去った。

 

幻影旅団の襲撃が、大体クラピカが10~12歳程度の頃だと原作から推測し、そこから逆算すると…

 

猶予は後、3~5年…

 

早急に幻影旅団対策を練る必要が出てきた。

 

 

 

翌日から始まった授業。と言っても俺が学ぶのは文字とか歴史くらい。

 

算術や理科のような事も学ぶのだが、仮にも前の世界でその辺りは学んできたので正直、学ぶ必要がない。

 

文字や歴史は元居た世界と違うので新たに勉強する必要があるのだ。

 

そんな訳で、算術や理科の授業中は幻影旅団対策に頭を悩ませる時間となっていた。

 

ここ数日でいくつか案は考えたのだが…

 

案1

 『戦って殲滅!』

 

結果的にはこれがい一番いいのだ。後顧の憂いも無くなるしな。

 

だがしかし!実際問題としてそれは不可能だ。

 

いくら念を覚えたからと言ってあんな変態的強さを持った集団に勝てるわけがない。

 

いや、一人、二人なら何とかなるかもしれない…

 

何故なら、俺は奴らの能力を知っているというアドバンテージがあるからだ。

 

フィンクス、フェイタン、ウボーギン……あんな戦闘用の念能力を使用する奴らではなく

パクノダとかコルトピとか…そういった活動を補助する連中ならば俺の発次第で勝機はある。

 

問題は相手が集団だって事だ。

 

仮にタイマンで奇跡的に一人を倒しても次の奴に負ける。

 

まぁ、こちらもクルタ族という集団で奴らと相対するのだが…原作でウボーギンが言っていたように善戦はするだろうが結果的には全滅する。

 

はっきり言って戦力差があり過ぎだ。

 

よって実行不可能につきこの案は却下。

 

戦うと選択肢がない場合、生き残るために取れる手段は一つしかない。

 

すなわち逃げる。

 

この案は直にでも実行可能だ。とりあえずカラーコンタクトで緋の眼を隠せばクルタ族だという事がバレずに生活できる。

 

問題となるのが、生きるための金…なのだが、念を覚えた俺には当てがあった。

 

天空闘技場…

 

200階まで勝てば2憶円手に入るということと、200までは念がなくとも勝てるというのは原作でも分かっている。

 

まぁ、そのほかにもハンター試験を受けてライセンスを売っぱらうという手もある。

 

ハンター試験も天空闘技場同様。念を使えないものが多い。

 

ゴン達が受験した時も、念が使えたのはヒソカとギタラクル…つかイルミの二人位だしな。

 

これらの案から金を入手するのはさほど難しくない。

 

ならば、すぐさま逃げるべきなのだろうが…

 

お母様を置いて行く訳には行かないしな……

 

俺は己の力を過信してはいない。念を覚えた処で出来ることは限られている。

 

放置すればクルタ族はクラピカ以外は皆死に絶える。が、それを救おうとは思わない。そんな正義感も力も俺には無い。

 

いつかくる別れのために必要最低限の会話を避け、人との接触も行わないように心掛けている。情が移らないように…

 

だが、お母様だけは違う。この世界で俺がただ一人愛し、守りたいと思う大切な存在。家族なのだ。

 

だからこそ、お母様だけは助けたい。

 

しかし、お母様はここから動くつもりは無いようなのだ。

 

その気持ちは分かる。今まで暮らしてきた土地と捨てるには相応の理由が必要だろう。

 

幻影旅団の襲撃というのはその理由に十分当てはまるだろうが、信憑性が無いし、説明のしようがない。

 

さて…どうしましょ……

 

 

 

俺が学校に通う事になってから数か月…

 

一人部屋でため息をつきながら旅団対策について考えていた。

 

だが、有効な対策は思い浮かばず…収穫と言えば……

 

【強欲な小学生の巾着袋(ジャイアニズムポーチ!)】

 

かの名言の一部。俺のものは俺のもの。から生まれた名称である。俺の具現化系の能力だろう。

 

具現化したのはオレンジの巾着袋と、黒いノート

 

互いは紐で繋がれおり、まずはノートを手に取って開く。

 

見た目は名前を書かれたら死ぬという某ノートに似ているが、これにはそんな大層な能力はない。

 

パラパラとページを捲り、カテゴリの項目から飲み物を選ぶ。

 

といっても、水、カル○スもどき、カ○ピスソーダもどき、お茶くらいしかないのだが…

 

そこから、気分的にカル○スソーダもどきにしようと思い、ノートを閉じる。

 

今度は、巾着袋の中に手を突っ込み…

 

「カルピ○もどき~~」

 

国民的に有名なダミ声で宣言!

 

すると…なんということでしょう!

 

巾着から手を抜けば、その手にはグラスに注がれたカルピスソーダがあるではありませんか!

 

俺の具現化系能力【強欲な小学生の巾着袋(ジャイアニズムポーチ!)】は、巾着袋に入れたものを、入れた時の状態そのままで無限に収納できる能力だ。いや、だった。

 

最初に具現化に成功した、巾着袋に様々な物をぶち込んでは取り出し、「うぉお!便利じゃね?」とかはしゃいでいたのだが…

 

何が入ってるか忘れちゃうんだよねー(笑)

 

んで持って生まれたのがあの黒いノート。能力は単純、ただ入れてある物の名称が勝手に記載されていくだけ。

 

まぁ、それだけじゃなんなので、検索、ソート、カテゴリ別に分類。などの機能も搭載したのだが、念としてはそんなに難易度が高い訳ではなく比較的容易だった。

 

 

ノートは巾着と連動しているため、ひとつの能力とした。これが

 

【強欲な小学生の巾着袋(ジャイアニズムポーチ!)】である。

 

結構使い勝手がいい能力だが、能力自体は結構すんなり付加する事が出来た。まぁ、ある程度の制約はあるけど…

 

具現化系に必要なのはイメージ。そして、俺のオタク脳には、かの有名な青狸型…じゃなかった…ネコ型の青狸ロボットのポケットがあったためだ。

 

まぁ、そこであの青狸は膨大な道具の数々をすべて記憶しているという衝撃な事実に、直面し、数日間苦悩したのだが……その程度で、概ねスムーズに覚えることができた。

 

ちなみに、俺が覚えた念能力は未だこれだけ。メインディッシュである変化系の能力は覚えていない。

 

その理由はこれまで行ってきた基礎修行にある。

 

俺の属性は変化系。ゆえに変化→強化→変化→具現化→変化のローテーションで系統別の基礎修行を行ってきた。

 

変化形はオーラを数字の形に素早く変化させる訓練。

 

強化系は一個の石を強化し、他の石を次々と割って行く。

 

そして、具現化系だが…

 

はっきり言って、ビスケ先生が系統別修行の際に具現化系に関する部分に触れていなかった……いや、もしかすると触れていたのかもしれないが、俺が覚えていなかった為に、クラピカみたいにイメージ修行を行うことにしたのだ。

 

んで、思い立ったのがどっかのSSでみた能力。物が無限に詰め込める物を具現化してたやつ。

 

ちょうど、家にあった巾着袋(お母様の香り付き)を見つけたので、それをベースにすることにした。

 

それから…巾着袋を被ろうとしてみたり、食べようとしてみたり、舐めまわしたり、弄り倒したり、匂いを嗅いだりと…傍から見たら奇行極まりなく、病院行け!と突っ込まれそうな修行をし……

 

その甲斐あって、俺は巾着袋の到達点に辿り着くことができ、具現化に成功したのだ!!

「ブック…」

 

回想に浸りながら、カルピスソーダを飲み一息ついたところで、巾着とバインダーを消す。別にブックとか言わなくても消せるんだが、まぁ、グリードアイランドぽい雰囲気を出してみた。

 

でも、グリードアイランドか……

 

「行ってみたいな。恋愛都市アイアイに…」

 

速攻で女の子と仲良くなれる……まさに夢の都市。

 

えっちな事し放題に違いない。

 

ん?待てよ。これって…

 

「旅団対策に繋がるんではないだろうか?」

 

確かグリードアイランドは、現実世界で念を使用しまくったことで実現しているゲームである。

 

プレイヤーは、グリードアイランドが入ったジョイステーションの前で発を行う事で、グリードアイランドの舞台となっている島にテレポートする事が出来る。

 

すなわち、一瞬で此処から逃げられるということだ!

 

さらに言えば、旅団がグリードアイランドの存在を知ったのは原作で、クラピカが色々旅団に対してちょっかいを出した後である。

 

と言う事はだよ。現時点で世界で一番安全なのではないか?

 

何せ、道端でばったりと旅団に遭遇と言うリスクがなくなる。

 

それに、正規の方法でグリードアイランドから出る場合は、登録してある港にテレポートして貰える。

 

逃げるに打ってつけだ!

 

「おぉ、まさに安息の地!果てなき理想郷(アヴァロン)ではないか!」

 

恋愛都市アイアイにも行けるし、一石二鳥である。

 

そのゲームにお母様も誘えば……二人で逃げられるしな。

 

真実を知らない、お母様はテレポートとは思わずにゲームの中に入ってしまったと考えるはずだし……しつこく頼めば一緒にやってくれるだろう。

 

最後にジョイステを隠してしまえば、旅団にもバレないだろう。おぉ、まさに完璧な作戦。

 

「こうしてはおれん。詳細を詰めないと!」

 

巾着の中から筆記用具を取り出し、計画をまとめていく。

 

計画は大体こんな感じ…

 

フェイズ1

 ジョイステ&グリードアイランドを入手。

 

フェイズ2

 ジョイステを隠すための時限式の装置を作成

 

フェイズ3

 お母様を説得し、グリードアイランドをプレイさせる。

 

フェイズ4

 装置を作動させ隠す準備を整えた後、お母様の後を追う。

 

 

……ふむ、一番の問題はフェイズ1だな。

 

ジョイステは兎も角、グリードアイランドの入手。

 

発売価格幾らだったっけ…確か、56憶?

 

子供の小遣いで買えるレベルではない。となると……

 

「パクるしか無いか……」

 

正直、気は進まないが生きるためだ…手段は選んでいられない。

 

だが、まだ問題はある。

 

「どうやって、お母様に長期外出の許可を取るかだよなぁ……」

 

しかも、最近風邪を拗らせたのか元気がなく、咳をすることが多いし……

 

「とりあえず、お母様が元気になってからだな」

 

それまでにもっと強くなって、戦闘用の念を覚えないと。

 

グリードアイランドがパクるにパクれない。流石に、巾着袋だけじゃ心もとない。つか、無理。

 

まぁ、今後の方針が決まっただけでも良しとしますか!

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