BLEACH《新たな歩み》 作:白黒
車に轢かれた竜也は、いま道路の真ん中で大の字になっていた。
なぜ体が少し透明になってるのか。どうやら幽体離脱をしてしまったらしい。そして本体は足元にある。
腹部から血が出ていて、右腕はもう赤い。そして…鎖か?これ。胸に何かが付いている。
「なんだこれ…なんか蓋半分開いてるんだけど…死にそうってことか?」
浴槽の水抜きに使っている蓋が自分についている。鎖は自分の体と繋がっていた。
「ま、とりあえず戻るか」
このままいるのも良いとは思えないので本体へと戻ろうと本体の上に乗った時、一人の少女が驚いた顔でこちらを見ている。
「あ…」
「…」
初対面でなにを話せば良いのだろうと思い目が右へと泳ぐ。というか、話せるのか?
「あのー、見えてます?」
「…」
(あ、これ見えてないやつだ。戻って救急車呼んでもらおう)
「ぷは!いった…ぃ…」
本体へと戻ると、息をしていなかったためか、肺に凄い勢いで空気が入る。と同時に腹部に強烈な痛みが走る。
「だ、大丈夫…ですか!?」
「あーちょっと轢かれただけだ…いっ…」
「ちょっとって…今救急車呼びますね!」
少女は少し離れ電話する。
その後すぐに救急車が来て、病院に行った。結果は肋骨一本を軽く亀裂が入っていて、腹部は軽く切れてただけだった。医者もびっくりしていたがどうしてだろう。
その日は学校を休み、家で安静にしていた。
その後
生活中には色々な…人と言えばいいのか?
浮いてる人、透けてる人、すり抜けてる人。幽霊…と言えばいいのか。あの日の幽体離脱のせいなのかわからないが見えるようになった。
「あーわっかんねぇ…」
テスト前日、この苦しみはいつ終わるのか。そんな大事な事を頭の隅に考えながら数学の教科書とノートを開き、部屋の窓を横目で見てしまう。
そのとき、竜也は窓を二度見してしまった。
外に突然、顔には骨のような仮面をつけた大きく黒い怪物が現れた。
「え…」
言葉を失う。
今にもこちらに拳で殴ってきそうな雰囲気だ。いや、こちらに向かって手が伸びている。パリィンと窓が割れ、竜也に怪物の手が伸びる。
「やめろ…おい…う…」
竜也は壁際に逃げるが、あっさりと捕まってしまい、口へと運ばれる。
「おい!嘘だろ!やめろ!」
必死に抵抗するが、全然意味がない。
そして、音も無く竜也は怪物の口の中へと入ってしまった。竜也は落ちていき、胃の中にあった刃物が竜也の胸を貫く。
「うぐ…な…ん……だ…よ。お前は」
そこにいたのは黒の服の男。自分の前に飲み込まれたらしい。着ている服はボロボロになっており、右腕は無くなっている。
男は竜也に刺さった刀を再度握り、
「いいタイミングだ。俺の代わりに死神をやってくれよ…坊主…」
「死…神…?」
竜也を中心に光が広がった。
「おい。これなんだよ…」
目の前の男と同じ服を着て腰には刀が付いている。
「死神だ。今日からお前は…」
「なんだよ死神って!」
「こいつを倒せばわかる。すぐにな…あーこれで任務は達成したん…だ…眠らせて…」
男は静かに目を閉じた。
「おいじじい!死ぬんじゃねぇぞ!おい!」
男の心臓は動いていない。呼吸もなく、本当に死んでしまったようだ。
「くっそ…とにかくこいつの腹をこれで斬れば…」
腰の刀を抜き、怪物の腹を縦一直線に斬る。
グガアアアア!
「よいしょっと…うぅ気持ち悪い…」
怪物の腹の中にいたので身体中に怪物の体液がべっとりついている。
「おい。じじい!死ぬんじゃねぇぞ!おい!なんだよこれは!」
竜也は男の心臓近くを思いっきり叩きながら言う。それでも男が目覚めることは無かった。
すると先日、竜也が拾った物から声がした。
「よし。繋がったぞ!」
声からして男だろう。なにか急いでるのか、それとも電波が悪いのか音質が悪くプツプツと雑音混じりの声が聞こえた。
「おい。誰か出てくれ。くそ!繋がったのはいいけど誰も出てくれねぇぞ!」
声の主はまるで天から地獄に落とされた雰囲気を出しながらも、誰かに繋がることを願っているようだ。
「俺は…竜也…なんだよこれは…」
目の前で人が死ぬのを見るのが初めてな竜也は声を出すだけで精一杯だった。
「竜也…そうか。成功したのか。今救援部隊を送る。そいつらの指示に従ってくれ」
「わかり…ました…」
その後、すぐに救援部隊が来て竜也を連れて何処かへと消えるように行ってしまった。
《死神の力を貰う》
原作では一護が二回ルキアから死神の力を貰ってますが、なにかの条件がないか調べてみましたが…トホホ…
結果、情報はゼロでした泣
自分の中では霊力がある人は貰うことができると考えてますが、本当のところはどうなんですかね笑
ん!竜也くん!?あなたもしかして…
まぁそれについてはこれからわかってくると思います。
あと、読んでくれた方!本当にありがとうございます!
作中におかしい点や指摘などありましたら、感想お願いします。
どんなに厳しい指摘でも耐えられる…と思います。
それでは〜また次回!
…(出せるかな…)