この素晴らしい魔王軍に人間を!   作:ケーマー

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人物紹介

主人公「アニル」

年齢
18歳

身長173㎝の黒髪の青年。
人形のような冷たい黒目をしているが、それ以外は取り立てて言うことがない至って普通の顔立ち。引きこもりなので運動はしないが、能力のおかげでずっと体つきが変わらないので、短距離走者のような引き締まった体をしている。



この引きこもりの幹部にお仕事を!

あるところに1人の少年がいた。

その少年はどこにでもいるような普通の少年だ。

4人家族の長男で、父親と母親と妹と人口100人にも満たない小さな村に住んでいた。

 

その少年の名は『アニル』といった。

アニルは人見知りだった。友達というものは1人もおらず、会話自体家族以外とあまりしなかった。そのせいで外に出る事もあまりなかった。しかしアニルはこの生活に満足していた。

 

何故ならアニルには妹がいたからである。

妹の名は『ニーチェル』。アニルより2つ年下で8歳である。ニーチェルはアニルとは対照的な性格だった。明るく、いつも笑顔で、初めてあった人でもすぐに仲良くなるような友好的な性格だった。

そして何より兄思いであった。アニルの事をいつも気にかけていて、たとえニーチェルが声をかけ、アニルが素っ気なく返したとしても、いつも笑って声をかけ続けた。

 

そんなニーチェルのことがアニルは好きだった。

もちろん恋愛的な意味ではなく、家族的な意味でだ。

もちろんニーチェルもアニルのことが好きだった。

 

2人は幸せだったのである。

 

この生活が

 

過ごす時間が

 

当たり前の日々が

 

 

しかしそんな幸せな日々は

いとも簡単に崩れ去ってしまうのであった。

そう、それはまるで

無造作に組み立てられた積み木のように…

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

「……い、おい、おい!起きろ!」

 

「ん…んぁ?」

 

目覚めが悪い…なんだこの男の声は…

 

「おい!起きろっていってるだろ!早くしろ!」

 

俺は眠い目を擦りしぶしぶ布団から顔を出した。するとそこには漆黒の鎧を着た騎士が立っていた。

 

こいつか…俺の安眠を邪魔する奴は

 

「こんな朝っぱらからなんだよベルディア?」

 

俺の部屋に来て、うるさく声を上げている奴の名はベルディア。魔王軍幹部の1人であり、デュラハンだ。

 

「朝っぱら…朝っぱらだと!貴様!今何時だと思っている!自分の目で確認してみろ!」

 

んー

 

「8時?」

 

「ふざけるな!」

 

ベルティアは俺の目の前に自分の首を突き出す。

 

「3時だ!3時!午後の3時!何が朝っぱらだ!もう1日の半分は終わったわ!」

 

俺はとっさに耳をふさぐ。

 

「目の前で大声を出すなよ…耳が痛いわ…」

 

ベルディアは何やら俺に用があって、来たらしい。

俺が魔王軍の幹部になって結構経つが、ベルディアが俺に用があって起こしに来るなんて初めてだ。

というか俺の部屋に来たこと自体、初めてなんじゃないか?

 

「それで、俺になんか用なのか?」

 

俺は今、疑問に思っていることを聞いた。

依然布団に入ったままの状態で。

 

「それが、人にものを聞く時の態度か…?まぁいい。実は魔王から伝言を受け取っていてな。『引きこもりの幹部に仕事だ』だと」

 

ベルディアはイライラしながらそう言った。

 

というか魔王が幹部に伝言で命令を出すんなんてめずらしいな。基本、魔王は幹部を直接呼んで命令伝えるのだ。

 

ん?ってかあれ?今…

 

「引きこもり…?引きこもりの幹部って言ったか?引きこもりの幹部なんているのか?」

 

 

魔王の幹部は合計10人いる。全員面識があるわけではないが、名前や能力。あと城での噂などでなんとなくの性格はわかる。

その噂の中で『引きこもりがいる』という話は聞いたことがない。

 

誰のことを指しているのだろう?

 

あ、全くさっきとの話と関係ないが噂でベルディアが同じ幹部のウィズにセクハラをしているというのを聞いたことがある。

なんでもウィズのスカートの下に首を投げ入れてアレを見ようとしたらしい。アンデットでセクハラって…きも」

 

 

ブチッ

 

 

あ…後半口に出てたっぽい…

 

 

 

「お、お前は…どこまで俺を怒られせれば気がすむんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

ベルディアは今まで出したことないような大声で叫ぶ。

 

「おい!ごめんって!少しふざけた言っただけだろ!え?なんでこの部屋にゾンビが出てくるんだ?!や、やめてくれ!ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「なんでクローゼットからゾンビが…」

 

「す、すまん…俺のスキルは死体なしでアンデットを生成できるんだ…ほ、ほんとすまん」

 

俺は絶賛落ち込み中だった。何故なら…

 

「俺の服…全部…ゾンビくさ…」

 

俺は腐敗臭が染み付いた服を手に持ちながら嘆く。

ベルディアは怒った際、4体のゾンビを召喚した。3体はすぐに俺のターンアンデットで浄化させたから良かった。しかし残りの1体は俺のクローゼットの中で召喚されたらしく、俺がクローゼットを開けるまでずっと中で暴れていた。そう、俺の服も巻き込んで…

 

「いや、ほんとすまん。普通なら場所も指定できるのだが、何しろ頭に血が上ってて…」

 

ベルディアは首を左脇に抱え、頭を掻く。

首が胴体の上にあるわけじゃないので、変な光景だ。

 

「服はちゃんと弁償するから安心してくれ、えっと…さっきの話に戻るが…」

 

え?こんな変な空気の状態で話を戻すのか。いやベルディアを怒らせた俺が悪いんだけどさ。

 

「貴様はアクセルという街は知っているか?」

 

結局変な空気のまま、話を戻すらしい。

 

「あー、冒険者の駆け出しの街だったっけか?」

 

俺が聞くとベルディアは椅子に腰掛けた。

 

「そうだ。そのアクセルの街で原因不明の光が舞い降りたらしい。」

 

「ん?光が舞い降りた?どういうことだ?」

 

 

というか、まず光が舞い降りたと言う表現はおかしい。普通舞い降りたといったら神とか思い浮かべるし、光なら『光が差した』と言う表現をするだろう。

 

「俺も詳しいことはよく分からん。しかしあの預言者が言ったらしい…『大きな光が舞い降りた』と。」

 

あの預言者…魔王城の預言者で、預言命中率はほぼ100%。唯一無二の預言者である。

 

「あの預言者ね…俺は会ったことがないからどんな人かは知らんけどあの人の言ったことは本当に当たるらしいな」

 

ベルティアは頷きながら返す。

 

「あぁ前にも『明日の天気は晴れのうち曇り』と預言して見事的中させてたからな」

 

「それはすごいな」

 

もう預言者じゃなくても、予報者として、生きていけそうだ。

ていうか、もっと有効的なことに預言使えよ。

 

「まぁ預言者のことは置いておき…その原因不明の光とやらを調べて欲しいということだ。貴様に」

 

「へー…え?俺?」

 

「そうだ。だからさっきから言ってただろう。『引きこもりの幹部に仕事だ』と」

 

あーだから、俺の安眠を邪魔しに…

 

「っておい!引きこもりの幹部って俺のことかよ!」

 

俺は立ち上がりベルディアに訴える。

 

「そうだ。逆にそれ以外に誰がいるのだ?」

 

こいつ…『そんな当たり前のことを…』みたいな目で俺の事を見てきてやがる…くそ、フルフェイスの兜をかぶってるのになんで顔が想像できるんだ。

たしかに!最近魔王城から出てなかったけどさ!別に命令なかったんだからいいじゃない!外に出てもやることないんだしさー…

 

あれ?普通に引きこもりじゃね?

 

 

俺は目をそらし続けていた事実に、気づいてしまったらしい…

 

「ま、まぁそこんところは置いといて…なんで俺なんだ?」

 

俺は無理やり、話の内容を変えた。

ベルディアは無理なり話の内容を変えたことに気づいたようだが理由を話し始めた。

 

「あぁ、それは魔王は貴様を魔王城からはあまりだしたくないかららしい。まぁ貴様は人間だが幹部の中でもトップクラスの実力を持っているからな…魔王城の戦力を少しでもなくしたくないのだろう」

 

ベルディアは続けて話す。

 

「しかし、アクセルの街に舞い降りた光の正体は見当もつかない…しかしだからと言って見過ごすわけにもいかない。もしかすると魔王軍の存亡に関わる重大な事が関わっているかもしれないしな…」

 

「重大な事って?」

 

俺はふと疑問に思った事を口に出す。

 

「そんなこともわからないのか?貴様は。重大なこと、というのはだな…例えば…えっと……」

 

俺はどもっているベルディアを睨みつけるかのように見た。

 

「つまり…」

 

「………」

 

すると俺の視線に耐えられなくなったのか、ベルディアはいきなり立ち上がり大声で言ってきた。

 

「重大なことは重大なことだ!それ以上もそれ以下もない!」

 

うわーこいつ逃げやがった。「そんなこともわからないのか」って言っておいて自分でわかってないやつだ。

 

すると俺の思ってる事を察したのかベルディアは咳払いをしてまた椅子に腰掛ける。

 

「まぁその…なんだ…アクセルの街は駆け出しの街だが、冒険者の街だ。別に調べておいて損はないと魔王も考えたのであろう。」

 

ふーん

 

「それで?俺が行く理由にはなってなくないか?」

 

「今から話すから少し待ってくれ。魔王はその光の事は貴様に任せると言っている。魔王城とアクセルの街は遠い…何があってからでは遅いだろう…だから何か問題があればその場で解決させてこいという命令だ」

 

あーなんとなくわかってきた。

 

「つまり、光はいつ、アクセルのどこで、どんなことが起こすか…それらが全くわからないから、魔王軍唯一の人間の俺に、冒険者として潜入させ、できれば解決させてこいってところだろ?」

 

「冒険者になれとまでは行ってないが…まぁいい。そういうことだ」

 

よし!実は俺は昔から冒険者という職業に興味があったのだ。しかし、冒険者は魔王討伐を目標としている者たちという感じがあるので

、魔王軍の幹部の身としては絶対になれない…というか、なってはいけない職業なので諦めていた。

 

しかし、今回の場合は別だ。魔王の幹部の仕事として冒険者になることができる!

 

「しかし…実は俺は説明というものが苦手なのだが…貴様、よく理解してくれたな」

 

「ん?まぁ頭の回転は早いと自負してるんでね」

 

俺は最高のドヤ顔を決めながら言う。

 

ベルディアは少し乾いた笑みを浮かべていた。

 

なんだその笑みは…

 

すると、ベルディアは椅子から立ち上がり、部屋のドアの方に向かい、ドアノブに手をかけた。

 

「まぁ基本、貴様の行動は自由だ。光がいつ舞い降りるか、わからない以上、何かが起こるまで何もできないと思うしな。何年かかるかはわからんが…せいぜい頑張れ」

 

ベルディアはそう言うと部屋から出ていった。

 

あいつ基本は優しいんだよな…

それで後怒りっぽい性格と変態属性を取り除けば何も問題ないのだが…まぁ無理な注文か。

 

さて、ベルディアも部屋から出て行ったことだし。アクセルに行く支度でもするか

 

 

 

 

 

「あぁ…後1つ言い忘れてたが… 」

 

ベルディアはいきなり戻って来た。

そして俺にこう言うのであった。

 

 

「お前のドヤ顔気持ち悪いぞ。」

 

 

「うるせぇ!」

 

 

基本優しくなかった!!

 

 

 




名前
アニル

職業
アークコントラスト


魔王にひろわれ、育てられた人間。
世界に1人しかいないアークコントラストの使い手。


アークコントラスト
リッチーとアンデッド(デュラハン)とプリーストのスキルが使える。生と死の対照したスキルが使えるためこのような名前になっている。


うーん。なんかオリジナルのアークコントラストの名前がイマイチ、ピンとこない…名前を変えるかも
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