遊戯王GX ~氷結の花~   作:大海

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いやね、決闘自体はそれほどでもないんだ……

ただやぁ、会話だとかキャラの掘り下げだとか入れると、どうしたってエライ文字数になっちまうんだ……

そんな話の後半やでぇ~。

行ってらっしゃい。



    更に戦う者達

視点:玲子

 

「このクソインチキ野郎!」

「セコイデッキでセコイ決闘しやがって!」

「相手にも失礼じゃねーか! そんな決闘やめちまえー!」

 

「……」

 いつもこう……

 私はただ、勝つために考えて、組んだデッキで戦ってる。それだけなのに……

 

 元々、決闘を始めた時は私も、多分みんなが、『普通』とか、『マトモ』だっていうデッキを使ってた。モンスターを召喚して、攻撃して、モンスターを倒したり、ライフを削ったり。

 けど、それじゃあ勝てなかった。モンスターで攻撃して、戦闘して……

 そういう戦術は、私には向いてないって、決闘を始めて一ヵ月もたった頃には自覚した。

 

 だから、そうする以外の勝ち方を考えて、そのために、デッキを組んだ。

 そのデッキを使ったら、勝つことができた。

 代わりに、決闘した相手からは文句を言われた。

 相手だけじゃない。それを見ていた人たちからも……

 今まで仲良くしてた子たちは、みんな、私とは決闘したくないって言いだした。

 学校の先生すら、そんな決闘はしてはいけません、そう言ってきた。

 応援してくれていた、決闘のルールもよく知らない両親にまで、言われた。

 

 普通に決闘をしろって……

 マトモな決闘をしろって……

 卑怯なこと、インチキをするなって……

 

 普通ってなに? マトモってなに?

 バーンだって、デッキ破壊だって、立派な戦術のはずなのに。

 そういうデッキが、決闘者の間で嫌われてることくらいは知ってる。けど、こっちはちゃんとルールを守ってる。禁止カードを使ってるわけでもない。

 卑怯だなんて言われる筋合いはないし、インチキなんて絶対にしてない。

 ただ、勝ちたいから、敗けたくないから、私に向いたデッキを組んでるだけだ。

 私だって、カードが、決闘が大好きなんだから……

 

 そう思って決闘する度に、私の決闘を見た全員、文句を言った。

 汚い奴……卑怯な戦術……インチキ……

 去年の全国大会で優勝した時も、ブーイングの中表彰台に上がった時、私にトロフィーをくれた人から向けられた、ゴミでも見るような目付きは今でも忘れられない。

 

 もちろん、中には認めてくれる人もいた。

 今年の全国大会の決勝で闘った、『風馬楓』君ていう一つ下の男の子。

 バーンやデッキ破壊を受けて、普通に嫌そうな顔はしてたけど、決闘しながら絶賛してくれた。

 すごいデッキだって。見事な戦術だって。ウソやお世辞なんかじゃない、本心から言ってくれてるのが分かった。

 結局敗けちゃったけど、ほとんど初めて、私の決闘を認めてくれた人だった。

 他の人達のブーイングなんて気にならないくらい、その時は、嬉しかった。

 私は、このままで良いんだ。そんな風に思わせてくれた子だった……

 

 

 けど、全国大会で一位二位になっても、結局文句を言われた。

 学校に行ったら、卑怯な決闘で全国優勝して嬉しいか? 決闘なんてしたこともないような生徒たちにさえ、そう言われた。

 意地の悪い生徒たちにデッキを取り上げられそうになった時は、どれだけ殴られて、ひどい目に遭わされても、デッキだけは全力で守り抜いた。先生達も、卑怯者だとしか思ってない私のことなんか守ってくれないから、自然と学校には行かなくなった。

 両親も同じ。いつまでもそんな決闘を続けるのなら、家から追い出すぞ!

 決闘なんてマトモに知らないくせに、そんなことを言うくらいだから、私が家に引きこもっても心配なんてしてくれなくて、むしろ、表に出ないでいてくれることにホッとしたみたいだった。

 

 そうして引きこもってる時に、この『ジェネックス決闘大会』への招待状とメダルが届いた。

 私宛の郵便なのに、これ以上、娘で恥を掻きたくない両親は、私に渡さなかったうえ、私に内緒でこっそり捨てようとしていた。

 それを、こっそり取り戻して、大会に参加することにした。

 だって、私にはもう、『マトモ』に決闘ができる場所も、『普通』に決闘してくれる相手もいないんだから。

 親の目を盗んで、誰も知らない場所に行かないと、決闘ができないんだから……

 

 

「おい何とか言えよー! 卑怯者ー!」

「このインチキ女が! 可愛い顔して調子に乗ってんじゃねーぞ!」

「決闘なんかやめろー! 今すぐ決闘者なんかやめちまえー!」

 

 そうして、私のことなんて知らない人しかいない場所に来ても、結局こうなる。

 決闘者を育てる専門機関の、決闘アカデミアの生徒なら、私の戦術のことも、理解してくれると思ってた。デッキ破壊で有名な人だっているプロ決闘者も、理解してくれるって。

 なのに、現実はこうだ。学生もプロも関係ない。私の決闘を見て、戦術を見て、口を揃えて言われること。

 卑怯者、インチキ、汚い奴、決闘なんか、決闘者なんかやめちまえ……

 

(やってられない……)

 

 

「うろたえるな!!」

 

 ヤケになって、デッキに手を置こうとした時、正面からそんな大きな声が聞こえた。

 それは、今相手をしてる、万丈目さん? の声だった。

 とても大きな声は、声を上げてた学生も大人も、全員を黙らせた。

 

「貴様ら……俺の心配をするのは勝手だが、騒がずにいてもらいたい」

 

 心配って……ただ私に文句を言ってるだけなのに。

 意外とナルシストなのかな……

 

「この万丈目サンダーが、この程度の盤面で敗れるとでも思っているのか?」

「この程度……?」

 

 その言葉には、ちょっとだけカチンと来た。

 だって、誰がどう見たって私の方が有利だもん。ライフもフィールドも、デッキの枚数だって。自分で言うのもなんだけど、完璧な布陣を敷くことができたって思ってる。

 

「この程度で俺が敗けたと思うなら見ておくがいい。この局面から、見事に逆転してみせよう!」

 そう叫んだ瞬間、彼は私を指さした。

「北森玲子! 今ここに宣言する! 次の俺のターン。それが貴様の敗北の時だ!」

「え……!」

 ……なに、言ってるの?

 私の場には、手札がある限り、相手ターンでも一度だけカードを除去できる『ABC-ドラゴン・バスター』がいる。

 彼のフィールドには、ドラゴンが二体しかいない。

 そんな状況で……

 

「まだ俺のターンは続いている。俺は場の『ライトパルサー・ドラゴン』と、『暗黒竜 コラプサーペント』を生け贄に捧げ……」

 万丈目さんが手に取ったのは、ついさっき、『エクリプス・ワイバーン』の効果で手札に加えたモンスター……

 

(力を貸してくれ……今こそ俺と共に戦ってくれ!)

 

「光と闇の狭間より、現れよ! 『光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)』!」

 

 光属性と闇属性……そんな対局のドラゴンを生け贄に現れたのは、今まで見たことのないドラゴンだった。

 白と黒が、綺麗に左右へ分かれた体。

 白くて天使みたいな翼と、黒くて悪魔みたいな羽を広げて。

 それが、彼の言った通り、真っ白な光と、真っ黒な闇と一緒に、フィールドに舞い降りた。

 

光と闇の竜(ライトアンドダークネス・ドラゴン)

 レベル8

 攻撃力2800

 

「更に一枚、カードを伏せる。これでターンエンドだ」

 

 

万丈目

デッキ:5枚

LP:3000

手札:3枚

場 :モンスター

   『光と闇の竜』攻撃力2800

   魔法・罠

    永続罠『闇次元の解放』

    永続魔法『強者の苦痛』

    セット

    セット

    セット

 

玲子

LP:4000

手札:1枚

場 :モンスター

   『ABC-ドラゴン・バスター』攻撃力3000-100×8

   『キャノン・ソルジャー』攻撃力1400-100×4

   魔法・罠

    永続魔法『戦場の惨劇』

    永続魔法『戦場の惨劇』

    セット

    フィールド魔法『ユニオン格納庫』

 

 

 ……挑発してるだけ。強がってるだけ。そう片づけるのは簡単だ。

 けど、彼の目を見れば分かる。彼は本気で、私に勝てるって信じてる。次のターンに、この戦況をひっくり返して、私のライフを削り切ることができるって……

 どうせ、降参(サレンダー)してやろうって思った決闘だったけど……

 

「私のターン!」

 

玲子

手札:1→2

 

 本気で、このターンにどうにかしなきゃまずい。そう思ったら、カードをドローしてた。

 それに……

 彼の自信満々で、自分を信じる姿を見て、思った。

 こんな状況で、あと一ターンで私に勝つ。そう言い切った、彼の戦術を見てみたいって……

 

「『C-クラッシュ・ワイバーン』を召喚します」

 

『C-クラッシュ・ワイバーン』ユニオン

 レベル4

 守備力2000

 

 彼が希望を持っているとしたら、あの三枚の伏せカード。

 けど、クラッシュ・ワイバーンを装備したモンスターは相手の罠カードの効果を受けなくなる。

 最悪、『キャノン・ソルジャー』は捨ててでも、ABCだけは守れる……

「『C-クラッシュ・ワイバーン』の効果。このカードを、『ABC-ドラゴン・バスター』に装備します」

 クラッシュ・ワイバーンが飛び上がって、変形した……

 

「『光と闇の竜』、効果発動!」

 

 声が聞こえた瞬間、ドラゴンの顔の左右にある角が光って、そこから電気が流れた。

 それが、クラッシュ・ワイバーンにぶつかって、消滅した。

「え……どういうこと?」

「『光と闇の竜』が場にある限り、互いにカード効果を発動した瞬間、攻撃力と守備力を500ポイントダウンさせることでその発動を無効にする」

「発動を無効!?」

 

『光と闇の竜』

 攻撃力2800→2300

 守備力2400→1900

 

 そうか……

 クラッシュ・ワイバーンの、というか、ユニオンモンスターの装備効果は、自分のモンスター一体を対象に、『発動』する効果だ。

 その発動が無効にされたことで、フィールドに残らずそのまま墓地へ送られたんだ……

 なんて厄介なモンスター。けど……

「あの……その、無効化の効果って、もしかして、強制効果、ですか?」

「そうだ。プレイヤーの意思に関係なく発動する」

 だったら、大丈夫だ……

 

「『キャノン・ソルジャー』のモンスター効果! このターン、このカード自身を生け贄に捧げて、相手に500ポイントのダメージを与えます」

「『光と闇の竜』の効果で、その効果を無効にする!」

 

『光と闇の竜』

 攻撃力2300→1800

 守備力1900→1400

 

 よし……コストで生け贄に捧げた『キャノン・ソルジャー』は墓地へ行ったけど、効果を発動させられた。

 あのモンスターのステータスからして、効果が発動できるのはあと二回。

 けど、そこまで発動させなくても、今なら『強者の苦痛』で攻撃力がダウンしたABCで十分戦闘破壊できる。

「バトルです!」

「バトルフェイズに入ったこの瞬間、速攻魔法『収縮』発動!」

 ……え? 場のモンスター一体の攻撃力を半分にするカード……?

「『光と闇の竜』の効果で無効!」

 

『光と闇の竜』

 攻撃力1800→1300

 守備力1400→900

 

「もう一枚だ。罠発動『おジャマ・トリオ』! この効果も無効だ!」

 

『光と闇の竜』

 攻撃力1300→800

 守備力900→400

 

 どうして……?

 このまま戦闘破壊されても耐えられるだけのライフは残ってるけど、それでもこのままじゃ、彼の場はがら空きになる。

 勝てないって思って諦めた……?

 ううん、彼は、私に勝つって言った。彼はそんなウソをつくような人じゃない。

 だとしたら、残ったあの伏せカード……?

 

「だったら……罠発動『スクランブル・ユニオン』! 除外された自分の光属性・機械族の通常モンスター、またはユニオンモンスターを三体まで特殊召喚できる。A、B、C、三体のユニオンモンスターを、守備表示で特殊召喚」

 

『A-アサルト・コア』ユニオン

 レベル4

 守備力200

『B-バスター・ドレイク』ユニオン

 レベル4

 守備力1800

『C-クラッシュ・ワイバーン』ユニオン

 レベル4

 守備力2000

 

「『ユニオン格納庫』の効果! デッキから『A-アサルト・コア』を、アサルト・コアに装備します」

 アサルト・コア同士が合体して、なんだか変な見た目になったけど、これでいざという時の守りも万全……

「改めて、バトルです! 『ABC-ドラゴン・バスター』で、『光と闇の竜』を攻撃します!」

 二つの竜の首の下にある、大小四つのミサイルポットが開いた。

 その銃口が一つ残らず、白黒の竜に向けられた。

「ABCハイパー・イレイズ!」

 ABCの攻撃名を叫ぶなんて、いつぶりだろう……

 発射されるミサイルの雨の中で、そう自分に問いかけた時。

 目の前の、万丈目さんの顔を見ると……

 

「……攻撃してくれたおかげで助かった」

 

 その口元は、笑ってた。

「罠発動『あまのじゃくの呪い』! このターンのエンドフェイズまで、攻撃力・守備力のアップダウンの効果は逆となる!」

「……えぇ!?」

 フィールドの上に、カードに書かれた不気味な鬼が現れた。

 それが怪しい呪文を唱えた瞬間、ドラゴンと機械竜、二体のモンスターが光に包まれた。

 

『光と闇の竜』

 攻撃力800→4800

 守備力400→4400

 

『ABC-ドラゴン・バスター』

 攻撃力2200→3800

 

 『強者の苦痛』の効果も逆になって、ドラゴン・バスターの攻撃力も上がったけど、相手の方が圧倒的すぎる……!

「迎撃しろ! ダーク・バプティズム!」

 ドラゴンの口から、真っ黒なエネルギーが発射された。

 それがあっという間に、ABCを消滅させた。

 

玲子

LP:4000→3000

 

「すげえ! あの厄介な機械の竜を倒した!」

「ライフポイントも並んだぞ!」

 

 いけない……このままでは、次のターンにやられてしまう!

「バトルを終了します。『戦場の惨劇』の効果で、デッキから十枚のカードを墓地へ送ります。メインフェイズ、フィールドのA、B、C、三体を再び除外します。変形合体『ABC-ドラゴン・バスター』!」

 

『ABC-ドラゴン・バスター』融合

 レベル8

 攻撃力3000+100×8

 

「二体目か……」

「やった! チェーンブロックを作らないモンスターの特殊召喚は無効にされない……」

 

「ちっ……んだよ、またあの機械の竜かよ……」

「せっかく倒したのに、空気読めよなぁ……」

 

「……墓地へ送られたアサルト・コアの効果で、墓地のユニオンモンスター『C-クラッシュ・ワイバーン』を手札に加えます」

 

玲子

手札:0→1

 

「……これでターンエンドです」

「この瞬間、『あまのじゃくの呪い』の効果は切れ、モンスターの攻撃力も元に戻る」

 

 

玲子

LP:3000

手札:1枚

場 :モンスター

   『ABC-ドラゴン・バスター』攻撃力3000-100×8

   魔法・罠

    永続魔法『戦場の惨劇』

    永続魔法『戦場の惨劇』

    フィールド魔法『ユニオン格納庫』

 

万丈目

デッキ:5枚

LP:3000

手札:3枚

場 :モンスター

   『光と闇の竜』攻撃力800

   魔法・罠

    永続罠『闇次元の解放』

    永続魔法『強者の苦痛』

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

万丈目

手札:3→4

デッキ:5→4

 

「魔法カード『マジック・プランター』。自分フィールドに表側表示で存在する永続罠カード『闇次元の解放』を墓地へ送ることで、カードを二枚ドロー」

 

万丈目

手札:3→5

デッキ:4→2

 

「え? どうして、わざわざ自分のデッキを……?」

「言ったはずだ。このターンで決めるとな。『強欲な壺』! カードを二枚ドロー!」

 

万丈目

手札:4→6

デッキ:2→0

 

「これで後は無くなった」

「そんな……本当に、このターンで私を倒す気ですか……」

「信じられぬなら見ているがいい。この俺、万丈目サンダーの決闘を! 俺は魔法カード『死者蘇生』を発動! 墓地のチューナーモンスター『ギャラクシーサーペント』を特殊召喚!」

「……チューナー?」

 

「……え? チューナー?」

「チューナーモンスターって?」

「万丈目が、チューナーモンスター?」

 

 その言葉には私だけじゃなくて、みんなが気になったみたいだ。

 その間に、フィールドにキラキラ星が光ったと思ったら、そこから白く光る、小さなドラゴンが、まるで泳ぐようにフィールドに現れた。

 

『ギャラクシーサーペント』チューナー

 レベル2

 攻撃力1000

 

「更に魔法カード『おジャマンダラ』! 俺の墓地に『おジャマ三兄弟』が揃っている時、ライフ1000ポイントと引き換えに、その三体を特殊召喚する」

 

万丈目

LP:3000→2000

 

「出でよ、雑魚ども!」

 次に墓地から復活したのは、今まで召喚してきたドラゴン達とは全然違う、何ていうか、その……見た目がものすごく個性的な、三色の小さなモンスター達……

 

『おジャマ・イエロー』

 レベル2

 守備力1000

『おジャマ・グリーン』

 レベル2

 守備力1000

『おジャマ・ブラック』

 レベル2

 守備力1000

 

『どうもー!』

 

「いくぞ、お前達。準備はできているか?」

『あたぼうよ! 兄貴!』

『いつでもオッケーだぜ!』

『さあ! 一思いにやっちゃって!』

 

「うむ……レベル2の光属性『おジャマ三兄弟』に、レベル2の『ギャラクシーサーペント』をチューニング!」

『省略された~!』

 

 三兄弟の嘆きの声なんか、耳に入らなかった。

 目の前で起こってるのは、今まで見たことのない光景だったから……

 

「神聖なる白き光よ、終わりの名のもとに竜と成れ!」

「シンクロ召喚! 輝け『ライトエンド・ドラゴン』!」

 

 フィールドが真っ白に光った。かと思った瞬間、そこにまた、今まで見たことのないドラゴンが現れた。

 真っ白な体に、金色の装飾が飾られた、天使みたいな翼を広げる、光のドラゴン……

 

『ライトエンド・ドラゴン』シンクロ

 レベル8

 攻撃力2600

 

「シンクロ、召喚……?」

 

「なんだありゃ……」

「すげぇ……」

「万丈目のやつまで、いつの間にシンクロモンスターを……」

 

「……あ!」

 見惚れてる場合じゃない。なんだか分からないけど、あのモンスター、何とかした方がいい……

「ドラゴン・バスターの効果! 手札を一枚捨てることで、カードを一枚除外します!」

 

玲子

手札:1→0

 

(どうしよう……あのドラゴンを何とかしたいけど、どんな効果があるか分からない。それなら……)

「私は、『強者の苦痛』をゲームから除外します!」

 彼の場の永続魔法カードが、ドラゴン・バスターの光線で蒸発した。

 

『ABC-ドラゴン・バスター』

 攻撃力3000

 

「これで攻撃力は元通りです」

「だが、これで弾丸も尽きたな……更に魔法カード発動『トライワイトゾーン』! 自分の墓地に眠るレベル2以下の通常モンスター三体を特殊召喚する。俺が呼び出すのは、こいつらだ!」

 

『ギャラクシーサーペント』チューナー

 レベル2

 攻撃力1000

『マーダーサーカス・ゾンビ』

 レベル2

 攻撃力1350

『おジャマ・イエロー』

 レベル2

 攻撃力0

 

「攻撃力0は引っ込んでろ!」

『イヤ~ん、兄貴ったら、イケズ~』

 

「またシンクロ召喚……?」

「その通り……『ギャラクシーサーペント』を生け贄に、チューナーモンスター『ラブラドライドラゴン』を召喚!」

 

『ラブラドライドラゴン』チューナー

 レベル6

 守備力2100

 

「ラブ、ラブラド、ラブラ、ブラドラ……?」

「名前は気にするな……」

 

「レベル2の闇属性『マーダーサーカス・ゾンビ』に、レベル6の『ラブラドライドラゴン』をチューニング!」

 

 妖しく光る宝石のドラゴンと、ゾンビのピエロ。

 さっきの四体と同じように空中に飛び上がって、ドラゴンは六つの星に変わった。

 

「妖艶なる黒き闇よ、竜に変わりて終末を呼べ!」

「シンクロ召喚! (いざな)え『ダークエンド・ドラゴン』!」

 

 今度は真っ黒な闇が出てきた。そこから、ボロボロの羽と、不気味な顔が現れて、それは、不気味なドラゴンに変わった。

 

『ダークエンド・ドラゴン』シンクロ

 レベル8

 攻撃力2600

 

「今度は、闇のドラゴン……」

「この二体こそ、この万丈目サンダーの操りし、『シンクロモンスター』だ!」

「シンクロモンスター……!」

 

「すげぇ……」

「二回連続のシンクロ召喚かよ……」

 

「シンクロモンスター……あれは一体……」

「あんなモンスター、見たことないぞ……」

 

 周りからは色々な声が聞こえてくる。

 私みたいに、シンクロモンスターなんて知らない人たちの声。

 けど、知ってる人たちも大勢いるみたいだ。

 誰がどうかは分からない。けど、私はただ、目の前の二体に唖然とするしかなかった……

 

「さあいくぞ! 『ダークエンド・ドラゴン』、効果発動!」

 ……と、ボーっとしてる間に、万丈目さんが声を上げた。

「一ターンに一度、こいつの攻撃力と守備力を500ポイント下げることで、相手フィールドのモンスター一体を墓地へ送る!」

「うそ!?」

 

『ダークエンド・ドラゴン』

 攻撃力2600→2100

 守備力2100→1600

 

「ダーク・イヴァポレイション!」

 『ダークエンド・ドラゴン』の胴体の顔が、大きな口を開けた。

 そこから出てきた闇が、私の場のABCを包み込んだ。

「ダメ! 『ABC-ドラゴン・バスター』の効果! 相手ターンにこのカードを生け贄に捧げて、除外された自分の光属性・機械族モンスター三種類を特殊召喚します。合体解除!」

 闇に包まれて消える前に、三つに分裂して、ドラゴン・バスターは無事に闇から脱出した。

 

『A-アサルト・コア』ユニオン

 レベル4

 守備力200

『B-バスター・ドレイク』ユニオン

 レベル4

 守備力1800

『C-クラッシュ・ワイバーン』ユニオン

 レベル4

 守備力2000

 

(『ユニオン格納庫』の効果を発動したいけど、強制効果じゃないから、チェーンに割り込んで発動できないよね……)

 

「ふむ、俺を相手にここまでやってのけるとはな……見事だ!」

「……えぇ?」

 モンスターを召喚したら、いきなり万丈目さんは大声を上げた。

「巧みな戦術とカード捌きで、この俺のデッキがゼロになるまで追い詰め、切り札たるシンクロモンスターまで呼び出させた。そのシンクロモンスターを前にしても、決してぶれることのない冷静なプレイング。まさに全ての決闘者が目指すべき、お手本のような見事な決闘だ!」

「お手本のような……私が?」

 

「あいつが、お手本のよう?」

「……けど、言われてみれば、確かに……」

「デッキ破壊やバーンは、ずるいとは思うけど、それだって、普通に難しい戦術だしな……」

 

 彼が叫んだ途端、決闘を見てるギャラリーの人達が、口々にそんなことを言い出した。

 私の決闘を見て、卑怯だって、インチキだって言ってた、その人たちが。

 今、私の決闘を見て……

(認めてくれてる……?)

 

「お前は紛れもなく、真の決闘者だ」

「真の、決闘者……私が?」

「うむ! それほどのお前に、俺も敬意をもって全力で答えよう!」

 

「装備魔法『シールド・アタック』。装備モンスターの好守を入れ替える。こいつを、我がデッキのエースモンスター『おジャマ・イエロー』に装備」

『ぬぅぅぅおおおおおお!! 力がみなぎるわぁああああ!!』

 

 装備カードを発動した途端、彼のエースモンスターらしい? 弱々しい小さなモンスターの全身が光り出した。

 

『おジャマ・イエロー』

 攻撃力0→1000

 

(光っても弱々しいままなんだ……)

 

「さあいくぞ! バトルだ」

「……! か、かかってきてください!」

 私の場のモンスターは全部守備表示。この状態で、私のライフを削ることなんて……

 

「『光と闇の竜』で、『A-アサルト・コア』を攻撃! シャイニング・ブレス!」

 効果を使い切ったせいで、攻撃力は800しかない。その攻撃が、守備力が200しかないアサルト・コアを粉砕した。

「『ダークエンド・ドラゴン』で、『B-バスター・ドレイク』を攻撃! ダーク・フォッグ!」

 黒いドラゴンが、首から伸びた口から吐いた闇の炎で、バスター・ドレイクを燃やし尽くした。

「『ライトエンド・ドラゴン』で、『C-クラッシュ・ワイバーン』を攻撃!」

 白いドラゴンが飛び上がる。

 これで私の場は全滅するけど、これ以上は……

「この瞬間、速攻魔法発動『エネミーコントローラー』! 相手モンスター一体の表示形式を変更する!」

「えぇ!?」

 彼がカードを発動させた瞬間、私の場に残ったクラッシュ・ワイバーンが、守備表示から攻撃表示に変わった。

 

『C-クラッシュ・ワイバーン』

 攻撃力1300

 

「更に、ライトエンドの効果発動! こいつが戦闘を行う攻撃宣言時、好守を500ポイント下げることで、攻撃対象となった相手モンスター一体の攻撃力と守備力を1500ポイントダウンする」

 

『ライトエンド・ドラゴン』

 攻撃力2600→2100

 守備力2100→1600

 

「ライト・イクスパンション!」

 白いドラゴンの全身が輝きだした。その光が、クラッシュ・ワイバーンの全身を包み込んで、その力を奪っていくのが分かった。

 

『C-クラッシュ・ワイバーン』

 攻撃力1300-1500

 守備力2000-1500

 

「そんな……攻撃力0……!」

「シャイニング・サプリメイション!」

 今度は白いドラゴンの胸に光る、緑色の宝石が強く光り輝いた。その輝きから発射されたエネルギーが、クラッシュ・ワイバーンを消滅させた。

 

玲子

LP:3000→900

 

「こんなことって……」

 

「これで最後だ……『おジャマ・イエロー』で、北森玲子にダイレクトアタック!」

 

『おぉ~~~~りゃ~~~~~!』

 

 黄色くて小さなそのモンスターが、私の前まで走ってくる。

 走る姿も、気合いを入れてるらしいその掛け声だって、とっても弱々しい。

 気迫も迫力も全然ないのに、今のそのモンスターの力は、私にトドメを刺すには十分で……

 

『ひっさつ……おジャマパ~~~~~ンチ!!』

 

玲子

LP:900→0

 

 

「敗けた……完敗……」

 戦術も、フィールドの布陣だって、ちゃんとできてたはずだった。

 それを彼は、宣言した通り、たった一ターンで逆転して、勝って見せた。

 自分のデッキをわざと0枚にしてまで、そこまで自分を追い込んで……

 

「良い決闘だった」

 

 ひざを着いて、うなだれてる私の耳に、そんな声が聞こえた。目の前には、私のハンカチが巻かれた右手があった。

「北森玲子……お前との決闘、実にスリリングで最高の闘いだった。これほどの強敵には、この先滅多に会うことはあるまい。将来が楽しみだ」

「あ……えっと……」

 なんて言い返したらいいか分からなくて、とりあえず、その右手に手を伸ばすと……

 その手を引っ張り上げられて、横に並んだ。そのまま、右手を上に伸ばされて、まるでプロレスの試合が終わった後の、あのポーズを二人で取った。

 

「すげぇぞー!」

「さすが万丈目サンダー!」

「シンクロモンスター、すげえぜー!!」

 

 万丈目さんを絶賛する声。それはもちろんだけど……

 

「お前もよくやったぞー!」

「万丈目相手によく戦ったなー!」

「見事な決闘だった! 格好よかったぞー!」

 

 手の平返し……

 その一言で片付けるのは簡単だし、そう思うと、また気分は悪くなってくる。

 でも……それでも、こんなに大勢の人が、私の決闘を認めてくれたことなんてなかったから……

 今は、そんなことでの不快感以上に、もっと単純な、嬉しさの方が、感じる感情として強かった……

 

「よし……では、いくぞお前達!」

 あ……あれをやるのかな? じゃあ、私も一緒に……

 

「一!」

 

「十!」

 

『百!』

 

『千!』

 

「万丈目サンダー!」

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 

『サンダー!』

 

『サンダー!!』

 

『万丈目サンダー!!』

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

 

視点:外

 

 しばらくの歓声の中、その歓声が止んだ後で、二人は森の中に戻ってきていた。

「あの……本当に、ありがとう、ございました……その、えっと……」

 決闘をしてくれたことだけじゃない。自分の決闘を否定することなく、それ以上に、そのカリスマ性を持って、自分の決闘を、見ていた者達全員に認めさせてくれた。

 今まで誰にもしてもらえなかった、その行為がとにかく嬉しくて、深々と頭を下げていた。

「気にするな……あの程度のことで、全てが解決するわけがないのだからな」

「……え?」

 聞き返す玲子に、万丈目が向けたのは、決闘中には見せなかった、哀し気な表情。

「お前の、全国大会での決闘は見た。お前自身が信じてきた決闘をしたことで、お前がどんな目に遭ってきたか……正直、俺には、お前の気持ちはとても推し量れん。だが、それでも辛い目に遭ってきたことだけは分かる……」

 

 万丈目自身、過去に何度も、自身の決闘を否定されてきた。それが積み重なって、一度はどん底にまで落ちたこともあった。

 自分には、そこから這い上がるだけの力があった。どん底に耐える力も、どん底の上から見下される視線に耐える力もあった。

 だがそれも、彼女に比べれば遥かに短い期間だった。

 昨年、そして今年。少なくとも二年以上、彼女はそんなものに苛まれ、否定され続け、バカにされ続けてきたことだろう。

 彼女はこんなにも、強い決闘者だというのに……

 

「これから先も、お前が信じる決闘を続けていくというのなら、今まで通り、苦難に満ちた道となるだろう。もしかしたら、これまで以上の苦痛がその身に降りかかるやもしれん」

「はい……」

「だが、今回の決闘で確信した。お前には、それだけの苦難に負けないだけの力がある。周囲からどれだけ疎まれようが、どれだけ強い風当たりだろうが、そんなものに負けない力が。少なくとも、俺はそう信じている」

「万丈目さん……」

「だからお前も、お前自身の力を信じろ。そして、カードを、自分のデッキを、自分の信じてきた決闘を信じろ……そして、それでも耐えられなかった時は、思い出せ。俺は……万丈目サンダーは、決闘者、北森玲子を信じていると!」

「……」

 

「~~~~」

「うおおおおおおおおお!?」

 突然、大粒の涙を流し始めた玲子に、思わず声を上げてしまった。

「ど、どうした北森!? どこか痛いのか!?」

「……いいえ、ごめんなさい……今まで、こんなふうに……励ましてくれた人、いなかったから……」

 どれだけ目をこすっても、涙は止まることはない。

 こんなに嬉しいのに……

 悲しくなんかないのに……

 もっと、彼のことを見ていたいのに……

 

「……そ、そうだ、おい北森」

 そして、どうしたらいいか分からず混乱するばかりの万丈目は……

「シンクロモンスターのこと、知りたくないか?」

 自身のデッキから、二枚のシンクロモンスターを取り出して、そう問いかけてみた。

「……知りたいです」

「よし。なら座れ。公式発売が何年後となるかは分からんが、今のうちに教えてやる」

 

 

 こうして、二人は森の陰に座ると、二人きりで、シンクロモンスターのことを話し合った。

 シンクロモンスターの呼び出し方、使い方。

 その可能性、自分が手に入れた経緯……

 大切な友人達に関することは、さすがに話してはいない。

 それ以外の、話していいと思ったことは、万丈目の話せる限り話してやった。

 

 シンクロモンスターの話が終わったら、他の話題。

 玲子が出場した全国大会での経緯。楽しかった決闘。辛かった決闘。学校でのこと。家でのこと……

 万丈目が今日まで歩んできた決闘道。どん底に落ちた経験。這い上がるまでの経緯。家での兄弟の中での扱い……

 

 本来なら、とても他人には話したくないような話題も、なぜだかこの相手には、自然と包み隠さず話すことができた。

 お互いに、形や違いはともかく、辛い目に遭ってきたからかもしれない。

 だがそんな理屈を抜きにしても、お互いに感じていた。

 この人には、自分のことを全て、知ってほしいと……

 

「……そうだ」

 しばらく楽しく話をした後で、万丈目は、懐からカードを取り出した。

「せっかくだ。お前にこれをやろう」

「え? でも……」

「遠慮はいらん。受け取れ」

 複数枚のカードを取り出して、それを玲子の手に押しつけた。

「これって……『VWXYZ(ヴィトゥズィ)』シリーズ」

「光属性、機械族、そしてユニオン。元々こいつらのデッキを使っていたのだが、今の俺は見ての通り、ドラゴン族を使っているからな。こいつらも、俺が使うよりもお前が持っていた方が嬉しいだろう。今のままでも、デッキの完成度は十分だろうが……出会えた記念に、ぜひ受け取ってほしい」

「……」

 しばらく、そのカード達を見て……

 

「……大切に使います……////」

「……////」

 

 心から嬉しそうにカードを握りしめて、控えめながらも満面の笑みを向ける。

 その笑顔は、万丈目をまた見惚れさせるほどの美しさだった。

 

「……あ、私からも、記念とお礼になにか……」

「お礼? そうか、そうだな……では、記念にこのハンカチをくれ」

 未だ、右手に巻かれている、ハンカチを掲げながら言った。

「え……そんなのでいいんですか?」

「ああ。これもお前の大切な私物には変わらんからな。俺も大切に使わせてもらおう」

「……」

 それ以上、玲子は何も言えなかった。ただ、嬉しそうに唇を震わせるだけだった。

 

「……私、決めました」

「ん?」

「私……私、来年、決闘アカデミアに入ります。絶対に合格して入学します」

「……そうか」

 これまでひどい目に遭ってきたせいで、見えなかった自分の未来。

 それが今日、ハッキリ見えた。

 自分が本当にしたいこと。自分がなりたいもの。

 そして、自分が目指したいもの……

 

「それで、もっともっと、決闘のこと勉強して、強くなって……その時は、万丈目さん、私のこと……」

 

「……北森のこと?」

「……あ//// いえ、その……私とまた、決闘してください!」

「あ、ああ……もちろん構わんぞ。お前が望むなら、いくらでも相手をしてやる」

「はい!」

 

 最後は元気な声で、美しい笑顔のまま返事を返す。

 

 その会話を最後に二人は別れ、去っていった。

 万丈目は、次の戦いへ。そして玲子は、新しい戦いへ。

 どちらも過酷で、苦しい闘いとなるのは間違いない。

 

 それでも二人とも、その戦いを乗り越えられることを確信していた。

 自分の力を、信じているから。

 そして他でもない。

 自分には、こんな自分の力を信じてくれている、彼が、彼女が、いるのだから……

 

 

 万丈目の中にあった、失恋の痛み。

 それが、本人も気付かぬ間に、今の万丈目の中から、綺麗さっぱり消えていた。

 

 

 

 




お疲れ~。

万丈目準×北森玲子

あると思います(真顔)。


ともあれ、今回書いてて思ったこと……

ライダー面倒くさすぎや!
ユニオンとの関係、調べても分からんかったからこうしたけど、合っとんのかいや、これで?
これで違うと言われても、直す自信ないぜ、マジで……

愚痴はこの辺で、オリカ~。



『おジャマンダラ』
 通常魔法
 自分の墓地に「おジャマ・イエロー」「おジャマ・グリーン」「おジャマ・ブラック」が存在する時、ライフを1000ポイント支払って発動する。
 自分の墓地から「おジャマ・イエロー」「おジャマ・グリーン」「おジャマ・ブラック」を1体ずつ自分フィールド上に特殊召喚する。

遊戯王GX『万丈目vs五階堂』にて、万丈目が使用。
今なら、これ使うくらいなら『トライワイトゾーン』使えって話なのよね。
向こうはライフコスト無いし、こっちは一体ずつ限定だし、そもそも作中でも普通に一枚使ってるし。
なのになぜ使わせたか? 面白かったからさ(キリ)!


『シールド・アタック』
 装備魔法
 装備モンスターの攻撃力と守備力の数値を入れ替える。

遊戯王GX『万丈目vsレイ』にて、万丈目が使用。
シンプルだけど普通に強いカードだわな。
『アステカ』とかの守備重視のデッキに一枚刺すだけで、いざって時には壁がアタッカーに早変わり。
これくらいならOCG化できそうな気もするけれど……



以上。
つ~わけで、傷ついた準へのちょっとした救済エピだったけど、どうだったかしら?

ほしたらまた続き書いていくで、また読んでやっておくれやす~。
それまで待ってて。

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