アニメ5部、セッコのCV … KENN
偶然て怖ぇ……
そう思ったところで、行ってらっしゃい。
視点:外
「私のためだと……私って誰のことだ?」
ホワイト寮に侵入し、斎王と向き合ったエド・フェニックス。
彼の手には、斎王に預けられた小さな鍵が握られている。
斎王は、それを渡してほしいとエドに懇願し、エドは始め、その願いを受け入れようと考えていた。
今日まで彼にとって、何一つその運命を良いものに変えることができなかった。友情を感じていながら、彼に何もしてやることができなかった。
そんな自分にできることなど、もはや、彼の欲するカギを渡してやることくらいしかないと。
だが……
「お前は斎王じゃない。本物の斎王をどこへやった!?」
十代の声で躊躇し、再び斎王と向き合ったことで、直感し、確信に変わった。
目の前にいる男。顔も外見も、肉体的には斎王に間違いない。だが、違う。意識が、精神が、心が、目の前の存在の持つそれらは、自分が昔から知っている友人とは全く違うと。
「僕は貴様の言う運命など信じない。僕の運命は、僕自身の手でつかみ取る!」
そう……目の前にいる男。斎王の顔と体を乗っ取った物。それこそが破滅の光。
それを理解し、そして、戦うことを決めた。
大切な友を救い出すため。自身の運命に決着をつけるため。
そのための手段が……
「決闘で……」
エドは静かに、決闘ディスクを構えた。
……
…………
………………
「反応はこっちだ……」
手元の機械を睨みつつ、その機械が示す反応の方へと歩いていく。
最初にこの島でその反応を感知した時は、ただ少し大きいと感じる程度の反応でしかなかった。
この島では元々、微弱ではあるがそういった反応は常に起こっていたし、その程度の大きさの変化なら、この島でなくともそこかしこで、頻繁とは言えないが時折見られる現象だった。
それで特に何かが起こるということもないので、今回もそのまま放置しておいてもいいと、最初は自分も、友人二人に上司も思っていた。
だが……
「ジェネックスが始まって以来、急激に反応がデカくなってたのが、段々ピークに近づいてる。このまま反応が大きくなったら……」
この世界は、異世界とつながる……
「異世界……見てみたい気もするが、どんな被害が起こるか計り知れないぞ」
異世界の存在は、既に彼の上司、ツヴァインシュタイン博士によって、予想や想像の域は出ないが、示唆されていた。
そして、あるかどうかは別にして、そこへの通り道を作ることも、理論上はできるらしい。
いわく、強大な決闘エナジーを生み出すことができれば、その巨大なエネルギーで空間同士の狭間を繋げることができると。
そして、手元の機械は、それだけの決闘エナジーを生み出すほどの巨大なエネルギーが、今、この場所で発生しようとしていることを示している……
「何のために……まさか、本当に誰かが異世界に行こうとしてるのか? それとも、何か別の目的があるのか? それだけ巨大なエネルギーを必要とするほどの……」
もっとも、ここで考えていてもらちが明かない。
「あそこだな」
そう結論付けて、佐倉……不動は、行きついた港、その隅に見える、巨大倉庫へと歩いていった
「貴様らか。梓を狙う輩は」
「そうだ」
「黒幕……親玉は貴様か?」
「そうだ」
「てことは、君たち二人が、最後の二人?」
「そうだ」
星華とあずさ。二人の質問に、二人組の、男は一言で答えていく。
二人組のうち、一人は、白い制服にミニスカートを纏った、この少女二人と同年代らしい少女。帽子の下の美しい金髪と碧眼、白人らしい長身に加えて、天上院明日香や、アカデミアの女帝たる星華にもまるでヒケを取らない容姿とスタイルから、実年齢以上に大人びた印象を受ける美少女が、不敵に微笑みながら二人を睨んでいる。
そして、その前に立つ、もう一人。まるで軍人を思わせるような、白いコートを着込んだ壮年の男。まだまだ若々しい黒髪をオールバックにセットし、あごに生えた髭は綺麗に整えられている。かなり太い眉毛の生えた目は鋭く二人を睨み据え、壮年の渋みに加え、確かな凄みと迫力を感じさせる。
そんな二人組の、何を驚くべきかと問われれば、この全く似ていない二人組が、血のつながった親子であるという事実だろう。
もっとも、そんな事実は、二人にとってはどうでも良い。
「挨拶は抜きだ。要件は分かっているだろう?」
「決闘してもらうよ。二人とも、ここで終わりだからね」
昨夜から二人して、ずっと梓の敵を探していた。
夜が明けたところで、この島に敵はいないと考え、ならこれから外から来る。来るなら船に乗ってくるだろう。そうアタリをつけて、決闘者が集まっている島の中心部から外れて、島の端、島に一つだけある船の停泊所へやってきた。
そして、そこで待っていて、遂に見つけ出したのがこの二人組だ。
今までの連中とは違って、耳にピアスは飾っていない。それなのに、二人は同時に直感した。
こいつだ、と。私たちが戦う、最後の相手は、こいつらだ、と……
「ここは人目につくな……あそこへ移動しようか?」
そう提案したのは、今も二人と話をしている、『マッケンジー』と名乗ったこの男だ。
「決闘か。良いだろう」
二人の少女の提案に、
「……おい、貴様も構えろ」
「こっちは二人いるんだし。二対二でちょうどいいでしょう?」
そう語りかけるも、少女、『レジー・マッケンジー』は動こうとはしない。
「すまないが、君たちごときなら、私一人で十分だ」
父親のそんな発言に対して、当然二人ともが憤慨を感じた。
二人で梓を守ると決めた。その梓を狙う最後の二人が現れた。その二人を一度に倒そうと思ったら、一人は逃げようとしている。
それはもちろん、許せない。だが、真に二人を怒らせたのはそれ以上に、二対一でも勝てると嘗められている。その事実にだ。
「随分と嘗められたものだ……だがな、たとえ力ずくだろうと決闘を受けてもらうぞ」
「一人だけ逃げて梓くんのこと狙おうったって、そうはいかないんだからね」
星華は右手に拳銃を、あずさは全身から炎を噴き出して、二人を脅す。
レジーは呆れたふうにため息を吐いて、マッケンジーは変わらず笑っていた。
「ふむ……暴力に訴えるというのなら、それはそれで負ける気はしないが……良かろう。レジー、そこでジッとしていなさい」
「分かったわ。パパ……最初から逃げる気もないし、その必要もないけど。パパがこんな二人に敗けるわけがないし」
逃げることはしない。だが、あくまで決闘に参加はしない。
そのスタンスは崩さぬまま、娘は、適当な積荷の上に座り込んだ。
「どこまでも癇に障る親子だ」
「逃げないなら、もういい。順番がどうあれ、全部焦土に変えてやる」
「さあ……始めようか!!」
『決闘!!』
マッケンジー
LP:4000
手札:5枚
場 :無し
星華
LP:4000
手札:5枚
場 :無し
あずさ
LP:4000
手札:5枚
場 :無し
「ルールはバトルロイヤル。互いに最初のターンは攻撃できない。先行は私がもらう。異存はあるかね?」
「構わん。お前こそ、一対一、あるいは二対一に変えるのなら今の内だぞ」
「わたし達二人を、一度に相手にしたこと後悔したくなかったらね」
「文句はないということだな……私のターン!」
マッケンジー
手札:5→6
「さて……私から場所を変えておいてなんだが、やはり少し狭いな。見た目だけでも広くするとしよう。フィールド魔法『天空の聖域』を発動!」
男がカードを発動する。
途端、狭く薄暗い工場内が、途端に広大な世界に変わった。
上に広がる青空には雲一つない。それもそのはず、彼らは雲の上に立っているからだ。
そんな雲の上には、本来あるはずのない、建造物が建立されている。
何百年、何千年という歴史を感じさせる、白く美しい石造りの遺跡だった。
そんな遺跡と。広く澄んだ青空と。広がる雲の平原と。
全てが清らかさに満ちた、文字通りの聖域が広がった。
「『天空の聖域』……イシュさんも使ってた、天使族サポートのフィールド魔法」
「貴様、天使族使いか」
「そう……これもすぐに使っておいた方がよさそうだ。『強欲な壺』発動。カードを二枚ドロー」
マッケンジー
手札:4→6
「そして、このカードも当然知っているな? 永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』! 一ターンに一度、私のフィールドにモンスターが無い場合、手札の天使族一体を特殊召喚できる。私は手札から、『創造の代行者 ヴィーナス』を特殊召喚!」
小さくも光り輝く、黄金の翼が広がる。まるで彫像のような無機質さと、だが確かな母性と愛情に満ちた、黄金の天使が降り立った。
『創造の代行者 ヴィーナス』
レベル3
攻撃力1600
「『代行者』……確か、惑星の名前がついた天使族モンスター達だっけ?」
「なるほどな。
「どうかな……ヴィーナスの効果! ライフを500払うごとに、手札・デッキから『
マッケンジー
LP:4000→3500
男のライフが削れたと同時に、ヴィーナスのすぐ隣が光り輝く。
そんな光を発しているのは、光と同じく白く輝く、小さな、しかし聖なる球体。
『
レベル2
守備力500
「私は更に、この効果を二度使う」
マッケンジー
LP:3500→2500
『神聖なる球体』
レベル2
守備力500
『神聖なる球体』
レベル2
守備力500
「これであのカードは出尽くしたな」
「ここまでずっと特殊召喚、てことは、狙いは……」
「そう。私にはまだ、通常召喚が残っている」
言いながら、男が手札を取ったのを見て、少女二人は身構える。
「その前に、まずはこいつを発動しよう。永続魔法『冥界の宝札』。モンスター二体以上を使った生贄召喚に成功した時、私はカードを二枚ドローする……早速見せてやろう。私のモンスターをな」
続けてカードを取った時、光に包まれた聖なる聖域に、重苦しい闇が広がった。
青空は黒に包まれていき、白かった雲は、直前以上の影を作り出す。
聖域たる中心にある遺跡からは、その威光は完全に奪い去られた。
「『神聖なる球体』二体を生贄に……『
男の後ろの雲を押し上げ、巨大な光が昇ってきた。
だが、ソレには本来あるはずの、世界を包み込む優しさはなく、世界を照らす気など全く無いというように、照らすのは彼と、彼のフィールドだけ。
太陽の名を関していながら、光の世界に闇を落とし、残った光は自分達だけのものだと言わんばかりの傲慢さが、ソレの身からは溢れている。
その傲慢さそのままの、太陽には似つかわしくない、黒い身を持つ巨大なモンスター。
『
レベル10
攻撃力3000
「太陽……それがアンタの
「正しくは
「それは残念だ。ではせめて、この決闘では楽しんでもらえるよう努力をしよう……『冥界の宝札』の効果により、カードを二枚ドロー」
マッケンジー
手札:2→4
「カードを二枚伏せる。これでターンエンド」
マッケンジー
LP:2500
手札:2枚
場 :モンスター
『The supremacy SUN』攻撃力3000
『創造の代行者 ヴィーナス』攻撃力1600
『神聖なる球体』守備力500
魔法・罠
永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』
永続魔法『冥界の宝札』
セット
セット
フィールド魔法『天空の聖域』
「一ターン目からいきなり惑星のカード……」
「だが、それもさっさと除去して終わりだ。平家あずさ、まずは私が行く」
「はい、どうぞ」
「私のターン!」
星華
手札:5→6
カードをドローするなり、星華は手札の一枚をマッケンジーに投げ渡した。
「貴様の場のモンスター、太陽と金星の二体を生贄に、『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』を特殊召喚する!」
「ほぅ……」
マッケンジーは不敵な笑みを浮かべたまま、言われた通りに従う。
太陽と金星……SUNとヴィーナスの二体が光と変わり、フィールドは元の光に包まれる。直後、彼の後ろに不気味な溶岩が立ち上がった。
『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』
レベル8
攻撃力3000
「こいつの効果は分かっているな?」
「私のターンのスタンバイフェイズごとに、1000ポイントのライフダメージだったな」
「そう。こいつを特殊召喚したターン、私は通常召喚ができなくなるが……貴様の場に残った『神聖なる球体』は光属性。光属性モンスターを含む二体以上のモンスターが存在することで、手札の『A・O・J コズミック・クローザー』を特殊召喚する!」
『A・O・J コズミック・クローザー』
レベル8
攻撃力2400
「バトルロイヤルルールにより、一巡目は全てのプレイヤーは攻撃できない。永続魔法『
星華
LP:4000
手札:2枚
場 :モンスター
『A・O・J コズミック・クローザー』攻撃力2400
魔法・罠
永続魔法『機甲部隊の最前線』
セット
マッケンジー
LP:2500
手札:2枚
場 :モンスター
『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』攻撃力3000
『神聖なる球体』守備力500
魔法・罠
永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』
永続魔法『冥界の宝札』
セット
セット
フィールド魔法『天空の聖域』
「次だ、平家あずさ」
「よし……わたしのターン!」
あずさ
手札:5→6
あずさがカードをドローした瞬間……
「……え?」
再びフィールドが、暗い闇に包まれる。同時にまた、全てを独占しようとする傲慢な光がマッケンジーの場を照らした。
『The supremacy SUN』
レベル10
攻撃力3000
「え、SUNが、復活した?」
「魔神の生贄にしてやったのに……そいつの効果か?」
「そう。『The SUN』が墓地へ送られた次のターンのスタンバイフェイズ、自分フィールドに特殊召喚する。墓地へ送られた方法を問わずにな」
「太陽だけに、一度沈んでもまた昇ってくるというわけか。ご丁寧に世界を暗くしながら」
「じゃあ、墓地へ送らなきゃいいわけね。永続魔法『六武の門』、『六武衆の結束』、『紫炎の道場』!」
いつもと同じ。あずさの決闘は、これら永続魔法の発動から始まる……
「『真六武衆-カゲキ』を召喚! 三枚の永続魔法に武士道カウンターを乗せる」
『真六武衆-カゲキ』
レベル3
攻撃力200
『六武の門』
武士道カウンター:0→2
『六武衆の結束』
武士道カウンター:0→1
『紫炎の道場』
武士道カウンター:0→1
「カゲキの効果! この子の召喚に成功した時、手札のレベル4以下の『六武衆』を特殊召喚する」
「ふふ……では、このカードを使おう。手札からこいつを墓地へ捨てる」
マッケンジー
手札:2→1
マッケンジーが手札の一枚を捨てた時……
「うわあ!! なに!?」
「これは……!」
おぞましい羽音と共に、天空の広がる空間を、闇とは違う黒が包み込んだ。
無数に羽ばたくその害虫たちは、一瞬にして彼らを取り囲む。
多くの人間、特に女性は悲鳴を上げ、梓であれば、決闘そっちのけでオヤツだと飛び出すであろう光景。二人はもちろん、見ていた娘も顔をしかめた。
「相変わらず、嫌なエフェクトね……」
「『増殖するG』の効果を発動した。こいつを手札から捨てたターン、相手がモンスターを特殊召喚する度、私はカードを一枚ドローできる」
「特殊召喚する度って……」
六武衆達のデッキにとっては、天敵と言えるその効果に、あずさは顔をしかめてしまう。
だが星華は、不敵に笑った。
「どうした、平家あずさ? 奴の手札が増えるのが怖いか?」
「え、だって……」
「心配はいらん。戦っているのはお前一人ではない。この、小日向星華もいるのだ。存分にやれ」
「……」
「信じます。カゲキの効果で、チューナーモンスター『六武衆の影武者』特殊召喚!」
『六武衆の影武者』チューナー
レベル2
守備力1800
『六武の門』
武士道カウンター:2→4
『六武衆の結束』
武士道カウンター:1→2(MAX)
『紫炎の道場』
武士道カウンター:1→2
マッケンジー
手札:1→2
「チューナーか……では、ここで発動しておこうか。罠カード『デストラクト・ポーション』! 自分フィールドのモンスター一体を破壊し、その攻撃力分のライフを回復する。『The SUN』だ」
彼の宣言のもと、黒い太陽は雲の下へと沈んでいく。と同時に、フィールドがまた、元の光を取り戻した。
マッケンジー
LP:2500→5500
「このタイミングで……」
「君がこれから呼び出すシンクロモンスター。少々厄介だからな」
「こっちの手の内は丸分かりってわけね」
「考えてみれば当然だな。全て見ていたのだろう。手下達の目を通して」
「ふふ……バレているから、勝てないと諦めてくれるか?」
「まさか。全部バレてるくらいで、敗けるわけないじゃん。『六武の門』の効果! 武士道カウンターを四つ取り除いて、デッキから『真六武衆-キザン』を手札に」
『六武の門』
武士道カウンター:4→0
あずさ
手札:1→2
「更に、『六武衆の結束』の効果! このカードを墓地へ送って、武士道カウンターの数だけカードをドロー」
あずさ
手札:2→4
「二枚目の『六武衆の結束』発動。自分の場に六武衆が存在する時、手札からこの子を特殊召喚できる。『真六武衆-キザン』を特殊召喚! 場にキザン以外の六武衆が二体以上いることで、攻撃力を300ポイントアップさせる」
『真六武衆-キザン』
レベル4
攻撃力1800+300
『六武の門』
武士道カウンター:0→2
『六武衆の結束』
武士道カウンター:0→1
『紫炎の道場』
武士道カウンター:2→3
マッケンジー
手札:2→3
「いくよ……レベル3の『真六武衆-カゲキ』に、レベル2の『六武衆の影武者』をチューニング!」
「紫の獄炎、戦場に立ちて
「シンクロ召喚! 誇り高き炎刃『真六武衆-シエン』!!」
『真六武衆-シエン』シンクロ
レベル5
攻撃力2500
『真六武衆-キザン』
攻撃力1800
『六武の門』
武士道カウンター:2→4
『六武衆の結束』
武士道カウンター:1→2(MAX)
『紫炎の道場』
武士道カウンター:3→4
マッケンジー
手札:3→4
「『六武の門』から武士道カウンターを四つ取り除いて、デッキから『六武衆の師範』を手札に」
『六武の門』
武士道カウンター:4→0
あずさ
手札:2→3
「結束を墓地へ送って、カードをドロー!」
あずさ
手札:3→5
「『紫炎の道場』の効果。このカードを墓地へ送って、このカードに乗った武士道カウンターの数以下のレベルの六武衆を特殊召喚する。武士道カウンターは四つ、レベル4の『真六武衆-エニシ』を特殊召喚! 同名以外の六武衆が二体以上いるから、キザンは300、エニシは500、攻撃力がアップする」
『真六武衆-エニシ』
レベル4
攻撃力1700+500
『真六武衆-キザン』
攻撃力1800+300
『六武の門』
武士道カウンター:0→2
マッケンジー
手札:4→5
「わたしの場に六武衆が二体以上いる時、手札の『大将軍 紫炎』を特殊召喚!」
『大将軍 紫炎』
レベル7
攻撃力2500
マッケンジー
手札:5→6
「カードを二枚セット。ターンエンド」
あずさのエンド宣言で、ようやく全ての害虫が姿を消した。
あずさ
LP:4000
手札:2枚
場 :モンスター
『大将軍 紫炎』攻撃力2500
『真六武衆-シエン』攻撃力2500
『真六武衆-キザン』攻撃力1800+300
『真六武衆-エニシ』攻撃力1700+500
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:2
セット
セット
マッケンジー
LP:5500
手札:6枚
場 :モンスター
『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』攻撃力3000
『神聖なる球体』守備力500
魔法・罠
永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』
永続魔法『冥界の宝札』
セット
フィールド魔法『天空の聖域』
星華
LP:4000
手札:2枚
場 :モンスター
『A・O・J コズミック・クローザー』攻撃力2400
魔法・罠
永続魔法『機甲部隊の最前線』
セット
「さて、手札も増えた……私のターン」
マッケンジー
手札:6→7
「そしてこの瞬間、『The SUN』の効果で、墓地から特殊召喚」
男の言葉の通り、雲の下から、みたび太陽が昇る。
世界を照らすはずの太陽は、光あふれる天空から光を奪い、闇を生み出す。
『The supremacy SUN』
レベル10
攻撃力3000
「『破壊輪』が禁止カードになっていなければな……」
「おい、ラヴァ・ゴーレムのダメージ、1000ポイントを忘れるな」
星華の言った通り、男のフィールドに佇んでいた、巨人の溶岩が溶け出した。
マッケンジー
LP:5500→4500
「ついでに、利用される前に返してもらう。永続罠『洗脳解除』! こいつがある限り、全てのモンスターのコントロールは元々の持ち主に戻る。ラヴァ・ゴーレムは返してもらうぞ」
ずっとマッケンジーの後ろにいた巨人が、星華の場へ移動する。
甘え始めた巨人の顎を、星華は優しくさすってやった。
「じゃあ、こっちもエニシの効果! 一ターンに一度、墓地の六武衆二体、カゲキと影武者の二体を除外して、相手の場のモンスター一体を手札に戻す!」
「それは止めておこうか。手札の『
マッケンジー
手札:7→5
彼らの頭上に、紫色の翼の天使が現れる。彼の手に朱色の光が輝いた時、エニシの身は消滅した。
『真六武衆-キザン』
攻撃力1800
「エニシ……え、バーミリオン? そんなデクレアラーは……?」
あずさ自身は使っていなくとも、イシュの大ファンだったことで、図らずも天使族モンスターのことはある程度知っている。そんなあずさの記憶の限り、朱色に輝く宣告者の名など、聞いたことも無い。
「続けようか。私は『奇跡の代行者 ジュピター』を召喚」
オレンジ色の大きな翼。それを広げた逞しい天使が、黒い太陽の隣に降り立った。
『奇跡の代行者 ジュピター』
レベル4
攻撃力1800
「ジュピターのモンスター効果! 墓地に眠る代行者一体を除外することで、自分フィールド上の光属性、天使族モンスター一体の攻撃力を、このターンの間800ポイントアップさせる。墓地の『裁きの代行者 サターン』を除外」
橙色の天使の目の前に、紫色の天使の姿が浮かび上がった時。紫色の天使の身は橙色の身に吸収され、力を与える。
『奇跡の代行者 ジュピター』
攻撃力1800+800
「紫炎二体を越えられた……!」
「まだだ。ジュピターの更なる効果! 『天空の聖域』がフィールドにある時、手札の天使族一体を捨てることで、ゲームから除外された光属性、天使族のモンスター一体を特殊召喚できる。私は手札の『英知の代行者 マーキュリー』を捨てることで、除外された『裁きの代行者 サターン』を特殊召喚」
マッケンジー
手札:4→3
直前に頭上に広がったのと同じ、夜の闇を思わせる紫色の翼。
それと同じ色に輝く天使がフィールドに出現する。
『裁きの代行者 サターン』
レベル6
攻撃力2400
「駒は揃った。バトルだ。そしてこの瞬間、手札から速攻魔法『封魔の矢』を発動! 互いのバトルフェイズ開始時にのみ発動でき、ターン終了時まで、お互いに一切の魔法、罠カードの効果の発動はできなくなる」
「なっ……! 『真六武衆-シエン』の効果! 一ターンに一度、相手の魔法・罠カードの発動を無効にして……」
「残念だが、このカードに対して、あらゆるカード効果を発動することはできない」
「そんな……!!」
あずさが驚愕する間に、三人のフィールドに並ぶ全ての伏せカードに向かって、空から無数の矢が降り注ぐ。それらは伏せカードを貫き、それを使うことを封じてしまった。
「これで安心して攻撃できるな。まずは『裁きの代行者 サターン』で、『真六武衆-キザン』を攻撃」
紫色の翼を広げ、黒い武士に向かって振う。無数の羽根の刃に貫かれた黒の武士は、成すすべなく破壊された。
あずさ
LP:4000→3400
「続けて、ジュピターで、『大将軍 紫炎』を攻撃!」
「うぅ……」
あずさ
LP:3400→3300
「最後だ。『The SUN』で、『真六武衆-シエン』を攻撃!
黒い太陽の全身が輝き、そこから冷たくも眩い光が広がる。
それが、あずさの最強の武将を消し去った。
あずさ
LP:3300→2800
「わたしの六武衆たちが、たった一ターンで全滅……」
「くくく……カードを二枚伏せ、ターンエンド。ジュピターの攻撃力は元に戻る」
マッケンジー
LP:4500
手札:0枚
場 :モンスター
『The supremacy SUN』攻撃力3000
『裁きの代行者 サターン』攻撃力2400
『奇跡の代行者 ジュピター』攻撃力1800
『神聖なる球体』守備力500
魔法・罠
永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』
永続魔法『冥界の宝札』
セット
セット
セット
フィールド魔法『天空の聖域』
星華
LP:4000
手札:2枚
場 :モンスター
『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』攻撃力3000
『A・O・J コズミック・クローザー』攻撃力2400
魔法・罠
永続魔法『機甲部隊の最前線』
永続罠『洗脳解除』
あずさ
LP:2800
手札:2枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:2
セット
セット
「平家あずさの敷いた布陣を、こんな簡単に処理するとはな……驚いたが、このくらいやってもらわねば、私達を楽しませることなど土台無理な話よ」
「ほう……」
「せいぜい、もっと楽しませてもらおうか……私のターン!」
星華
手札:2→3
「私の時と同じだ。ラヴァ・ゴーレムのダメージを受けてもらおうか」
「分かっている……うぅ……っ」
言葉の通り、ラヴァ・ゴーレムのマグマの身が溶け出し、星華に流れ落ちる。それに、巨人は申し訳なさげに表情を沈ませるが、星華は、大丈夫だという笑みを向けた。
星華
LP:4000→3000
「いくぞ……手札のチューナーモンスター『A・ジェネクス・バードマン』の効果! 自分フィールドのモンスター一体を手札に戻し、手札のこいつを特殊召喚できる。ラヴァ・ゴーレムを手札に戻し、特殊召喚!」
星華の場の、溶岩の巨人の姿が消える。直後、小さなつむじ風が発生し、そこに緑色の鳥型の機械が現れた。
『A・ジェネクス・バードマン』チューナー
レベル3
攻撃力1400
「そして、ラヴァ・ゴーレムの効果! 貴様の場の、SUNとジュピターを生贄に、再び特殊召喚する!」
「ふむ……」
再びカードを投げ渡し、男はその言葉に従う。
姿を消す太陽と、木星。そして、光が戻った世界に再び現れる、溶岩から成る熱き巨人。
『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』
レベル8
攻撃力3000
「そして、永続罠『洗脳解除』の効果により、ラヴァ・ゴーレムのコントロールは私に戻る」
これも先ほどと同じ。男の後ろにいた巨人は、すぐさま星華の場に戻り、甘え始めた。
「バトルだ。コズミック・クローザーで、サターンを攻撃!」
「攻撃力は互角……なるほど」
不敵な笑みを浮かべながら、巨大な機械の扉の攻撃を無抵抗で受ける。
結果、土星の名を持つ紫色の天使を飲み込んだ宇宙の扉は、飲み込んだ直後にショートを起こし、爆発を起こした。
「『機甲部隊の最前線』の効果! 機械族が戦闘によって破壊され、墓地へ送られた時、私のデッキから、同じ属性で、より攻撃力の低い機械族を呼び出す。私はデッキから、攻撃力2200の『A・O・J リーサル・ウェポン』を特殊召喚する!」
『A・O・J リーサル・ウェポン』
レベル5
攻撃力2200
「リーサル・ウェポンで、『神聖なる球体』を攻撃!」
リーサル・ウェポンの赤い結晶から、高速のレーザーが放たれる。
それを受けた輝く球体は、あっさり貫かれ砕け散った。
「リーサル・ウェポンの効果! こいつが光属性モンスターを戦闘破壊したことで、カードを一枚ドローする」
星華
手札:2→3
「そして、この効果でドローしたカードがレベル4以下の闇属性なら、即座に特殊召喚できる。『A・ジェネクス・ソリッド』を特殊召喚! 守備表示だ!」
『A・ジェネクス・ソリッド』
レベル2
守備力1200
「これでモンスターはいなくなったな。続けてラヴァ・ゴーレムで、ダイレクトアタック! ゴーレム・ボルケーノ!!」
巨人の丸く巨大な口に、熱のエネルギーがたまっていく。
それが一つの塊となり、男に向かって放たれた。
「それは止めておく。罠発動『ドレインシールド』! ラヴァ・ゴーレムの攻撃を無効にし、その攻撃力分のライフを回復させてもらう」
マッケンジー
LP:4500→7500
「ち、大幅に回復させたか……『A・ジェネクス・バードマン』で攻撃!」
鳥形の小さな機械が飛んでいき、その嘴を男にぶつけた。
マッケンジー
LP:7500→6100
「バトル終了、メインフェイズだ。レベル5のリーサル・ウェポンに、レベル3の『A・ジェネクス・バードマン』をチューニング!」
星華もまた、それを執り行う。
飛び出す二体の機械。鳥は三つの星に変わり、殺戮兵器の周囲を回る……
「正しき闇より生まれし正義の
「シンクロ召喚! 起動せよ、『A・O・J ライト・ゲイザー』!!」
フィールドに巨大なリングが浮かび上がる。その中心に、巨大な円柱が現れて、そこか二本の腕が伸びる。腕の先に、ライトでできた、目のような部位、そしてリング。それら全てが光を発し、その光の強さは、あらゆるものを見つけ出すという意志の強さのよう。
その名が示す通り、『
『A・O・J ライト・ゲイザー』シンクロ
レベル8
攻撃力2400
「これが、星華さんのシンクロモンスター……」
「そう。自身の効果で特殊召喚された『A・ジェネクス・バードマン』は、フィールドを離れたことで除外される……ライト・ゲイザーの効果! こいつの攻撃力は、相手の墓地の光属性モンスターの数の200倍アップする」
「私の墓地の光属性モンスターは……八枚だな」
「更に、これはバトルロイヤルルールだ。平家あずさの墓地も対象となる」
「あ、そっか……わたしの墓地の光属性は、一枚」
『神聖なる球体』
『神聖なる球体』
『神聖なる球体』
『朱光の宣告者』
『英知の代行者 マーキュリー』
『創造の代行者 ヴィーナス』
『奇跡の代行者 ジュピター』
『裁きの代行者 サターン』
『真六武衆-エニシ』
『A・O・J ライト・ゲイザー』
攻撃力2400+200×9
「攻撃力4200! 星華さん、すごい……」
「ふふん……だが、肝心の『The SUN』は、名前の割に光属性ではないのか?」
「ああ……よく勘違いされるが、こいつは闇属性、そして悪魔族だ」
「皮肉の効いたモンスターだな。作ったものの性格がうかがえるというものだ」
「ふふ……」
「まあ、どうでもいい。私は魔法カード『機械複製術』を、攻撃力500以下の機械族、『A・ジェネクス・ソリッド』を対象に発動! デッキから、ソリッドを二体特殊召喚!」
『A・ジェネクス・ソリッド』
レベル2
守備力1200
『A・ジェネクス・ソリッド』
レベル2
守備力1200
「そんなモンスター並べて、どうするんですか?」
「こうする……魔法カード『エレメント・チェンジ』! このターンの間、全てのフィールド上のモンスターは私の指定した属性になる。私は水属性を宣言」
現在、フィールドに残っているのは、星華の場の五体のみ。その五体ともが、属性を水属性に変更された。
「ソリッドの効果! フィールド上の水属性の『ジェネクス』一体を墓地へ送ることで、カードを二枚ドローする」
「水属性のジェネクス、て、ことは……」
「そう。私は三体のソリッドの効果で、ソリッド自身を生贄に捧げ、カードを六枚ドローする」
星華
手札:0→6
「おわぁ! 手札が一気に回復した!」
「お前に驚かれても皮肉にしか聞こえんがな……私はカードを二枚伏せて、ターンエンド」
星華
LP:3000
手札:4枚
場 :モンスター
『A・O・J ライト・ゲイザー』攻撃力2400+200×9
『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』攻撃力3000
魔法・罠
永続魔法『機甲部隊の最前線』
永続罠『洗脳解除』
セット
セット
あずさ
LP:2800
手札:2枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:2
セット
セット
マッケンジー
LP:6100
手札:0枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』
永続魔法『冥界の宝札』
セット
セット
フィールド魔法『天空の聖域』
「ふーん……あれが、あの子達の使うシンクロ……」
「星華さん、すごい……」
「当然だ。一度はお前に敗れはしたが、これでも先輩なのだぞ」
「ですね……よーし、わたしもやります! わたしのターン!」
あずさ
手札:2→3
「この瞬間、墓地に眠る『The SUN』が復活する」
『The supremacy SUN』
レベル10
攻撃力3000
「怖くないよ、そんなの。魔法カード『紫炎の狼煙』! デッキから、レベル3以下の六武衆一体を手札に加える。私はデッキから、レベル3の『六武衆-ヤイチ』を手札に加える。続けて、『天使の施し』発動! カードを三枚ドローして、二枚を捨てる。罠発動『諸刃の活人剣術』! わたしの墓地に眠る六武衆を二体、特殊召喚できる。『六武衆-ヤイチ』、『真六武衆-シエン』の二体を特殊召喚!」
『六武衆-ヤイチ』
レベル3
攻撃力1300
『真六武衆-シエン』シンクロ
レベル5
攻撃力2500
『六武の門』
武士道カウンター:2→4
「ヤイチの効果! 自分の場にヤイチ以外の六武衆がいる時、相手の場のセットされた魔法・罠カード一枚を破壊できる。わたしはこの効果で、残った伏せカードの左側を破壊!」
ヤイチが弓を弾き、そこに向かって矢を放った。
「では、破壊される前に、罠カード『つり天井』。フィールド上のモンスターの合計が四体以上の場合、全てのモンスターを破壊できるが……」
「当然、『真六武衆-シエン』の効果で無効!」
表になったカードから発せられた何かを、シエンの炎が焼失させた。
「わたしの場に六武衆が存在することで、『六武衆の師範』を特殊召喚!」
『六武衆の師範』
レベル5
攻撃力2100
『六武の門』
武士道カウンター:4→6
「『六武の門』の効果! このカードに乗った武士道カウンターを二つ取り除くごとに、フィールド上の六武衆か、『紫炎』と名の付く効果モンスターの攻撃力を500アップさせる。わたしはこの効果を三回使って、シエンの攻撃力を1500アップする」
『真六武衆-シエン』
攻撃力2500+500×3
「攻撃力4000か……」
「バトル! 『真六武衆-シエン』で、『The SUN』を攻撃! 紫流獄炎斬!」
紫の炎を纏った刃を、赤い鎧の武将が振う。
それは、黒く輝く傲慢な太陽を切り裂いた。
マッケンジー
LP:6100→5100
「さすがだな……罠発動『死者の末裔』! レベル5以上のモンスターが戦闘破壊された時、デッキからレベル3以下のモンスター二体を特殊召喚する。私はデッキから、レベル3の『力の代行者 マーズ』二体を特殊召喚!」
黒い太陽が消えた直後に現れた赤い翼。
それを広げた二人の天使が、彼を守るためにフィールドに立つ。
『力の代行者 マーズ』
レベル3
攻撃力0
『力の代行者 マーズ』
レベル3
攻撃力0
「攻撃力0?」
「マーズの攻撃力と守備力は、私の場に『天空の聖域』が存在し、私のライフが君たちよりも上の場合、その数値だけ上昇させることができる」
「え……!」
「そして、これはバトルロイヤルルール。この場合、君たちのどちらか、低い方のライフポイントの差が適用される。この場合は平家あずさ、君のライフは2800。私のライフは5100。その差分、マーズの攻守をアップだ」
『力の代行者 マーズ』
攻撃力0+2300
守備力0+2300
『力の代行者 マーズ』
攻撃力0+2300
守備力0+2300
「攻撃力2300! わたしのどのモンスターでも倒せない……メインフェイズ、チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』召喚!」
『ジャンク・シンクロン』チューナー
レベル3
攻撃力1300
「『ジャンク・シンクロン』の召喚に成功したことで、墓地のレベル2以下のモンスターを、効果を無効にして特殊召喚する。『天使の施し』で捨てた、レベル1のチューナーモンスター『紫炎の寄子』を特殊召喚!」
『紫炎の寄子』チューナー
レベル1
守備力700
「レベル3の『六武衆-ヤイチ』に、レベル1の『紫炎の寄子』をチューニング……」
「集いし星が、異界の
「シンクロ召喚! 現れよ、『魔界闘士 バルムンク』!」
漆黒の鎧を纏った戦士が、身の丈ほどもある大剣を肩に、あずさの前に立ち上がった。
『魔界闘士 バルムンク』シンクロ
レベル4
攻撃力2100
「レベル5の『真六武衆-シエン』に、レベル3の『ジャンク・シンクロン』をチューニング!」
「集いし願いが、新たに輝く星となる。光差す道となれ……」
「シンクロ召喚! 飛翔せよ、『閃珖竜 スターダスト』!」
直前の黒とは対照的な、白の輝きがフィールドを照らす。
その光から、天使とは別の翼が広がり、主の命のもと、フィールドを飛翔した。
『閃珖竜 スターダスト』シンクロ
レベル8
攻撃力2500
「来たか……」
「これが……美しいドラゴンね」
「なんだ、このドラゴンは……!」
「えへへ……最近新しく手に入れました」
「まさか、お前も……?」
「……? わたしは更にカードを伏せて、ターンエンド」
あずさ
LP:2800
手札:1枚
場 :モンスター
『閃珖龍 スターダスト』攻撃力2500
『魔界闘士 バルムンク』攻撃力2100
『六武衆の師範』攻撃力2100
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:0
セット
マッケンジー
LP:5100
手札:0枚
場 :モンスター
『力の代行者 マーズ』攻撃力0+2300
『力の代行者 マーズ』攻撃力0+2300
魔法・罠
永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』
永続魔法『冥界の宝札』
フィールド魔法『天空の聖域』
星華
LP:3000
手札:4枚
場 :モンスター
『A・O・J ライト・ゲイザー』攻撃力2400+200×9
『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』攻撃力3000
魔法・罠
永続魔法『機甲部隊の最前線』
永続罠『洗脳解除』
セット
セット
「では、私のターン、ドロー」
マッケンジー
手札:0→1
「来たか……墓地より甦れ、『The SUN』!」
『The supremacy SUN』
レベル10
攻撃力3000
「これじゃあ、何度倒してもキリがない……」
「やはり、除外なりバウンスなりで、墓地以外の場所へ送るしか……」
「『The SUN』ばかりを気にしていていいのか?」
「なに?」
「私達の武器は、果たしてプラネットだけだったか?」
「まさか……!」
「『力の代行者マーズ』二体と、『The SUN』の三体を生贄に捧げる……」
再び『天空の聖域』に、黒が浮かび上がる。だがそれは、これまでの黒い太陽とはまるで別物。『The SUN』の黒は黒ではあるが、傲慢と言えども世界に広がる、黒色の確かな『光』だった。
だが、新たにフィールドに広がるそれは、傲慢だろうがあらゆる光を許さぬと、全ての光を呑み込み尽くし、自分だけいればそれでいいという絶対の意思。
傲慢以上の傲慢。傲慢という言葉すら生ぬるい。
それでも強引に言葉を当てはめるなら、支配、独占、独裁、征服……
それらを秘めて司る、あらゆる闇の具現にして頂点……
「降臨しろ! 『
それだけの闇が凝縮し、一つとなり生まれたものの姿に……
星華とあずさは、目を見張った。
『THE DEVILS AVATAR』
レベル10
攻撃力?
「え……なに、これ」
「これが、最後の邪神だと?」
マッケンジーのフィールドに現れたもの。
それは真っ黒な、球体。意思も、息吹も、意味すら感じられない、ただ真っ黒なだけの球体がそこに浮いている。
だが、そんな意味不明の存在だというのに、星華もあずさも確かに感じている。
ここまで対峙してきた二体の邪神。それらと同じ……否、それらを遥かに凌駕する、圧倒的なプレッシャーと、これから生み出される恐怖の予感……
「『邪神アバター』……こいつは、自らの形を持たぬ邪神だ」
「形を、持たない?」
「そう。『邪神アバター』は、フィールド上で最も攻撃力の高いモンスターの姿を写し取る」
男の説明を受けながら、その黒い球体は形を変え始めた。
巨大なるリング、その中心に伸びる胴体、短い両腕、そこから発するのは光ではなく、黒い影……
「ライト・ゲイザーの姿を……!?」
「そして、アバターの攻撃力は、写し取ったモンスターの攻撃力に1を加えた数値となる」
『A・O・J ライト・ゲイザー』
攻撃力2400+200×11
『THE DEVILS AVATAR』(『A・O・J ライト・ゲイザー』)
攻撃力?→4600+1
「あらゆるモンスターの攻撃力を1のみ上回るというのか……!」
「そうだ……まずは『冥界の宝札』の効果。モンスター三体を生贄に捧げたことで、カードを二枚ドローする」
マッケンジー
手札:0→2
「『天使の施し』。カードを三枚ドローし、二枚を捨てる。ほぅ……ちょうどいい。このデッキの真のエースモンスターを見せるとしよう」
「真のエース?」
「そう……手札・デッキ・墓地に眠る代行者一体をゲームから除外することで、このモンスターは特殊召喚できる。『英知の代行者 マーキュリー』をゲームから除外し……現れよ! 惑星の天使を統べる宇宙の中心、『マスター・ヒュペリオン』!」
新たな翼が広がった。
だがそれはただの翼ではなく、赤々と燃える灼熱の炎。
灼熱に包まれ現れたのは、黒い衣を纏った天使。
灼熱の熱さと。黒点のような冷たさと。それら両方を併せ持った、宇宙を統べる太陽の申し子。
『マスター・ヒュペリオン』
レベル8
攻撃力2700
『A・O・J ライト・ゲイザー』
攻撃力2400+200×10
『THE DEVILS AVATAR』(『A・O・J ライト・ゲイザー』)
攻撃力?→4400+1
「『マスター・ヒュペリオン』……これが、代行者たちの真のエース……!」
「ヒュペリオン……確か、エジプト神話のラーと同じ、ギリシア神話における太陽の神だったか?」
「ほぅ? その通り。中々詳しいな……『マスター・ヒュペリオン』の効果! 自分の墓地に眠る、光属性、天使族のモンスター一枚を除外することで、フィールド上のカード一枚を破壊できる。私は墓地の『力の代行者 マーズ』を除外し、小日向星華、君の場のライト・ゲイザーを破壊する」
火星の名を持つ赤い天使が、太陽の前に浮かび上がる。
統率せし太陽の号令のもと、飛んでいった火星は、星華の場の監視者のカードを破壊した。
「ちぃ……!」
そして、その破壊と同時に、『邪神アバター』は新たな姿を形作る。
『THE DEVILS AVATAR』(『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』)
攻撃力3000+1
「今度はラヴァ・ゴーレムか……!」
「そして、フィールドに『天空の聖域』がある時、『マスター・ヒュペリオン』の破壊効果は、一ターンに二度発動できる」
「なんだと!?」
「墓地から二枚目のマーズを除外し、平家あずさ、君の場の伏せカードを破壊する」
続けてフィールドに浮かび上がる火星の天使。
太陽の命に従い、あずさの伏せカードに向かい、破壊した。
「ミラーフォースが……!」
「ほぅ、中々な強力なカードだな。もっとも、その程度のカードで、邪神を破壊することなど、叶わないことはわかっているだろう?」
「……っ」
「バトルだ! 『邪神アバター』で、『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』を攻撃! ダークネス・ゴーレム・ボルケーノ!」
巨人の姿を模した黒い神が、姿の元となったマグマの巨人と向かい合う。
巨人の口に、エネルギーがたまった。あらゆるものを燃やし尽くす、灼熱のマグマ。
邪神の口に、エネルギーがたまった。あらゆるものを飲み込まんとする、漆黒の闇。
それらが同時に発射され、ぶつかり合って……わずか1のみ上回る攻撃が、マグマを散らし、巨人を飲み込んだ。
星華
LP:3000→2999
「くぅ……計算が面倒な数値に……!」
「ハハハハ! 気にするな。じきに慣れる」
『THE DEVILS AVATAR』(『マスター・ヒュペリオン』)
攻撃力2700+1
「今度は『マスター・ヒュペリオン』……!」
「『マスター・ヒュペリオン』で、『魔界闘士バルムンク』を攻撃! ハイペリオン・オブ・ザ・ワールド!!」
ヒュペリオンが翼を広げる。灼熱の翼がフィールドを包み込み、照らし出された光にバルムンクを飲み込んだ……
「スターダストの効果! 一ターンに一度、自分フィールドの表側表示のカード一枚を選択。選択したカードはこのターン、一度だけ戦闘および効果で破壊されなくなる。
スターダストが咆哮を上げる。それを受けたバルムンクの身が、音の障壁に包まれて、ヒュペリオンの炎から守った。
「中々やるな……だがダメージは受けてもらうぞ」
「うぅ……」
あずさ
LP:2800→2200
「永続魔法『漆黒の太陽』を発動。これでターンエンド」
マッケンジー
LP:5100
手札:0枚
場 :モンスター
『THE DEVILS AVATAR』攻撃力0+2700
『マスター・ヒュペリオン』攻撃力2700
魔法・罠
永続魔法『漆黒の太陽』
永続魔法『神の居城-ヴァルハラ』
永続魔法『冥界の宝札』
フィールド魔法『天空の聖域』
星華
LP:2999
手札:4枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
永続魔法『機甲部隊の最前線』
永続罠『洗脳解除』
セット
セット
あずさ
LP:2200
手札:1枚
場 :モンスター
『閃珖龍 スターダスト』攻撃力2500
『魔界闘士 バルムンク』攻撃力2100
『六武衆の師範』攻撃力2100
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:0
「ごめんなさい、星華さん。スターダストのこの効果、自分のモンスターしか守れなくて。今はバトルロイヤルルールだし……」
「お前が気にすることはない。心配するな」
「……」
「私のターンだ! ドロー!」
星華
手札:4→5
「この瞬間、『The SUN』が復活する。同時に、永続魔法『漆黒の太陽』の効果! 自分のモンスターが墓地から特殊召喚された時、そのモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする」
『The supremacy SUN』
レベル10
攻撃力3000+1000
「そして、アバターは新たに『The SUN』の姿を映し出す!」
『THE DEVILS AVATAR』(『The supremacy SUN』)
攻撃力4000+1
『The supremacy SUN』
攻撃力3000+1000
『マスター・ヒュペリオン』
攻撃力2700
「ふんっ……」
一人、決闘を観戦しているレジーは、モンスターの並んだ父親のフィールドを見て、鼻息を鳴らした。
「悪趣味なフィールド……」
「呆れたフィールドだ……」
決闘では、星華が男に語りかけていた。
「プラネットの太陽と言い、そのモンスター。そして、その邪神は『ラーの翼神龍』の対、黒い太陽だろう。永続魔法が『漆黒の太陽』と言い、天使、代行者というよりは、『太陽』デッキ。二つも三つも太陽を操り並べるとはな。貴様自身が太陽……この宇宙の中心にでも成り代わったつもりか?」
「そんなものに興味はない。ただ、デッキを組んでいたらこうなった。それだけのことだ」
「よく言うな。太陽を我が物に。自分が世界の中心に……貴様の傲慢さがよく表れた、分かりやすいデッキだ」
「誉め言葉と受け取っておこう。さあ、続けたまえ」
「貴様のような男が、私の梓を狙うことなど……断じて許さん!」
お疲れ~。
太陽が三つて、惑星Ziか……いや、あれは月だっけ? あんまよく覚えてねーけど。
にしても、『The supremacy SUN』。闇属性なことが未だに納得できねぇ……
書きながらそんなこと感じつつ、オリカ~。
『死者の末裔』
通常罠
自分フィールド上に存在するレベル5以上のモンスターが戦闘によって破壊された時に発動する事ができる。
自分のデッキからレベル3以下のモンスター2体を特殊召喚する。
漫画版GXにて、マッケンジーが使用。
最近だと戦闘破壊なんてとんと見なくなっちまったし、レベル5以上ともなるとより難しいけど、自爆特攻なりして決まれば中々に強力なカード。
同名とかの縛りも無いから、チューナーとそれ以外で最大レベル6シンクロ、ランク3以下のエクシーズ、リンク2以上のリンク、作中みたいなアドバンスと用途は多彩。
割かし便利なカードよね。決まれば……
そんじゃあお次、原作効果~。
『The supremacy SUN』
このカードが墓地へ送られた場合、次のターンのスタンバイフェイズ時、このカードを墓地から特殊召喚する。
破壊に限らず、とにかく墓地に送られたら次のターンに特殊召喚。
このままだと強すぎなのは分かるが、かと言ってOCGは制限つけすぎ。
何より、しつこいようだけど、百歩譲って悪魔族はともかく、闇属性ってなんだよ……
『THE DEVILS AVATAR』
神属性 邪神獣族
God over god.
Attack and defense point of Avatar equals to the point
plus 1 of that of the monster's attack point which has
the highest attack point among monsters exist on the field.
まあ、こう言うことだいや……
相手の魔法・罠は縛れない代わりに、神のカードの諸々の耐性。
でもって、攻撃力上昇は、100でなしに1ポイント。
OCGだと、二ターンも相手の行動に制限を掛けるのは、こっちには無い強い点。
あと、星華の言った通り、100でなしに1なせいで、計算がやたら面倒。
コンセプトは面白いんだけどねぇ……
以上。
ただ、敢えて言いたい。
100ではなくて、1って数字、遊戯王じゃあ浪漫な数字だと思うのは大海だけか……
つ~ことで、例によって、後半へぇ~続く。
それまで待ってて。